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「……来たわね」
その気配は、森の鳥たちが一斉に逃げ出すような、異様なプレッシャーと共にやってきた。
時刻は午後二時。
私とアレンが庭で優雅なティータイム(という名の作戦会議)を楽しんでいた時だ。
ガサガサガサッ!
茂みが乱暴にかき分けられる音がする。
「うわあああ! なんだこの泥はぁ!」
「殿下! お足元にお気をつけください! そこはトリモチです!」
「ええい、構わん! 進め! カグヤは目の前だ!」
「殿下、頭上に魚の骨が降ってきます!」
「臭っ! ……だが、王者の風格で耐えるのだ!」
ドタバタという騒音と共に、私たちの視界に「それ」は現れた。
「……」
「……」
私とアレンは、無言でティーカップを置いた。
そこに立っていたのは、泥だらけのブーツ、魚の汁で濡れたマント、そして何日も寝ていないであろう土気色の顔をした……。
「……ゾンビ?」
私が恐る恐る尋ねると、「それ」はカッと目を見開いた。
「誰がゾンビだ! 私だ! ヘリオスだ!」
王太子ヘリオス。
かつて「太陽の貴公子」と呼ばれたキラキラ王子は、今や「沼の底から這い出たアンデッド」のような姿で仁王立ちしていた。
「……殿下?」
私は眉をひそめて観察した。
「嘘でしょう? 殿下はもっとこう、無駄にキラキラしていて、肌艶が良くて、人生の苦労など一つも知らないようなお顔をされていたはずですが」
「うるさい! 誰のせいでこうなったと思っている!」
ヘリオスが叫ぶ。
その目の下には、深淵のような濃い隈(くま)が刻まれている。
頬はこけ、唇はカサカサだ。
「カグヤ! 貴様がいなくなってから、城は地獄だ!」
彼は一歩踏み出した。
「書類が終わらん! 朝起きたら枕元に書類! 食事中も書類! 風呂に入っても部下が『承認印を!』と追いかけてくる! 眠れん! 私はもう三日も寝ていないんだ!」
「それはお気の毒ですね。労働基準監督署に訴えてみては?」
「監督署のトップはお前だっただろうが!」
ヘリオスが地団駄を踏む。
その拍子に、靴底のトリモチが「ベチャッ」と糸を引いた。
「……それで? 何の用ですか?」
私は冷ややかに聞いた。
「用だと? 決まっている!」
ヘリオスはマント(魚臭い)をバサッと翻し、ボロボロの姿で胸を張った。
「迎えに来てやったぞ、カグヤ!」
「……は?」
「感謝しろ! 王太子である私が! わざわざこんな僻地(へきち)まで! 直々に足を運んでやったのだ!」
彼はニヤリと笑った(つもりだろうが、顔色が悪いのでホラーだ)。
「本来なら、業務放棄で死罪にしてもいいところだ。だが、私は寛大だ。貴様の罪を不問にしてやる」
「……」
「さあ、泣いて喜べ! そして今すぐ城へ戻り、あの書類の山を片付けるのだ! 今なら特別に、婚約破棄を撤回し、再び私の婚約者に戻る権利を与えてやろう!」
シーン……。
森に静寂が流れた。
アレンが「ぶふっ」と吹き出す音だけが響く。
私はゆっくりと立ち上がり、ヘリオスを真っ直ぐに見据えた。
「殿下」
「なんだ? 嬉しくて言葉も出ないか?」
「病院へ行かれたほうがよろしいかと」
「なっ……!?」
「過労と睡眠不足で、脳の機能に深刻なエラーが発生しているようです。幻覚と妄想が見えていらっしゃいます」
私は憐れむような目を向けた。
「私が喜ぶ? 戻る? 不問にされる? ……面白い冗談ですね。笑えませんが」
「じ、冗談ではない! 私は本気だ!」
「本気なら尚更救えません」
私は扇子(アレンが木の皮で作った)で口元を隠し、ため息をついた。
「いいですか、殿下。よく聞いてください」
私は一語一句、噛んで含めるように言った。
「私は、今の生活に満足しています。朝は好きな時間に起き、美味しいご飯を食べ、昼寝をし、夜は星を見る。この生活を捨てて、なぜ『残業地獄』に戻らなければならないのですか?」
「な、なぜって……それは、お前が私を愛しているからだろう!?」
「愛?」
私は首を傾げた。
「ああ、あの『自己犠牲』という名の呪いのことですか? それなら婚約破棄の瞬間に解けました」
「そ、そんな馬鹿な……! あんなに尽くしてくれたではないか!」
「仕事ですから」
バッサリ。
「え?」
「全て業務です。殿下の世話も、尻拭いも、笑顔で『素敵です』と言うのも、全て王妃教育の一環としての業務遂行(パフォーマンス)です。給料(王妃の座)が出ると思っていたから耐えていましたが、クビになった今、タダ働きする義理はありません」
「……」
ヘリオスが口をパクパクさせている。
ショックを受けているようだが、同情はしない。
「おい、カグヤ」
それまで黙って聞いていたアレンが、横から口を挟んだ。
「あまりいじめてやるなよ。彼、泣きそうだよ?」
アレンはニヤニヤしながら、ヘリオスに近づいた。
「やあ、初めまして。王太子殿下」
「だ、誰だ貴様は! なぜカグヤの隣にいる!」
ヘリオスがアレンを睨(にら)みつける。
アレンは優雅に胸に手を当てた。
「私はアレン。カグヤお嬢様の現在の執事であり、同居人であり、スローライフのパートナーです」
「同居人だと……!? 男とか!?」
「ええ。お嬢様とは、とても『親密な』関係を築かせていただいております」
アレンはわざとらしく私の腰に手を回した。
「毎日、私の手料理を食べ、同じ屋根の下で眠り、互いの……夢を語り合っております」
「き、きき、貴様ぁぁぁ!」
ヘリオスが顔を真っ赤にして叫んだ。
「カグヤ! どういうことだ! 私という男がいながら、こんな馬の骨と!」
「馬の骨ではありません。優秀な執事です」
私はアレンの手を払いのけず、むしろ肯定した。
「彼は殿下と違って、書類を散らかしません。食事をこぼしません。そして何より、私に『働け』と言いません。比較検討した結果、アレンの方が百倍優秀だと判断しました」
「ぐあぁっ……!」
ヘリオスが胸を押さえてよろめく。
クリティカルヒットだ。
「そ、そんな……顔か! 顔がいいからか! 私だって顔には自信が……!」
「顔色を見てから言ってください。今の殿下は、腐ったナスビのような色をしていますよ」
「ナ、ナスビ……」
ヘリオスは膝から崩れ落ちた。
プライドも、自信も、全て粉砕されたようだ。
「……帰ってください」
私は冷たく告げた。
「これ以上ここにいても、惨めになるだけですよ。城に戻って、ミナ様と仲良く書類と格闘してください」
「嫌だ……! 戻りたくない……!」
ヘリオスが地面(泥)に這いつくばって泣き出した。
「もう嫌なんだ! 字を見るだけで吐き気がするんだ! 誰か助けてくれぇぇ!」
その姿は、一国の王太子とは思えないほど哀れだった。
まるで、夏休みの宿題を最終日まで溜め込んだ小学生のようだ。
「……はぁ」
私は大きなため息をついた。
「アレン。塩を撒(ま)いて」
「了解」
アレンがキッチンから塩の瓶を持ってくる。
「ま、待て! 待ってくれカグヤ!」
ヘリオスが私の足にすがりつこうとした。
「金だ! 金なら払う! いくら欲しい!? 言い値で払うから、書類を……あの山のような書類をなんとかしてくれぇぇ!」
ピクリ。
私の眉が動いた。
「……今、なんと?」
「金を払うと言ったんだ! 王家の財産を切り崩してでも払う! だから助けてくれ!」
金。
マネー。
慰謝料。
私の脳内で、そろばんを弾く音が高速で響いた。
私はゆっくりとしゃがみ込み、ヘリオスの薄汚れた顔を覗き込んだ。
「……言いましたね? 『言い値で払う』と」
「い、言った! 言ったぞ!」
「証言は取れました」
私はスッと立ち上がり、アレンに向かって指を鳴らした。
「アレン! 筆と紙を! それから電卓(魔道具)を持ってきて!」
「お、急にやる気になったね」
「ビジネスチャンスよ。情では動きませんが、金なら話は別です」
私は不敵な笑みを浮かべた。
「殿下。貴方が私に負わせた『精神的苦痛』と、過去十年の『未払い労働賃金』、そして今回の『緊急コンサルティング料』……。全て合算して請求させていただきます」
「は、払う! 何でも払う!」
「よろしい。では、覚悟していただきましょうか」
私は腕まくりをした。
次回、恐怖の請求書作成タイムの始まりである。
王太子よ。
貴方は知らなかったのだ。
「悪役令嬢」よりも恐ろしいのは、「金にシビアになった元社畜」であるということを。
その気配は、森の鳥たちが一斉に逃げ出すような、異様なプレッシャーと共にやってきた。
時刻は午後二時。
私とアレンが庭で優雅なティータイム(という名の作戦会議)を楽しんでいた時だ。
ガサガサガサッ!
茂みが乱暴にかき分けられる音がする。
「うわあああ! なんだこの泥はぁ!」
「殿下! お足元にお気をつけください! そこはトリモチです!」
「ええい、構わん! 進め! カグヤは目の前だ!」
「殿下、頭上に魚の骨が降ってきます!」
「臭っ! ……だが、王者の風格で耐えるのだ!」
ドタバタという騒音と共に、私たちの視界に「それ」は現れた。
「……」
「……」
私とアレンは、無言でティーカップを置いた。
そこに立っていたのは、泥だらけのブーツ、魚の汁で濡れたマント、そして何日も寝ていないであろう土気色の顔をした……。
「……ゾンビ?」
私が恐る恐る尋ねると、「それ」はカッと目を見開いた。
「誰がゾンビだ! 私だ! ヘリオスだ!」
王太子ヘリオス。
かつて「太陽の貴公子」と呼ばれたキラキラ王子は、今や「沼の底から這い出たアンデッド」のような姿で仁王立ちしていた。
「……殿下?」
私は眉をひそめて観察した。
「嘘でしょう? 殿下はもっとこう、無駄にキラキラしていて、肌艶が良くて、人生の苦労など一つも知らないようなお顔をされていたはずですが」
「うるさい! 誰のせいでこうなったと思っている!」
ヘリオスが叫ぶ。
その目の下には、深淵のような濃い隈(くま)が刻まれている。
頬はこけ、唇はカサカサだ。
「カグヤ! 貴様がいなくなってから、城は地獄だ!」
彼は一歩踏み出した。
「書類が終わらん! 朝起きたら枕元に書類! 食事中も書類! 風呂に入っても部下が『承認印を!』と追いかけてくる! 眠れん! 私はもう三日も寝ていないんだ!」
「それはお気の毒ですね。労働基準監督署に訴えてみては?」
「監督署のトップはお前だっただろうが!」
ヘリオスが地団駄を踏む。
その拍子に、靴底のトリモチが「ベチャッ」と糸を引いた。
「……それで? 何の用ですか?」
私は冷ややかに聞いた。
「用だと? 決まっている!」
ヘリオスはマント(魚臭い)をバサッと翻し、ボロボロの姿で胸を張った。
「迎えに来てやったぞ、カグヤ!」
「……は?」
「感謝しろ! 王太子である私が! わざわざこんな僻地(へきち)まで! 直々に足を運んでやったのだ!」
彼はニヤリと笑った(つもりだろうが、顔色が悪いのでホラーだ)。
「本来なら、業務放棄で死罪にしてもいいところだ。だが、私は寛大だ。貴様の罪を不問にしてやる」
「……」
「さあ、泣いて喜べ! そして今すぐ城へ戻り、あの書類の山を片付けるのだ! 今なら特別に、婚約破棄を撤回し、再び私の婚約者に戻る権利を与えてやろう!」
シーン……。
森に静寂が流れた。
アレンが「ぶふっ」と吹き出す音だけが響く。
私はゆっくりと立ち上がり、ヘリオスを真っ直ぐに見据えた。
「殿下」
「なんだ? 嬉しくて言葉も出ないか?」
「病院へ行かれたほうがよろしいかと」
「なっ……!?」
「過労と睡眠不足で、脳の機能に深刻なエラーが発生しているようです。幻覚と妄想が見えていらっしゃいます」
私は憐れむような目を向けた。
「私が喜ぶ? 戻る? 不問にされる? ……面白い冗談ですね。笑えませんが」
「じ、冗談ではない! 私は本気だ!」
「本気なら尚更救えません」
私は扇子(アレンが木の皮で作った)で口元を隠し、ため息をついた。
「いいですか、殿下。よく聞いてください」
私は一語一句、噛んで含めるように言った。
「私は、今の生活に満足しています。朝は好きな時間に起き、美味しいご飯を食べ、昼寝をし、夜は星を見る。この生活を捨てて、なぜ『残業地獄』に戻らなければならないのですか?」
「な、なぜって……それは、お前が私を愛しているからだろう!?」
「愛?」
私は首を傾げた。
「ああ、あの『自己犠牲』という名の呪いのことですか? それなら婚約破棄の瞬間に解けました」
「そ、そんな馬鹿な……! あんなに尽くしてくれたではないか!」
「仕事ですから」
バッサリ。
「え?」
「全て業務です。殿下の世話も、尻拭いも、笑顔で『素敵です』と言うのも、全て王妃教育の一環としての業務遂行(パフォーマンス)です。給料(王妃の座)が出ると思っていたから耐えていましたが、クビになった今、タダ働きする義理はありません」
「……」
ヘリオスが口をパクパクさせている。
ショックを受けているようだが、同情はしない。
「おい、カグヤ」
それまで黙って聞いていたアレンが、横から口を挟んだ。
「あまりいじめてやるなよ。彼、泣きそうだよ?」
アレンはニヤニヤしながら、ヘリオスに近づいた。
「やあ、初めまして。王太子殿下」
「だ、誰だ貴様は! なぜカグヤの隣にいる!」
ヘリオスがアレンを睨(にら)みつける。
アレンは優雅に胸に手を当てた。
「私はアレン。カグヤお嬢様の現在の執事であり、同居人であり、スローライフのパートナーです」
「同居人だと……!? 男とか!?」
「ええ。お嬢様とは、とても『親密な』関係を築かせていただいております」
アレンはわざとらしく私の腰に手を回した。
「毎日、私の手料理を食べ、同じ屋根の下で眠り、互いの……夢を語り合っております」
「き、きき、貴様ぁぁぁ!」
ヘリオスが顔を真っ赤にして叫んだ。
「カグヤ! どういうことだ! 私という男がいながら、こんな馬の骨と!」
「馬の骨ではありません。優秀な執事です」
私はアレンの手を払いのけず、むしろ肯定した。
「彼は殿下と違って、書類を散らかしません。食事をこぼしません。そして何より、私に『働け』と言いません。比較検討した結果、アレンの方が百倍優秀だと判断しました」
「ぐあぁっ……!」
ヘリオスが胸を押さえてよろめく。
クリティカルヒットだ。
「そ、そんな……顔か! 顔がいいからか! 私だって顔には自信が……!」
「顔色を見てから言ってください。今の殿下は、腐ったナスビのような色をしていますよ」
「ナ、ナスビ……」
ヘリオスは膝から崩れ落ちた。
プライドも、自信も、全て粉砕されたようだ。
「……帰ってください」
私は冷たく告げた。
「これ以上ここにいても、惨めになるだけですよ。城に戻って、ミナ様と仲良く書類と格闘してください」
「嫌だ……! 戻りたくない……!」
ヘリオスが地面(泥)に這いつくばって泣き出した。
「もう嫌なんだ! 字を見るだけで吐き気がするんだ! 誰か助けてくれぇぇ!」
その姿は、一国の王太子とは思えないほど哀れだった。
まるで、夏休みの宿題を最終日まで溜め込んだ小学生のようだ。
「……はぁ」
私は大きなため息をついた。
「アレン。塩を撒(ま)いて」
「了解」
アレンがキッチンから塩の瓶を持ってくる。
「ま、待て! 待ってくれカグヤ!」
ヘリオスが私の足にすがりつこうとした。
「金だ! 金なら払う! いくら欲しい!? 言い値で払うから、書類を……あの山のような書類をなんとかしてくれぇぇ!」
ピクリ。
私の眉が動いた。
「……今、なんと?」
「金を払うと言ったんだ! 王家の財産を切り崩してでも払う! だから助けてくれ!」
金。
マネー。
慰謝料。
私の脳内で、そろばんを弾く音が高速で響いた。
私はゆっくりとしゃがみ込み、ヘリオスの薄汚れた顔を覗き込んだ。
「……言いましたね? 『言い値で払う』と」
「い、言った! 言ったぞ!」
「証言は取れました」
私はスッと立ち上がり、アレンに向かって指を鳴らした。
「アレン! 筆と紙を! それから電卓(魔道具)を持ってきて!」
「お、急にやる気になったね」
「ビジネスチャンスよ。情では動きませんが、金なら話は別です」
私は不敵な笑みを浮かべた。
「殿下。貴方が私に負わせた『精神的苦痛』と、過去十年の『未払い労働賃金』、そして今回の『緊急コンサルティング料』……。全て合算して請求させていただきます」
「は、払う! 何でも払う!」
「よろしい。では、覚悟していただきましょうか」
私は腕まくりをした。
次回、恐怖の請求書作成タイムの始まりである。
王太子よ。
貴方は知らなかったのだ。
「悪役令嬢」よりも恐ろしいのは、「金にシビアになった元社畜」であるということを。
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