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「……嘘でしょう?」
翌日の午後。
ベルンシュタイン公爵邸の図書室に、わたくしカテリーナの絶望的な声が響きました。
重厚な本棚に囲まれた静寂な空間。
その中央にある執務机で、アレクセイ様が眉間に皺を寄せて一枚の羊皮紙を睨んでいます。
「事実だ。今朝、王宮にガレリア王国から正式な打診があった」
アレクセイ様は羊皮紙を指先で弾きました。
「『我が国の第二王女ソフィアと、貴国の王太子フレデリック殿下の婚姻を希望する。持参金として、レアメタル鉱山の採掘権を譲渡する』……とな」
「鉱山……!?」
わたくしは目眩がしました。
ソフィア王女、本気です。
「輝くもの」を手に入れるためなら、国の財産すら切り崩す覚悟です。
昨日の「狂信者になれますか?」という脅しなど、彼女の収集癖(物欲)の前では無意味だったようです。
「金に目がくらんだ上層部は、揺れているらしい。『王太子妃はイザベラで内定しているが、国益を考えればソフィア王女も……』とな」
「なんて現金な! プライドはないのですか、この国は!」
「ないな。万年財政難だからな」
アレクセイ様は冷たく言い放ちました。
「このままでは、イザベラの婚約は白紙撤回。ソフィア王女が新・王太子妃となり、イザベラは泣き寝入り。……そして」
「そして?」
「王太子は『やはり僕の本当の理解者はカテリーナだ』とか言い出して、お前を側室、あるいは第二夫人として迎え入れようとするだろう」
「ギャーーース!!」
わたくしは奇声を上げました。
聖女にあるまじき悲鳴ですが、構っていられません。
側室!?
愛人のようなポジションで、あのナルシストの相手をする!?
正妃がソフィア王女なら、彼女のコレクション自慢にも付き合わされる未来が確定です。
地獄。
阿鼻叫喚の地獄絵図です。
「嫌です! 絶対に嫌です! わたくしは田舎でスルメを齧って暮らすのです!」
「なら、動くしかないな」
アレクセイ様が立ち上がり、手招きしました。
「こっちへ来い。作戦会議だ」
「は、はい!」
わたくしは慌てて彼のそばへ行きました。
アレクセイ様は巨大なソファに座り、膝の上に広げた資料を指差します。
「ソフィア王女の弱点と、イザベラの勝機を探る。……これを見ろ」
それは、ガレリア王国の情勢とソフィア王女の行動履歴が記された極秘資料でした。
さすが宰相閣下、仕事が早いです。
「いいか、ソフィア王女は『飽きっぽい』のが最大の欠点だ。手に入れた瞬間は愛でるが、輝きを失えばすぐに興味をなくす」
「つまり、殿下が『輝かなく』なればいいと?」
「物理的に光を消すわけにはいかん。……逆に、イザベラには『継続性』がある。一度好きになったら執念深い」
「(聞こえが悪いですけど)一途ということですね」
「そうだ。今回の勝負、鍵を握るのは『王太子の心をどちらが掴んで離さないか』ではない。『王太子自身に、どちらが自分にとって不可欠かを選ばせる』ことだ」
アレクセイ様が資料の文字を指でなぞります。
わたくしはそれを覗き込むために、身を乗り出しました。
「ふむふむ……殿下は『自分が一番』ですから、自分を一番気持ちよくさせてくれる方を選びますわよね」
「ああ。ソフィア王女は『称賛』はするが、『奉仕』はしない。彼女はお姫様だからな、自分が尽くされることを望む」
「対してイザベラ様は、殿下のためなら影にすらなります」
「そこだ」
アレクセイ様が顔を上げました。
その瞬間。
「……っ!」
鼻先が触れそうな距離に、彼の整った顔がありました。
わたくしが身を乗り出しすぎていたせいです。
青い瞳が、至近距離でわたくしを捉えています。
「こ、公爵様……?」
「……カテリーナ。お前、いい匂いがするな」
「は、はい?」
作戦会議中ですよね?
なぜ今、匂いの話を?
アレクセイ様は退くどころか、さらに距離を詰めました。
ソファの背もたれと、彼の広い胸板の間に挟まれます。
逃げ場がありません。
「ル・ミエルのバニラの香りか? それとも……お前自身の香りか?」
「た、多分、さっき食べたシュークリームの残り香です! わたくし自身は無臭です! むしろ加齢臭がするかもしれません!」
「嘘をつけ。十八の娘から加齢臭がしてたまるか」
アレクセイ様が低く笑い、わたくしの耳元に唇を寄せました。
ゾクッ。
背筋に電流が走ります。
甘い吐息が、耳をくすぐります。
「……なぁ、カテリーナ。お前は本当に面白い」
「そ、そうですか……?」
「これほど切羽詰まった状況でも、自分の保身のために必死に頭を回す。その『悪知恵』……いや、『生存本能』の逞しさに、俺は惹かれているのかもしれん」
「ひ、惹かれる……?」
心臓が早鐘を打ち始めました。
これは、動悸?
息切れ?
それとも……?
「協力してくれ。イザベラのためだけじゃない。俺が、お前を手放したくないからだ」
「……っ!!」
「お前が王太子の側室になどなったら……俺が王宮ごと焼き払ってしまいそうだ」
物騒!
物騒ですが、その声色は冗談には聞こえませんでした。
熱を帯びた、独占欲の塊のような響き。
わたくしの顔が、カッと熱くなります。
これまで数々の修羅場を「聖女の仮面」で乗り切ってきましたが、今のわたくしは、ただの初心な少女の反応しかできません。
「こ、公爵様、あの、顔が……近いです……」
「……嫌なら突き飛ばせ」
「突き飛ばせません……(公爵様がお強そうで)」
「なら、受け入れろ」
アレクセイ様の手が、わたくしの腰に回りました。
ギュッと引き寄せられ、身体が密着します。
硬い筋肉の感触と、彼の体温が伝わってきて、頭がクラクラしました。
「……今回の作戦が成功したら、褒美をやる」
「ほ、褒美……?」
「ああ。お前が欲しがっていた『最高級の羽根布団』と……俺からの『特別な口づけ』だ」
「ふ、布団は欲しいですけど、後半は結構です!」
「拒否権はないと言ったはずだが?」
アレクセイ様は意地悪く微笑むと、チュッとわたくしの耳朶に口づけました。
「ひゃうっ!?」
変な声が出ました。
わたくしは真っ赤になって、彼を押し(ようとしましたがビクともせず)ました。
「さあ、作戦の続きだ。……顔が赤いぞ、参謀殿?」
「う、うるさいです! 部屋が暑いだけです!」
わたくしは必死に資料に目を落としましたが、文字が踊って全く頭に入ってきません。
隣に座る「氷の公爵」の体温が、熱すぎて。
(なんなのですか、この展開はーっ!!)
「イザベラ様を勝たせる」というミッションの裏で、わたくし自身の心臓が「公爵様の魅力に負ける」という別の危機が進行していることに、わたくしは気づかないふりをするので精一杯でした。
「……とりあえず、イザベラ様には『殿下の胃袋を掴む』作戦を実行させましょう」
「ほう。料理か?」
「はい。ソフィア王女は料理などしません。家庭的な一面で差をつけるのです」
「なるほど。だがイザベラの料理は……炭製造機だぞ?」
「そこはわたくしが、命懸けでサポートします!」
わたくしは宣言しました。
これ以上、この密着空間にいたら、わたくしの心臓が持ちません。
早く現場に出て、物理的に距離を取らねば!
「頼もしいな。……では、頼んだぞ、俺の『可愛い共犯者』」
アレクセイ様が解放してくれたのは、それから十分後。
わたくしは逃げるように図書室を飛び出しました。
扉の向こうで、わたくしは熱い頬を手で仰ぎました。
(……心臓に悪い。本当に悪いですわ、あの公爵様!)
平穏な老後への道は、なぜこうもドキドキするイベントで舗装されているのでしょうか。
わたくしは大きく深呼吸をして、次なる戦場(キッチン)へと向かうのでした。
翌日の午後。
ベルンシュタイン公爵邸の図書室に、わたくしカテリーナの絶望的な声が響きました。
重厚な本棚に囲まれた静寂な空間。
その中央にある執務机で、アレクセイ様が眉間に皺を寄せて一枚の羊皮紙を睨んでいます。
「事実だ。今朝、王宮にガレリア王国から正式な打診があった」
アレクセイ様は羊皮紙を指先で弾きました。
「『我が国の第二王女ソフィアと、貴国の王太子フレデリック殿下の婚姻を希望する。持参金として、レアメタル鉱山の採掘権を譲渡する』……とな」
「鉱山……!?」
わたくしは目眩がしました。
ソフィア王女、本気です。
「輝くもの」を手に入れるためなら、国の財産すら切り崩す覚悟です。
昨日の「狂信者になれますか?」という脅しなど、彼女の収集癖(物欲)の前では無意味だったようです。
「金に目がくらんだ上層部は、揺れているらしい。『王太子妃はイザベラで内定しているが、国益を考えればソフィア王女も……』とな」
「なんて現金な! プライドはないのですか、この国は!」
「ないな。万年財政難だからな」
アレクセイ様は冷たく言い放ちました。
「このままでは、イザベラの婚約は白紙撤回。ソフィア王女が新・王太子妃となり、イザベラは泣き寝入り。……そして」
「そして?」
「王太子は『やはり僕の本当の理解者はカテリーナだ』とか言い出して、お前を側室、あるいは第二夫人として迎え入れようとするだろう」
「ギャーーース!!」
わたくしは奇声を上げました。
聖女にあるまじき悲鳴ですが、構っていられません。
側室!?
愛人のようなポジションで、あのナルシストの相手をする!?
正妃がソフィア王女なら、彼女のコレクション自慢にも付き合わされる未来が確定です。
地獄。
阿鼻叫喚の地獄絵図です。
「嫌です! 絶対に嫌です! わたくしは田舎でスルメを齧って暮らすのです!」
「なら、動くしかないな」
アレクセイ様が立ち上がり、手招きしました。
「こっちへ来い。作戦会議だ」
「は、はい!」
わたくしは慌てて彼のそばへ行きました。
アレクセイ様は巨大なソファに座り、膝の上に広げた資料を指差します。
「ソフィア王女の弱点と、イザベラの勝機を探る。……これを見ろ」
それは、ガレリア王国の情勢とソフィア王女の行動履歴が記された極秘資料でした。
さすが宰相閣下、仕事が早いです。
「いいか、ソフィア王女は『飽きっぽい』のが最大の欠点だ。手に入れた瞬間は愛でるが、輝きを失えばすぐに興味をなくす」
「つまり、殿下が『輝かなく』なればいいと?」
「物理的に光を消すわけにはいかん。……逆に、イザベラには『継続性』がある。一度好きになったら執念深い」
「(聞こえが悪いですけど)一途ということですね」
「そうだ。今回の勝負、鍵を握るのは『王太子の心をどちらが掴んで離さないか』ではない。『王太子自身に、どちらが自分にとって不可欠かを選ばせる』ことだ」
アレクセイ様が資料の文字を指でなぞります。
わたくしはそれを覗き込むために、身を乗り出しました。
「ふむふむ……殿下は『自分が一番』ですから、自分を一番気持ちよくさせてくれる方を選びますわよね」
「ああ。ソフィア王女は『称賛』はするが、『奉仕』はしない。彼女はお姫様だからな、自分が尽くされることを望む」
「対してイザベラ様は、殿下のためなら影にすらなります」
「そこだ」
アレクセイ様が顔を上げました。
その瞬間。
「……っ!」
鼻先が触れそうな距離に、彼の整った顔がありました。
わたくしが身を乗り出しすぎていたせいです。
青い瞳が、至近距離でわたくしを捉えています。
「こ、公爵様……?」
「……カテリーナ。お前、いい匂いがするな」
「は、はい?」
作戦会議中ですよね?
なぜ今、匂いの話を?
アレクセイ様は退くどころか、さらに距離を詰めました。
ソファの背もたれと、彼の広い胸板の間に挟まれます。
逃げ場がありません。
「ル・ミエルのバニラの香りか? それとも……お前自身の香りか?」
「た、多分、さっき食べたシュークリームの残り香です! わたくし自身は無臭です! むしろ加齢臭がするかもしれません!」
「嘘をつけ。十八の娘から加齢臭がしてたまるか」
アレクセイ様が低く笑い、わたくしの耳元に唇を寄せました。
ゾクッ。
背筋に電流が走ります。
甘い吐息が、耳をくすぐります。
「……なぁ、カテリーナ。お前は本当に面白い」
「そ、そうですか……?」
「これほど切羽詰まった状況でも、自分の保身のために必死に頭を回す。その『悪知恵』……いや、『生存本能』の逞しさに、俺は惹かれているのかもしれん」
「ひ、惹かれる……?」
心臓が早鐘を打ち始めました。
これは、動悸?
息切れ?
それとも……?
「協力してくれ。イザベラのためだけじゃない。俺が、お前を手放したくないからだ」
「……っ!!」
「お前が王太子の側室になどなったら……俺が王宮ごと焼き払ってしまいそうだ」
物騒!
物騒ですが、その声色は冗談には聞こえませんでした。
熱を帯びた、独占欲の塊のような響き。
わたくしの顔が、カッと熱くなります。
これまで数々の修羅場を「聖女の仮面」で乗り切ってきましたが、今のわたくしは、ただの初心な少女の反応しかできません。
「こ、公爵様、あの、顔が……近いです……」
「……嫌なら突き飛ばせ」
「突き飛ばせません……(公爵様がお強そうで)」
「なら、受け入れろ」
アレクセイ様の手が、わたくしの腰に回りました。
ギュッと引き寄せられ、身体が密着します。
硬い筋肉の感触と、彼の体温が伝わってきて、頭がクラクラしました。
「……今回の作戦が成功したら、褒美をやる」
「ほ、褒美……?」
「ああ。お前が欲しがっていた『最高級の羽根布団』と……俺からの『特別な口づけ』だ」
「ふ、布団は欲しいですけど、後半は結構です!」
「拒否権はないと言ったはずだが?」
アレクセイ様は意地悪く微笑むと、チュッとわたくしの耳朶に口づけました。
「ひゃうっ!?」
変な声が出ました。
わたくしは真っ赤になって、彼を押し(ようとしましたがビクともせず)ました。
「さあ、作戦の続きだ。……顔が赤いぞ、参謀殿?」
「う、うるさいです! 部屋が暑いだけです!」
わたくしは必死に資料に目を落としましたが、文字が踊って全く頭に入ってきません。
隣に座る「氷の公爵」の体温が、熱すぎて。
(なんなのですか、この展開はーっ!!)
「イザベラ様を勝たせる」というミッションの裏で、わたくし自身の心臓が「公爵様の魅力に負ける」という別の危機が進行していることに、わたくしは気づかないふりをするので精一杯でした。
「……とりあえず、イザベラ様には『殿下の胃袋を掴む』作戦を実行させましょう」
「ほう。料理か?」
「はい。ソフィア王女は料理などしません。家庭的な一面で差をつけるのです」
「なるほど。だがイザベラの料理は……炭製造機だぞ?」
「そこはわたくしが、命懸けでサポートします!」
わたくしは宣言しました。
これ以上、この密着空間にいたら、わたくしの心臓が持ちません。
早く現場に出て、物理的に距離を取らねば!
「頼もしいな。……では、頼んだぞ、俺の『可愛い共犯者』」
アレクセイ様が解放してくれたのは、それから十分後。
わたくしは逃げるように図書室を飛び出しました。
扉の向こうで、わたくしは熱い頬を手で仰ぎました。
(……心臓に悪い。本当に悪いですわ、あの公爵様!)
平穏な老後への道は、なぜこうもドキドキするイベントで舗装されているのでしょうか。
わたくしは大きく深呼吸をして、次なる戦場(キッチン)へと向かうのでした。
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