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ネルの街

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ホープの街を出た俺達は、次にネルの街を訪れた。この街は何の変哲もない普通の街だ。俺達はこの町でしばらく遊ぶことにする。この街での活動の基盤として目をつけたのはオルト商会だ


オルト商会はネロの街で一番大きい商会で、誠実な経営で知られていた。だから俺はこの紹介をターゲットに選んだ


オルト商会を取り仕切るのは、若い女店主のジャンヌだ。先代の父親が病気で亡くなり、最近、商会の後を継いだ。彼女は茶髪のショートヘアーに、意志の強い茶色の瞳を持つ26歳だ。旦那もいる。胸はBカップ


俺はこの女店主に近づいていくことにする。今回はシンプルな作戦でいこう。オルト商会に買い物客として出向き、そこで商品を盗むふりをして冤罪をわざと受けるのだ


案の定、誠実な経営で知られているオルト商会は、女店主であるジャンヌ自らが俺に謝罪に来る。でもここで俺は難癖をつけたりはしない。気のいいやつのフリを続け、商会から受けた冤罪を許してやる


それから俺は毎日のように、彼女の罪悪感を刺激していく。オルト商会へと頻繁に買い物へ行くだけでいい。俺に対して罪悪感のあるジャンヌは、来店した俺を見かけるたびに挨拶をしてくれる。しかしここでも俺は、好青年のように彼女に優しく声をかけ、逆に彼女の罪悪感を溶かしていく方向へと会話を誘導していく


俺の働きかけにより彼女の罪悪感が消えた頃、俺達の関係は次の段階へと進む。罪悪感が消えたことで、彼女から俺への信頼が生まれたのだ。彼女と俺は楽しく会話をする仲になり、そして旦那がいるのにも関わらずに、彼女と俺は二人きりで食事をするようになった


そこでも俺は好青年のふりを続ける。旦那の人柄を褒め、彼女の人柄を褒めた。気を良くした彼女の惚気も聞いてやる。共感も忘れない。そうやってまずは彼女の心を溶かしていく


人間関係というのは良いところばかりではない。必ず悪い部分もある。どんなに仲のいい夫婦でもだ。俺はそのわずかな隙間に入り込み、彼女と夫との信頼を壊していく


彼女と俺との会話が変化していく。あれだけ惚気ていた彼女の言葉に、少しずつ旦那へのぐちが混じり始めた。俺は旦那の悪い部分に同情するように、ジャンヌは何も悪くないと共感し、たぶらかしていく


次第に、彼女たち夫婦の間で喧嘩が増えてきたようだ。その相談を受けながらも俺はジャンヌに同情し、彼女の女心を満足させていく。彼女の心が段々と、俺に傾いていくのが分かった


そんな俺達の姿を見て、旦那は俺と彼女との浮気を疑っているようだ。ククッ。残念だったな。今はいくら探しても俺達の浮気の証拠は見つけられないぞ。それはこれからすることだからだ


そしてついに、俺とジャンヌはセックスをする仲となった。彼女は俺の用意した慰めと慈しみと、情熱の混ざった雰囲気に流されてしまう。今回だけ、今だけ、そう言い訳をしながら、彼女は俺と体を重ねた。これで彼女の心を壊すことができる


一度彼女とセックスをした後、俺は彼女の心をさらに追い詰めるために、しばらく彼女とは誠実な関係を維持していく。性的なアピールは一切出さない。清い距離を絶対に保っていく。彼女と俺の間に、簡単に超えられないような強い境界線を引くことで、彼女の心に寂しさを積み上げていく


彼女は夫への罪悪感と、流されてセックスをしてしまったために、俺との楽しい関係が壊れてしまったという寂しさと自己嫌悪によって、ひどく悩んでいた。そしてどんどん悪くなっていく夫婦仲が触媒となり、彼女の心の中で、俺との思い出がどんどんと美化されていく


彼女の心が限界を迎えそうな頃を見計らって、俺は物陰で彼女を熱く強く抱きしめた。ここが勝負どころだ。…どうやら堕ちたようだ。彼女も情熱的に俺を強く抱きしめ返してくる。俺達は熱い口づけを交わした


「旦那は私を信じてくれないの!ひどいと思わない?」


彼女はそう俺に相談をしながら、ベッドで腰を振っていた。ククッ。馬鹿な女だ。俺は彼女に同情をしながらセックスを続けていく


そこからは彼女の倫理観を壊していく。物陰に隠れてキスをしたり、旦那の近くで彼女にフェラをしてもらう。こうやってスリルと興奮を味合わせて、彼女を俺とのセックスに溺れさせるのと同時に、彼女の心の中に残っている旦那の尊厳を奪っていくのだ。旦那は無能。彼女の心にそう思い込ませる


遊びで、ジャンヌの口内に俺の精液の匂いを残したまま、旦那と会話をさせたりもしたな。今、旦那と夫婦の会話をしている彼女の体内には、ついさっき俺の精液が注がれたばかりだ。ククッ。バカな旦那だ。妻の変化に何も気付かない。それじゃ愛想を尽かされて当然だ


旦那にとって大切なのは自分だけで、妻のことは何とも思っていないのだろうな。旦那は自分がいい人だと周りに思われたいから、妻を愛する振りをして、妻を大切にするふりをしている


彼女の夫が選んだのは、自分が誰かからいい人だと思われることであって。ジャンヌを手に入れることではない。誠実なジャンヌの旦那になることが、自分がいい人間であるという周りへの証明になると考えただけだ。もっともそれは無意識の範囲でだが。旦那は、自分は本当にジャンヌを愛していると考えていることだろう。しかしそれは彼女への愛ではなく、彼女が持つステータスへの依存だ


俺はジャンヌを手に入れようとした。旦那は自分がジャンヌにいい人だと思われたかった。だから俺に彼女を奪われたんだ


もう、彼女は俺とのセックスに溺れ、旦那のモノじゃ満足できない女になった。俺に依存をしきった彼女の心を壊すのは、簡単だった


(あっという間だったな…)


俺は今、オルト商会の執務室でジャンヌとセックスをしている。彼女の意思が強く輝いていた、あの茶色の瞳は今、トロンとした快楽で濁っている。彼女の瞳にはもう、彼女という人間の象徴であった意志の強さは宿っていない。これは俺に媚び、誘惑をするメスの瞳だ


旦那は商品の仕入れに隣町まで出かけており、不在だ。旦那は仕入れの帰り道に、ジャンヌとの仲直りのために何かプレゼントを用意するつもりらしい。どれだけいい人な自分が好きなんだ。彼女と喧嘩をしてでも、会話するほうが先決だろう。だから、俺に彼女を取られてセックスレスになり、自分で自分を慰めることになるんだ。ああ、自分が大好きだからそれで良いのか


ククッ。お前がどうやって妻と仲直りするかを計画している間に、お前の妻はどうやって俺と浮気するかを計画していたようだぞ。お前がいい冷却期間になり、夫婦が仲直りするチャンスだと捉えた仕入れの旅は、妻にとっては、俺と浮気をするチャンスだったみたいだな


働き者だったジャンヌは最近、商会の者に業務を任せ、日中は俺とのセックスに溺れるようになっていた。旦那がいるから夜は中々会えないのだ。彼女は仕事よりも旦那よりも、俺とのセックスを最優先にして行動をするようになった


ゲームに勝利をした俺は、魔法を使って彼女の無意識に、俺に隷属をしたくてたまらないような暗示をかける。彼女はそれを自分の意志だと思い、行動をし続けるだろう


こうして着々と、この街で俺が遊ぶための基盤ができていく

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