8 / 28
8
しおりを挟む
『ワイズマン万事相談所』には、今日も珍客が訪れていた。
「……助けてくれ、ワイズマン嬢! このままでは、せっかく購入した別邸が廃墟になってしまう!」
カウンターに縋り付いて泣いているのは、小太りの男――バロウ子爵だ。
彼は先日、王都の郊外に格安で屋敷を購入したのだが、そこには「先住者」がいたらしい。
「毎晩出るのだよ、幽霊が! 『出て行けぇぇ』と呻き声が聞こえ、廊下には血文字が浮かび、皿が勝手に飛び交うのだ!」
「ほう。ポルターガイスト現象ですね」
私は興味なさそうに紅茶(出がらし)を啜った。
正直、オカルトは専門外だ。
幽霊には請求書が届かないし、裁判所に訴えることもできない。
つまり、商売相手として非常に質が悪い。
「専門の除霊師に頼んではいかがです? 教会に行けば聖水を売ってくれますよ」
「頼んださ! だが、神父が逃げ出すほどの悪霊なんだ! ……君は『悪役令嬢』だろう? 悪には悪を、毒には毒をと言うじゃないか! なんとかしてくれ!」
「失礼な言い草ですね。……まあ、いいでしょう」
私は電卓を弾いた。
幽霊退治はリスクが高いが、不動産価値の回復という観点で見れば、成功報酬を高めに設定できる。
「『特殊清掃および不法占拠者排除業務』として承ります。基本料金は金貨百枚。危険手当は別途請求。よろしいですね?」
「は、払う! 悪霊さえ消えれば安いものだ!」
商談成立だ。
私は奥のソファで書類を読んでいたラシード公爵に声をかけた。
「閣下。出張業務です。ついてきていただけますか?」
「……私は除霊師ではないぞ」
「知っています。ですが、万が一『物理的な脅威』だった場合、閣下の剣腕が必要になります。……護衛代、お支払いしますから」
「……はあ」
公爵は重いため息をついたが、嫌そうな顔はしなかった。
最近の彼は、私の外回りに同行するのが日課になりつつある。
「お前を一人で歩かせると、別のトラブルを拾ってくるからだ」と言っているが、過保護なだけだと思う。
◇
現地到着。
王都から馬車で一時間ほどの森の中にある、古びた洋館だ。
確かに雰囲気はある。
窓は割れ、庭は荒れ放題。
いかにも「出ます」という看板を掲げているようだ。
「……嫌な気配だ」
ラシード公爵が剣の柄に手をかけ、目を細める。
「霊気を感じますか?」
「いや、人の気配がしないのが逆に不自然だ。……足跡も消されている」
「なるほど」
私は懐から『商売道具』を取り出した。
聖書でも数珠でもない。
金属製のバール(長さ六十センチ)である。
「……コンシュ。それはなんだ」
「除霊グッズ(物理)です。錆びついた扉をこじ開けたり、悪霊の物理的実体を粉砕したりするのに使います」
「……お前の中の除霊とは何なんだ」
私たちは屋敷の中へと足を踏み入れた。
ギシッ、ギシッ、と床板が軋む。
「ヒヒヒ……」
突如、どこからともなく不気味な笑い声が響いた。
子爵が「ひっ!」と悲鳴を上げて私の背後に隠れる。
「愚かな人間どもよ……立ち去れぇ……ここは呪われた地ぞぉ……」
低い、おどろおどろしい声。
廊下の奥から、白いモヤのような人影がゆらりと現れた。
顔がない。
ただ白い布が浮いているように見える。
「で、出たぁぁぁ! 悪霊だぁ!」
「……ふむ」
私は冷静に観察した。
白い布。半透明に見えるのは、照明の加減か、あるいは薄いシルクを使っているのか。
そして何より――。
「……閣下。あの幽霊、足がありますね」
「ああ。しかも高級な革靴を履いているな」
公爵も冷静だった。
私たちは顔を見合わせた。
「やっておしまい、閣下」
「人使いが荒いな」
公爵が一瞬で間合いを詰めた。
抜刀。
銀色の閃光が走り、幽霊の「体」を切り裂く――ことはせず、その被っている白い布だけを正確に剥ぎ取った。
「うわぁっ!?」
布の下から現れたのは、青ざめた顔の中年男だった。
手には「ヒヒヒ」という音声を再生するための魔道具(ボイスレコーダー的なもの)を持っていた。
「……な、なんだ貴様ら!」
「人間でしたか。残念、除霊(撲殺)はキャンセルですね」
私はバールを肩に担ぎ、男に近づいた。
「さて、不法侵入罪および威力業務妨害罪です。……あなた、どこかで見覚えがありますね?」
男の顔をよく見る。
痩せこけた頬、神経質そうな目。
記憶のデータベースを検索する。
王宮の出納係……いや、もっと個人的な……。
「あっ! 殿下の『隠し財産管理人』のボブ!」
「ギクッ!」
男――ボブが分かりやすく動揺した。
「そ、そんな名は知らん! 私はこの屋敷の地縛霊だ!」
「地縛霊が革靴を履いて魔道具を使いますか。……なるほど、読めましたよ」
私は周囲の壁をバールでコンコンと叩いた。
「ジェラルド殿下が『いつか城を追い出された時のために』と、横領した資金や宝物を隠していた場所がここですね? しかし、屋敷が売却されてしまった。慌てて幽霊騒ぎを起こし、買い手を追い出そうとした」
「な、なぜそれを……!」
「殿下の思考レベルなら、リスがどんぐりを隠す程度の知恵しかありませんから」
私は呆れてため息をついた。
あの元婚約者は、どこまで私に仕事を提供するつもりなのか。
「さて、ボブさん。選択肢は二つです。一つ、このまま公爵閣下に引き渡され、国家反逆罪(王族の資産横領幇助)で地下牢行き。二つ、隠している財産をすべて吐き出し、子爵への慰謝料として差し出す」
「そ、そんな……!」
「ちなみに地下牢の食事は一日一食、パンと水だけですよ。……さあ、どうします?」
私がバールで床をガンッ!と叩くと、ボブは泣き崩れた。
「じ、実を言うと……隠していたのは金目のものだけじゃないんです……」
「ほう?」
ボブが案内したのは、屋敷の地下室だった。
そこには、金貨や宝石の山――ではなく。
壁一面に飾られた、ジェラルド王子の『自作ポエム集』と『自分が主人公の冒険小説(未完)』、そして『自分の美しいブロマイド(等身大)』が保管されていた。
「……なんという呪いのアイテムだ」
ラシード公爵が頭痛を堪えるように額を押さえた。
確かに、これを見せられるのは悪霊を見るより精神的ダメージが大きい。
「殿下は『僕の芸術的才能が理解されないのは時代のせいだ! 後世のために保存しておく!』と仰って……」
「……処分しましょう。物理的に」
私は即断した。
これを世に出すことは、王家の恥、ひいては国の損失である。
「燃やします。キャンプファイヤーですね」
「ま、待ってください! これは殿下の魂そのもので……!」
「だからこそ除霊するんです!」
私は庭にそれらの「黒歴史グッズ」を積み上げ、ミナから没収していた高純度燃料をぶちまけた。
「点火!」
ボッ!!
盛大な炎が上がる。
等身大の王子の笑顔が、炎の中で歪んでいく。
まるで断末魔の叫びが聞こえるようだ。
「ああ……殿下の夢が……」
ボブが膝から崩れ落ちる。
「これで屋敷はクリーンになりました。子爵、除霊完了です」
震えていたバロウ子爵は、燃え上がる炎を見て涙ぐんでいた。
「あ、ありがとう! 悪霊(王子の黒歴史)が浄化されていくようだ! これで安心して眠れる!」
「ええ。では、こちらが請求書です。基本料金に加え、『王家の不祥事隠蔽手数料』として五割増しになっております」
「払おう! 喜んで払おう!」
こうして、幽霊屋敷事件は幕を閉じた。
帰りの馬車の中で、ラシード公爵が疲れたように言った。
「……結局、またジェラルドの尻拭いか」
「でも、儲かりましたよ。ボブが隠し持っていた『本物のへそくり(金貨)』も回収しましたし」
私は懐の重みを確かめて微笑んだ。
「……お前、本当にバールを使うとは思わなかったぞ」
「備えあれば憂いなしです。……閣下も、私の護衛お疲れ様でした。はい、これ」
私はポケットから、小さな包みを取り出した。
帰り道に買った、屋台の焼き菓子だ。
「報酬(の一部)です。甘いものでも食べて、疲れを癒やしてください」
公爵は目を丸くし、それから苦笑しながら受け取った。
「……安上がりの護衛だな、私は」
「これから高くつきますよ? 次はもっと大きな案件が待っていますから」
私は窓の外、王都の灯りを眺めた。
相談所に戻れば、また山のような書類と、そして新しい依頼が待っている。
「次はどんな『悪霊』が出るか、楽しみですね」
私の言葉に、公爵は「勘弁してくれ」と首を振ったが、その口元は菓子を齧りながら、少しだけ笑っていた。
「……助けてくれ、ワイズマン嬢! このままでは、せっかく購入した別邸が廃墟になってしまう!」
カウンターに縋り付いて泣いているのは、小太りの男――バロウ子爵だ。
彼は先日、王都の郊外に格安で屋敷を購入したのだが、そこには「先住者」がいたらしい。
「毎晩出るのだよ、幽霊が! 『出て行けぇぇ』と呻き声が聞こえ、廊下には血文字が浮かび、皿が勝手に飛び交うのだ!」
「ほう。ポルターガイスト現象ですね」
私は興味なさそうに紅茶(出がらし)を啜った。
正直、オカルトは専門外だ。
幽霊には請求書が届かないし、裁判所に訴えることもできない。
つまり、商売相手として非常に質が悪い。
「専門の除霊師に頼んではいかがです? 教会に行けば聖水を売ってくれますよ」
「頼んださ! だが、神父が逃げ出すほどの悪霊なんだ! ……君は『悪役令嬢』だろう? 悪には悪を、毒には毒をと言うじゃないか! なんとかしてくれ!」
「失礼な言い草ですね。……まあ、いいでしょう」
私は電卓を弾いた。
幽霊退治はリスクが高いが、不動産価値の回復という観点で見れば、成功報酬を高めに設定できる。
「『特殊清掃および不法占拠者排除業務』として承ります。基本料金は金貨百枚。危険手当は別途請求。よろしいですね?」
「は、払う! 悪霊さえ消えれば安いものだ!」
商談成立だ。
私は奥のソファで書類を読んでいたラシード公爵に声をかけた。
「閣下。出張業務です。ついてきていただけますか?」
「……私は除霊師ではないぞ」
「知っています。ですが、万が一『物理的な脅威』だった場合、閣下の剣腕が必要になります。……護衛代、お支払いしますから」
「……はあ」
公爵は重いため息をついたが、嫌そうな顔はしなかった。
最近の彼は、私の外回りに同行するのが日課になりつつある。
「お前を一人で歩かせると、別のトラブルを拾ってくるからだ」と言っているが、過保護なだけだと思う。
◇
現地到着。
王都から馬車で一時間ほどの森の中にある、古びた洋館だ。
確かに雰囲気はある。
窓は割れ、庭は荒れ放題。
いかにも「出ます」という看板を掲げているようだ。
「……嫌な気配だ」
ラシード公爵が剣の柄に手をかけ、目を細める。
「霊気を感じますか?」
「いや、人の気配がしないのが逆に不自然だ。……足跡も消されている」
「なるほど」
私は懐から『商売道具』を取り出した。
聖書でも数珠でもない。
金属製のバール(長さ六十センチ)である。
「……コンシュ。それはなんだ」
「除霊グッズ(物理)です。錆びついた扉をこじ開けたり、悪霊の物理的実体を粉砕したりするのに使います」
「……お前の中の除霊とは何なんだ」
私たちは屋敷の中へと足を踏み入れた。
ギシッ、ギシッ、と床板が軋む。
「ヒヒヒ……」
突如、どこからともなく不気味な笑い声が響いた。
子爵が「ひっ!」と悲鳴を上げて私の背後に隠れる。
「愚かな人間どもよ……立ち去れぇ……ここは呪われた地ぞぉ……」
低い、おどろおどろしい声。
廊下の奥から、白いモヤのような人影がゆらりと現れた。
顔がない。
ただ白い布が浮いているように見える。
「で、出たぁぁぁ! 悪霊だぁ!」
「……ふむ」
私は冷静に観察した。
白い布。半透明に見えるのは、照明の加減か、あるいは薄いシルクを使っているのか。
そして何より――。
「……閣下。あの幽霊、足がありますね」
「ああ。しかも高級な革靴を履いているな」
公爵も冷静だった。
私たちは顔を見合わせた。
「やっておしまい、閣下」
「人使いが荒いな」
公爵が一瞬で間合いを詰めた。
抜刀。
銀色の閃光が走り、幽霊の「体」を切り裂く――ことはせず、その被っている白い布だけを正確に剥ぎ取った。
「うわぁっ!?」
布の下から現れたのは、青ざめた顔の中年男だった。
手には「ヒヒヒ」という音声を再生するための魔道具(ボイスレコーダー的なもの)を持っていた。
「……な、なんだ貴様ら!」
「人間でしたか。残念、除霊(撲殺)はキャンセルですね」
私はバールを肩に担ぎ、男に近づいた。
「さて、不法侵入罪および威力業務妨害罪です。……あなた、どこかで見覚えがありますね?」
男の顔をよく見る。
痩せこけた頬、神経質そうな目。
記憶のデータベースを検索する。
王宮の出納係……いや、もっと個人的な……。
「あっ! 殿下の『隠し財産管理人』のボブ!」
「ギクッ!」
男――ボブが分かりやすく動揺した。
「そ、そんな名は知らん! 私はこの屋敷の地縛霊だ!」
「地縛霊が革靴を履いて魔道具を使いますか。……なるほど、読めましたよ」
私は周囲の壁をバールでコンコンと叩いた。
「ジェラルド殿下が『いつか城を追い出された時のために』と、横領した資金や宝物を隠していた場所がここですね? しかし、屋敷が売却されてしまった。慌てて幽霊騒ぎを起こし、買い手を追い出そうとした」
「な、なぜそれを……!」
「殿下の思考レベルなら、リスがどんぐりを隠す程度の知恵しかありませんから」
私は呆れてため息をついた。
あの元婚約者は、どこまで私に仕事を提供するつもりなのか。
「さて、ボブさん。選択肢は二つです。一つ、このまま公爵閣下に引き渡され、国家反逆罪(王族の資産横領幇助)で地下牢行き。二つ、隠している財産をすべて吐き出し、子爵への慰謝料として差し出す」
「そ、そんな……!」
「ちなみに地下牢の食事は一日一食、パンと水だけですよ。……さあ、どうします?」
私がバールで床をガンッ!と叩くと、ボブは泣き崩れた。
「じ、実を言うと……隠していたのは金目のものだけじゃないんです……」
「ほう?」
ボブが案内したのは、屋敷の地下室だった。
そこには、金貨や宝石の山――ではなく。
壁一面に飾られた、ジェラルド王子の『自作ポエム集』と『自分が主人公の冒険小説(未完)』、そして『自分の美しいブロマイド(等身大)』が保管されていた。
「……なんという呪いのアイテムだ」
ラシード公爵が頭痛を堪えるように額を押さえた。
確かに、これを見せられるのは悪霊を見るより精神的ダメージが大きい。
「殿下は『僕の芸術的才能が理解されないのは時代のせいだ! 後世のために保存しておく!』と仰って……」
「……処分しましょう。物理的に」
私は即断した。
これを世に出すことは、王家の恥、ひいては国の損失である。
「燃やします。キャンプファイヤーですね」
「ま、待ってください! これは殿下の魂そのもので……!」
「だからこそ除霊するんです!」
私は庭にそれらの「黒歴史グッズ」を積み上げ、ミナから没収していた高純度燃料をぶちまけた。
「点火!」
ボッ!!
盛大な炎が上がる。
等身大の王子の笑顔が、炎の中で歪んでいく。
まるで断末魔の叫びが聞こえるようだ。
「ああ……殿下の夢が……」
ボブが膝から崩れ落ちる。
「これで屋敷はクリーンになりました。子爵、除霊完了です」
震えていたバロウ子爵は、燃え上がる炎を見て涙ぐんでいた。
「あ、ありがとう! 悪霊(王子の黒歴史)が浄化されていくようだ! これで安心して眠れる!」
「ええ。では、こちらが請求書です。基本料金に加え、『王家の不祥事隠蔽手数料』として五割増しになっております」
「払おう! 喜んで払おう!」
こうして、幽霊屋敷事件は幕を閉じた。
帰りの馬車の中で、ラシード公爵が疲れたように言った。
「……結局、またジェラルドの尻拭いか」
「でも、儲かりましたよ。ボブが隠し持っていた『本物のへそくり(金貨)』も回収しましたし」
私は懐の重みを確かめて微笑んだ。
「……お前、本当にバールを使うとは思わなかったぞ」
「備えあれば憂いなしです。……閣下も、私の護衛お疲れ様でした。はい、これ」
私はポケットから、小さな包みを取り出した。
帰り道に買った、屋台の焼き菓子だ。
「報酬(の一部)です。甘いものでも食べて、疲れを癒やしてください」
公爵は目を丸くし、それから苦笑しながら受け取った。
「……安上がりの護衛だな、私は」
「これから高くつきますよ? 次はもっと大きな案件が待っていますから」
私は窓の外、王都の灯りを眺めた。
相談所に戻れば、また山のような書類と、そして新しい依頼が待っている。
「次はどんな『悪霊』が出るか、楽しみですね」
私の言葉に、公爵は「勘弁してくれ」と首を振ったが、その口元は菓子を齧りながら、少しだけ笑っていた。
30
あなたにおすすめの小説
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
わたしはくじ引きで選ばれたにすぎない婚約者だったらしい
よーこ
恋愛
特に美しくもなく、賢くもなく、家柄はそこそこでしかない伯爵令嬢リリアーナは、婚約後六年経ったある日、婚約者である大好きな第二王子に自分が未来の王子妃として選ばれた理由を尋ねてみた。
王子の答えはこうだった。
「くじで引いた紙にリリアーナの名前が書かれていたから」
え、わたし、そんな取るに足らない存在でしかなかったの?!
思い出してみれば、今まで王子に「好きだ」みたいなことを言われたことがない。
ショックを受けたリリアーナは……。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる