13 / 28
13
しおりを挟む
「ラシード・アークライト公爵閣下、ならびに……コンシュ・ワイズマン嬢、ご入場!」
衛兵の声が響き渡った瞬間、ざわめいていた会場がシンと静まり返った。
まるで時が止まったかのようだ。
数百人の視線が、大階段の上に立つ私たちに突き刺さる。
私は背筋をピンと伸ばし、ラシード公爵の腕に手を添えていた。
ミッドナイトブルーのドレスは、シャンデリアの光を吸い込んで鈍く輝く。
隣の公爵は、漆黒の礼服に身を包み、その表情は「氷の閣下」そのものだ。
「……静かだな」
公爵が小声で呟く。
「ええ。私がいるせいで、皆さん『どう反応していいか分からない』のでしょう」
「悪くない。おかげで煩わしい挨拶攻勢もなさそうだ」
私たちは階段を降りる。
カツ、カツ、とヒールの音が響く。
モーセが海を割るように、貴族たちが左右に退いていく。
「見ろよ……あの悪役令嬢だ」
「本当に公爵様と……」
「すごい迫力……近づいたら請求書を切られそう」
聞こえてくるのは怯えの声ばかり。
いい傾向だ。
私は扇子代わりの万年筆を優雅に揺らしながら、周囲を値踏みした。
(あそこの太った男性は海運王のゴーマン氏ね。最近、脱税疑惑があるから顧問弁護士の紹介ができるかも。向こうの夫人は浪費癖で有名……家計再生プランを売り込めるわね)
私の目には、着飾った貴族たちがすべて「歩く財布(見込み客)」に見えていた。
◇
フロアに降り立つと、予想通り、誰も話しかけてこない。
遠巻きに見ているだけだ。
「快適だ。……いつもなら開始五秒で『閣下、私の娘を!』と囲まれるのだが」
公爵がグラスを手に取り、満足げに笑う。
「効果てきめんですね。では、私は早速営業を……」
私が動き出そうとした時だった。
「……待て」
人垣をかき分けて、一人の男が現れた。
金髪に、無駄にキラキラした白い礼服。
しかし、その顔はどこかやつれ、目の下には薄っすらとクマがある。
ジェラルド王子だ。
隣には、ピンク色のドレスを着てキョロキョロしているミナもいる。
「コンシュ……!」
ジェラルドが私の前に立ち塞がった。
その視線が、私のドレスから首元のサファイアまでをなめるように移動する。
「……ごきげんよう、殿下。内職の進捗はいかがですか?」
私が挨拶代わりに尋ねると、ジェラルドはビクリと肩を震わせた。
「そ、その話は今するな! ……それより、なんだその格好は!」
「夜会用のドレスですが。何か問題でも?」
「問題大ありだ! そんな……そんな高そうなドレスを着て、公爵の隣に立って……! 僕への当てつけか!」
ジェラルドが叫ぶ。
周囲の貴族たちが「おっ、修羅場か?」と色めき立つ。
「当てつけ?」
「そうだ! 僕に捨てられたのが悔しくて、公爵を利用して見返そうとしているんだろう! 『私にはこんな価値があるのよ』とアピールするために!」
ジェラルドは自信満々に言い放った。
なんというポジティブ思考。
その想像力を少しでも国政に活かしてほしいものだ。
「殿下。自意識過剰もそこまでいくと才能ですね」
私は呆れてため息をついた。
「これは仕事着(ユニフォーム)です。そして公爵閣下とは、健全なビジネスパートナー契約を結んでおります。殿下に見せつけるためのコストなど、銅貨一枚もかけておりません」
「嘘だ! じゃあなんだ、その首の宝石は! 僕がプレゼントしたガラス玉のネックレスより遥かに大きいじゃないか!」
「それは閣下が……」
「僕が贈った」
横から、低い声が割って入った。
ラシード公爵だ。
彼はグラスをボーイに預け、一歩前に出た。
その瞬間、ジェラルドが「ひっ」と息を飲む。
公爵の纏う空気が、絶対零度まで下がっていたからだ。
「あ、アークライト公爵……」
「ジェラルド。私のパートナーの装いに、何か不満があるのか?」
「い、いや、不満というか……その、不釣り合いというか……」
「不釣り合い?」
公爵が片眉を上げる。
「彼女は今夜、誰よりも理知的で、気高く、美しい。この会場のどこに、彼女よりふさわしい女性がいると言うんだ?」
「えっ……?」
会場がざわめく。
公爵が公衆の面前で、ここまでストレートに女性を褒めるなど前代未聞だからだ。
「それに、勘違いするな。彼女が私を利用しているのではない。私が彼女を必要としているのだ」
公爵は私の肩を引き寄せた。
強引に、しかし優しく。
私の体が、彼の堅い胸板に触れる。
「彼女は私の『剣』であり『盾』だ。彼女を侮辱することは、私への宣戦布告と見なす」
「……っ!!」
ジェラルドが青ざめて後ずさる。
周囲の貴族たちも、一斉に視線を逸らした。
「影の支配者」を敵に回せば、明日から王都で生きていけないことを誰もが知っている。
「わ、わかったよ……! もう何も言わない!」
ジェラルドは涙目になりながら、捨て台詞を吐いた。
「でも気をつけろよ公爵! その女は本当に金のことしか考えてないからな! 愛なんてないんだぞ!」
「愛か」
公爵は鼻で笑った。
「愛などという不確かなものより、彼女との契約書のほうがよほど信用できる」
「ぐぬぬ……! 行くぞミナ! ここは空気が悪い!」
ジェラルドはミナの手を引いて、逃げるように去っていった。
ミナが「えっ、ケーキまだ食べてないのにぃ!」と抗議していたが、強制退場だ。
嵐が去った後、会場には奇妙な静寂が残った。
「……閣下」
私は公爵を見上げた。
彼は何食わぬ顔で、再びグラスを手に取っている。
「……言い過ぎではありませんか? あれではまるで、私たちが深い仲のように聞こえます」
「事実だろう。ビジネスにおいて」
公爵はさらりと言ってのけた。
しかし、私の肩を抱く腕を離そうとはしない。
「それに、これで虫除けは完了だ。見ろ、誰も近づいてこない」
確かに、周囲は私たちを「アンタッチャブルな最強カップル」として認定したようだ。
遠くから敬礼を送ってくる貴族さえいる。
「……まあ、仕事はしやすくなりましたね」
私は苦笑し、手元の万年筆を握り直した。
「では閣下、行きましょうか。あそこの財務大臣が、先ほどから私たちを見て冷や汗をかいています。きっと何か『やましいこと』があるんでしょう」
「……フッ、同感だ。締め上げに行くか」
私たちは顔を見合わせて笑った。
それは恋人同士の甘い微笑みではなく、共犯者同士の獰猛な笑みだった。
「覚悟なさい、王都の皆様。今夜のワイズマンは、容赦しませんわよ!」
ドレスの裾を翻し、私は戦場(社交場)へと踏み出した。
隣には最強の護衛。
この夜、私たちは数々の不正を暴き、大量のコンサル契約を結び、そして王都の伝説として語り継がれることになる。
『黒衣の公爵と、青きドレスの悪女には、決して逆らってはならない』と。
衛兵の声が響き渡った瞬間、ざわめいていた会場がシンと静まり返った。
まるで時が止まったかのようだ。
数百人の視線が、大階段の上に立つ私たちに突き刺さる。
私は背筋をピンと伸ばし、ラシード公爵の腕に手を添えていた。
ミッドナイトブルーのドレスは、シャンデリアの光を吸い込んで鈍く輝く。
隣の公爵は、漆黒の礼服に身を包み、その表情は「氷の閣下」そのものだ。
「……静かだな」
公爵が小声で呟く。
「ええ。私がいるせいで、皆さん『どう反応していいか分からない』のでしょう」
「悪くない。おかげで煩わしい挨拶攻勢もなさそうだ」
私たちは階段を降りる。
カツ、カツ、とヒールの音が響く。
モーセが海を割るように、貴族たちが左右に退いていく。
「見ろよ……あの悪役令嬢だ」
「本当に公爵様と……」
「すごい迫力……近づいたら請求書を切られそう」
聞こえてくるのは怯えの声ばかり。
いい傾向だ。
私は扇子代わりの万年筆を優雅に揺らしながら、周囲を値踏みした。
(あそこの太った男性は海運王のゴーマン氏ね。最近、脱税疑惑があるから顧問弁護士の紹介ができるかも。向こうの夫人は浪費癖で有名……家計再生プランを売り込めるわね)
私の目には、着飾った貴族たちがすべて「歩く財布(見込み客)」に見えていた。
◇
フロアに降り立つと、予想通り、誰も話しかけてこない。
遠巻きに見ているだけだ。
「快適だ。……いつもなら開始五秒で『閣下、私の娘を!』と囲まれるのだが」
公爵がグラスを手に取り、満足げに笑う。
「効果てきめんですね。では、私は早速営業を……」
私が動き出そうとした時だった。
「……待て」
人垣をかき分けて、一人の男が現れた。
金髪に、無駄にキラキラした白い礼服。
しかし、その顔はどこかやつれ、目の下には薄っすらとクマがある。
ジェラルド王子だ。
隣には、ピンク色のドレスを着てキョロキョロしているミナもいる。
「コンシュ……!」
ジェラルドが私の前に立ち塞がった。
その視線が、私のドレスから首元のサファイアまでをなめるように移動する。
「……ごきげんよう、殿下。内職の進捗はいかがですか?」
私が挨拶代わりに尋ねると、ジェラルドはビクリと肩を震わせた。
「そ、その話は今するな! ……それより、なんだその格好は!」
「夜会用のドレスですが。何か問題でも?」
「問題大ありだ! そんな……そんな高そうなドレスを着て、公爵の隣に立って……! 僕への当てつけか!」
ジェラルドが叫ぶ。
周囲の貴族たちが「おっ、修羅場か?」と色めき立つ。
「当てつけ?」
「そうだ! 僕に捨てられたのが悔しくて、公爵を利用して見返そうとしているんだろう! 『私にはこんな価値があるのよ』とアピールするために!」
ジェラルドは自信満々に言い放った。
なんというポジティブ思考。
その想像力を少しでも国政に活かしてほしいものだ。
「殿下。自意識過剰もそこまでいくと才能ですね」
私は呆れてため息をついた。
「これは仕事着(ユニフォーム)です。そして公爵閣下とは、健全なビジネスパートナー契約を結んでおります。殿下に見せつけるためのコストなど、銅貨一枚もかけておりません」
「嘘だ! じゃあなんだ、その首の宝石は! 僕がプレゼントしたガラス玉のネックレスより遥かに大きいじゃないか!」
「それは閣下が……」
「僕が贈った」
横から、低い声が割って入った。
ラシード公爵だ。
彼はグラスをボーイに預け、一歩前に出た。
その瞬間、ジェラルドが「ひっ」と息を飲む。
公爵の纏う空気が、絶対零度まで下がっていたからだ。
「あ、アークライト公爵……」
「ジェラルド。私のパートナーの装いに、何か不満があるのか?」
「い、いや、不満というか……その、不釣り合いというか……」
「不釣り合い?」
公爵が片眉を上げる。
「彼女は今夜、誰よりも理知的で、気高く、美しい。この会場のどこに、彼女よりふさわしい女性がいると言うんだ?」
「えっ……?」
会場がざわめく。
公爵が公衆の面前で、ここまでストレートに女性を褒めるなど前代未聞だからだ。
「それに、勘違いするな。彼女が私を利用しているのではない。私が彼女を必要としているのだ」
公爵は私の肩を引き寄せた。
強引に、しかし優しく。
私の体が、彼の堅い胸板に触れる。
「彼女は私の『剣』であり『盾』だ。彼女を侮辱することは、私への宣戦布告と見なす」
「……っ!!」
ジェラルドが青ざめて後ずさる。
周囲の貴族たちも、一斉に視線を逸らした。
「影の支配者」を敵に回せば、明日から王都で生きていけないことを誰もが知っている。
「わ、わかったよ……! もう何も言わない!」
ジェラルドは涙目になりながら、捨て台詞を吐いた。
「でも気をつけろよ公爵! その女は本当に金のことしか考えてないからな! 愛なんてないんだぞ!」
「愛か」
公爵は鼻で笑った。
「愛などという不確かなものより、彼女との契約書のほうがよほど信用できる」
「ぐぬぬ……! 行くぞミナ! ここは空気が悪い!」
ジェラルドはミナの手を引いて、逃げるように去っていった。
ミナが「えっ、ケーキまだ食べてないのにぃ!」と抗議していたが、強制退場だ。
嵐が去った後、会場には奇妙な静寂が残った。
「……閣下」
私は公爵を見上げた。
彼は何食わぬ顔で、再びグラスを手に取っている。
「……言い過ぎではありませんか? あれではまるで、私たちが深い仲のように聞こえます」
「事実だろう。ビジネスにおいて」
公爵はさらりと言ってのけた。
しかし、私の肩を抱く腕を離そうとはしない。
「それに、これで虫除けは完了だ。見ろ、誰も近づいてこない」
確かに、周囲は私たちを「アンタッチャブルな最強カップル」として認定したようだ。
遠くから敬礼を送ってくる貴族さえいる。
「……まあ、仕事はしやすくなりましたね」
私は苦笑し、手元の万年筆を握り直した。
「では閣下、行きましょうか。あそこの財務大臣が、先ほどから私たちを見て冷や汗をかいています。きっと何か『やましいこと』があるんでしょう」
「……フッ、同感だ。締め上げに行くか」
私たちは顔を見合わせて笑った。
それは恋人同士の甘い微笑みではなく、共犯者同士の獰猛な笑みだった。
「覚悟なさい、王都の皆様。今夜のワイズマンは、容赦しませんわよ!」
ドレスの裾を翻し、私は戦場(社交場)へと踏み出した。
隣には最強の護衛。
この夜、私たちは数々の不正を暴き、大量のコンサル契約を結び、そして王都の伝説として語り継がれることになる。
『黒衣の公爵と、青きドレスの悪女には、決して逆らってはならない』と。
30
あなたにおすすめの小説
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
わたしはくじ引きで選ばれたにすぎない婚約者だったらしい
よーこ
恋愛
特に美しくもなく、賢くもなく、家柄はそこそこでしかない伯爵令嬢リリアーナは、婚約後六年経ったある日、婚約者である大好きな第二王子に自分が未来の王子妃として選ばれた理由を尋ねてみた。
王子の答えはこうだった。
「くじで引いた紙にリリアーナの名前が書かれていたから」
え、わたし、そんな取るに足らない存在でしかなかったの?!
思い出してみれば、今まで王子に「好きだ」みたいなことを言われたことがない。
ショックを受けたリリアーナは……。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる