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「……いい? 照明係、カーテを開けるタイミングは『誓いの言葉』の直後よ。0.1秒のズレも許さないわ」
「は、はいっ! シュガー様!」
「聖歌隊! 君たちの歌声に、この国の未来がかかっていると自覚なさい! マリアさんの入場に合わせて、天国への扉が開くようなクレッシェンドを!」
「御意!」
王都の大聖堂。
その控え室で、私は最後の指示を飛ばしていました。
今日は、アレクセイ殿下とマリアさんの結婚式。
私、シュガー・メルティが『王宮公認・演出家』として、命と魂を削ってプロデュースした、世紀のビッグイベントです。
「……落ち着け、シュガー。お前が新婦みたいになってるぞ」
キース様が私の背中をさすってくれました。
彼は今日、騎士団の礼装に身を包み、私のエスコート役(兼、暴走抑制係)を務めてくれます。
「落ち着いてなんかいられません! 私の推しカプが……ついに公式で夫婦になるんですのよ!? 私の長年の『観察日記』が、今日で『完結』するのです!」
私は感極まって、すでに目が潤んでいます。
「まだ始まってないぞ。……ほら、行くぞ。俺たちは最前列だ」
キース様に手を引かれ、私たちは大聖堂の会堂へと向かいました。
◇
大聖堂は、色とりどりの花と、ステンドグラスから降り注ぐ光で満たされていました。
参列者は国中の高位貴族たち。
かつてマリアさんを蔑んでいた者たちも、今は祝福の表情で待っています。
私は最前列の席(関係者席)に座りました。
膝の上には、新品のスケッチブックと、速記用のペン、そしてハンカチを5枚用意してあります。
「準備万端だな」
「当然です。この目に焼き付けるだけでは足りません。網膜のデータを直接ハードディスクに保存したい気分ですが、魔法技術が追いついていないので、アナログ(手書き)で保存します」
私が鼻息を荒くしていると。
カラン、コロン……。
高く、澄んだ鐘の音が鳴り響きました。
パイプオルガンの荘厳な音色が、堂内を包み込みます。
「新郎、アレクセイ王太子の入場です」
扉が開き、殿下が歩いてきました。
純白のタキシード。肩には王家のサッシュ。
緊張した面持ちですが、その背筋は以前よりもずっと逞しく伸びています。
(っかー! 立派になって……! あんなにヘタレだった殿下が!)
私はハンカチの1枚目を早くも濡らしました。
殿下が祭壇の前で振り返り、入り口を見つめます。
その瞳には、溢れんばかりの愛と、少しの不安。
そして。
音楽が変わりました。
柔らかく、温かい旋律へ。
「新婦、マリア・アズライト嬢の入場です」
光の中、マリアさんが現れました。
「…………っ!!」
私は息を飲みました。
純白のウェディングドレス。
レースとシルクをふんだんに使いながらも、決して派手すぎず、彼女の清楚さを極限まで引き立てるデザイン(私が徹夜で監修しました)。
長いベール越しに見える彼女の笑顔は、この世のどんな宝石よりも輝いていました。
(天使……いや、女神……!)
マリアさんが一歩ずつ、バージンロードを歩いてきます。
その一歩一歩が、彼女が平民から努力して積み上げてきた道のりそのものです。
「……うっ、ぐすっ……」
私の涙腺が決壊しました。
「早いな」
キース様が呆れつつ、2枚目のハンカチを渡してくれます。
「だって……可愛いんですもの……! あんなに泥だらけになって頑張ってた子が……こんなに幸せそうに……!」
私は号泣しながら、震える手でスケッチブックにペンを走らせました。
涙で視界が滲みますが、心眼で描きます。
マリアさんが祭壇に到着し、殿下の隣に立ちました。
殿下が優しくマリアさんの手を取り、ベールを上げます。
二人が見つめ合う。
その瞬間の空気。
言葉などなくても、互いを慈しむ想いが伝わってきます。
神父様の誓いの言葉が始まりました。
私はもう、ペンの音がうるさくならないよう、無音でスケッチする技術(神業)を駆使していました。
「……健やかなる時も、病める時も……」
「はい、誓います」
「誓います」
二人の声が重なります。
そして、いよいよその時が来ました。
「では、誓いの口づけを」
空気が張り詰めます。
私は息を止めました。
(さあ……見せなさい! 私が計算し尽くした、最高の角度を!)
殿下がマリアさんの腰に手を回し、引き寄せます。
マリアさんが少し背伸びをして、顎を上げます。
ステンドグラスの光が、二人をスポットライトのように照らし出す。
重なる唇。
角度30度。
マリアさんの手が、殿下の胸にそっと添えられる。
(完璧……ッ!!)
私は心の中でガッツポーズをし、同時に天を仰ぎました。
(神よ……感謝します……。私は今、伝説を目撃しています……)
「……尊い」
口から魂と一緒に言葉が漏れました。
キース様が、そんな私の肩を抱き寄せ、そっと支えてくれました。
「……いい式だな」
「ええ……最高の、ハッピーエンドですわ……」
私はキース様の胸に顔を埋め、声を押し殺して泣きました。
嬉しくて、寂しくて、誇らしくて。
様々な感情がない交ぜになった涙でした。
◇
式が終わり、フラワーシャワーの中を二人が退場していきます。
参列者からの「おめでとう!」という声と、花びらが舞う幸せな光景。
二人は、最前列にいる私の前で足を止めました。
「シュガー様!」
マリアさんが、満面の笑みで私を呼びました。
そして、持っていたブーケから、一本の白いバラを抜き取り、私に差し出しました。
「え?」
「ブーケトスはしません。……この幸せのバトンは、一番お世話になったシュガー様に受け取ってほしいんです」
「マリアさん……」
「シュガー。君のおかげで、僕たちは最高の景色を見ることができた」
殿下も穏やかに微笑んでいます。
「君の演出、完璧だったよ。……ありがとう」
私は震える手で、白いバラを受け取りました。
「……生意気ですわ、二人とも」
私は鼻をすすり、精一杯の悪役スマイル(涙で崩壊中)を作りました。
「こんなもので誤魔化されませんわよ。……これからは、夫婦喧嘩の仲裁とか、子育ての相談とか、もっと面倒な仕事が待っているんですからね!」
「ふふ、頼りにしています! お姉様!」
マリアさんが私に抱きつきました。
殿下も、困ったように笑いながら肩をすくめました。
「やれやれ。一生頭が上がりそうにないな」
二人は再び歩き出し、光の中へと去っていきました。
新しい人生への第一歩。
その後ろ姿は、もう私が守らなくても大丈夫なくらい、強く、逞しく見えました。
「……行っちゃったわね」
私はバラを胸に抱き、ポツリと言いました。
「ああ。立派なもんだ」
キース様が私の隣に立ちました。
彼は、私の持っているバラを見て、ふっと笑いました。
「幸せのバトン、か」
「……私にはもったいないです」
「そうか? 俺は、お前が一番幸せになる権利があると思うが」
キース様は私の手を取り、その指に口づけを落としました。
「きゃっ!?」
「殿下たちの次は、俺たちの番だろ?」
「な、何を言って……! ここ、大聖堂ですよ!?」
「神前で誓う練習だ。……覚悟しておけよ、シュガー」
キース様の瞳が、悪戯っぽく、でも熱く私を捉えました。
「お前の演出プラン、俺たちの結婚式用にも作っておけ。……もちろん、キスシーンは5秒以上でな」
「ご、5秒!? 長すぎます! 心臓が持ちません!」
「鍛えておけ」
キース様は笑い、私の腰を抱いて歩き出しました。
大聖堂の扉の向こうには、どこまでも広がる青空。
私の「推し活」は、ここで一つの区切りを迎えました。
でも。
私の人生という物語は、これからが本番のようです。
「……まったく。私の推し(キース様)は、手のかかる人ですわね」
私は呆れたように言いながらも、彼の手を強く握り返しました。
その手は、殿下やマリアさんの手よりも、ずっと大きく、温かく感じられました。
「は、はいっ! シュガー様!」
「聖歌隊! 君たちの歌声に、この国の未来がかかっていると自覚なさい! マリアさんの入場に合わせて、天国への扉が開くようなクレッシェンドを!」
「御意!」
王都の大聖堂。
その控え室で、私は最後の指示を飛ばしていました。
今日は、アレクセイ殿下とマリアさんの結婚式。
私、シュガー・メルティが『王宮公認・演出家』として、命と魂を削ってプロデュースした、世紀のビッグイベントです。
「……落ち着け、シュガー。お前が新婦みたいになってるぞ」
キース様が私の背中をさすってくれました。
彼は今日、騎士団の礼装に身を包み、私のエスコート役(兼、暴走抑制係)を務めてくれます。
「落ち着いてなんかいられません! 私の推しカプが……ついに公式で夫婦になるんですのよ!? 私の長年の『観察日記』が、今日で『完結』するのです!」
私は感極まって、すでに目が潤んでいます。
「まだ始まってないぞ。……ほら、行くぞ。俺たちは最前列だ」
キース様に手を引かれ、私たちは大聖堂の会堂へと向かいました。
◇
大聖堂は、色とりどりの花と、ステンドグラスから降り注ぐ光で満たされていました。
参列者は国中の高位貴族たち。
かつてマリアさんを蔑んでいた者たちも、今は祝福の表情で待っています。
私は最前列の席(関係者席)に座りました。
膝の上には、新品のスケッチブックと、速記用のペン、そしてハンカチを5枚用意してあります。
「準備万端だな」
「当然です。この目に焼き付けるだけでは足りません。網膜のデータを直接ハードディスクに保存したい気分ですが、魔法技術が追いついていないので、アナログ(手書き)で保存します」
私が鼻息を荒くしていると。
カラン、コロン……。
高く、澄んだ鐘の音が鳴り響きました。
パイプオルガンの荘厳な音色が、堂内を包み込みます。
「新郎、アレクセイ王太子の入場です」
扉が開き、殿下が歩いてきました。
純白のタキシード。肩には王家のサッシュ。
緊張した面持ちですが、その背筋は以前よりもずっと逞しく伸びています。
(っかー! 立派になって……! あんなにヘタレだった殿下が!)
私はハンカチの1枚目を早くも濡らしました。
殿下が祭壇の前で振り返り、入り口を見つめます。
その瞳には、溢れんばかりの愛と、少しの不安。
そして。
音楽が変わりました。
柔らかく、温かい旋律へ。
「新婦、マリア・アズライト嬢の入場です」
光の中、マリアさんが現れました。
「…………っ!!」
私は息を飲みました。
純白のウェディングドレス。
レースとシルクをふんだんに使いながらも、決して派手すぎず、彼女の清楚さを極限まで引き立てるデザイン(私が徹夜で監修しました)。
長いベール越しに見える彼女の笑顔は、この世のどんな宝石よりも輝いていました。
(天使……いや、女神……!)
マリアさんが一歩ずつ、バージンロードを歩いてきます。
その一歩一歩が、彼女が平民から努力して積み上げてきた道のりそのものです。
「……うっ、ぐすっ……」
私の涙腺が決壊しました。
「早いな」
キース様が呆れつつ、2枚目のハンカチを渡してくれます。
「だって……可愛いんですもの……! あんなに泥だらけになって頑張ってた子が……こんなに幸せそうに……!」
私は号泣しながら、震える手でスケッチブックにペンを走らせました。
涙で視界が滲みますが、心眼で描きます。
マリアさんが祭壇に到着し、殿下の隣に立ちました。
殿下が優しくマリアさんの手を取り、ベールを上げます。
二人が見つめ合う。
その瞬間の空気。
言葉などなくても、互いを慈しむ想いが伝わってきます。
神父様の誓いの言葉が始まりました。
私はもう、ペンの音がうるさくならないよう、無音でスケッチする技術(神業)を駆使していました。
「……健やかなる時も、病める時も……」
「はい、誓います」
「誓います」
二人の声が重なります。
そして、いよいよその時が来ました。
「では、誓いの口づけを」
空気が張り詰めます。
私は息を止めました。
(さあ……見せなさい! 私が計算し尽くした、最高の角度を!)
殿下がマリアさんの腰に手を回し、引き寄せます。
マリアさんが少し背伸びをして、顎を上げます。
ステンドグラスの光が、二人をスポットライトのように照らし出す。
重なる唇。
角度30度。
マリアさんの手が、殿下の胸にそっと添えられる。
(完璧……ッ!!)
私は心の中でガッツポーズをし、同時に天を仰ぎました。
(神よ……感謝します……。私は今、伝説を目撃しています……)
「……尊い」
口から魂と一緒に言葉が漏れました。
キース様が、そんな私の肩を抱き寄せ、そっと支えてくれました。
「……いい式だな」
「ええ……最高の、ハッピーエンドですわ……」
私はキース様の胸に顔を埋め、声を押し殺して泣きました。
嬉しくて、寂しくて、誇らしくて。
様々な感情がない交ぜになった涙でした。
◇
式が終わり、フラワーシャワーの中を二人が退場していきます。
参列者からの「おめでとう!」という声と、花びらが舞う幸せな光景。
二人は、最前列にいる私の前で足を止めました。
「シュガー様!」
マリアさんが、満面の笑みで私を呼びました。
そして、持っていたブーケから、一本の白いバラを抜き取り、私に差し出しました。
「え?」
「ブーケトスはしません。……この幸せのバトンは、一番お世話になったシュガー様に受け取ってほしいんです」
「マリアさん……」
「シュガー。君のおかげで、僕たちは最高の景色を見ることができた」
殿下も穏やかに微笑んでいます。
「君の演出、完璧だったよ。……ありがとう」
私は震える手で、白いバラを受け取りました。
「……生意気ですわ、二人とも」
私は鼻をすすり、精一杯の悪役スマイル(涙で崩壊中)を作りました。
「こんなもので誤魔化されませんわよ。……これからは、夫婦喧嘩の仲裁とか、子育ての相談とか、もっと面倒な仕事が待っているんですからね!」
「ふふ、頼りにしています! お姉様!」
マリアさんが私に抱きつきました。
殿下も、困ったように笑いながら肩をすくめました。
「やれやれ。一生頭が上がりそうにないな」
二人は再び歩き出し、光の中へと去っていきました。
新しい人生への第一歩。
その後ろ姿は、もう私が守らなくても大丈夫なくらい、強く、逞しく見えました。
「……行っちゃったわね」
私はバラを胸に抱き、ポツリと言いました。
「ああ。立派なもんだ」
キース様が私の隣に立ちました。
彼は、私の持っているバラを見て、ふっと笑いました。
「幸せのバトン、か」
「……私にはもったいないです」
「そうか? 俺は、お前が一番幸せになる権利があると思うが」
キース様は私の手を取り、その指に口づけを落としました。
「きゃっ!?」
「殿下たちの次は、俺たちの番だろ?」
「な、何を言って……! ここ、大聖堂ですよ!?」
「神前で誓う練習だ。……覚悟しておけよ、シュガー」
キース様の瞳が、悪戯っぽく、でも熱く私を捉えました。
「お前の演出プラン、俺たちの結婚式用にも作っておけ。……もちろん、キスシーンは5秒以上でな」
「ご、5秒!? 長すぎます! 心臓が持ちません!」
「鍛えておけ」
キース様は笑い、私の腰を抱いて歩き出しました。
大聖堂の扉の向こうには、どこまでも広がる青空。
私の「推し活」は、ここで一つの区切りを迎えました。
でも。
私の人生という物語は、これからが本番のようです。
「……まったく。私の推し(キース様)は、手のかかる人ですわね」
私は呆れたように言いながらも、彼の手を強く握り返しました。
その手は、殿下やマリアさんの手よりも、ずっと大きく、温かく感じられました。
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