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2/13:目覚め
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タブレット端末を落とし、震える体を抑えながら二十日はフィジオへ向き直る。完全に獣の顔と化した二十日を見つけてフィジオはため息をつく。まばたきで二十日から目を離すと二十日はすでに目の前にいた。
「……より、速くなった……」
「……動けなくなってもらう。」
より速い爪の突きを繰り出す。フィジオはその突きを掌でいなしてカウンターを入れようとするが、二十日はそのいなしをさらにいなしてカウンターをかぶせて別角度から突きを叩きいれる。二十日の爪はフィジオの鎧の胸に突き刺さる。
「ごふっ……」
「これで、もう動けない。諦めろ。」
二十日は爪を置く深くまで突き刺す。フィジオはその腕をつかみ腕を固定する。
「捕まえ……た」
フィジオはそのまま魔力を溜めて腕を握る。だんだんと力が込もり万力のように腕がつぶれていく。
「な、こんな……」
「オレが諦めると思っているのか?それは大いなる勘違いだな……この程度の一突きでオレは、俺はひるまない……俺と話し合おうぜ。」
「話すことはない…お前をアイツのところへ連れていく。それ以外話すことはない。」
「……そうか、残念だ。」
フィジオは腕を引き抜きその腹へ蹴りを入れる。二十日はそのまま転がり体勢を立て直すころにはフィジオはすでに目の前に来ている。
「な……」
「どうだ?話し合う気になったか?」
「未だ変わらん!!」
「そうか……それなら仕方ない。」
フィジオは構えるが、一瞬力が抜けて青と緑の鎧が解除される。元の銀色の鎧に戻ると灰色の焔が燃える。
「戻ってしまったか……が、これでお前を倒せる。」
「倒す?無理だね。今の俺はお前を確実にとらえられる。」
爪を構えた二十日は回転を始める。加速を増した回転は竜巻を起こし始める。巻き起こる竜巻はフィジオはの焔を揺らす。
「……お前。死ぬ気か?」
「死なない。母さんを生き返してもらうためには…」
「……」
フィジオは悲しそうな眼を向けて拳を握る。二十日が距離を詰めてくるとフィジオは固い拳で二十日を待ち構える。
「避けない気か?舐めるなよ!」
「……」
フィジオは黙ったまま待ち構える。二十日はなおも速度を上げてフィジオへ向かって突進する。
「うぉぉぉ!!」
「……紅」
赤い焔をまとった拳を一発振り下ろした。かまいたちは真っ赤に燃えるとそのまま燃え盛って灰になり始めた。
─────────────
俺は、死ぬのか?こんな、呆気なく……こんな……こんな……
今まで、普通に生活していただけなのに……なんで俺だけ……
おそらく、アイツにコイツを突き出しても母さんは生き返らなかっただろう。
アイツの目は嘘をついている目だった。
確実に嘘をついている目だった。でも、少しでも生き返る可能性があるのならば、その可能性にかけていた。
その結果がこれか……
その結果がこれなのか……
死にたくないな。
でももう無理だな……なら、最後くらいに母さんの声や顔を聞きたかった、見たかった……
だんだんと闇に飲まれていく中、光が見えてきた。
目の前に現れたのは、俺が殺そうとしてた相手だった。
─────────────
焔に包まれた二十日を見たユスリは慌ててその場から退散しようと後ずさろうと一歩後ろへ下がる。だが、その後を追う者は誰もいなかった。ただ、そこで燃えている二十日だったものを見つめるばかりだ。だが、その焔の中へフィジオは手を入れて二十日を引っ張り出して魔力を送り始める。灰になりかけていたフィジオは身体を再生させていく。やがて元の人間の形に戻るとフィジオは二十日をその場に寝かす。それを見ていた第二班班長は近づきながら語りかける。
「人間に戻った~?」
フィジオは首を縦に振って立ち上がり天を見上げて涙を流した。四夜華はその様子にうつむきながら踵を返す。班員たちは四夜華を呼び止めるが、四夜華は無視して本部へ報告をして、歩みを進めた。
「班長…なんで……」
「ターゲットはすでに死んでしまった。これでは、今までと同じだ。ボクは帰る。」
改めて四夜華は踵を返して帰還した。
─────────────
この頬を流れるものはなんだろうか…悲しくも、うれしくもないのに、涙が流れるのはなぜだろうか。
『すまん。それは、俺の心のせいだ。』
お前は、晴山優吾か?起きたのか?
『あぁ、一時的だがな……』
それなら、オレと変わってくれ。その方がいい。都合がいい。
『それはまだ無理だな。』
そうかよ。無理かよ。いろいろとキツいんだが……
涙を拭うとオレは死体になった少年を炎で燃やして完全に灰にした。
『あと少しだ。耐えてくれ。』
2/13:目覚め
「……より、速くなった……」
「……動けなくなってもらう。」
より速い爪の突きを繰り出す。フィジオはその突きを掌でいなしてカウンターを入れようとするが、二十日はそのいなしをさらにいなしてカウンターをかぶせて別角度から突きを叩きいれる。二十日の爪はフィジオの鎧の胸に突き刺さる。
「ごふっ……」
「これで、もう動けない。諦めろ。」
二十日は爪を置く深くまで突き刺す。フィジオはその腕をつかみ腕を固定する。
「捕まえ……た」
フィジオはそのまま魔力を溜めて腕を握る。だんだんと力が込もり万力のように腕がつぶれていく。
「な、こんな……」
「オレが諦めると思っているのか?それは大いなる勘違いだな……この程度の一突きでオレは、俺はひるまない……俺と話し合おうぜ。」
「話すことはない…お前をアイツのところへ連れていく。それ以外話すことはない。」
「……そうか、残念だ。」
フィジオは腕を引き抜きその腹へ蹴りを入れる。二十日はそのまま転がり体勢を立て直すころにはフィジオはすでに目の前に来ている。
「な……」
「どうだ?話し合う気になったか?」
「未だ変わらん!!」
「そうか……それなら仕方ない。」
フィジオは構えるが、一瞬力が抜けて青と緑の鎧が解除される。元の銀色の鎧に戻ると灰色の焔が燃える。
「戻ってしまったか……が、これでお前を倒せる。」
「倒す?無理だね。今の俺はお前を確実にとらえられる。」
爪を構えた二十日は回転を始める。加速を増した回転は竜巻を起こし始める。巻き起こる竜巻はフィジオはの焔を揺らす。
「……お前。死ぬ気か?」
「死なない。母さんを生き返してもらうためには…」
「……」
フィジオは悲しそうな眼を向けて拳を握る。二十日が距離を詰めてくるとフィジオは固い拳で二十日を待ち構える。
「避けない気か?舐めるなよ!」
「……」
フィジオは黙ったまま待ち構える。二十日はなおも速度を上げてフィジオへ向かって突進する。
「うぉぉぉ!!」
「……紅」
赤い焔をまとった拳を一発振り下ろした。かまいたちは真っ赤に燃えるとそのまま燃え盛って灰になり始めた。
─────────────
俺は、死ぬのか?こんな、呆気なく……こんな……こんな……
今まで、普通に生活していただけなのに……なんで俺だけ……
おそらく、アイツにコイツを突き出しても母さんは生き返らなかっただろう。
アイツの目は嘘をついている目だった。
確実に嘘をついている目だった。でも、少しでも生き返る可能性があるのならば、その可能性にかけていた。
その結果がこれか……
その結果がこれなのか……
死にたくないな。
でももう無理だな……なら、最後くらいに母さんの声や顔を聞きたかった、見たかった……
だんだんと闇に飲まれていく中、光が見えてきた。
目の前に現れたのは、俺が殺そうとしてた相手だった。
─────────────
焔に包まれた二十日を見たユスリは慌ててその場から退散しようと後ずさろうと一歩後ろへ下がる。だが、その後を追う者は誰もいなかった。ただ、そこで燃えている二十日だったものを見つめるばかりだ。だが、その焔の中へフィジオは手を入れて二十日を引っ張り出して魔力を送り始める。灰になりかけていたフィジオは身体を再生させていく。やがて元の人間の形に戻るとフィジオは二十日をその場に寝かす。それを見ていた第二班班長は近づきながら語りかける。
「人間に戻った~?」
フィジオは首を縦に振って立ち上がり天を見上げて涙を流した。四夜華はその様子にうつむきながら踵を返す。班員たちは四夜華を呼び止めるが、四夜華は無視して本部へ報告をして、歩みを進めた。
「班長…なんで……」
「ターゲットはすでに死んでしまった。これでは、今までと同じだ。ボクは帰る。」
改めて四夜華は踵を返して帰還した。
─────────────
この頬を流れるものはなんだろうか…悲しくも、うれしくもないのに、涙が流れるのはなぜだろうか。
『すまん。それは、俺の心のせいだ。』
お前は、晴山優吾か?起きたのか?
『あぁ、一時的だがな……』
それなら、オレと変わってくれ。その方がいい。都合がいい。
『それはまだ無理だな。』
そうかよ。無理かよ。いろいろとキツいんだが……
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