72 / 98
2/23:晴天
しおりを挟む
命からがら逃げてきた落雷はそのまま銀色の使徒を巻いたことを確認して近くのジムへと逃げ込んだ。息を整えてジムでサンドバッグを突いて落ち着こうと中へと入っていく。そこにはいつもジムを使用している利用者がいたりするが、その中に今夜の対戦相手の百道 茜がいた。茜は周りが怖気づいてしまう程の気迫でミット撃ちをしておりミットを持っている専属トレーナーも滝のような汗を額から流している。幾度目かの拳をミットに受けたトレーナーは驚きと喜びの顔でその場でしりもちをつく。
「……アカネ、いいパンチだ!このパンチなら相手にも勝てる!」
「ありがとうございます。」
茜は汗を拭きながら落雷を発見する。落雷は茜と目が合うと勘で悟る。
『こいつ、人間じゃなくなっている……!?』
茜は落雷の考えていることを察したのかにやりと口角を上げる。そして、茜は落雷へボクシンググローブを投げつける。
「光。軽く一戦やってみようよ。」
「……本気で言ってるのか?」
リングに上がれと言わんばかりに顎を動かす茜に促された落雷は、グローブを拾い上げて嵌めて準備ができている茜へ視線を送る。茜は専属のトレーナーへ審判をするように目線を送る。
「しかし、試合が……」
「軽くやるだけさ。光もいいだろ?」
「……もちろんだ。確かめたいこともあるしな。」
茜は口角を緩やかに上げてステップを踏んだり肩を回したりする。落雷も同じように戦闘モードへ切り替えてトレーナーの開始の合図で二人は互いに近づきエキシビションマッチ前のエキシビションが始まる。周りも有名選手の試合に盛り上がって視線が集まる。落雷が右フックを繰り出すが、茜はガードも回避もせずそのフックをボディに受ける。周りは決まったと茜のひるみを予想したが、落雷は全く手ごたえを感じずにバックステップで逃げようとしたが、茜は目にも止まらぬ左ストレートを顔の目の前に突き出して鼻先で止める。
「はい、僕の勝ち。」
「まだまだ……」
落雷はそのまま茜のボディへ同じように左のストレートを打ち込むが茜はまたガードも回避もせずにストレートが決まる。しかし、全く手ごたえがない。落雷はそこで確信した。こいつは完全に魔族になっていると。落雷は左腕を引き、グローブを投げ捨てた。
「どうしたの?光。まだまだやれるんじゃないの?」
「いや、俺の負けでいい。あとはエキシビションに取っておく。」
周りは落雷が負け惜しみを言っているように聞こえたようで今日は百道 茜が勝つという空気が流れていた。茜はそのまま落雷を追って入口で呼び止める。
「なんだ?まだ自慢したいのか?もらった力を。」
「なんだ気づいていたのか。それなら君にもこれを……」
小瓶を差し出した茜の手から小瓶をはたき落とす茜は首をかしげて落雷はそんな茜へ怒りのまなざしを向ける。
「何をそんなに怒っているんだい?」
「お前のそれはお前の一番嫌悪するドーピングと一緒じゃないのか?」
「細胞を入れ替えているんだ。これはドーピングと似て非なるものだ。それに、」
「……こうでもしないと俺に勝てないか?なぁ、そんなに勝利が大事か?」
「当たり前だ。君もその拳で世界を取るためにこの世界に入ったんだろう?」
「そうだが、俺は人間性を捨ててまでの勝利はいらない。お前も以前そうだったはずだ。」
茜は無言でにこやかにジムの中へ戻っていった。
「俺は、お前に絶対に負けない。」
落雷はホテルへ戻って汗を流そうとジムの外へ完全に出ると高校生たちが待っていましたと言わんばかりに立っていた。通り過ぎようとしたが、その一人に肩を掴まれる。ファンか何かだと思い少し苛立ちながら立ち止まる。
「なんだい?サインなら今ちょっと急いでるからまた今度……」
「いえ、我々は魔法術対策機関です。落雷 光さん。あなたを保護しに来ました。」
落雷はその場で困惑の表情を浮かべて首を傾げた。
─────────────
時は昼まで戻る。学校の中庭にまるでピクニックのような雰囲気が漂う男女がいた。彩虹寺を含めた魔法術対策機関の面々が昼食兼作戦会議をしていた。彩虹寺はスマートフォンでテレビ電話をつなげて一班 班長 星々 琉聖の顔を映し出して、優吾の見た映像を聞く。
『ふむふむ、確かに今日は落雷 光と百道 茜のエキシビションだからね……』
「とりあえず、保護って形で迫るのはありですか?」
『それはそれでありだね。ただ、いつ襲われるかだね。』
優吾はそういわれて映像を思い出して辺りの明るさや時間帯を思い出す。うなって唸って数分後、口を開く。
「……わかんないです。でも、なんか辺りが異様に明るかったから夜だとは思うんすけど……」
『それだけでも十分だね……と言うことを踏まえると、学校終わりにアリーナ近くにいる落雷選手や百道選手を保護するのを目的にした方がいいだろうね。それじゃ、皆、落雷選手を保護して、魔族の鎮圧だね。二班と三班の皆は僕から班長に伝えておくからさ。』
一班と優吾以外の面々は昼ご飯を食べながらうなずき、作戦に同意した。面々は昼食をすませ、再度作戦の確認をして午後の授業へ向かった。
2/23:晴天
「……アカネ、いいパンチだ!このパンチなら相手にも勝てる!」
「ありがとうございます。」
茜は汗を拭きながら落雷を発見する。落雷は茜と目が合うと勘で悟る。
『こいつ、人間じゃなくなっている……!?』
茜は落雷の考えていることを察したのかにやりと口角を上げる。そして、茜は落雷へボクシンググローブを投げつける。
「光。軽く一戦やってみようよ。」
「……本気で言ってるのか?」
リングに上がれと言わんばかりに顎を動かす茜に促された落雷は、グローブを拾い上げて嵌めて準備ができている茜へ視線を送る。茜は専属のトレーナーへ審判をするように目線を送る。
「しかし、試合が……」
「軽くやるだけさ。光もいいだろ?」
「……もちろんだ。確かめたいこともあるしな。」
茜は口角を緩やかに上げてステップを踏んだり肩を回したりする。落雷も同じように戦闘モードへ切り替えてトレーナーの開始の合図で二人は互いに近づきエキシビションマッチ前のエキシビションが始まる。周りも有名選手の試合に盛り上がって視線が集まる。落雷が右フックを繰り出すが、茜はガードも回避もせずそのフックをボディに受ける。周りは決まったと茜のひるみを予想したが、落雷は全く手ごたえを感じずにバックステップで逃げようとしたが、茜は目にも止まらぬ左ストレートを顔の目の前に突き出して鼻先で止める。
「はい、僕の勝ち。」
「まだまだ……」
落雷はそのまま茜のボディへ同じように左のストレートを打ち込むが茜はまたガードも回避もせずにストレートが決まる。しかし、全く手ごたえがない。落雷はそこで確信した。こいつは完全に魔族になっていると。落雷は左腕を引き、グローブを投げ捨てた。
「どうしたの?光。まだまだやれるんじゃないの?」
「いや、俺の負けでいい。あとはエキシビションに取っておく。」
周りは落雷が負け惜しみを言っているように聞こえたようで今日は百道 茜が勝つという空気が流れていた。茜はそのまま落雷を追って入口で呼び止める。
「なんだ?まだ自慢したいのか?もらった力を。」
「なんだ気づいていたのか。それなら君にもこれを……」
小瓶を差し出した茜の手から小瓶をはたき落とす茜は首をかしげて落雷はそんな茜へ怒りのまなざしを向ける。
「何をそんなに怒っているんだい?」
「お前のそれはお前の一番嫌悪するドーピングと一緒じゃないのか?」
「細胞を入れ替えているんだ。これはドーピングと似て非なるものだ。それに、」
「……こうでもしないと俺に勝てないか?なぁ、そんなに勝利が大事か?」
「当たり前だ。君もその拳で世界を取るためにこの世界に入ったんだろう?」
「そうだが、俺は人間性を捨ててまでの勝利はいらない。お前も以前そうだったはずだ。」
茜は無言でにこやかにジムの中へ戻っていった。
「俺は、お前に絶対に負けない。」
落雷はホテルへ戻って汗を流そうとジムの外へ完全に出ると高校生たちが待っていましたと言わんばかりに立っていた。通り過ぎようとしたが、その一人に肩を掴まれる。ファンか何かだと思い少し苛立ちながら立ち止まる。
「なんだい?サインなら今ちょっと急いでるからまた今度……」
「いえ、我々は魔法術対策機関です。落雷 光さん。あなたを保護しに来ました。」
落雷はその場で困惑の表情を浮かべて首を傾げた。
─────────────
時は昼まで戻る。学校の中庭にまるでピクニックのような雰囲気が漂う男女がいた。彩虹寺を含めた魔法術対策機関の面々が昼食兼作戦会議をしていた。彩虹寺はスマートフォンでテレビ電話をつなげて一班 班長 星々 琉聖の顔を映し出して、優吾の見た映像を聞く。
『ふむふむ、確かに今日は落雷 光と百道 茜のエキシビションだからね……』
「とりあえず、保護って形で迫るのはありですか?」
『それはそれでありだね。ただ、いつ襲われるかだね。』
優吾はそういわれて映像を思い出して辺りの明るさや時間帯を思い出す。うなって唸って数分後、口を開く。
「……わかんないです。でも、なんか辺りが異様に明るかったから夜だとは思うんすけど……」
『それだけでも十分だね……と言うことを踏まえると、学校終わりにアリーナ近くにいる落雷選手や百道選手を保護するのを目的にした方がいいだろうね。それじゃ、皆、落雷選手を保護して、魔族の鎮圧だね。二班と三班の皆は僕から班長に伝えておくからさ。』
一班と優吾以外の面々は昼ご飯を食べながらうなずき、作戦に同意した。面々は昼食をすませ、再度作戦の確認をして午後の授業へ向かった。
2/23:晴天
0
あなたにおすすめの小説
借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった
夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる