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トワイライト・ラブ(陽炎)
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美紀は、仕事で忙しそうに日々を過ごしていた。
何気ない日常のメールのやり取りをして、三か月ほど経った頃、英一はふと美紀の住む奈良に行って見たいと思った。
奈良もゆっくり見たことが無かったし、こんな機会でしか行けないと思った。
英一は、美紀に都合を聞いた。美紀が喜んでいる状況が手に取るように解った。
「ありがとう。来てくれるならとても嬉しい」と、言った。
「じゃ、行く日にちが決まったら連絡します」
英一の奈良の記憶が、若い時に仕事を兼ねて行ったらしくあいまいだったが、せっかくの機会なので、修学旅行気分で観光でもしようと思っていた。
夏休みシーズンなので、新幹線もほぼ満員だったが、奈良駅も人込みで混んでいた。
約束の時間に、改札で美紀は笑顔で待っていた。二人は想いがこみ上げて来るのを我慢した。
駅からタクシーに乗って、案内は美紀に任せた。
最初に、春日大社へと向いながら、二人を目を見合わせて我慢できずタクシーの後ろで少し倒れこんで軽く口づけを交わした。
朱塗りの回廊、灯籠が連なる参道、木々の匂い。歩きながら、かつて来た記憶が蘇ってきた。8月の奈良はとても暑い。
「次は、もう来られないと思うので、やっぱり来て良かったですよ」と、言って
自分と一緒にいるこの時間は、彼女の人生のほんの一部に過ぎないことを自覚していたが、この一瞬一瞬が、英一にはかけがえのないものに思えた。
次に東大寺へ。大仏殿の広い空間に立つと、自然と口数は減った。は静かに手を合わせ、
「このまま時が止まってくれたらええのに」と、ぽつりと呟いた。
夕闇が近づいて来て、猿沢池に立ち寄った。少しだけ涼しくなって、池越しに見える興福寺の五重塔が水面に揺れていた。二人は池の畔のベンチに腰掛け、英一は繋いでいる手を強く握った。
美紀は「今日、帰らなければならないのね。」と、どちらとも言えない言葉を、ぽつりと言った。
英一は、黙って答えなかった。返す言葉が見つからなかった。ただ彼女の手のぬくもりを感じながら、その静かな沈黙の中に想いを込めた。
歩きながら、適当なホテルに急いで入った。
昼間の日中は暑くて、お互いに汗をかいていたにも拘らず、二人構わず抱き合ってベッドに倒れこんだ。
心が、解き放されたように抱き合って、何度も口づけを交わした。
ふと、窓を見ると、少し差し込む月明かりが見えて、英一は落ち着きを取り戻した。英一は
「かなり歩いたから、シャワーを浴びましょうか」
「今日は、先にシャワーを浴びてください」と言ったら、
「はい、お先に」と言って、バスルームに入った。
しばらくして、英一もバスルームに入った。
美紀は驚いて「いや、」と言ったが、近づいて抱きしめると観念したように英一に抱きついて、唇を求めて来た。
英一も美紀をやさしく抱き寄せると、美紀の身体も+英一に慣れてきたようで敏感に応えた。
「こんな日が、あるんやったら、これまで生きてきて良かったわ」と、美紀がそう呟いたとき、英一の胸にザワザワと変な衝動が芽生えた。
でも、それを口に出すことは出来なかった。ただ静かに抱き寄せて、ベッドに移動した。そして、今日はゆっくりと全身を愛撫した。
その度に、美紀は声を出して何度も身体をよじった。
奈良に来て、かなり歩いたこともあり、二人はいつの間にか少し眠ってしまった。
二人の短い時間はあっという間に過ぎていった。美紀は天理の自分の家に帰って行かなければならない。
急いで、支度して部屋を出る時、もう一度強く抱きあって抱擁を交わし、ホテルを後にして駅に急いだ。
奈良駅ではお互い笑顔で別れて見送ったが、美紀はうっすらと泣いている様な気がした。
見送った後で、こちらに来たついでに前から思っていた大阪の知人に連絡してみた。知人は驚いていたけど、是非来て欲しいと歓迎してくれた。
まあ、リタイアすると暇なのでこの様な事もあって、それなりに忙しいのだ。
幸い、電車がまだあったので、大阪に向かった。
翌日の午後、大阪から新幹線に乗って、奈良での美紀の事を想いながら藤沢に着いた。
美紀からは、奈良では
「とても幸せな時間で楽しかった」
「英一さんと出会ってから、ズーット幸せが続いているので、ありがとう」と、メールに書いてあった。
美紀からのとあるメール
「最初から、英一さんの事が気になっていて、ソフィア王妃センターで声をかけたのが最初で、そして、更に友達の応援もあって旧市街でまた声をかけ、英一さんと近づきになりたかった」のだと言った。
英一は、随分積極的にアプローチされたものだと思った。もう70歳近いので自分からはあまり積極的に話さない様にしていたので、油断していたのかもしれない。
改めて、女性は幾つになっても凄いなあ~と思った。 そして、美紀のアプローチによって、英一も久しぶりの恋に落ちたのだった。
何気ない日常のメールのやり取りをして、三か月ほど経った頃、英一はふと美紀の住む奈良に行って見たいと思った。
奈良もゆっくり見たことが無かったし、こんな機会でしか行けないと思った。
英一は、美紀に都合を聞いた。美紀が喜んでいる状況が手に取るように解った。
「ありがとう。来てくれるならとても嬉しい」と、言った。
「じゃ、行く日にちが決まったら連絡します」
英一の奈良の記憶が、若い時に仕事を兼ねて行ったらしくあいまいだったが、せっかくの機会なので、修学旅行気分で観光でもしようと思っていた。
夏休みシーズンなので、新幹線もほぼ満員だったが、奈良駅も人込みで混んでいた。
約束の時間に、改札で美紀は笑顔で待っていた。二人は想いがこみ上げて来るのを我慢した。
駅からタクシーに乗って、案内は美紀に任せた。
最初に、春日大社へと向いながら、二人を目を見合わせて我慢できずタクシーの後ろで少し倒れこんで軽く口づけを交わした。
朱塗りの回廊、灯籠が連なる参道、木々の匂い。歩きながら、かつて来た記憶が蘇ってきた。8月の奈良はとても暑い。
「次は、もう来られないと思うので、やっぱり来て良かったですよ」と、言って
自分と一緒にいるこの時間は、彼女の人生のほんの一部に過ぎないことを自覚していたが、この一瞬一瞬が、英一にはかけがえのないものに思えた。
次に東大寺へ。大仏殿の広い空間に立つと、自然と口数は減った。は静かに手を合わせ、
「このまま時が止まってくれたらええのに」と、ぽつりと呟いた。
夕闇が近づいて来て、猿沢池に立ち寄った。少しだけ涼しくなって、池越しに見える興福寺の五重塔が水面に揺れていた。二人は池の畔のベンチに腰掛け、英一は繋いでいる手を強く握った。
美紀は「今日、帰らなければならないのね。」と、どちらとも言えない言葉を、ぽつりと言った。
英一は、黙って答えなかった。返す言葉が見つからなかった。ただ彼女の手のぬくもりを感じながら、その静かな沈黙の中に想いを込めた。
歩きながら、適当なホテルに急いで入った。
昼間の日中は暑くて、お互いに汗をかいていたにも拘らず、二人構わず抱き合ってベッドに倒れこんだ。
心が、解き放されたように抱き合って、何度も口づけを交わした。
ふと、窓を見ると、少し差し込む月明かりが見えて、英一は落ち着きを取り戻した。英一は
「かなり歩いたから、シャワーを浴びましょうか」
「今日は、先にシャワーを浴びてください」と言ったら、
「はい、お先に」と言って、バスルームに入った。
しばらくして、英一もバスルームに入った。
美紀は驚いて「いや、」と言ったが、近づいて抱きしめると観念したように英一に抱きついて、唇を求めて来た。
英一も美紀をやさしく抱き寄せると、美紀の身体も+英一に慣れてきたようで敏感に応えた。
「こんな日が、あるんやったら、これまで生きてきて良かったわ」と、美紀がそう呟いたとき、英一の胸にザワザワと変な衝動が芽生えた。
でも、それを口に出すことは出来なかった。ただ静かに抱き寄せて、ベッドに移動した。そして、今日はゆっくりと全身を愛撫した。
その度に、美紀は声を出して何度も身体をよじった。
奈良に来て、かなり歩いたこともあり、二人はいつの間にか少し眠ってしまった。
二人の短い時間はあっという間に過ぎていった。美紀は天理の自分の家に帰って行かなければならない。
急いで、支度して部屋を出る時、もう一度強く抱きあって抱擁を交わし、ホテルを後にして駅に急いだ。
奈良駅ではお互い笑顔で別れて見送ったが、美紀はうっすらと泣いている様な気がした。
見送った後で、こちらに来たついでに前から思っていた大阪の知人に連絡してみた。知人は驚いていたけど、是非来て欲しいと歓迎してくれた。
まあ、リタイアすると暇なのでこの様な事もあって、それなりに忙しいのだ。
幸い、電車がまだあったので、大阪に向かった。
翌日の午後、大阪から新幹線に乗って、奈良での美紀の事を想いながら藤沢に着いた。
美紀からは、奈良では
「とても幸せな時間で楽しかった」
「英一さんと出会ってから、ズーット幸せが続いているので、ありがとう」と、メールに書いてあった。
美紀からのとあるメール
「最初から、英一さんの事が気になっていて、ソフィア王妃センターで声をかけたのが最初で、そして、更に友達の応援もあって旧市街でまた声をかけ、英一さんと近づきになりたかった」のだと言った。
英一は、随分積極的にアプローチされたものだと思った。もう70歳近いので自分からはあまり積極的に話さない様にしていたので、油断していたのかもしれない。
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