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「では、これより『王太子ヘリオス殿下救済および過去の労働債権に関する精算会議』を始めます」
私は庭のテーブルに新しいテーブルクロス(アレンが予備のシーツで作った)を敷き、その上に一枚の羊皮紙とペンを置いた。
対面には、泥を落として少しマシな姿になったヘリオスが、借りてきた猫のように小さくなって座っている。
横には、アレンが「書記兼計算係」として控えている。
「殿下。先ほど『言い値で払う』と仰いましたね? 王族に二言はありませんね?」
「あ、ああ……。約束する。だから早く……早く私をあの書類地獄から解放してくれ……!」
ヘリオスは震える手でティーカップを握りしめている。
その目は虚ろで、完全に精神が摩耗(まもう)しきっていた。
「承知いたしました。では、算出に入ります」
私はペンを執り、さらさらと項目を書き始めた。
「まず、基本給です。私は十歳の頃から公務を手伝っておりました。見習い期間を含めて八年間。当時の王宮の最低賃金で計算しても、金貨八百枚」
「……うむ」
「次に、時間外労働手当。私の平均労働時間は一日十八時間でした。法定労働時間を大幅に超えておりますので、割増賃金が発生します。これが金貨二千枚」
「……そ、そうか」
「さらに、深夜労働手当および休日出勤手当。私は十年間、盆も正月もクリスマスも働きました。よって、特別加算がつきます。金貨三千枚」
「……増えてきたな」
「ここからが本番です」
私はペンを走らせる速度を上げた。
「『特殊技能手当』。外交交渉、財務管理、軍事演習の立案。これらは本来、専門の大臣が行うべき高度な業務です。それを私が代行しました。専門家の顧問料相場で計算します」
「ま、待て。それは大臣たちの仕事では……」
「大臣たちが『カグヤ嬢に任せれば安心だ』と言って丸投げしてきたのです。管理不行き届きは殿下の責任です」
「ぐぬぬ……」
「計、金貨五千枚」
「ご、五千……!?」
「まだです」
私は紙をめくった。二枚目だ。
「『危機管理対応費』。殿下がダンスパーティーでカツラを飛ばした時の揉み消し費用、隣国の姫君に『太った?』と聞いて戦争になりかけた時の和解金(私のポケットマネー)、その他諸々の尻拭い代」
「そ、そんなこともあったか……?」
「ありました。記憶にないのは、私が完璧に処理したからです。感謝料込みで、金貨二千枚」
「……」
「そして、今回の件。『不当解雇による慰謝料』および『名誉毀損(悪役令嬢呼ばわり)に対する賠償金』。さらに、『平穏な休日を破壊された精神的苦痛』への慰謝料」
私はニッコリと笑った。
「これらはプライスレスですが……まあ、相場に合わせて金貨一万枚としておきましょう」
「い、一万……!!」
ヘリオスが泡を吹きそうになる。
だが、私は止まらない。
「最後に、今回の依頼料です。『現在進行形で炎上している公務の鎮火コンサルティング料』。これは緊急対応ですので、特急料金が加算されます」
私はアレンを見た。
アレンは素早くそろばん(自作)を弾き、合計金額を紙に書き殴った。
「……出ました、お嬢様」
「ありがとう」
私はその紙を受け取り、ヘリオスの目の前に突きつけた。
ドンッ!
「合計、金貨二万五千八百枚です。消費税はサービスしておきます」
静寂。
森の鳥たちさえも息を飲むような静けさが流れた。
金貨二万五千枚。
それは、小さな国の国家予算一年分に匹敵する金額だ。
城が一つ建つ。
軍艦が三隻買える。
「……に、にまん……?」
ヘリオスは紙を見つめたまま、石像のように固まった。
「お支払いは一括でお願いします。王家の秘密口座でも、へそくりでも構いません。期日は一週間以内。遅延した場合は、一日ごとに十割の利息がつきます」
「トイチだと!? 闇金(ヤミキン)より酷いぞ!」
「闇金ではありません。正当な『カグヤ・プレミアム価格』です」
私は冷徹に言い放った。
「払えなければ、私は動きません。どうぞ、城に戻って書類の山に埋もれてください。……ああ、そろそろ隣国が攻めてくる頃でしたっけ?」
「ひぃっ!!」
隣国の軍事演習(アレンの国だ)の件を出されると、ヘリオスは情けない悲鳴を上げた。
「は、払う! 払うとも! 私の個人資産と、王家の予備費を掻き集めればなんとかなる……はずだ!」
「契約成立ですね」
私は即座に別の紙を取り出し、拇印(ぼいん)を押させた。
「では、商品をお渡しします」
私は立ち上がり、屋敷の奥へと向かった。
数分後。
私は台車を押して戻ってきた。
ガラガラガラ……。
台車の上には、分厚い革表紙の本が十冊ほど積まれていた。
「……なんだそれは」
「私の『業務日誌』兼『完全攻略マニュアル』です」
私は一番上の本を手に取り、パラパラとめくった。
「ここには、過去十年の全てのトラブルシューティング、各国の要人の弱みと好物、予算編成のテンプレート、そして『殿下の操縦法』が記されています」
「そ、操縦法……?」
「はい。このマニュアル通りに行動すれば、猿でも……失礼、誰でも円滑に国政を運営できるように作ってあります」
私は本を積み上げ、ドン、とテーブルに置いた。
「私が戻る必要はありません。これを持ち帰り、この通りに処理してください。書類仕事の効率化テクニックも、第3巻に詳しく書いてあります。『五秒で終わる決裁印の押し方』から『読まずに内容を把握する斜め読みスキル』まで、全て網羅しています」
ヘリオスは震える手でマニュアルを受け取った。
ずしり、と重い。
そこには、私の血と汗と涙と、そして怨念が詰まっている。
「こ、これを読めば……助かるのか?」
「はい。私が保証します。ただし」
私は人差し指を立てた。
「ミナ様にも読ませて、手伝わせてあげてください。初心者向けに、漫画付きで解説してありますので」
「……分かった。ありがとう、カグヤ……!」
ヘリオスはマニュアルを宝物のように抱きしめ、涙を流した。
「高い買い物だったが……これで眠れる……!」
「毎度あり。では、お引き取りを」
私は出口を指差した。
ヘリオスはマニュアルを抱え、フラフラと立ち上がった。
その足取りは、来た時よりも幾分か軽かったが、懐(ふところ)は大ダメージを受けているはずだ。
「あ、そうだ」
アレンが声をかけた。
「殿下、出口はあちらですが、トリモチには気をつけてくださいね。一度ハマると、追加料金を頂かないと取れませんので」
「も、もう勘弁してくれぇぇ!」
ヘリオスは悲鳴を上げながら、マニュアルを抱えて逃げ帰っていった。
森の奥に消えていく彼の背中を見送りながら、私は深く息を吐いた。
「……儲(もう)かったわね」
「ボロ儲けだね」
アレンが請求書の控えを見て口笛を吹く。
「金貨二万枚か。これだけあれば、この別荘を金ピカに改装できるよ」
「しないわよ。成金趣味は嫌い」
私は椅子に座り直し、紅茶を啜(すす)った。
「このお金は、私の老後資金……いえ、『一生働かないための資金』として運用するわ。これで死ぬまでニート生活が確定した」
「堅実だねえ」
「当然よ。……それにしても」
私は空になったティーカップを見つめた。
「あのマニュアル、実は『引継ぎ書』として最初から作っておいたものなのよ。渡す機会がなくて持ってきたけれど」
「えっ、じゃあ元手はタダ?」
「タダよ。紙代とインク代くらいね」
「……怖いなあ、カグヤは」
アレンが楽しそうに笑う。
「君を敵に回さなくて本当によかったよ。国を一つ買収されそうだ」
「ふふ、褒め言葉として受け取っておくわ」
こうして、私は莫大な富を手に入れた。
元婚約者とのしがらみも(金銭的に)清算し、完全なる自由と財力を得たのだ。
「さあ、アレン。祝杯よ。今日は一番高いワインを開けましょう」
「賛成! 僕がおつまみを作るよ!」
私たちはハイタッチを交わした。
これで障害は全て排除された。
あとはこの資金を元手に、優雅で怠惰なスローライフを謳歌(おうか)するだけだ。
……そう思っていた。
しかし、神様というのは意地悪だ。
あるいは、私の「有能さ」が呪いのように付きまとっているのかもしれない。
数日後。
雨漏りのする屋根の下で、私とアレンの間に、金では解決できない「新たな感情」が芽生えることになろうとは、この時の私はまだ知らなかったのである。
私は庭のテーブルに新しいテーブルクロス(アレンが予備のシーツで作った)を敷き、その上に一枚の羊皮紙とペンを置いた。
対面には、泥を落として少しマシな姿になったヘリオスが、借りてきた猫のように小さくなって座っている。
横には、アレンが「書記兼計算係」として控えている。
「殿下。先ほど『言い値で払う』と仰いましたね? 王族に二言はありませんね?」
「あ、ああ……。約束する。だから早く……早く私をあの書類地獄から解放してくれ……!」
ヘリオスは震える手でティーカップを握りしめている。
その目は虚ろで、完全に精神が摩耗(まもう)しきっていた。
「承知いたしました。では、算出に入ります」
私はペンを執り、さらさらと項目を書き始めた。
「まず、基本給です。私は十歳の頃から公務を手伝っておりました。見習い期間を含めて八年間。当時の王宮の最低賃金で計算しても、金貨八百枚」
「……うむ」
「次に、時間外労働手当。私の平均労働時間は一日十八時間でした。法定労働時間を大幅に超えておりますので、割増賃金が発生します。これが金貨二千枚」
「……そ、そうか」
「さらに、深夜労働手当および休日出勤手当。私は十年間、盆も正月もクリスマスも働きました。よって、特別加算がつきます。金貨三千枚」
「……増えてきたな」
「ここからが本番です」
私はペンを走らせる速度を上げた。
「『特殊技能手当』。外交交渉、財務管理、軍事演習の立案。これらは本来、専門の大臣が行うべき高度な業務です。それを私が代行しました。専門家の顧問料相場で計算します」
「ま、待て。それは大臣たちの仕事では……」
「大臣たちが『カグヤ嬢に任せれば安心だ』と言って丸投げしてきたのです。管理不行き届きは殿下の責任です」
「ぐぬぬ……」
「計、金貨五千枚」
「ご、五千……!?」
「まだです」
私は紙をめくった。二枚目だ。
「『危機管理対応費』。殿下がダンスパーティーでカツラを飛ばした時の揉み消し費用、隣国の姫君に『太った?』と聞いて戦争になりかけた時の和解金(私のポケットマネー)、その他諸々の尻拭い代」
「そ、そんなこともあったか……?」
「ありました。記憶にないのは、私が完璧に処理したからです。感謝料込みで、金貨二千枚」
「……」
「そして、今回の件。『不当解雇による慰謝料』および『名誉毀損(悪役令嬢呼ばわり)に対する賠償金』。さらに、『平穏な休日を破壊された精神的苦痛』への慰謝料」
私はニッコリと笑った。
「これらはプライスレスですが……まあ、相場に合わせて金貨一万枚としておきましょう」
「い、一万……!!」
ヘリオスが泡を吹きそうになる。
だが、私は止まらない。
「最後に、今回の依頼料です。『現在進行形で炎上している公務の鎮火コンサルティング料』。これは緊急対応ですので、特急料金が加算されます」
私はアレンを見た。
アレンは素早くそろばん(自作)を弾き、合計金額を紙に書き殴った。
「……出ました、お嬢様」
「ありがとう」
私はその紙を受け取り、ヘリオスの目の前に突きつけた。
ドンッ!
「合計、金貨二万五千八百枚です。消費税はサービスしておきます」
静寂。
森の鳥たちさえも息を飲むような静けさが流れた。
金貨二万五千枚。
それは、小さな国の国家予算一年分に匹敵する金額だ。
城が一つ建つ。
軍艦が三隻買える。
「……に、にまん……?」
ヘリオスは紙を見つめたまま、石像のように固まった。
「お支払いは一括でお願いします。王家の秘密口座でも、へそくりでも構いません。期日は一週間以内。遅延した場合は、一日ごとに十割の利息がつきます」
「トイチだと!? 闇金(ヤミキン)より酷いぞ!」
「闇金ではありません。正当な『カグヤ・プレミアム価格』です」
私は冷徹に言い放った。
「払えなければ、私は動きません。どうぞ、城に戻って書類の山に埋もれてください。……ああ、そろそろ隣国が攻めてくる頃でしたっけ?」
「ひぃっ!!」
隣国の軍事演習(アレンの国だ)の件を出されると、ヘリオスは情けない悲鳴を上げた。
「は、払う! 払うとも! 私の個人資産と、王家の予備費を掻き集めればなんとかなる……はずだ!」
「契約成立ですね」
私は即座に別の紙を取り出し、拇印(ぼいん)を押させた。
「では、商品をお渡しします」
私は立ち上がり、屋敷の奥へと向かった。
数分後。
私は台車を押して戻ってきた。
ガラガラガラ……。
台車の上には、分厚い革表紙の本が十冊ほど積まれていた。
「……なんだそれは」
「私の『業務日誌』兼『完全攻略マニュアル』です」
私は一番上の本を手に取り、パラパラとめくった。
「ここには、過去十年の全てのトラブルシューティング、各国の要人の弱みと好物、予算編成のテンプレート、そして『殿下の操縦法』が記されています」
「そ、操縦法……?」
「はい。このマニュアル通りに行動すれば、猿でも……失礼、誰でも円滑に国政を運営できるように作ってあります」
私は本を積み上げ、ドン、とテーブルに置いた。
「私が戻る必要はありません。これを持ち帰り、この通りに処理してください。書類仕事の効率化テクニックも、第3巻に詳しく書いてあります。『五秒で終わる決裁印の押し方』から『読まずに内容を把握する斜め読みスキル』まで、全て網羅しています」
ヘリオスは震える手でマニュアルを受け取った。
ずしり、と重い。
そこには、私の血と汗と涙と、そして怨念が詰まっている。
「こ、これを読めば……助かるのか?」
「はい。私が保証します。ただし」
私は人差し指を立てた。
「ミナ様にも読ませて、手伝わせてあげてください。初心者向けに、漫画付きで解説してありますので」
「……分かった。ありがとう、カグヤ……!」
ヘリオスはマニュアルを宝物のように抱きしめ、涙を流した。
「高い買い物だったが……これで眠れる……!」
「毎度あり。では、お引き取りを」
私は出口を指差した。
ヘリオスはマニュアルを抱え、フラフラと立ち上がった。
その足取りは、来た時よりも幾分か軽かったが、懐(ふところ)は大ダメージを受けているはずだ。
「あ、そうだ」
アレンが声をかけた。
「殿下、出口はあちらですが、トリモチには気をつけてくださいね。一度ハマると、追加料金を頂かないと取れませんので」
「も、もう勘弁してくれぇぇ!」
ヘリオスは悲鳴を上げながら、マニュアルを抱えて逃げ帰っていった。
森の奥に消えていく彼の背中を見送りながら、私は深く息を吐いた。
「……儲(もう)かったわね」
「ボロ儲けだね」
アレンが請求書の控えを見て口笛を吹く。
「金貨二万枚か。これだけあれば、この別荘を金ピカに改装できるよ」
「しないわよ。成金趣味は嫌い」
私は椅子に座り直し、紅茶を啜(すす)った。
「このお金は、私の老後資金……いえ、『一生働かないための資金』として運用するわ。これで死ぬまでニート生活が確定した」
「堅実だねえ」
「当然よ。……それにしても」
私は空になったティーカップを見つめた。
「あのマニュアル、実は『引継ぎ書』として最初から作っておいたものなのよ。渡す機会がなくて持ってきたけれど」
「えっ、じゃあ元手はタダ?」
「タダよ。紙代とインク代くらいね」
「……怖いなあ、カグヤは」
アレンが楽しそうに笑う。
「君を敵に回さなくて本当によかったよ。国を一つ買収されそうだ」
「ふふ、褒め言葉として受け取っておくわ」
こうして、私は莫大な富を手に入れた。
元婚約者とのしがらみも(金銭的に)清算し、完全なる自由と財力を得たのだ。
「さあ、アレン。祝杯よ。今日は一番高いワインを開けましょう」
「賛成! 僕がおつまみを作るよ!」
私たちはハイタッチを交わした。
これで障害は全て排除された。
あとはこの資金を元手に、優雅で怠惰なスローライフを謳歌(おうか)するだけだ。
……そう思っていた。
しかし、神様というのは意地悪だ。
あるいは、私の「有能さ」が呪いのように付きまとっているのかもしれない。
数日後。
雨漏りのする屋根の下で、私とアレンの間に、金では解決できない「新たな感情」が芽生えることになろうとは、この時の私はまだ知らなかったのである。
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