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「……ふぅ。極楽でしたわ」
ベルンシュタイン公爵邸。
最高級エステティシャンによる全身マッサージを終えたわたくしは、生まれたての小鹿のようにプルプルと震えながら、廊下を歩いておりました。
体は見事にほぐれ、肌はツルツル。
朝食のパンケーキも絶品でした。
まさに至れり尽くせり。
このままここで飼われるのも悪くない……なんて、思うはずがありません!
(騙されてはいけません! これは罠です!)
わたくしは自分を戒めました。
飴を与えて油断させ、その後に待っているのは「公爵夫人」という名の強制労働。
今、この瞬間こそが、敵(公爵)の警備が最も手薄になるタイミングなのです!
「カテリーナ様、こちらへどうぞ。旦那様が温室でお待ちです」
案内役の執事が前を歩いています。
背後は無人。
近くには、手入れの行き届いた広大な庭園へと続くテラスの扉。
(今です!)
わたくしは脱兎のごとく駆け出しました。
「ああっ、お腹が! 急に腹痛が!」
「えっ、カテリーナ様!?」
執事が振り返った時には、わたくしはすでにテラスの扉を開け放っていました。
「トイレをお借りしますわ! ……庭の!」
「庭のですか!?」
意味不明な言い訳を残し、わたくしは庭園へと飛び出しました。
目指すは、庭の奥に広がる森(のような茂み)。
あそこに隠れて夜を待ち、隙を見て実家へ……いや、実家は売られたのでした。
ならば、どこか遠くの修道院へでも逃げ込み、シスターとしてスローライフを送るのです!
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
走りました。
全速力で。
わたくしの運動神経の限界を超えて。
そして、距離にして約二十メートル。
わたくしの肺が悲鳴を上げました。
「ぐふっ……! も、もう無理……!」
わたくしはその場にあった大きな植え込みの裏に倒れ込みました。
ゼーゼーと息切れが止まりません。
視界がチカチカします。
(二十メートルも走るなんて……わたくし、頑張りましたわ……)
ここなら、緑に紛れて見つからないはず。
わたくしは地面にへばりつき、気配を消しました。
ナマケモノの擬態スキル、発動です。
ガサッ。
頭上で音がしました。
「……何をしている?」
「ひいいっ!?」
心臓が止まるかと思いました。
恐る恐る見上げると、そこには、いつもの涼しい顔をしたアレクセイ様が、腕を組んで立っていました。
「こ、公爵様……なぜここに?」
「執事から『カテリーナ様が野生に帰ろうとしています』と報告があったのでな」
「野生には帰りません! ただの散歩です!」
「散歩? 匍匐前進でか?」
アレクセイ様は呆れたように溜息をつき、しゃがみ込みました。
わたくしと同じ目線になります。
「泥だらけだぞ。せっかく綺麗にしたのに」
「放っておいてください! わたくしは逃げるんです! 公爵夫人の激務から逃げて、自由なナマケモノになるんです!」
わたくしは叫びました。
もう開き直るしかありません。
「社交界? 無理です! パーティーの主催? 滅びればいい! わたくしに期待しないでください!」
「……そうか。やはりそこが懸念点か」
アレクセイ様は怒るどころか、納得したように頷きました。
そして、懐から一枚の紙を取り出します。
「安心しろ。お前のために、特別な『人材』を用意した」
「人材?」
「ああ。お前が公爵夫人として働く必要がないよう、俺が厳選した『スーパー執事チーム』だ」
「スーパー執事……?」
アレクセイ様が指を鳴らすと、植え込みの影から、音もなく三人の男性が現れました。
全員、黒い燕尾服を完璧に着こなしています。
「彼らは、元王室執事長、元外務省官僚、そして元カジノのディーラーだ」
「経歴がカオスですわ!」
「彼らがいれば、お前の仕事はゼロになる」
アレクセイ様は説明を始めました。
「まず、招待状の返信や社交の手配は、この元執事長が全て代筆し、完璧にこなす。お前の筆跡もコピー済みだ」
「えっ」
「次に、面倒な挨拶回りや来客対応は、元官僚が担当する。『夫人は体調不良(昼寝中)ですが、心を込めて……』と相手を煙に巻き、むしろ感謝させて帰すプロだ」
「すごい……」
「最後に、夜会での会話やダンスの相手は、この元ディーラーが補佐する。巧みな話術で相手を操り、お前は『そうですわね』と頷いているだけで、商談も裏取引も成立させる」
「……!」
なんということでしょう。
それはつまり、わたくしは本当に「そこにいるだけ」でいいということですか?
「さらに」
アレクセイ様はトドメを刺しに来ました。
「屋敷の離れに、お前専用の『引きこもり部屋』を作った」
「引きこもり部屋!?」
「ああ。壁一面の本棚には、お前好みの恋愛小説と漫画を揃えた。床は全面クッション張り。一度座ったら立てない『人をダメにするソファ』も完備だ」
「神……!」
「食事はルームサービスで二十四時間対応。お菓子も食べ放題。……どうだ?」
アレクセイ様の手が差し出されます。
「これでもまだ、修道院に行きたいか? 粗食と早起きの生活がお望みか?」
わたくしはゴクリと唾を飲み込みました。
修道院での清貧な生活。
公爵家での堕落した生活。
天秤にかけるまでもありません。
わたくしの魂が叫んでいます。
『堕落したい!』と。
「……ちなみに、お昼寝の時間は?」
「無制限だ。俺が添い寝する時以外はな」
「添い寝は余計ですけど……!」
わたくしは震える手で、泥だらけの手を差し出しました。
「……契約、更新です」
「交渉成立だな」
アレクセイ様はニヤリと笑い、わたくしの手を取りました。
そして、そのままグイッと引き上げます。
「わっ!」
勢い余って、彼の胸に飛び込んでしまいました。
「捕まえたぞ、ナマケモノ」
耳元で囁かれる甘い声。
逃げようとしたのに、自ら檻に戻ってきてしまった。
でも、この檻、居心地が良すぎませんか?
「……公爵様。わたくし、もう二度と走りません」
「ああ、知っている。お前の全力疾走が二十メートルだということもな」
「うぐっ……」
「これからは、俺の腕の中で大人しくしていろ。……一生、甘やかしてやる」
アレクセイ様は泥だらけのわたくしを気にすることなく、愛おしそうに抱きしめました。
わたくしの逃亡劇は、わずか五分で幕を閉じました。
しかし、敗北感はありません。
むしろ、勝利(ニート生活)への切符を手に入れたような、清々しい気分でした。
(……まあ、いいですわ。毒を食らわば皿まで。この甘い檻の中で、とことん怠惰を極めてやりますわ!)
わたくしは公爵様の胸に顔を埋め、密かに誓いました。
だが、この時のわたくしは忘れていたのです。
「一生甘やかす」という言葉の裏に、「その分、夜は寝かせない」という恐ろしい条件が含まれている可能性を。
ベルンシュタイン公爵邸。
最高級エステティシャンによる全身マッサージを終えたわたくしは、生まれたての小鹿のようにプルプルと震えながら、廊下を歩いておりました。
体は見事にほぐれ、肌はツルツル。
朝食のパンケーキも絶品でした。
まさに至れり尽くせり。
このままここで飼われるのも悪くない……なんて、思うはずがありません!
(騙されてはいけません! これは罠です!)
わたくしは自分を戒めました。
飴を与えて油断させ、その後に待っているのは「公爵夫人」という名の強制労働。
今、この瞬間こそが、敵(公爵)の警備が最も手薄になるタイミングなのです!
「カテリーナ様、こちらへどうぞ。旦那様が温室でお待ちです」
案内役の執事が前を歩いています。
背後は無人。
近くには、手入れの行き届いた広大な庭園へと続くテラスの扉。
(今です!)
わたくしは脱兎のごとく駆け出しました。
「ああっ、お腹が! 急に腹痛が!」
「えっ、カテリーナ様!?」
執事が振り返った時には、わたくしはすでにテラスの扉を開け放っていました。
「トイレをお借りしますわ! ……庭の!」
「庭のですか!?」
意味不明な言い訳を残し、わたくしは庭園へと飛び出しました。
目指すは、庭の奥に広がる森(のような茂み)。
あそこに隠れて夜を待ち、隙を見て実家へ……いや、実家は売られたのでした。
ならば、どこか遠くの修道院へでも逃げ込み、シスターとしてスローライフを送るのです!
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
走りました。
全速力で。
わたくしの運動神経の限界を超えて。
そして、距離にして約二十メートル。
わたくしの肺が悲鳴を上げました。
「ぐふっ……! も、もう無理……!」
わたくしはその場にあった大きな植え込みの裏に倒れ込みました。
ゼーゼーと息切れが止まりません。
視界がチカチカします。
(二十メートルも走るなんて……わたくし、頑張りましたわ……)
ここなら、緑に紛れて見つからないはず。
わたくしは地面にへばりつき、気配を消しました。
ナマケモノの擬態スキル、発動です。
ガサッ。
頭上で音がしました。
「……何をしている?」
「ひいいっ!?」
心臓が止まるかと思いました。
恐る恐る見上げると、そこには、いつもの涼しい顔をしたアレクセイ様が、腕を組んで立っていました。
「こ、公爵様……なぜここに?」
「執事から『カテリーナ様が野生に帰ろうとしています』と報告があったのでな」
「野生には帰りません! ただの散歩です!」
「散歩? 匍匐前進でか?」
アレクセイ様は呆れたように溜息をつき、しゃがみ込みました。
わたくしと同じ目線になります。
「泥だらけだぞ。せっかく綺麗にしたのに」
「放っておいてください! わたくしは逃げるんです! 公爵夫人の激務から逃げて、自由なナマケモノになるんです!」
わたくしは叫びました。
もう開き直るしかありません。
「社交界? 無理です! パーティーの主催? 滅びればいい! わたくしに期待しないでください!」
「……そうか。やはりそこが懸念点か」
アレクセイ様は怒るどころか、納得したように頷きました。
そして、懐から一枚の紙を取り出します。
「安心しろ。お前のために、特別な『人材』を用意した」
「人材?」
「ああ。お前が公爵夫人として働く必要がないよう、俺が厳選した『スーパー執事チーム』だ」
「スーパー執事……?」
アレクセイ様が指を鳴らすと、植え込みの影から、音もなく三人の男性が現れました。
全員、黒い燕尾服を完璧に着こなしています。
「彼らは、元王室執事長、元外務省官僚、そして元カジノのディーラーだ」
「経歴がカオスですわ!」
「彼らがいれば、お前の仕事はゼロになる」
アレクセイ様は説明を始めました。
「まず、招待状の返信や社交の手配は、この元執事長が全て代筆し、完璧にこなす。お前の筆跡もコピー済みだ」
「えっ」
「次に、面倒な挨拶回りや来客対応は、元官僚が担当する。『夫人は体調不良(昼寝中)ですが、心を込めて……』と相手を煙に巻き、むしろ感謝させて帰すプロだ」
「すごい……」
「最後に、夜会での会話やダンスの相手は、この元ディーラーが補佐する。巧みな話術で相手を操り、お前は『そうですわね』と頷いているだけで、商談も裏取引も成立させる」
「……!」
なんということでしょう。
それはつまり、わたくしは本当に「そこにいるだけ」でいいということですか?
「さらに」
アレクセイ様はトドメを刺しに来ました。
「屋敷の離れに、お前専用の『引きこもり部屋』を作った」
「引きこもり部屋!?」
「ああ。壁一面の本棚には、お前好みの恋愛小説と漫画を揃えた。床は全面クッション張り。一度座ったら立てない『人をダメにするソファ』も完備だ」
「神……!」
「食事はルームサービスで二十四時間対応。お菓子も食べ放題。……どうだ?」
アレクセイ様の手が差し出されます。
「これでもまだ、修道院に行きたいか? 粗食と早起きの生活がお望みか?」
わたくしはゴクリと唾を飲み込みました。
修道院での清貧な生活。
公爵家での堕落した生活。
天秤にかけるまでもありません。
わたくしの魂が叫んでいます。
『堕落したい!』と。
「……ちなみに、お昼寝の時間は?」
「無制限だ。俺が添い寝する時以外はな」
「添い寝は余計ですけど……!」
わたくしは震える手で、泥だらけの手を差し出しました。
「……契約、更新です」
「交渉成立だな」
アレクセイ様はニヤリと笑い、わたくしの手を取りました。
そして、そのままグイッと引き上げます。
「わっ!」
勢い余って、彼の胸に飛び込んでしまいました。
「捕まえたぞ、ナマケモノ」
耳元で囁かれる甘い声。
逃げようとしたのに、自ら檻に戻ってきてしまった。
でも、この檻、居心地が良すぎませんか?
「……公爵様。わたくし、もう二度と走りません」
「ああ、知っている。お前の全力疾走が二十メートルだということもな」
「うぐっ……」
「これからは、俺の腕の中で大人しくしていろ。……一生、甘やかしてやる」
アレクセイ様は泥だらけのわたくしを気にすることなく、愛おしそうに抱きしめました。
わたくしの逃亡劇は、わずか五分で幕を閉じました。
しかし、敗北感はありません。
むしろ、勝利(ニート生活)への切符を手に入れたような、清々しい気分でした。
(……まあ、いいですわ。毒を食らわば皿まで。この甘い檻の中で、とことん怠惰を極めてやりますわ!)
わたくしは公爵様の胸に顔を埋め、密かに誓いました。
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