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「……寒い」
翌朝。
私はガタガタと震えながら目を覚ました。
そこは、天蓋付きのふかふかベッド……ではなく、石造りの冷たい部屋に置かれた、飾り気のない軍用ベッドの上だった。
布団は薄く、暖炉には火が入っていない。
窓の外では、ヒョォォォ……という寒風の音がBGMのように流れている。
「……殺す気?」
私は毛布(ゴワゴワして獣臭い)を頭まで被り、呻いた。
昨夜は到着の興奮で気にならなかったが、ここは「辺境」だ。
王都のような快適な空調魔法もなければ、ふかふかの絨毯もない。
あるのは、石と鉄と筋肉だけだ。
「お嬢様……生きてらっしゃいますか……?」
ドアが少し開き、ミナが顔を覗かせた。
彼女もまた、何枚もの重ね着をしてダルマのような姿になっている。
「ミナ……。ここ、冷蔵庫の中かしら?」
「冷凍庫ですぅ……。洗面器の水が凍ってました……」
「……最悪ね」
私は決意を込めてベッドから這い出した。
「よし。予定変更よ。領地改革の前に、まずは『生活環境の改善(マイホーム計画)』を実行するわ!」
私たちは着替えて(私は動きやすいパンツスタイル、ミナは防寒具マシマシ)、食堂へと向かった。
ガチャリ、と重い扉を開ける。
そこには、異様な光景が広がっていた。
「「「「「…………」」」」」
数百人は入ろうかという巨大な広間に、丸太のような腕をした強面の男たちがズラリと並び、無言で食事を摂っている。
咀嚼音と、食器がぶつかる音だけが響く、お通夜のような空間。
空気が重い。
そして、むさ苦しい。
「ひぃっ……! クマの巣窟……!」
ミナが私の背中に隠れる。
確かに、彼らはサイラスの私兵団だ。
王宮のきらびやかな騎士たちとは違い、本物の「戦う男たち」のオーラが出ている。
私は怯むことなく、スタスタと部屋の中央へ進んだ。
一番奥の上座に、サイラスが座っていた。
「おはよう、ピース。よく眠れたか?」
彼は平然とコーヒー(のような黒い液体)を飲んでいる。
「おはようございます、サイラス様。おかげさまで、冷凍マグロの気分を味わえました」
私は彼の隣に座った。
すぐに給仕の兵士が、私の前に朝食をドンと置いた。
メニューは以下の通り。
・石のように硬い黒パン
・茶色いドロドロのスープ(具材不明)
・塩漬け肉の塊
以上。
「……これは?」
私はスプーンでドロドロを救い上げた。
「戦闘糧食だ」
サイラスが答えた。
「腹持ちが良く、栄養価も高い。味は……まあ、生きるためには十分だ」
「……」
私はスープを一口飲んだ。
塩辛い。そして、砂のようなジャリッとした食感。
「サイラス様」
「なんだ」
「貴方、よくこれで生きてこれましたね?」
「俺は味に頓着しない方だが……お前のスープを知ってからは、正直キツイな」
サイラスも本音ではうんざりしているらしい。
私は立ち上がり、食堂を見渡した。
兵士たちの視線が一斉に私に集まる。
「女だ……」
「辺境伯様が連れてきた婚約者らしいぞ……」
「あんな細い腕で、ここでの暮らしに耐えられるのか?」
そんなヒソヒソ話が聞こえてくる。
私はテーブルをバン! と叩いた。
「注目!」
私の声が広間に響き渡る。
兵士たちがビクリとして静まり返った。
「本日より、この城の『管理体制』を一新します! 私はピース・アスター。貴方たちのボスの婚約者であり、これからの貴方たちの『生活指導教官』です!」
「せ、生活指導……?」
熊のような大男が呆然と呟く。
「まず、この食事! 却下です! 塩分過多で高血圧まっしぐら! 明日からメニューを全面的に見直します!」
「ええっ!?」
「次に、城内の温度管理! 寒すぎます! 早急に断熱材の導入と、魔導暖房の設置工事を行います!」
「そ、そんな予算は……」
「予算ならあります!」
私は懐から、昨日ジェラルドから巻き上げた(もとい、彼が持っていた王家のカードで引き出した)資金の入った袋を取り出し、ジャラジャラと振ってみせた。
「金ならある! 技術もある! ないのは『快適さへの執着』だけです!」
兵士たちがざわめき始めた。
「おい、マジか……飯が美味くなるのか?」
「暖房って、王都の貴族が使うやつか?」
「すげぇ……女神か?」
「ただし!」
私は釘を刺した。
「タダではありません。快適な生活の対価として、貴方たちには働いていただきます。魔物退治だけじゃありませんよ? 土木工事、農作業、そして私の荷物持ち……フル稼働してもらいます!」
私はニヤリと笑った。
「覚悟はいいですか? 私のシマ(城)に来たからには、私のルールに従ってもらいます!」
一瞬の沈黙。
そして。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!! ついていきます、姉御ぉぉぉ!!」」」
野太い歓声が爆発した。
単純な男たちで助かる。
「姉御……」
サイラスが苦笑した。
「俺の立場がないな」
「あら、ボスの座は奪いませんよ。私はあくまで『裏番長』ですから」
こうして、城内の掌握はわずか五分で完了した。
朝食後。
私はさっそく城内視察(リフォームの下見)に出かけた。
廊下ですれ違う兵士たちが、「姉御、おはようございます!」「姉御、荷物持ちましょうか!」と敬礼してくる。
「ミナ、貴女は私の部屋のインテリアをお願い。この殺風景な石壁を、もっとこう、人が住む場所らしくして」
「はい! お任せください! ピンクのカーテンと、フリフリのクッションで埋め尽くします!」
「……ほどほどにね」
私は指示を出しながら、城の裏庭へと向かった。
そこでは。
「うぅ……寒い……手がかじかむ……」
穴の中で、泥だらけになったジェラルド(元王子)が、スコップを杖にして震えていた。
「あら、おはようジェラルド。進んでる?」
「ピース……! 入れてくれ……城に入れてくれぇ……!」
ジェラルドが涙目で縋り付いてきた。
「死ぬ……このままじゃ凍死して、来年の春に『王子の化石』として発見される……」
「大げさね。動けば温まるわよ」
私は冷酷に突き放した。
「それに、貴方には期待しているのよ。ここから温泉が出れば、城の暖房エネルギーとしても使えるわ」
「エネルギー……僕を燃料にする気か!?」
「違うわよ。地熱の話。……ほら、差し入れの『温かいお湯』よ」
私は水筒を渡した。
ジェラルドは震える手でそれを受け取り、一気に飲み干した。
「あぁ~……生き返るぅ……。中身はお茶?」
「ただの白湯よ。茶葉は高いから」
「ケチぃぃぃ!」
ジェラルドは叫んだが、その顔には少し生気が戻っていた。
「いい? ノルマは一日一メートルよ。サボったら夕食のスープなしだからね」
「鬼! 悪魔! ……元婚約者!」
私は彼の罵倒をBGMに、現場を後にした。
城に戻ると、サイラスが執務室で待っていた。
「ピース。兵士たちがやる気になりすぎて、訓練場ではなく厨房に集まっているんだが」
「良い傾向です。料理ができる男はモテますから」
私は彼の机に、羊皮紙の束を置いた。
「さて、サイラス様。これが『鉄壁城リフォーム計画書』兼『領地改革第一弾』の予算案です」
サイラスは書類に目を通し、目を見張った。
「……桁が一つ多くないか?」
「初期投資です。回収計画も添付してあります」
私は自信満々に言った。
「この領地にはポテンシャルがあります。ミスリル、温泉、そして何より……」
私は窓の外、訓練に励む屈強な兵士たちを指差した。
「彼ら『筋肉』という観光資源が」
「……筋肉?」
「はい。王都の貴婦人たちは、ひ弱な貴族に飽き飽きしています。このワイルドな『辺境騎士団との婚活ツアー』を企画すれば、参加費だけで莫大な利益が見込めます」
「……お前、俺の部下を売り飛ばす気か」
「人聞きが悪い。マッチングアプリの実写版ですよ」
私はウインクした。
サイラスは深いため息をついたが、その口元は笑っていた。
「やれやれ。……退屈しないとは言ったが、ここまでとはな」
彼は書類にサインをした。
「許可する。好きにやれ、ピース。……ただし」
「ただし?」
「俺との夕食の時間だけは確保しろ。それと、夜は……寒くないように、俺が温めてやる」
「……っ」
不意打ちの口説き文句。
私は顔が熱くなるのを感じた。
「……暖房工事、急がせますからね!」
照れ隠しで叫ぶ私の声が、冷たい石壁に反響した。
辺境生活二日目。
私の城(実効支配済み)での、賑やかで忙しい日々が始まった。
しかし、その夜。
穴掘りを続けていたジェラルドのスコップが、カチン! と奇妙な音を立てたことを、私たちはまだ知らなかった。
温泉……ではなく、もっと厄介なものを掘り当ててしまったことを。
翌朝。
私はガタガタと震えながら目を覚ました。
そこは、天蓋付きのふかふかベッド……ではなく、石造りの冷たい部屋に置かれた、飾り気のない軍用ベッドの上だった。
布団は薄く、暖炉には火が入っていない。
窓の外では、ヒョォォォ……という寒風の音がBGMのように流れている。
「……殺す気?」
私は毛布(ゴワゴワして獣臭い)を頭まで被り、呻いた。
昨夜は到着の興奮で気にならなかったが、ここは「辺境」だ。
王都のような快適な空調魔法もなければ、ふかふかの絨毯もない。
あるのは、石と鉄と筋肉だけだ。
「お嬢様……生きてらっしゃいますか……?」
ドアが少し開き、ミナが顔を覗かせた。
彼女もまた、何枚もの重ね着をしてダルマのような姿になっている。
「ミナ……。ここ、冷蔵庫の中かしら?」
「冷凍庫ですぅ……。洗面器の水が凍ってました……」
「……最悪ね」
私は決意を込めてベッドから這い出した。
「よし。予定変更よ。領地改革の前に、まずは『生活環境の改善(マイホーム計画)』を実行するわ!」
私たちは着替えて(私は動きやすいパンツスタイル、ミナは防寒具マシマシ)、食堂へと向かった。
ガチャリ、と重い扉を開ける。
そこには、異様な光景が広がっていた。
「「「「「…………」」」」」
数百人は入ろうかという巨大な広間に、丸太のような腕をした強面の男たちがズラリと並び、無言で食事を摂っている。
咀嚼音と、食器がぶつかる音だけが響く、お通夜のような空間。
空気が重い。
そして、むさ苦しい。
「ひぃっ……! クマの巣窟……!」
ミナが私の背中に隠れる。
確かに、彼らはサイラスの私兵団だ。
王宮のきらびやかな騎士たちとは違い、本物の「戦う男たち」のオーラが出ている。
私は怯むことなく、スタスタと部屋の中央へ進んだ。
一番奥の上座に、サイラスが座っていた。
「おはよう、ピース。よく眠れたか?」
彼は平然とコーヒー(のような黒い液体)を飲んでいる。
「おはようございます、サイラス様。おかげさまで、冷凍マグロの気分を味わえました」
私は彼の隣に座った。
すぐに給仕の兵士が、私の前に朝食をドンと置いた。
メニューは以下の通り。
・石のように硬い黒パン
・茶色いドロドロのスープ(具材不明)
・塩漬け肉の塊
以上。
「……これは?」
私はスプーンでドロドロを救い上げた。
「戦闘糧食だ」
サイラスが答えた。
「腹持ちが良く、栄養価も高い。味は……まあ、生きるためには十分だ」
「……」
私はスープを一口飲んだ。
塩辛い。そして、砂のようなジャリッとした食感。
「サイラス様」
「なんだ」
「貴方、よくこれで生きてこれましたね?」
「俺は味に頓着しない方だが……お前のスープを知ってからは、正直キツイな」
サイラスも本音ではうんざりしているらしい。
私は立ち上がり、食堂を見渡した。
兵士たちの視線が一斉に私に集まる。
「女だ……」
「辺境伯様が連れてきた婚約者らしいぞ……」
「あんな細い腕で、ここでの暮らしに耐えられるのか?」
そんなヒソヒソ話が聞こえてくる。
私はテーブルをバン! と叩いた。
「注目!」
私の声が広間に響き渡る。
兵士たちがビクリとして静まり返った。
「本日より、この城の『管理体制』を一新します! 私はピース・アスター。貴方たちのボスの婚約者であり、これからの貴方たちの『生活指導教官』です!」
「せ、生活指導……?」
熊のような大男が呆然と呟く。
「まず、この食事! 却下です! 塩分過多で高血圧まっしぐら! 明日からメニューを全面的に見直します!」
「ええっ!?」
「次に、城内の温度管理! 寒すぎます! 早急に断熱材の導入と、魔導暖房の設置工事を行います!」
「そ、そんな予算は……」
「予算ならあります!」
私は懐から、昨日ジェラルドから巻き上げた(もとい、彼が持っていた王家のカードで引き出した)資金の入った袋を取り出し、ジャラジャラと振ってみせた。
「金ならある! 技術もある! ないのは『快適さへの執着』だけです!」
兵士たちがざわめき始めた。
「おい、マジか……飯が美味くなるのか?」
「暖房って、王都の貴族が使うやつか?」
「すげぇ……女神か?」
「ただし!」
私は釘を刺した。
「タダではありません。快適な生活の対価として、貴方たちには働いていただきます。魔物退治だけじゃありませんよ? 土木工事、農作業、そして私の荷物持ち……フル稼働してもらいます!」
私はニヤリと笑った。
「覚悟はいいですか? 私のシマ(城)に来たからには、私のルールに従ってもらいます!」
一瞬の沈黙。
そして。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!! ついていきます、姉御ぉぉぉ!!」」」
野太い歓声が爆発した。
単純な男たちで助かる。
「姉御……」
サイラスが苦笑した。
「俺の立場がないな」
「あら、ボスの座は奪いませんよ。私はあくまで『裏番長』ですから」
こうして、城内の掌握はわずか五分で完了した。
朝食後。
私はさっそく城内視察(リフォームの下見)に出かけた。
廊下ですれ違う兵士たちが、「姉御、おはようございます!」「姉御、荷物持ちましょうか!」と敬礼してくる。
「ミナ、貴女は私の部屋のインテリアをお願い。この殺風景な石壁を、もっとこう、人が住む場所らしくして」
「はい! お任せください! ピンクのカーテンと、フリフリのクッションで埋め尽くします!」
「……ほどほどにね」
私は指示を出しながら、城の裏庭へと向かった。
そこでは。
「うぅ……寒い……手がかじかむ……」
穴の中で、泥だらけになったジェラルド(元王子)が、スコップを杖にして震えていた。
「あら、おはようジェラルド。進んでる?」
「ピース……! 入れてくれ……城に入れてくれぇ……!」
ジェラルドが涙目で縋り付いてきた。
「死ぬ……このままじゃ凍死して、来年の春に『王子の化石』として発見される……」
「大げさね。動けば温まるわよ」
私は冷酷に突き放した。
「それに、貴方には期待しているのよ。ここから温泉が出れば、城の暖房エネルギーとしても使えるわ」
「エネルギー……僕を燃料にする気か!?」
「違うわよ。地熱の話。……ほら、差し入れの『温かいお湯』よ」
私は水筒を渡した。
ジェラルドは震える手でそれを受け取り、一気に飲み干した。
「あぁ~……生き返るぅ……。中身はお茶?」
「ただの白湯よ。茶葉は高いから」
「ケチぃぃぃ!」
ジェラルドは叫んだが、その顔には少し生気が戻っていた。
「いい? ノルマは一日一メートルよ。サボったら夕食のスープなしだからね」
「鬼! 悪魔! ……元婚約者!」
私は彼の罵倒をBGMに、現場を後にした。
城に戻ると、サイラスが執務室で待っていた。
「ピース。兵士たちがやる気になりすぎて、訓練場ではなく厨房に集まっているんだが」
「良い傾向です。料理ができる男はモテますから」
私は彼の机に、羊皮紙の束を置いた。
「さて、サイラス様。これが『鉄壁城リフォーム計画書』兼『領地改革第一弾』の予算案です」
サイラスは書類に目を通し、目を見張った。
「……桁が一つ多くないか?」
「初期投資です。回収計画も添付してあります」
私は自信満々に言った。
「この領地にはポテンシャルがあります。ミスリル、温泉、そして何より……」
私は窓の外、訓練に励む屈強な兵士たちを指差した。
「彼ら『筋肉』という観光資源が」
「……筋肉?」
「はい。王都の貴婦人たちは、ひ弱な貴族に飽き飽きしています。このワイルドな『辺境騎士団との婚活ツアー』を企画すれば、参加費だけで莫大な利益が見込めます」
「……お前、俺の部下を売り飛ばす気か」
「人聞きが悪い。マッチングアプリの実写版ですよ」
私はウインクした。
サイラスは深いため息をついたが、その口元は笑っていた。
「やれやれ。……退屈しないとは言ったが、ここまでとはな」
彼は書類にサインをした。
「許可する。好きにやれ、ピース。……ただし」
「ただし?」
「俺との夕食の時間だけは確保しろ。それと、夜は……寒くないように、俺が温めてやる」
「……っ」
不意打ちの口説き文句。
私は顔が熱くなるのを感じた。
「……暖房工事、急がせますからね!」
照れ隠しで叫ぶ私の声が、冷たい石壁に反響した。
辺境生活二日目。
私の城(実効支配済み)での、賑やかで忙しい日々が始まった。
しかし、その夜。
穴掘りを続けていたジェラルドのスコップが、カチン! と奇妙な音を立てたことを、私たちはまだ知らなかった。
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