寝取られVRMMO~ヤリサーにチン負けした彼女たち~

第三世界(うたかたとわ)

文字の大きさ
2 / 11

DCO開始一ヶ月目の出来事

しおりを挟む
 

「えい!」


 DCOを初めて1ヶ月が経つ。VRMMO内にフルダイブしてモンスターと戦うことにも、ボクたちは慣れ始めていた。


 VRMMO初心者だったボクたちは三人でパーティーを組んで、少しずつ攻略を進めている。そしてようやく、第三の街まで到達した。


 第三の街はいわゆる交通の要所で、攻略の最前線からエンジョイ勢のための歓楽都市などにつながる重要な場所だ。


 この街にたどり着くことがいわゆるDCO内での初心者脱出の証であり、他のプレイヤーと最低限の交流を持てるようになるスタート地点でもある。


 しかし他のプレイヤーと交流を持てるようになることは、いいことばかりではない。たちの悪いプレイヤーにも、声をかけられる可能性があるということだ。


 今のボクたちは、ナンパ目的で近づいてきた男三人組のプレイヤーにしつこく絡まれてしまっていた。


「ねえ、いーじゃん。これからデートしようよ!こうしてゲームしてるってことは、君たち暇なんでしょ?俺たちと楽しいことしようぜ」


「ボクたちは攻略したいクエストがあるんで、やめてください!」


「お前には、聞いてねーよ!」


 しつこいナンパを繰り返す男たちにボクが声をかけても、彼らはいっこうに去ろうとはしない。どうやら彼らはつきまといをしていれば、諦めたボクたちが言いなりになると考えているようだ。


 そんな迷惑行為にうんざりしていると、ボクたちを助けてくれる割り込みが入った。VRMMO内の秩序を守る、都市警備騎士がやってきたのだ。どうやら誰かが、彼らの迷惑行為を通報してくれたらしい。重厚な鎧を身にまとったNPCが、ボクたちに絡むプレイヤーに注意をし始める。


「君たち、やめなさい」


「ああ!NPCが調子こくな!」


 このゲーム内でチート級に強いと言われている警備騎士に対し、ボクたちをナンパしている男たちがいきり立っていた。彼らのその様子を見ていた他のプレイヤーは、一斉に笑い出すことになる。


「おいおい、死んだわ。あいつら」


「ありゃ、ペナルティーで牢屋行きだな」


 そんなつぶやきが聞こえた直後、ボクたちをナンパしていた三人組は一瞬でキルされることになった。あっという間だった。さすが、チートと言われるNPCである。


「迷惑行為がありましたら、すぐに運営にお知らせください」


 丁寧な態度に変わったNPC騎士が、ボクたちにそう声をかけてその場を去っていく。そして迷惑行為が終わったことに興味を失ったのか、集まっていた野次馬たちもぞろぞろと自分たちのクエストに出発していった。


「嫌な人たちだったね」


「私たちが、あんな男たちと遊ぶわけないじゃない!」


「そうね。私たちはシノブと遊びたくて、一緒にいるわけだし」


 学校中の男子生徒からモテまくっているリオンとチナツの二人に、そう言われると悪い気はしない。気を取り直したボクたちも、クエストへと出発していく。


 それに、男なんかになびかないと宣言をしている二人が誇らしかった。彼女たちは、他の男の子と遊ぶよりもボクと一緒に過ごすことを選んでくれている。それを聞いて、ボクはさらに二人のことが好きになった。最高にかわいい、幼なじみと妹だ。


「さて、気を取り直してクエストに出発しましょ」


 こうしたトラブルはあったが、その後は特に迷惑な事件に巻き込まれることはなく、ボクたちのVRMMO生活はまったりと進んでいくことになる。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

処理中です...