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2/22:嵐の前
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アリーナ近くのホテルにて、落雷光はスマートフォンで近くに安全で走れるところを検索して、丁度公園を見つけるとトレーニングシューズを履いてホテルの係員へカギを預けて公園へ向かった。大きな池がある遊具の少ないランニングに特化した公園である。朝方ということもあり人通りも少なく走るには最適だった。エキシビションマッチとはいえ試合なので気持ちを切り替えるのにも丁度いいと落雷はストレッチを終えてランニングを始める。いつも通りにイヤホンをつけていつも通りのロックバンドの曲を流していつもの通りに足を交互に出す。相手はターニングポイントで戦ってきた百道 茜なのもあり踏み出す足に力が入る。そして、対戦相手のことを考えると自然と腕にも力が入りシャドーボクシングをはじめる。
「シュッ!シュッ!」
シャドーボクシングをする落雷の前に白いフードの二人が立っていた。落雷はそんなことは気にせず通り過ぎようとしたが、フードの二人は前に立って行く手を阻む。落雷は足を止めて避けて走り出そうとするが、二人はわざと前に立ちふさがる。
「……なんですか?わざとやってるのであればやめてください。」
「やはり、いい人材だな。」
「意味が分かりません。どいてください。」
再び避けようとした落雷の前にフードの一人が拳を構えてステップを踏み始める。
「……ボクサーか……なに?俺のファン?ならやめてくれ。今日は試合なの分かってるよな?」
「もちろんですとも。ですから試合が始まる前に答えをいただきたい。」
ステップを踏んでいるフードが飛び出して来ると落雷はその拳を避けてカウンターを返すが、フードはびくともせずにカウンターのカウンターをする。落雷は思わず魔法で防御してバックステップを踏む。
「素人の動きのはずなのに、このフィジカル……魔族か?」
「気が付きましたか……そうです。我々は「銀色の魔族」魔族を中心とした世界を作るため神から使わされた選ばれし者です。」
「……興味ないな。と言うか、俺は人間だぞ?なんで魔族の宗教に入らないと行けないんだ?」
「我々は今、人間を魔族に変えて人材を確保しようと考えています。そこであなたとあなたの対戦相手が選ばれたわけです。さぁ、魔族になりましょう。」
「嫌だね。俺は人間のままこの拳で世界一になる。」
落雷は拳を突き出して魔力を溜めて地面を殴りつけて土煙を巻き上げて目くらましをする。ユスリとシバは土煙を振り払うと落雷を見失った。
「やはり、いい人材だ。」
「もう一人はどうしますか?」
「あぁ、もう一人はにはもう、打ち込みましたよ。早ければもう今魔族になっているはずです。」
「さすが幹部です。それじゃあとは彼だけですね。」
ユスリとシバは公園から姿を消して、町の中へと消えていった。
─────────────
特別テストが終わり晴山優吾は不安と期待の中、嵐山の採点を待つ。静まり返った教室に扉が開く音が響くと嵐山が紙をもって立っていた。いつもと変わらない表情で点数がいいのか、悪いのかわからない。
「晴山。よく頑張ったな…合格だ。お前二年生になれるぞ。」
「……よし……!」
静かにガッツポーズする。テスト用紙を見てみるとどれも50点以上で中でも国語の点数は100点満点だった。
「行方不明になっていたと聞いたときは心配もしたがよかった。」
「……あの、その、山男……いや、先生……ありがとうございます。」
「何を言っている。教師として当たり前のことをしたまでだ。お前も真面目に勉強したらここまで伸びるんだ。我が校では魔力云々も見ているが、もちろん学力も重視している。だから、辞めるなんて考えるな。」
「……気づいていたんですね。」
嵐山は無言でうなずき教卓の椅子に座る。そして、優吾のクラスが書かれた紙を渡して優吾へ語りかけた。
「さて、二年生に上がったお前は今ここにいるべきではない。次の授業は教室で受け差ない。」
嵐山の優しい声に優吾は笑顔でうなずき空き教室から出て行った。嵐山は優吾の背中を目で追いかけて自然と涙が目に伝った。
─────────────
見事二年生に上がれた晴山優吾はクラスを確認して教室へ向かって歩いていた。授業終了の鐘が鳴り教室からはクラスメイト達が出てきて優吾を避けながら昼ご飯を買いに逆の方向へ向かっていく。その中に、彩虹寺 綾那の姿が見え、軽く手を挙げて優吾の方へ近寄ってきた。
「聞いたぞ。無事に二年生に上がれたようだな。」
「おう、クラスも一緒だ。これからよろしくな。」
「……これからは真面目に授業に出るんだよな?」
「もちろんだが、まぁ緊急事態の時はどうしても……」
瞬間、優吾の頭の中に映像が流れた。場所は満干アリーナで魔族が有名ボクサー落雷 光を襲っている映像だった。映像が途切れると目の前に心配そうな顔の彩虹寺がのぞき込む。
「……悪い。石が映像を送ってきて……」
その言葉で彩虹寺の顔は心配から副班長モードになる。
「どこが見えた?誰が襲われていた?」
優吾は見えた景色と人物を教えて話す。そして通信で校内にいる魔法術対策機関の面々を急いで集めた。そして呼ばれた面々は学校の中庭に集合してピクニックのように弁当を広げて昼ごはん兼作戦会議が始まった。
2/22:嵐の前
「シュッ!シュッ!」
シャドーボクシングをする落雷の前に白いフードの二人が立っていた。落雷はそんなことは気にせず通り過ぎようとしたが、フードの二人は前に立って行く手を阻む。落雷は足を止めて避けて走り出そうとするが、二人はわざと前に立ちふさがる。
「……なんですか?わざとやってるのであればやめてください。」
「やはり、いい人材だな。」
「意味が分かりません。どいてください。」
再び避けようとした落雷の前にフードの一人が拳を構えてステップを踏み始める。
「……ボクサーか……なに?俺のファン?ならやめてくれ。今日は試合なの分かってるよな?」
「もちろんですとも。ですから試合が始まる前に答えをいただきたい。」
ステップを踏んでいるフードが飛び出して来ると落雷はその拳を避けてカウンターを返すが、フードはびくともせずにカウンターのカウンターをする。落雷は思わず魔法で防御してバックステップを踏む。
「素人の動きのはずなのに、このフィジカル……魔族か?」
「気が付きましたか……そうです。我々は「銀色の魔族」魔族を中心とした世界を作るため神から使わされた選ばれし者です。」
「……興味ないな。と言うか、俺は人間だぞ?なんで魔族の宗教に入らないと行けないんだ?」
「我々は今、人間を魔族に変えて人材を確保しようと考えています。そこであなたとあなたの対戦相手が選ばれたわけです。さぁ、魔族になりましょう。」
「嫌だね。俺は人間のままこの拳で世界一になる。」
落雷は拳を突き出して魔力を溜めて地面を殴りつけて土煙を巻き上げて目くらましをする。ユスリとシバは土煙を振り払うと落雷を見失った。
「やはり、いい人材だ。」
「もう一人はどうしますか?」
「あぁ、もう一人はにはもう、打ち込みましたよ。早ければもう今魔族になっているはずです。」
「さすが幹部です。それじゃあとは彼だけですね。」
ユスリとシバは公園から姿を消して、町の中へと消えていった。
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特別テストが終わり晴山優吾は不安と期待の中、嵐山の採点を待つ。静まり返った教室に扉が開く音が響くと嵐山が紙をもって立っていた。いつもと変わらない表情で点数がいいのか、悪いのかわからない。
「晴山。よく頑張ったな…合格だ。お前二年生になれるぞ。」
「……よし……!」
静かにガッツポーズする。テスト用紙を見てみるとどれも50点以上で中でも国語の点数は100点満点だった。
「行方不明になっていたと聞いたときは心配もしたがよかった。」
「……あの、その、山男……いや、先生……ありがとうございます。」
「何を言っている。教師として当たり前のことをしたまでだ。お前も真面目に勉強したらここまで伸びるんだ。我が校では魔力云々も見ているが、もちろん学力も重視している。だから、辞めるなんて考えるな。」
「……気づいていたんですね。」
嵐山は無言でうなずき教卓の椅子に座る。そして、優吾のクラスが書かれた紙を渡して優吾へ語りかけた。
「さて、二年生に上がったお前は今ここにいるべきではない。次の授業は教室で受け差ない。」
嵐山の優しい声に優吾は笑顔でうなずき空き教室から出て行った。嵐山は優吾の背中を目で追いかけて自然と涙が目に伝った。
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見事二年生に上がれた晴山優吾はクラスを確認して教室へ向かって歩いていた。授業終了の鐘が鳴り教室からはクラスメイト達が出てきて優吾を避けながら昼ご飯を買いに逆の方向へ向かっていく。その中に、彩虹寺 綾那の姿が見え、軽く手を挙げて優吾の方へ近寄ってきた。
「聞いたぞ。無事に二年生に上がれたようだな。」
「おう、クラスも一緒だ。これからよろしくな。」
「……これからは真面目に授業に出るんだよな?」
「もちろんだが、まぁ緊急事態の時はどうしても……」
瞬間、優吾の頭の中に映像が流れた。場所は満干アリーナで魔族が有名ボクサー落雷 光を襲っている映像だった。映像が途切れると目の前に心配そうな顔の彩虹寺がのぞき込む。
「……悪い。石が映像を送ってきて……」
その言葉で彩虹寺の顔は心配から副班長モードになる。
「どこが見えた?誰が襲われていた?」
優吾は見えた景色と人物を教えて話す。そして通信で校内にいる魔法術対策機関の面々を急いで集めた。そして呼ばれた面々は学校の中庭に集合してピクニックのように弁当を広げて昼ごはん兼作戦会議が始まった。
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