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「うぉぉぉぉぉ! 食らえ、王家秘伝剣術・第一の型『ロイヤル・フラッシュ』!!」
ジェラルド王子が、金色の剣を振り回して突っ込んだ。
気合いだけは十分だ。
しかし、その剣筋は素人目に見ても大振りで、隙だらけだった。
対するサイラスは、ポケットに手を入れたまま、動かない。
王子が間合いに入った瞬間。
ヒュッ。
サイラスが最小限の動きで体を逸らす。
王子の剣は空を切り、勢い余って砂浜に突き刺さった。
「ぬわっ!?」
王子は前のめりに転倒し、顔面から砂にダイブした。
「……弱い」
サイラスが冷ややかに見下ろす。
「あまりに弱すぎる。それでも一国の王子か?」
「ぶはっ!」
王子は顔を上げ、砂を吐き出した。
「ま、まだだ! 今の足場が悪かっただけだ! 僕は本気を出していない!」
テラス席の私とミナは、ポップコーンを咀嚼しながら観戦していた。
「ミナ嬢、今の転び方、何点?」
「えっと……芸術点は高いですが、技術点は2点ですね」
「厳しいわね。私は、顔面から行った勇気に加点して3点あげるわ」
私たちは完全にショーとして楽しんでいた。
王子は立ち上がり、再びサイラスに向かっていく。
「こんのぉぉぉ!」
ブンッ、ブンッ!
剣を振り回すが、サイラスにはかすりもしない。
サイラスはまるで舞踏でも踊るかのように、優雅に、そして退屈そうに攻撃を避けている。
「ハァ……ハァ……! な、なぜ当たらない! 貴公、何らかのズルをしているな!?」
「お前の動きが遅いだけだ」
サイラスはあくびを噛み殺した。
「もういいだろう。時間の無駄だ」
彼はパチン、と指を鳴らした。
その瞬間。
ピキキキッ……!
王子の足元から、氷の蔦(つた)のようなものが這い上がり、両足を瞬時に凍りつかせた。
「うわっ!? つ、冷たっ!?」
「動くな。次は全身を氷像にしてやる」
サイラスが指先を王子の喉元に向けた。
そこには、鋭利な氷の刃が形成されていた。
勝負あり。
圧倒的な実力差だ。
「さあ、負けを認めろ。そしてさっさと帰れ」
サイラスが告げる。
誰もが、これで終わりだと思った。
しかし。
ジェラルド王子という生き物は、常人の理解を超えた思考回路を持っていた。
彼は凍りついた足で動けないまま、なぜかニヤリと笑ったのだ。
「……フッ。なるほど、読めたぞ」
「あ?」
サイラスが眉をひそめる。
王子はテラスにいる私に向かって、大声で叫んだ。
「見たか、ピース! この男の強さを! 暴力的なまでの武力を!」
「ええ、見てましたよ。殿下がサンドバッグにされているところを」
「違う! そうじゃない!」
王子は熱っぽい視線で私を見つめた。
「貴様は、僕にこれを見せたかったんだろう? 『私を守る男は、これくらい強くないとダメよ』というメッセージを!」
「……は?」
「つまり、貴様は辺境伯を利用して、僕にハッパをかけたんだ! 『もっと強くなって、私を奪いに来て』と! なんて健気なんだ!」
「……」
私はポップコーンを落とした。
思考が追いつかない。
なぜ、ボコボコにされた結果が「私への愛のメッセージ」に変換されるのか。
「そして辺境伯! 貴公もだ!」
王子はサイラスを睨みつけた。
「貴公はピースに頼まれて、悪役を演じているんだろう? 僕の恋敵(ライバル)という役回りを!」
「……俺は本気で嫌がっているのだが」
「隠さなくてもいい! 男同士、剣を交えれば分かる! 貴公の剣には『迷い』があった! それは『王族を傷つけていいのか』という葛藤だ!」
「いや、手加減しないと死ぬからだ」
「つまり、これは壮大な三角関係の茶番劇! ピースは僕の気を引くために最強の騎士を用意し、僕の情熱を試している! ああ、愛されているなぁ僕は!」
王子は恍惚とした表情で天を仰いだ。
完全にイッている。
会場(庭)が静まり返った。
ミナがドン引きして震えている。
私は席を立ち、テラスの手すりから身を乗り出した。
「殿下」
「なんだい、愛しのピース」
「王都に帰ったら、いい病院を紹介しましょうか? 脳神経外科と、精神科の名医を知っています」
「照れるなよ。病院が必要なのは、君への愛で胸が張り裂けそうな僕の方さ」
「物理的に頭を割って中身を確認したいという意味です」
私の冷徹なツッコミも、今の彼には「愛の囁き」にしか聞こえないらしい。
サイラスが、心の底からうんざりした顔をした。
「……ピース。殺していいか?」
「ダメです。死体の処理代がかかりますし、国際問題になります」
「なら、どうするんだこのバカは」
「もう一度、現実を教えてあげましょう」
私は階段を降り、王子の元へと歩み寄った。
そして、懐から一枚の書類を取り出した。
「殿下。勝負はつきましたね?」
「ふふ、僕の負けだ。しかし、愛の勝負はこれから……」
「負けたのなら、約束通り支払っていただきます。賭けの対象だった『王都の屋敷二軒分の権利書』です」
私は手のひらを差し出した。
「今すぐここにサインを。さあ」
「……え?」
王子が瞬きをした。
「ほ、本当に取るのか?」
「当然です。武士に二言はありませんよね? さあ、ペンはここに」
私は強引に王子の手にペンを握らせ、権利譲渡書にサインをさせた。
「よし。いただきました」
私は書類を確認し、懐にしまった。
「これで屋敷は私のものです。早速、不動産屋に連絡して売却し、現金化させていただきます」
「ちょ、ちょっと待て! あれは僕の隠し資産の半分だぞ!?」
「知りません。負けたのが悪いんです」
私は冷たく言い放った。
王子はようやく、事の重大さに気づき始めたようだった。
「き、貴様……本当に金のためだけに……? 愛の駆け引きじゃなくて?」
「愛なんて一ミリもありません。あるのは殺意と、金銭欲だけです」
私が真顔で断言すると、王子はショックでふらついた。
「そ、そんな……嘘だ……」
「嘘じゃありません。事実です。いい加減、夢から覚めてください」
私がトドメを刺そうとした、その時だった。
王子が、ギリリと歯を食いしばり、顔を上げた。
その目には、絶望ではなく、新たな狂気が宿っていた。
「……分かったぞ」
「今度は何が分かったんですか」
「貴様は……脅されているんだな?」
「はい?」
王子はサイラスを指差した。
「この冷酷無比な辺境伯に弱みを握られ、『金を持ってこないと命はない』と脅されているんだ! だから泣く泣く、僕から金を巻き上げているんだね!?」
「……」
「可哀想なピース! 僕が悪かった! 君がそんな巨悪に支配されているとも知らず! 待っていてくれ、必ず僕が王家の権力を使って、この男から君を救い出してやる!」
王子は勝手にストーリーを再構築し、勝手に感動していた。
私は天を仰いだ。
ダメだ。
この男、ポジティブの化け物だ。
何を言っても「自分に都合の良い解釈」に変換してしまう無敵の結界を持っている。
サイラスが、額に青筋を浮かべた。
「……ピース。もう我慢ならん」
「えっ」
「言葉で分からんバカには、分からせるしかない」
サイラスは私を背後に庇い、一歩前に出た。
そして、王子を見下ろし、低い声で宣言した。
「勘違いするな、小僧。彼女は、誰かに支配されるようなタマじゃない」
「な、なんだと……?」
「彼女は、自分の意志でここにいる。そして」
サイラスは私の肩を抱き寄せた。
グイッ。
「えっ!?」
私はサイラスの胸板に顔を押し付けられた。
「彼女は、俺の婚約者だ」
「…………は?」
私と王子とミナの声が重なった。
サイラスは涼しい顔で続けた。
「正式な手続きはまだだが、俺たちは愛し合っている(主に胃袋が)。だから、部外者は失せろ」
「こ、こんやくしゃぁぁぁぁ!?」
王子が絶叫した。
「嘘だ! そんなの聞いてない! ピース、本当なのか!?」
私はサイラスの腕の中で固まっていた。
(サイラス様!? これ、どういう作戦!? アドリブにも程がありますよ!)
私は目で訴えたが、サイラスは無視して王子を睨みつけた。
「疑うなら、証拠を見せてやる」
サイラスは私の顔を覗き込んだ。
その顔が、近づいてくる。
「っ!?」
待って。
まさか、キスする気?
王子の前で?
演技のために?
私の思考がショート寸前になった時、サイラスは私の耳元で囁いた。
「(……合わせろ。これで諦めさせる)」
そして、彼の唇が私の……。
おでこに、チュッと触れた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
王子が悲鳴を上げて卒倒した。
「あわわわわ……!」
ミナが顔を覆って指の隙間から見ている。
私は真っ赤になってサイラスを突き飛ばした。
「な、ななな、何してるんですかぁっ!!」
「おでこなら減るもんじゃないだろう」
サイラスは平然としていたが、耳が少し赤かった。
「これで『既成事実』だ。諦めるだろう」
倒れた王子は、ピクリとも動かない。
どうやらショックで気絶したらしい。
「……もう、知りませんからね!」
私は叫んだが、心臓の音だけはうるさいくらいに鳴り響いていた。
こうして、私たちの関係は「誤解」と「演技」と「勢い」によって、取り返しのつかない方向へと爆走し始めたのである。
ジェラルド王子が、金色の剣を振り回して突っ込んだ。
気合いだけは十分だ。
しかし、その剣筋は素人目に見ても大振りで、隙だらけだった。
対するサイラスは、ポケットに手を入れたまま、動かない。
王子が間合いに入った瞬間。
ヒュッ。
サイラスが最小限の動きで体を逸らす。
王子の剣は空を切り、勢い余って砂浜に突き刺さった。
「ぬわっ!?」
王子は前のめりに転倒し、顔面から砂にダイブした。
「……弱い」
サイラスが冷ややかに見下ろす。
「あまりに弱すぎる。それでも一国の王子か?」
「ぶはっ!」
王子は顔を上げ、砂を吐き出した。
「ま、まだだ! 今の足場が悪かっただけだ! 僕は本気を出していない!」
テラス席の私とミナは、ポップコーンを咀嚼しながら観戦していた。
「ミナ嬢、今の転び方、何点?」
「えっと……芸術点は高いですが、技術点は2点ですね」
「厳しいわね。私は、顔面から行った勇気に加点して3点あげるわ」
私たちは完全にショーとして楽しんでいた。
王子は立ち上がり、再びサイラスに向かっていく。
「こんのぉぉぉ!」
ブンッ、ブンッ!
剣を振り回すが、サイラスにはかすりもしない。
サイラスはまるで舞踏でも踊るかのように、優雅に、そして退屈そうに攻撃を避けている。
「ハァ……ハァ……! な、なぜ当たらない! 貴公、何らかのズルをしているな!?」
「お前の動きが遅いだけだ」
サイラスはあくびを噛み殺した。
「もういいだろう。時間の無駄だ」
彼はパチン、と指を鳴らした。
その瞬間。
ピキキキッ……!
王子の足元から、氷の蔦(つた)のようなものが這い上がり、両足を瞬時に凍りつかせた。
「うわっ!? つ、冷たっ!?」
「動くな。次は全身を氷像にしてやる」
サイラスが指先を王子の喉元に向けた。
そこには、鋭利な氷の刃が形成されていた。
勝負あり。
圧倒的な実力差だ。
「さあ、負けを認めろ。そしてさっさと帰れ」
サイラスが告げる。
誰もが、これで終わりだと思った。
しかし。
ジェラルド王子という生き物は、常人の理解を超えた思考回路を持っていた。
彼は凍りついた足で動けないまま、なぜかニヤリと笑ったのだ。
「……フッ。なるほど、読めたぞ」
「あ?」
サイラスが眉をひそめる。
王子はテラスにいる私に向かって、大声で叫んだ。
「見たか、ピース! この男の強さを! 暴力的なまでの武力を!」
「ええ、見てましたよ。殿下がサンドバッグにされているところを」
「違う! そうじゃない!」
王子は熱っぽい視線で私を見つめた。
「貴様は、僕にこれを見せたかったんだろう? 『私を守る男は、これくらい強くないとダメよ』というメッセージを!」
「……は?」
「つまり、貴様は辺境伯を利用して、僕にハッパをかけたんだ! 『もっと強くなって、私を奪いに来て』と! なんて健気なんだ!」
「……」
私はポップコーンを落とした。
思考が追いつかない。
なぜ、ボコボコにされた結果が「私への愛のメッセージ」に変換されるのか。
「そして辺境伯! 貴公もだ!」
王子はサイラスを睨みつけた。
「貴公はピースに頼まれて、悪役を演じているんだろう? 僕の恋敵(ライバル)という役回りを!」
「……俺は本気で嫌がっているのだが」
「隠さなくてもいい! 男同士、剣を交えれば分かる! 貴公の剣には『迷い』があった! それは『王族を傷つけていいのか』という葛藤だ!」
「いや、手加減しないと死ぬからだ」
「つまり、これは壮大な三角関係の茶番劇! ピースは僕の気を引くために最強の騎士を用意し、僕の情熱を試している! ああ、愛されているなぁ僕は!」
王子は恍惚とした表情で天を仰いだ。
完全にイッている。
会場(庭)が静まり返った。
ミナがドン引きして震えている。
私は席を立ち、テラスの手すりから身を乗り出した。
「殿下」
「なんだい、愛しのピース」
「王都に帰ったら、いい病院を紹介しましょうか? 脳神経外科と、精神科の名医を知っています」
「照れるなよ。病院が必要なのは、君への愛で胸が張り裂けそうな僕の方さ」
「物理的に頭を割って中身を確認したいという意味です」
私の冷徹なツッコミも、今の彼には「愛の囁き」にしか聞こえないらしい。
サイラスが、心の底からうんざりした顔をした。
「……ピース。殺していいか?」
「ダメです。死体の処理代がかかりますし、国際問題になります」
「なら、どうするんだこのバカは」
「もう一度、現実を教えてあげましょう」
私は階段を降り、王子の元へと歩み寄った。
そして、懐から一枚の書類を取り出した。
「殿下。勝負はつきましたね?」
「ふふ、僕の負けだ。しかし、愛の勝負はこれから……」
「負けたのなら、約束通り支払っていただきます。賭けの対象だった『王都の屋敷二軒分の権利書』です」
私は手のひらを差し出した。
「今すぐここにサインを。さあ」
「……え?」
王子が瞬きをした。
「ほ、本当に取るのか?」
「当然です。武士に二言はありませんよね? さあ、ペンはここに」
私は強引に王子の手にペンを握らせ、権利譲渡書にサインをさせた。
「よし。いただきました」
私は書類を確認し、懐にしまった。
「これで屋敷は私のものです。早速、不動産屋に連絡して売却し、現金化させていただきます」
「ちょ、ちょっと待て! あれは僕の隠し資産の半分だぞ!?」
「知りません。負けたのが悪いんです」
私は冷たく言い放った。
王子はようやく、事の重大さに気づき始めたようだった。
「き、貴様……本当に金のためだけに……? 愛の駆け引きじゃなくて?」
「愛なんて一ミリもありません。あるのは殺意と、金銭欲だけです」
私が真顔で断言すると、王子はショックでふらついた。
「そ、そんな……嘘だ……」
「嘘じゃありません。事実です。いい加減、夢から覚めてください」
私がトドメを刺そうとした、その時だった。
王子が、ギリリと歯を食いしばり、顔を上げた。
その目には、絶望ではなく、新たな狂気が宿っていた。
「……分かったぞ」
「今度は何が分かったんですか」
「貴様は……脅されているんだな?」
「はい?」
王子はサイラスを指差した。
「この冷酷無比な辺境伯に弱みを握られ、『金を持ってこないと命はない』と脅されているんだ! だから泣く泣く、僕から金を巻き上げているんだね!?」
「……」
「可哀想なピース! 僕が悪かった! 君がそんな巨悪に支配されているとも知らず! 待っていてくれ、必ず僕が王家の権力を使って、この男から君を救い出してやる!」
王子は勝手にストーリーを再構築し、勝手に感動していた。
私は天を仰いだ。
ダメだ。
この男、ポジティブの化け物だ。
何を言っても「自分に都合の良い解釈」に変換してしまう無敵の結界を持っている。
サイラスが、額に青筋を浮かべた。
「……ピース。もう我慢ならん」
「えっ」
「言葉で分からんバカには、分からせるしかない」
サイラスは私を背後に庇い、一歩前に出た。
そして、王子を見下ろし、低い声で宣言した。
「勘違いするな、小僧。彼女は、誰かに支配されるようなタマじゃない」
「な、なんだと……?」
「彼女は、自分の意志でここにいる。そして」
サイラスは私の肩を抱き寄せた。
グイッ。
「えっ!?」
私はサイラスの胸板に顔を押し付けられた。
「彼女は、俺の婚約者だ」
「…………は?」
私と王子とミナの声が重なった。
サイラスは涼しい顔で続けた。
「正式な手続きはまだだが、俺たちは愛し合っている(主に胃袋が)。だから、部外者は失せろ」
「こ、こんやくしゃぁぁぁぁ!?」
王子が絶叫した。
「嘘だ! そんなの聞いてない! ピース、本当なのか!?」
私はサイラスの腕の中で固まっていた。
(サイラス様!? これ、どういう作戦!? アドリブにも程がありますよ!)
私は目で訴えたが、サイラスは無視して王子を睨みつけた。
「疑うなら、証拠を見せてやる」
サイラスは私の顔を覗き込んだ。
その顔が、近づいてくる。
「っ!?」
待って。
まさか、キスする気?
王子の前で?
演技のために?
私の思考がショート寸前になった時、サイラスは私の耳元で囁いた。
「(……合わせろ。これで諦めさせる)」
そして、彼の唇が私の……。
おでこに、チュッと触れた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
王子が悲鳴を上げて卒倒した。
「あわわわわ……!」
ミナが顔を覆って指の隙間から見ている。
私は真っ赤になってサイラスを突き飛ばした。
「な、ななな、何してるんですかぁっ!!」
「おでこなら減るもんじゃないだろう」
サイラスは平然としていたが、耳が少し赤かった。
「これで『既成事実』だ。諦めるだろう」
倒れた王子は、ピクリとも動かない。
どうやらショックで気絶したらしい。
「……もう、知りませんからね!」
私は叫んだが、心臓の音だけはうるさいくらいに鳴り響いていた。
こうして、私たちの関係は「誤解」と「演技」と「勢い」によって、取り返しのつかない方向へと爆走し始めたのである。
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