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「おはようございます、皆様。本日の業務を開始します」
翌朝、クラウス公爵邸の食堂に、私の声が響き渡った。
集められた使用人たちは、まるで処刑台に並ばされた囚人のように震えている。
無理もない。
昨日の到着からわずか数時間で、私が屋敷中の「無駄」を指摘し、リスト化した改善案(羊皮紙10枚分)を叩きつけたからだ。
「まずは厨房から。食材の廃棄率が高すぎます。特に野菜の皮。厚く剥きすぎです。測定したところ平均3ミリの損失がありました」
私はにっこりと微笑み、料理長にピーラー(皮むき器)を差し出した。
「クラウス様が趣味で作られた試作品『誰でも均一に剥けるくん一号』です。これを使用することで廃棄率を15%削減、年間コストにして金貨50枚の節約になります」
「は、はい! 使わせていただきます!」
料理長が震える手でそれを受け取る。
「次にメイド長。掃除のルートが非効率です。一階の廊下を往復しすぎです。一筆書きの要領で移動する新ルートを作成しましたので、この通りに動いてください。これで労働時間を一日あたり40分短縮できます」
「よ、40分も……!?」
「浮いた時間は休憩に充てるか、スキルアップのための勉強に使ってください。残業代は減りますが、基本給を2割アップさせる許可をクラウス様から頂きましたので」
その瞬間、使用人たちの目に光が宿った。
「き、給料アップ……!?」
「本当ですか!?」
「ええ。成果を出せば還元する。それが健全な雇用関係というものです」
わぁぁっ! と歓声が上がる。
恐怖の対象だった私が、一瞬にして「女神様」に昇格した瞬間だった。
その様子を、食堂の隅でコーヒーを飲んでいたクラウス様が満足げに眺めている。
「……凄いな。私のアメとムチは『氷の微笑』による威圧しかなかったが、君は数字で彼らの心を掌握した」
「数字は嘘をつきませんから。それに、ホワイトな職場環境は生産性を向上させます」
私はクラウス様の対面に座り、焼きたてのパン(皮の厚さ均一)を手に取った。
「それで、クラウス様。昨日の『自動譜面台』の件ですが」
「ああ。どうなった?」
「王立音楽院に打診したところ、即決で百台の発注が入りました。先方の学長が『これで練習中に楽譜が落ちてイライラしなくて済む!』と泣いて喜んでおりましたわ」
「百台……!? あんなガラクタが?」
「ガラクタではありません。商品です。売上見込みは金貨二千枚。開発費を差し引いても十分な黒字です」
クラウス様はカップを持ったまま固まった。
そして、しみじみと呟いた。
「……ユミリア。君、本当に私の妻にならないか? いや、むしろ私が君の部下になりたい」
「ふふ、光栄なプロポーズ(?)ですこと。ですが、まずはこの領地の赤字を全て消してから考えましょう」
「ああ。君となら、どんな難題もパズル感覚で楽しめそうだ」
朝の光の中、私たちは不敵な笑みを交わした。
この屋敷が「大陸一の高収益物件」と呼ばれるようになるまで、あと三ヶ月。
◇
一方その頃。祖国の王城。
「……ない」
アレクセイ王子は、ウォークインクローゼットの中で立ち尽くしていた。
「私のシャツがない! ズボンもない! あるのは靴下だけだ!」
彼はパンツ一丁の姿で叫んだ。
そこへ、頭にタオルを巻いたニーナがやってくる。
「どうしたんですかぁ、アレクセイ様ぁ。朝から元気ですねぇ」
「元気なものか! 着替えがないんだ! 洗濯係は何をしている!」
「あ、それなら私がやりましたっ!」
ニーナがえっへん、と胸を張る。
「洗濯係のメイドさんが『やってられない』って出て行っちゃったので、私が愛の力でお洗濯したんです!」
「おお、ニーナ……! 君はなんて働き者なんだ! 次期王妃が洗濯までしてくれるなんて、国民が聞いたら涙を流すぞ!」
アレクセイは感動し、ニーナの手を取った。
「で、私の服はどこだ?」
「えっとですね、中庭に干してあります! お日様の匂いがしますよぉ」
二人は手を取り合って中庭へと向かった。
そこには、無惨な光景が広がっていた。
「……なんだ、これは」
ロープに干されていたのは、鮮やかなピンク色に染まった、子供服のように縮んだ布切れだった。
「私の軍服……だよな?」
「はいっ! 赤ワインのシミが落ちなかったので、思い切って赤い他の服と一緒に煮洗いしました!」
煮洗い。ウールを。熱湯で。
「……随分と、可愛らしいサイズになったな」
「縮んじゃいましたねぇ。テヘペロ☆」
「ははは、テヘペロか。可愛いな」
アレクセイは引きつった笑顔でニーナの頭を撫でた。
「でもニーナ。これ、私が着たら全身タイツみたいにならないか?」
「大丈夫です! アレクセイ様なら何でも似合います!」
「そ、そうか? よし、着てみよう」
数分後。
そこには、パツパツのピンク色の服(へそ出しルック)を着た変質者……もとい、第一王子の姿があった。
「……うっ、苦しい。血が止まりそうだ」
「わぁー! 斬新なファッションですぅ! 新しいトレンドですね!」
「そうか! これがトレンドか! よし、この格好で執務に向かうぞ!」
アレクセイがその姿で廊下を歩くと、すれ違う兵士たちが次々と吹き出し、あるいは見なかったことにして目を逸らした。
執務室に到着すると、財務大臣が白目をむいて倒れていた。
「おい、どうした財務大臣。朝からサボりか?」
「……で、殿下……その格好は……いや、それよりも……」
大臣は震える指で、一枚の書類を指差した。
「これを見てください……」
「なんだ? またユミリアの嫌がらせか?」
アレクセイが書類を手に取る。
それは、近隣諸国からの『国交断絶予告通知』だった。
「……ん? なんだこれ。『貴国の王子が署名した契約書に基づき、我が国の水源地を貴国へ譲渡するという条項は無効である』……?」
「殿下が昨日、読まずにサインした書類の中に、隣国の水源を買い叩く詐欺まがいの契約書が混ざっていたようです」
「なっ! 私は知らんぞ!」
「サインがあります。筆跡鑑定の結果、間違いなく殿下のミミズ文字……いえ、ご署名です」
「ぐぬぬ……! だ、だが、まだ断絶と決まったわけではないだろう! 謝ればなんとかなる!」
「それが……使者が来ているのですが、殿下のその格好を見て……」
「私の格好がどうした」
「『狂ったか。話にならん』と言って、お帰りになりました」
「……」
アレクセイはピンク色のパツパツの袖を見つめた。
そして、ゆっくりとニーナの方を向いた。
「ニーナ。この服、トレンドなんだよな?」
「はいっ! 私の村では、お祭りの時に道化師さんが着てました!」
「道化師……」
アレクセイの膝から力が抜けた。
彼は床に崩れ落ち、ついでにパツパツのズボンの尻が「ビリッ」と音を立てて裂けた。
「あーあ、破れちゃいましたぁ。また縫いますね!」
ニーナの無邪気な笑顔が、今の彼には悪魔の嘲笑に見え始めていた。
「……ユミリア。ユミリアなら、予備の服を常に3着は用意していたな……」
ふと、禁断の名前が口をついて出た。
「あれ? アレクセイ様、なにか言いました?」
「い、いや! なんでもない! さあ、ズボンを脱ぐから縫ってくれ! 私はここで待つ!」
「はーい!」
ニーナが破れたズボンを持って出て行く。
パンツ一丁で執務室に取り残された王子と、倒れたままの財務大臣。
窓の外では、不穏なカラスが鳴いていた。
「……寒い」
王子の呟きは、誰にも届かなかった。
翌朝、クラウス公爵邸の食堂に、私の声が響き渡った。
集められた使用人たちは、まるで処刑台に並ばされた囚人のように震えている。
無理もない。
昨日の到着からわずか数時間で、私が屋敷中の「無駄」を指摘し、リスト化した改善案(羊皮紙10枚分)を叩きつけたからだ。
「まずは厨房から。食材の廃棄率が高すぎます。特に野菜の皮。厚く剥きすぎです。測定したところ平均3ミリの損失がありました」
私はにっこりと微笑み、料理長にピーラー(皮むき器)を差し出した。
「クラウス様が趣味で作られた試作品『誰でも均一に剥けるくん一号』です。これを使用することで廃棄率を15%削減、年間コストにして金貨50枚の節約になります」
「は、はい! 使わせていただきます!」
料理長が震える手でそれを受け取る。
「次にメイド長。掃除のルートが非効率です。一階の廊下を往復しすぎです。一筆書きの要領で移動する新ルートを作成しましたので、この通りに動いてください。これで労働時間を一日あたり40分短縮できます」
「よ、40分も……!?」
「浮いた時間は休憩に充てるか、スキルアップのための勉強に使ってください。残業代は減りますが、基本給を2割アップさせる許可をクラウス様から頂きましたので」
その瞬間、使用人たちの目に光が宿った。
「き、給料アップ……!?」
「本当ですか!?」
「ええ。成果を出せば還元する。それが健全な雇用関係というものです」
わぁぁっ! と歓声が上がる。
恐怖の対象だった私が、一瞬にして「女神様」に昇格した瞬間だった。
その様子を、食堂の隅でコーヒーを飲んでいたクラウス様が満足げに眺めている。
「……凄いな。私のアメとムチは『氷の微笑』による威圧しかなかったが、君は数字で彼らの心を掌握した」
「数字は嘘をつきませんから。それに、ホワイトな職場環境は生産性を向上させます」
私はクラウス様の対面に座り、焼きたてのパン(皮の厚さ均一)を手に取った。
「それで、クラウス様。昨日の『自動譜面台』の件ですが」
「ああ。どうなった?」
「王立音楽院に打診したところ、即決で百台の発注が入りました。先方の学長が『これで練習中に楽譜が落ちてイライラしなくて済む!』と泣いて喜んでおりましたわ」
「百台……!? あんなガラクタが?」
「ガラクタではありません。商品です。売上見込みは金貨二千枚。開発費を差し引いても十分な黒字です」
クラウス様はカップを持ったまま固まった。
そして、しみじみと呟いた。
「……ユミリア。君、本当に私の妻にならないか? いや、むしろ私が君の部下になりたい」
「ふふ、光栄なプロポーズ(?)ですこと。ですが、まずはこの領地の赤字を全て消してから考えましょう」
「ああ。君となら、どんな難題もパズル感覚で楽しめそうだ」
朝の光の中、私たちは不敵な笑みを交わした。
この屋敷が「大陸一の高収益物件」と呼ばれるようになるまで、あと三ヶ月。
◇
一方その頃。祖国の王城。
「……ない」
アレクセイ王子は、ウォークインクローゼットの中で立ち尽くしていた。
「私のシャツがない! ズボンもない! あるのは靴下だけだ!」
彼はパンツ一丁の姿で叫んだ。
そこへ、頭にタオルを巻いたニーナがやってくる。
「どうしたんですかぁ、アレクセイ様ぁ。朝から元気ですねぇ」
「元気なものか! 着替えがないんだ! 洗濯係は何をしている!」
「あ、それなら私がやりましたっ!」
ニーナがえっへん、と胸を張る。
「洗濯係のメイドさんが『やってられない』って出て行っちゃったので、私が愛の力でお洗濯したんです!」
「おお、ニーナ……! 君はなんて働き者なんだ! 次期王妃が洗濯までしてくれるなんて、国民が聞いたら涙を流すぞ!」
アレクセイは感動し、ニーナの手を取った。
「で、私の服はどこだ?」
「えっとですね、中庭に干してあります! お日様の匂いがしますよぉ」
二人は手を取り合って中庭へと向かった。
そこには、無惨な光景が広がっていた。
「……なんだ、これは」
ロープに干されていたのは、鮮やかなピンク色に染まった、子供服のように縮んだ布切れだった。
「私の軍服……だよな?」
「はいっ! 赤ワインのシミが落ちなかったので、思い切って赤い他の服と一緒に煮洗いしました!」
煮洗い。ウールを。熱湯で。
「……随分と、可愛らしいサイズになったな」
「縮んじゃいましたねぇ。テヘペロ☆」
「ははは、テヘペロか。可愛いな」
アレクセイは引きつった笑顔でニーナの頭を撫でた。
「でもニーナ。これ、私が着たら全身タイツみたいにならないか?」
「大丈夫です! アレクセイ様なら何でも似合います!」
「そ、そうか? よし、着てみよう」
数分後。
そこには、パツパツのピンク色の服(へそ出しルック)を着た変質者……もとい、第一王子の姿があった。
「……うっ、苦しい。血が止まりそうだ」
「わぁー! 斬新なファッションですぅ! 新しいトレンドですね!」
「そうか! これがトレンドか! よし、この格好で執務に向かうぞ!」
アレクセイがその姿で廊下を歩くと、すれ違う兵士たちが次々と吹き出し、あるいは見なかったことにして目を逸らした。
執務室に到着すると、財務大臣が白目をむいて倒れていた。
「おい、どうした財務大臣。朝からサボりか?」
「……で、殿下……その格好は……いや、それよりも……」
大臣は震える指で、一枚の書類を指差した。
「これを見てください……」
「なんだ? またユミリアの嫌がらせか?」
アレクセイが書類を手に取る。
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「……ん? なんだこれ。『貴国の王子が署名した契約書に基づき、我が国の水源地を貴国へ譲渡するという条項は無効である』……?」
「殿下が昨日、読まずにサインした書類の中に、隣国の水源を買い叩く詐欺まがいの契約書が混ざっていたようです」
「なっ! 私は知らんぞ!」
「サインがあります。筆跡鑑定の結果、間違いなく殿下のミミズ文字……いえ、ご署名です」
「ぐぬぬ……! だ、だが、まだ断絶と決まったわけではないだろう! 謝ればなんとかなる!」
「それが……使者が来ているのですが、殿下のその格好を見て……」
「私の格好がどうした」
「『狂ったか。話にならん』と言って、お帰りになりました」
「……」
アレクセイはピンク色のパツパツの袖を見つめた。
そして、ゆっくりとニーナの方を向いた。
「ニーナ。この服、トレンドなんだよな?」
「はいっ! 私の村では、お祭りの時に道化師さんが着てました!」
「道化師……」
アレクセイの膝から力が抜けた。
彼は床に崩れ落ち、ついでにパツパツのズボンの尻が「ビリッ」と音を立てて裂けた。
「あーあ、破れちゃいましたぁ。また縫いますね!」
ニーナの無邪気な笑顔が、今の彼には悪魔の嘲笑に見え始めていた。
「……ユミリア。ユミリアなら、予備の服を常に3着は用意していたな……」
ふと、禁断の名前が口をついて出た。
「あれ? アレクセイ様、なにか言いました?」
「い、いや! なんでもない! さあ、ズボンを脱ぐから縫ってくれ! 私はここで待つ!」
「はーい!」
ニーナが破れたズボンを持って出て行く。
パンツ一丁で執務室に取り残された王子と、倒れたままの財務大臣。
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