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2/20:完遂
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双子の両親がハマってしまった宗教のことだが、現在サソリがまとめている「銀色の使徒」その支部に通っていたようだ。「銀色の使徒」の教えは魔族に対してはそこまでお布施も縛りもきつくなくなんなら魔族ならすぐに幹部候補になるくらいには魔族が優遇されているような宗教だ。人間種族の扱いは酷いものだがそれでもすがるものを探す人間はどれだけお布施が高かろうが規則が厳しかろうが「銀色の使徒」を信仰している。
その結果、子供を捨てたのが双子の両親どもだ。
後編─完遂─。
─────────────
駅に向かう双子を見ていた彩虹寺と優吾は内心ハラハラしながらどうするか相談を始める。
「どうする?方向修正するように促すか?」
「……いや、このままでいいだろう……これもいい学びになる……はずだ。」
「いや、めっちゃ心配してるだろ。」
「そういう君はどうにかできるのか?」
「俺も無理かも……変装道具とか持ってきてないし……」
二人はため息を吐きながら双子の様子を見ていると地元の不良たちが前からやってくるのが見え警戒する。双子も不良たちを一瞬見るが気にせずに歩みを進めていく。すると不良たちは見慣れない双子に興味を示して呼び止める。
「お前らちょっと待てや。」
双子は不良に呼び止められて少しビクつきながらも不良たちが近づくのを待つ。不良たちは金髪天パと黒髪トゲトゲ頭と茶髪ロン毛の三人構成で上方次第では好青年に見えなくもない顔立ちだ。金髪は双子に目線を合わせて観察すように双子を見回す。
「見ない顔だな……迷子か?」
金髪の質問に双子は怯えたような仕草で無言で首を横に振る怖い顔の金髪を後ろからはたいた黒髪のトゲトゲは金髪にツッコミを入れる。
「いや、どう見ても違うだろ。ちゃんと地図持ってるしお使いとかだろ?」
双子は黒髪トゲトゲ頭の優しい表情に少し警戒を解いたのかお互い握りあっていた手を緩めて首を縦に振る。その横からいつの間にか双子の後ろにいた茶髪ロン毛が顔を出して地図を見て声を上げる。
「ここ、蜜刃くんのお店じゃない?大豆屋「はじめ」だったよね?」
茶髪のロン毛に蜜刃と呼ばれた金髪天パは振り向きながらめんどくさそうな顔をする。
「そうだけど?」
「この子たち、多分醤油を買うように誰かに言われたんだろうね。」
茶髪ロン毛の推理に双子は完全に警戒を解いて目を輝かせながら茶髪ロン毛に近づく。
「すごい、あたり!」
「なんでわかったの?」
双子の明るい表情に茶髪ロン毛は得意げに胸を張ってみる。
「ふふんすごいだろ~僕ら、こんななりしているけど、この地域限定で何でも屋をやっているんだよ。だからわかっちゃうんだよ。」
「「すごい!!」」
茶髪ロン毛や黒髪トゲトゲは得意げな表情になる。そんな中、金髪天パはあきれた様子で二人の間を割って双子の要件を完了させるため茶髪ロン毛と黒髪トゲトゲを引っ張って踵を返す。ついてこない双子に金髪は振り向く。
「こないのか?ここからだとめっちゃ近く行けるぞ。」
双子は金髪天パにも警戒を解除してついていった。様子を見ていた彩虹寺と優吾は胸をなでおろしながらそっと一行の後をついていく。双子は無事大豆屋「はじめ」へと到着する。双子を届けた三人は店には入らずにそのまま行こうとする。
「おにいちゃんのおうちじゃないの?」
「ん?あぁいいんだよ。今日はこっちのトゲトゲの家に泊まるっていってあっから。」
そう言って三人は来た道を引き返そうとしたが、店から出てきた紺色のエプロンを来た小さい男性が出てきて蜜刃を大声で呼び止める。
「洸太郎!」
「げっ…おやじ……な、なんだよ……」
「今日は新実くんの家にとまるんじゃなかったのか?」
「いや、おやじの醤油が欲しいっていうそこのガキどもを連れてきただけだ。んじゃ、俺はこれで……」
「洸太郎!」
「わかってるよ……明日は帰ってくるからそんな心配すんな。」
三人組はそのまま踵を返して道を引き返していった。大豆屋のおやじは小さくなっていく背中を見送ってから双子へ目を向けて笑顔になる。
「坊ちゃん、嬢ちゃんすまねぇな。それで、醤油が必要なのか?」
「うん!夜ご飯にね、冷やし中華を作るんだけど……」
「ここのお醤油はおいしいっておねえちゃんが言ってたから買いに来たの!」
「そうかそうか。それはありがてぇことだ。中に行こうや。」
三人は暖簾をくぐって店の中に入る。いろんな種類の大豆が陳列するなか、一部だけ醤油や、豆腐、納豆などの大豆製品のコーナーがあった。おやじはその中から「はじめの醤油」を手に取って嬉しそうにレジに向かう。
「はい、醤油一本で1100円ね。」
双子は小銭入れから渡された千円札と百円玉を取り出しておやじに渡す。嬉しそうにお金を受け取り会計が終わるとおやじは双子を呼び止めて奥へと消えていった。双子が入り口で待っているとおやじはビニール袋を手に持ちながら奥から出てくる。双子にその袋を手渡して微笑む。
「遠くからよく来てくれた。今日は特別にそのおねえちゃんへのおみやげだ。きっと喜ぶぜ。」
双子は袋の中を見ると中身はきなこもちだった。これはと言う顔でおやじを見るとおやじは大豆製品コーナーを見ながら答える。
「いや、そのなんだ、新作の特性きなこもちの最終調整作品だ。前はこんなことはしなかったが、誰のおかげか色々とやりたくなってな…食べた感想電話でもいいから待ってると姉ちゃんに伝えてくれ。」
双子は笑顔で挨拶してそのまま店を出た。店を出ると辺りはすっかり赤く染まっており夕日が輝いていた。
「はやくかえろ?」
「うん!」
双子は疲労がたまっている体を彩虹寺と優吾の笑顔を想像しながら奮起させて大きく足を踏み出して走って駅へと向かった。数十分かけて駅の前へ着くとそこには彩虹寺と優吾とクロスケが待っていた。双子は二人と一匹を見つけると周りを確認しながら走って優吾に一斉に抱き着いた。
「なんでいるの!?」
「なんできたの!?」
「いや、ちょっと心配になっちまってな。」
「だが、心配はいらなかったみたいだな。」
「カァ!」
一行は仲良く手をつないで電車へ乗車した。乗車して数分して双子はうつらうつらとしてとうとう眠ってしまった。そんな双子を見て彩虹寺と優吾は優しく微笑んだ。
2/20:完遂
その結果、子供を捨てたのが双子の両親どもだ。
後編─完遂─。
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駅に向かう双子を見ていた彩虹寺と優吾は内心ハラハラしながらどうするか相談を始める。
「どうする?方向修正するように促すか?」
「……いや、このままでいいだろう……これもいい学びになる……はずだ。」
「いや、めっちゃ心配してるだろ。」
「そういう君はどうにかできるのか?」
「俺も無理かも……変装道具とか持ってきてないし……」
二人はため息を吐きながら双子の様子を見ていると地元の不良たちが前からやってくるのが見え警戒する。双子も不良たちを一瞬見るが気にせずに歩みを進めていく。すると不良たちは見慣れない双子に興味を示して呼び止める。
「お前らちょっと待てや。」
双子は不良に呼び止められて少しビクつきながらも不良たちが近づくのを待つ。不良たちは金髪天パと黒髪トゲトゲ頭と茶髪ロン毛の三人構成で上方次第では好青年に見えなくもない顔立ちだ。金髪は双子に目線を合わせて観察すように双子を見回す。
「見ない顔だな……迷子か?」
金髪の質問に双子は怯えたような仕草で無言で首を横に振る怖い顔の金髪を後ろからはたいた黒髪のトゲトゲは金髪にツッコミを入れる。
「いや、どう見ても違うだろ。ちゃんと地図持ってるしお使いとかだろ?」
双子は黒髪トゲトゲ頭の優しい表情に少し警戒を解いたのかお互い握りあっていた手を緩めて首を縦に振る。その横からいつの間にか双子の後ろにいた茶髪ロン毛が顔を出して地図を見て声を上げる。
「ここ、蜜刃くんのお店じゃない?大豆屋「はじめ」だったよね?」
茶髪のロン毛に蜜刃と呼ばれた金髪天パは振り向きながらめんどくさそうな顔をする。
「そうだけど?」
「この子たち、多分醤油を買うように誰かに言われたんだろうね。」
茶髪ロン毛の推理に双子は完全に警戒を解いて目を輝かせながら茶髪ロン毛に近づく。
「すごい、あたり!」
「なんでわかったの?」
双子の明るい表情に茶髪ロン毛は得意げに胸を張ってみる。
「ふふんすごいだろ~僕ら、こんななりしているけど、この地域限定で何でも屋をやっているんだよ。だからわかっちゃうんだよ。」
「「すごい!!」」
茶髪ロン毛や黒髪トゲトゲは得意げな表情になる。そんな中、金髪天パはあきれた様子で二人の間を割って双子の要件を完了させるため茶髪ロン毛と黒髪トゲトゲを引っ張って踵を返す。ついてこない双子に金髪は振り向く。
「こないのか?ここからだとめっちゃ近く行けるぞ。」
双子は金髪天パにも警戒を解除してついていった。様子を見ていた彩虹寺と優吾は胸をなでおろしながらそっと一行の後をついていく。双子は無事大豆屋「はじめ」へと到着する。双子を届けた三人は店には入らずにそのまま行こうとする。
「おにいちゃんのおうちじゃないの?」
「ん?あぁいいんだよ。今日はこっちのトゲトゲの家に泊まるっていってあっから。」
そう言って三人は来た道を引き返そうとしたが、店から出てきた紺色のエプロンを来た小さい男性が出てきて蜜刃を大声で呼び止める。
「洸太郎!」
「げっ…おやじ……な、なんだよ……」
「今日は新実くんの家にとまるんじゃなかったのか?」
「いや、おやじの醤油が欲しいっていうそこのガキどもを連れてきただけだ。んじゃ、俺はこれで……」
「洸太郎!」
「わかってるよ……明日は帰ってくるからそんな心配すんな。」
三人組はそのまま踵を返して道を引き返していった。大豆屋のおやじは小さくなっていく背中を見送ってから双子へ目を向けて笑顔になる。
「坊ちゃん、嬢ちゃんすまねぇな。それで、醤油が必要なのか?」
「うん!夜ご飯にね、冷やし中華を作るんだけど……」
「ここのお醤油はおいしいっておねえちゃんが言ってたから買いに来たの!」
「そうかそうか。それはありがてぇことだ。中に行こうや。」
三人は暖簾をくぐって店の中に入る。いろんな種類の大豆が陳列するなか、一部だけ醤油や、豆腐、納豆などの大豆製品のコーナーがあった。おやじはその中から「はじめの醤油」を手に取って嬉しそうにレジに向かう。
「はい、醤油一本で1100円ね。」
双子は小銭入れから渡された千円札と百円玉を取り出しておやじに渡す。嬉しそうにお金を受け取り会計が終わるとおやじは双子を呼び止めて奥へと消えていった。双子が入り口で待っているとおやじはビニール袋を手に持ちながら奥から出てくる。双子にその袋を手渡して微笑む。
「遠くからよく来てくれた。今日は特別にそのおねえちゃんへのおみやげだ。きっと喜ぶぜ。」
双子は袋の中を見ると中身はきなこもちだった。これはと言う顔でおやじを見るとおやじは大豆製品コーナーを見ながら答える。
「いや、そのなんだ、新作の特性きなこもちの最終調整作品だ。前はこんなことはしなかったが、誰のおかげか色々とやりたくなってな…食べた感想電話でもいいから待ってると姉ちゃんに伝えてくれ。」
双子は笑顔で挨拶してそのまま店を出た。店を出ると辺りはすっかり赤く染まっており夕日が輝いていた。
「はやくかえろ?」
「うん!」
双子は疲労がたまっている体を彩虹寺と優吾の笑顔を想像しながら奮起させて大きく足を踏み出して走って駅へと向かった。数十分かけて駅の前へ着くとそこには彩虹寺と優吾とクロスケが待っていた。双子は二人と一匹を見つけると周りを確認しながら走って優吾に一斉に抱き着いた。
「なんでいるの!?」
「なんできたの!?」
「いや、ちょっと心配になっちまってな。」
「だが、心配はいらなかったみたいだな。」
「カァ!」
一行は仲良く手をつないで電車へ乗車した。乗車して数分して双子はうつらうつらとしてとうとう眠ってしまった。そんな双子を見て彩虹寺と優吾は優しく微笑んだ。
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