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「……はぁ。やっと昼休みですわ」
私は教室の自席で、重い溜息を優雅な呼吸音へと変換しながら吐き出した。
午前中の授業は、まさに針のむしろだった。教師が私を指名するたびにクラスメイトが「ついに公開処刑が始まるのか」と言わんばかりの怯えた表情を見せ、私が正解を答えるだけで「あのアステリア公爵令嬢が勉強をしているなんて、明日は天変地異が起きる」というざわめきが起こる。
極めつけは、隣の席に座るセドリック様だ。
彼は授業中、一度も教科書を見ることなく、ずっと横目で私を観察していた。視線が痛い。穴が開く。たぶん私の後頭部には、今ごろ視線による風穴が三つくらい開いているはずだ。
(落ち着くのよ、ローリー。今は静かに、サイラスが持たせてくれた『特製・猫かぶり弁当』を食べて、精神を安定させるのよ)
私がそっと鞄からバスケットを取り出そうとした、その時だった。
「あの……ローリー様!」
鼓膜を震わせる、鈴を転がすような愛らしい声。
私は心臓が止まるかと思った。この声の主を、私は知っている。今朝、廊下で華麗に(?)助けてやった、例のヒロイン枠ことミア・ルナールだ。
(……来た。ついに来たわ! 断罪フラグの化身、攻略対象を全員狂わせる天然タラシの魔性娘!)
私は脳内で「敵襲!」と警報を鳴らしながら、スローモーションで顔を上げた。
「あら……ミア様。どうかいたしましたか? ふふっ」
「はい! これ、今朝のお礼です!」
ミアが差し出してきたのは、小さな刺繍入りの袋だった。中からは、甘い焼き菓子の香りが漂ってくる。
「これ、実家から送られてきた地元の銘菓なんです。とっても素朴な味なんですけど、ローリー様に食べていただきたくて……!」
彼女の瞳は、まるで曇りのない水晶のようにキラキラと輝いている。
周囲の生徒たちが息を呑むのがわかった。「あの子、死ぬ気か?」「公爵令嬢にそんな安物を渡すなんて、今すぐ実家ごと消されるぞ」という心の声が漏れ聞こえてきそうだ。
(正直に言いましょう。今の私の本心は『うわぁ、美味しそう! 今すぐ口に放り込みたい!』だわ。でも、これまでの私のキャラなら……)
「……そんな、私なんかのために、わざわざ? ……ふふ。ミア様、あなたはなんてお優しいのかしら。まるで野に咲く一輪のシロツメクサのような、慎ましやかな真心を感じますわ」
私は袋を受け取り、それを胸に抱きしめるような仕草をした。
(よし、完璧よ! ここで『こんなゴミ、豚の餌にでもしなさい!』と投げ捨てるのが悪役ルート。でも私は今、シロツメクサとかいう、よく分からない比喩を使って彼女を全肯定したわ!)
「……っ! ローリー様……!」
ミアが、感動に打ち震えた様子で私の手を取った。
「私、感動しました! 今までローリー様のことを『歩く人間火力発電所』とか『毒を吐くために生まれてきた女王蜂』なんて呼んでいた人たちの言うことなんて、もう信じません!」
(……ちょっと待って。私の二つ名、いつの間にかそんなに過激なことになっていたの!?)
「私、ローリー様のこと、大好きになりました! あの、もしよろしければ、一緒にお昼を食べてもいいですか?」
「えっ……?」
私は固まった。想定外だ。
ヒロインというのは、悪役令嬢を恐れ、王子の背後に隠れ、「ローリー様が怖いの……」と涙を流す存在ではないのか。なぜ、自分から虎の穴に飛び込んでくるのか。
ふと視線を感じて横を向くと、セドリック様が頬杖をつきながら、こちらをニヤニヤと眺めていた。
「いいんじゃないか、ローリー。君の『慈愛』が、ついに男爵令嬢にまで届いたようだ。……私も混ぜてもらおう。君たちがどんな『心温まる会話』をするのか、非常に興味がある」
(……このドS王子、絶対に面白がってるわね!?)
結局、私はセドリック様とミアに挟まれるという、全方向が破滅フラグに包囲された状態でお昼を食べることになった。
「ローリー様、そのお弁当、とっても綺麗ですね!」
「ええ……ふふっ。家の者が、私の健康を考えて用意してくれたものですわ。……あ、ミア様、もしよろしければ、この卵焼きを一ついかがかしら? とっても……慈愛に満ちた味ですわよ?」
私は、自分の弁当の中で最も毒の入っていなさそうな(当然だが)卵焼きを、震える手でミアの皿に乗せた。
「わあ! ありがとうございます! ……ぱくっ。……んん~っ! 美味しいです! ローリー様のお弁当、お日様の味がします!」
(お日様の味って何よ。光合成でもしてるつもり!? ……あ、ダメダメ。毒を吐いちゃダメ。今は聖女よ、私!)
「それは良かったですわ。……セドリック様も、いかがですか? あ、でも、殿下のお口には、このような庶民的な味付けは合わないかもしれませんわね。おほ……ふ、ふふっ」
私はセドリック様に向けて、精一杯の「気遣い(を装った牽制)」を投げた。
「いや、頂こう。君が『慈愛』を込めて選んだものなら、毒が入っていても完食するのが婚約者の務めだろう?」
「……毒なんて入っていませんわ」
「わかっている。君が最近、必死に『人間』になろうと努力しているのは見ていて飽きないからな」
セドリック様は、私の卵焼きを平然と口に運び、それからふっと目を細めた。
「……なるほど。確かに、以前の君が作らせていた『砂糖の塊のような甘ったるい暴力』とは違うな。少しは、まともな味覚が戻ってきたのか」
(……昔の私のセンス、どんだけ最悪だったのよ!)
私は心の中で、過去の自分を百叩きにする刑を執行した。
その時、ミアが身を乗り出して私に言った。
「ローリー様! 明日、放課後に一緒に図書室でお勉強しませんか? 私、数学が苦手で……ローリー様、とっても頭が良いって聞いたので!」
「……数学、ですの?」
「はい! 教えていただけたら、私、一生ローリー様の靴を磨きます!」
(靴磨き!? 男爵令嬢が公爵令嬢の靴を磨くなんて、それこそいじめの現場にしか見えないわよ!)
私は必死に、引きつる頬を抑えた。
「……ふふっ。靴磨きなんて、そんな必要はありませんわ。ええ、よろしいですよ。共にお互いを高め合いましょう、ミア様」
「やったー! ありがとうございます、ローリー様!」
ミアは私の手を取ってブンブンと振り回した。
それを見ている周囲の生徒たちの目は、もはや「恐怖」を通り越して「混乱」に染まっている。
「……おい。ローリー様が、男爵令嬢と手を繋いで笑ってるぞ」
「世界が終わる。これは、世界滅亡の前兆だ……」
(失礼ね! 人が親切にしてるのを、世界の終焉みたいに言わないでちょうだい!)
私は、満面の笑みを浮かべるミアと、それを見て面白そうに顎をさするセドリック様の板挟みになりながら、確信した。
私の「悪役令嬢回避作戦」は、どうやら私の想定を遥かに超えた、カオスな方向へと転がり始めている。
(いいわ、やってやろうじゃないの。ヒロインを毒牙にかけるんじゃなく、勉強で完膚なきまでに叩き伏せる……じゃなかった、優しく導く聖女になってやるわ!)
私の脳内では、すでに「いかにして教え上手の聖女に見せるか」という、次なる演技の構成案が立ち上がりつつあった。
生存への道は、いつだって筋肉痛と隣り合わせだ。主に顔の。
私は教室の自席で、重い溜息を優雅な呼吸音へと変換しながら吐き出した。
午前中の授業は、まさに針のむしろだった。教師が私を指名するたびにクラスメイトが「ついに公開処刑が始まるのか」と言わんばかりの怯えた表情を見せ、私が正解を答えるだけで「あのアステリア公爵令嬢が勉強をしているなんて、明日は天変地異が起きる」というざわめきが起こる。
極めつけは、隣の席に座るセドリック様だ。
彼は授業中、一度も教科書を見ることなく、ずっと横目で私を観察していた。視線が痛い。穴が開く。たぶん私の後頭部には、今ごろ視線による風穴が三つくらい開いているはずだ。
(落ち着くのよ、ローリー。今は静かに、サイラスが持たせてくれた『特製・猫かぶり弁当』を食べて、精神を安定させるのよ)
私がそっと鞄からバスケットを取り出そうとした、その時だった。
「あの……ローリー様!」
鼓膜を震わせる、鈴を転がすような愛らしい声。
私は心臓が止まるかと思った。この声の主を、私は知っている。今朝、廊下で華麗に(?)助けてやった、例のヒロイン枠ことミア・ルナールだ。
(……来た。ついに来たわ! 断罪フラグの化身、攻略対象を全員狂わせる天然タラシの魔性娘!)
私は脳内で「敵襲!」と警報を鳴らしながら、スローモーションで顔を上げた。
「あら……ミア様。どうかいたしましたか? ふふっ」
「はい! これ、今朝のお礼です!」
ミアが差し出してきたのは、小さな刺繍入りの袋だった。中からは、甘い焼き菓子の香りが漂ってくる。
「これ、実家から送られてきた地元の銘菓なんです。とっても素朴な味なんですけど、ローリー様に食べていただきたくて……!」
彼女の瞳は、まるで曇りのない水晶のようにキラキラと輝いている。
周囲の生徒たちが息を呑むのがわかった。「あの子、死ぬ気か?」「公爵令嬢にそんな安物を渡すなんて、今すぐ実家ごと消されるぞ」という心の声が漏れ聞こえてきそうだ。
(正直に言いましょう。今の私の本心は『うわぁ、美味しそう! 今すぐ口に放り込みたい!』だわ。でも、これまでの私のキャラなら……)
「……そんな、私なんかのために、わざわざ? ……ふふ。ミア様、あなたはなんてお優しいのかしら。まるで野に咲く一輪のシロツメクサのような、慎ましやかな真心を感じますわ」
私は袋を受け取り、それを胸に抱きしめるような仕草をした。
(よし、完璧よ! ここで『こんなゴミ、豚の餌にでもしなさい!』と投げ捨てるのが悪役ルート。でも私は今、シロツメクサとかいう、よく分からない比喩を使って彼女を全肯定したわ!)
「……っ! ローリー様……!」
ミアが、感動に打ち震えた様子で私の手を取った。
「私、感動しました! 今までローリー様のことを『歩く人間火力発電所』とか『毒を吐くために生まれてきた女王蜂』なんて呼んでいた人たちの言うことなんて、もう信じません!」
(……ちょっと待って。私の二つ名、いつの間にかそんなに過激なことになっていたの!?)
「私、ローリー様のこと、大好きになりました! あの、もしよろしければ、一緒にお昼を食べてもいいですか?」
「えっ……?」
私は固まった。想定外だ。
ヒロインというのは、悪役令嬢を恐れ、王子の背後に隠れ、「ローリー様が怖いの……」と涙を流す存在ではないのか。なぜ、自分から虎の穴に飛び込んでくるのか。
ふと視線を感じて横を向くと、セドリック様が頬杖をつきながら、こちらをニヤニヤと眺めていた。
「いいんじゃないか、ローリー。君の『慈愛』が、ついに男爵令嬢にまで届いたようだ。……私も混ぜてもらおう。君たちがどんな『心温まる会話』をするのか、非常に興味がある」
(……このドS王子、絶対に面白がってるわね!?)
結局、私はセドリック様とミアに挟まれるという、全方向が破滅フラグに包囲された状態でお昼を食べることになった。
「ローリー様、そのお弁当、とっても綺麗ですね!」
「ええ……ふふっ。家の者が、私の健康を考えて用意してくれたものですわ。……あ、ミア様、もしよろしければ、この卵焼きを一ついかがかしら? とっても……慈愛に満ちた味ですわよ?」
私は、自分の弁当の中で最も毒の入っていなさそうな(当然だが)卵焼きを、震える手でミアの皿に乗せた。
「わあ! ありがとうございます! ……ぱくっ。……んん~っ! 美味しいです! ローリー様のお弁当、お日様の味がします!」
(お日様の味って何よ。光合成でもしてるつもり!? ……あ、ダメダメ。毒を吐いちゃダメ。今は聖女よ、私!)
「それは良かったですわ。……セドリック様も、いかがですか? あ、でも、殿下のお口には、このような庶民的な味付けは合わないかもしれませんわね。おほ……ふ、ふふっ」
私はセドリック様に向けて、精一杯の「気遣い(を装った牽制)」を投げた。
「いや、頂こう。君が『慈愛』を込めて選んだものなら、毒が入っていても完食するのが婚約者の務めだろう?」
「……毒なんて入っていませんわ」
「わかっている。君が最近、必死に『人間』になろうと努力しているのは見ていて飽きないからな」
セドリック様は、私の卵焼きを平然と口に運び、それからふっと目を細めた。
「……なるほど。確かに、以前の君が作らせていた『砂糖の塊のような甘ったるい暴力』とは違うな。少しは、まともな味覚が戻ってきたのか」
(……昔の私のセンス、どんだけ最悪だったのよ!)
私は心の中で、過去の自分を百叩きにする刑を執行した。
その時、ミアが身を乗り出して私に言った。
「ローリー様! 明日、放課後に一緒に図書室でお勉強しませんか? 私、数学が苦手で……ローリー様、とっても頭が良いって聞いたので!」
「……数学、ですの?」
「はい! 教えていただけたら、私、一生ローリー様の靴を磨きます!」
(靴磨き!? 男爵令嬢が公爵令嬢の靴を磨くなんて、それこそいじめの現場にしか見えないわよ!)
私は必死に、引きつる頬を抑えた。
「……ふふっ。靴磨きなんて、そんな必要はありませんわ。ええ、よろしいですよ。共にお互いを高め合いましょう、ミア様」
「やったー! ありがとうございます、ローリー様!」
ミアは私の手を取ってブンブンと振り回した。
それを見ている周囲の生徒たちの目は、もはや「恐怖」を通り越して「混乱」に染まっている。
「……おい。ローリー様が、男爵令嬢と手を繋いで笑ってるぞ」
「世界が終わる。これは、世界滅亡の前兆だ……」
(失礼ね! 人が親切にしてるのを、世界の終焉みたいに言わないでちょうだい!)
私は、満面の笑みを浮かべるミアと、それを見て面白そうに顎をさするセドリック様の板挟みになりながら、確信した。
私の「悪役令嬢回避作戦」は、どうやら私の想定を遥かに超えた、カオスな方向へと転がり始めている。
(いいわ、やってやろうじゃないの。ヒロインを毒牙にかけるんじゃなく、勉強で完膚なきまでに叩き伏せる……じゃなかった、優しく導く聖女になってやるわ!)
私の脳内では、すでに「いかにして教え上手の聖女に見せるか」という、次なる演技の構成案が立ち上がりつつあった。
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