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2/30:拳闘士
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アリーナの舞台裏にて落雷 光は緊張で震える拳をシャドーボクシングで抑えている。試合開始数十分前になるとその震えは弱まってきて落雷は次に両太ももを叩いて気合を入れる。楽屋に契約セコンドが入ってくると落雷は丁寧にお辞儀をして握手をする。
「落雷さん。今日は宜しくお願いします。」
「宜しくお願いします。」
落雷はすぐさまリングの方へ向かい入場まで入口で待つ。数分後背後に異様な殺気を感じ振り向くと異質なパンプアップをした百道がいた。百道と目が合うと微笑みかけてくる。その笑顔は疲れたような、しかしどこか悟りを開いたような笑顔だった。
「アカネ。お前それ…いや、今日はいい試合にしよう。」
「ふふ、すぐに君もこの力がほしくなる…僕が絶対に勝つ。」
百道が拳を差し出すと、落雷は拳を重ねて百道とグータッチをした。そして、エキシビションマッチが始まる。百道 茜の入場曲が流れると百道はそれじゃと一言落雷へ声をかけて入場していった。百道の入場パフォーマンスが終了したあとに落雷の入場曲が流れる。
「よし、行くか。」
落雷は再び気合を入れるために両太ももを叩いて入場曲のサビの盛り上がるところで走り出して会場へ出る。会場中の観客は落雷の入場とともにボルテージが盛り上がって歓声が上がる。会場全体はその歓声で大きく震える。
「よし、やるぞ!!」
落雷はその歓声を押し返すように声を出してリングへと上がった。百道と落雷がリングへ上がる。アナウンスが終わると審判が二人をリングの中心へ呼ぶ。試合の注意事項、確認事項を審判が二人へ確認し二人は互いに見つめ合いながらうなずく。そして、審判が二人の距離を離す。そして、エキシビションマッチのゴングが鳴った。
─────────────
ゴングが鳴った時、優吾と魔族も戦いを再開した。優吾が一歩目のステップを踏んで距離を詰めて拳を前に出す。魔族はその拳を避けようとバックステップを踏んで避けて再び距離を詰めてハイキックをする。そのハイキックを体を逸らして優吾は避けつつ距離を詰めて拳を前に出して魔族へ当てる。
「シャ!決まった。」
飛ばされた魔族は回転しながら地面を抉りそこら辺の木々をなぎ倒して土煙を巻き上げて廃ビルへ激突する。土煙から魔族は立ち上がると思考を整える。今まで圧倒していた目の前の弱者が自分の土俵まで上がってきたことへの混乱。そして、学習したことのない戦闘リズムの変換。何よりも目の前のこいつはこの数日でどうしてここまで強くなれたんだという疑問が頭の大半を占めている。
「いきなり強くなられて混乱しているようだな。」
「……ギッ!」
「はは、初めて鳴いたな。鳥野郎。」
優吾の声のトーンから魔族は優吾の言葉を挑発を受け取り怒りをあらわにした上で距離を一歩で詰めて優吾へ爪を突き立てる。優吾はその攻撃を受け止めながら纏わせていた雷属性の魔力でオートカウンターをする。
「引っかかったな。」
「……ギギッ!」
雛鳥は犬歯を剝き出ししながら距離をとりながらどうするか足を止める。
─────────────
ラウンド1終了のゴングが鳴ると汗だくの落雷は自陣の方へ水分と椅子を求めて歩く。目の前の人間離れした筋肉を持つライバルの様子を観察する。
ラウンド1の内容だが、観客のボルテージが一気に下がるほどひどいものだった。落雷は魔族細胞を打ち込んだ百道に対してパンチを繰り出すが、百道はそんなパンチは効かないと言わんばかりに体を大きく広げて観客に肉体の強靭さをアピールして、落雷を最小限の動きで小突く。その動きに落雷はあきらめずにステップを踏んで必死に百道へ喰らいつく。
「おまえ、こんなことして何も思わないのか。」
「おいおい、今更だな。それともなんだ?僕と同じような力が欲しくなったか?」
「いや、なんとも思ってないならいい。」
落雷はそのままパンチを打ち込んでいく。そんな態度に百道は少し苛立ち落雷に対して一割の力で拳を振る。落雷は拳を受けて体が少し浮きながら後方へと飛ぶ。会場中、審判すらも心配する中、落雷は持ちこたえて再度ステップを踏みながら距離を詰めて必死に自分のできる攻撃を仕掛ける。
「君は必至だな。なんで勝てない相手に対してここまで挑んでくるんだい?」
「勝て……ない?」
落雷はステップを止めて百道へ殺気の篭もった視線を向ける。百道はその視線に一瞬ひるみながら半歩わかるか分からないかくらいの後ずさりをしてラウンド終了のゴングが鳴り今に至る。
「勝てない……か。」
落雷は自分の拳を見つめながら抑え込んでいる言葉を飲み込んで百道を見つめる。百道と目が合うとラウンド2のゴングが鳴った。
─────────────
魔族は歯ぎしりをして長考をする。そして、何か閃いたように口角が上がってステップを踏み始める。優吾はそのステップに既視感があり首をかしげる。魔族は優吾がまばたきしたであろう瞬間にまたもや一歩で距離を詰めて優吾へ拳を繰り出した。優吾はガードして魔族の様子を見る。魔族も自分と同じようにボクシングのステップを踏んでいるのを見る。そして、優吾はそのステップを思い出して、また来た拳をガードする。
「お前、その足さばき……百道選手のステップだろ…なんで……」
「ギギッ。ギ!」
何やら嗤いながら魔族はそのまま優吾へ拳を連続で叩き込む。それに圧倒されながらも優吾はカウンターを当てて応戦する。しかし、優吾はだんだんと押されてしまい、やがて防御もままならない状態になる。
─────────────
百道と落雷のラウンド2百道が動いた。軽くステップを踏みながら落雷へジャブをする。落雷はいつもよりも足を踏ん張って耐える。百道の拳を受けつつカウンターをするが、しかし、その肉体には全く拳が効いていない様子だ。
「ほら、無駄だろ?君は、僕に勝てない。」
「違うな、それは俺でもお前でもない運命が決めることだ。」
落雷は冷静にパンチを繰り出していく。百道はそんな落雷へ苛立ちを覚えて三割の力を出して拳を当てる。落雷はその拳を受けてまた宙に体が浮くが全体重をかけて踏ん張る。
「……運命が勝者を決めるって言ったな……あれは一旦取り消そう……何せ、あれはお前の言葉だからな。俺は違う、勝利は俺自身が俺の手で掴む。」
「光…!」
百道は再度ステップを踏みながら距離を詰めていった。
2/30:拳闘士
「落雷さん。今日は宜しくお願いします。」
「宜しくお願いします。」
落雷はすぐさまリングの方へ向かい入場まで入口で待つ。数分後背後に異様な殺気を感じ振り向くと異質なパンプアップをした百道がいた。百道と目が合うと微笑みかけてくる。その笑顔は疲れたような、しかしどこか悟りを開いたような笑顔だった。
「アカネ。お前それ…いや、今日はいい試合にしよう。」
「ふふ、すぐに君もこの力がほしくなる…僕が絶対に勝つ。」
百道が拳を差し出すと、落雷は拳を重ねて百道とグータッチをした。そして、エキシビションマッチが始まる。百道 茜の入場曲が流れると百道はそれじゃと一言落雷へ声をかけて入場していった。百道の入場パフォーマンスが終了したあとに落雷の入場曲が流れる。
「よし、行くか。」
落雷は再び気合を入れるために両太ももを叩いて入場曲のサビの盛り上がるところで走り出して会場へ出る。会場中の観客は落雷の入場とともにボルテージが盛り上がって歓声が上がる。会場全体はその歓声で大きく震える。
「よし、やるぞ!!」
落雷はその歓声を押し返すように声を出してリングへと上がった。百道と落雷がリングへ上がる。アナウンスが終わると審判が二人をリングの中心へ呼ぶ。試合の注意事項、確認事項を審判が二人へ確認し二人は互いに見つめ合いながらうなずく。そして、審判が二人の距離を離す。そして、エキシビションマッチのゴングが鳴った。
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ゴングが鳴った時、優吾と魔族も戦いを再開した。優吾が一歩目のステップを踏んで距離を詰めて拳を前に出す。魔族はその拳を避けようとバックステップを踏んで避けて再び距離を詰めてハイキックをする。そのハイキックを体を逸らして優吾は避けつつ距離を詰めて拳を前に出して魔族へ当てる。
「シャ!決まった。」
飛ばされた魔族は回転しながら地面を抉りそこら辺の木々をなぎ倒して土煙を巻き上げて廃ビルへ激突する。土煙から魔族は立ち上がると思考を整える。今まで圧倒していた目の前の弱者が自分の土俵まで上がってきたことへの混乱。そして、学習したことのない戦闘リズムの変換。何よりも目の前のこいつはこの数日でどうしてここまで強くなれたんだという疑問が頭の大半を占めている。
「いきなり強くなられて混乱しているようだな。」
「……ギッ!」
「はは、初めて鳴いたな。鳥野郎。」
優吾の声のトーンから魔族は優吾の言葉を挑発を受け取り怒りをあらわにした上で距離を一歩で詰めて優吾へ爪を突き立てる。優吾はその攻撃を受け止めながら纏わせていた雷属性の魔力でオートカウンターをする。
「引っかかったな。」
「……ギギッ!」
雛鳥は犬歯を剝き出ししながら距離をとりながらどうするか足を止める。
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ラウンド1終了のゴングが鳴ると汗だくの落雷は自陣の方へ水分と椅子を求めて歩く。目の前の人間離れした筋肉を持つライバルの様子を観察する。
ラウンド1の内容だが、観客のボルテージが一気に下がるほどひどいものだった。落雷は魔族細胞を打ち込んだ百道に対してパンチを繰り出すが、百道はそんなパンチは効かないと言わんばかりに体を大きく広げて観客に肉体の強靭さをアピールして、落雷を最小限の動きで小突く。その動きに落雷はあきらめずにステップを踏んで必死に百道へ喰らいつく。
「おまえ、こんなことして何も思わないのか。」
「おいおい、今更だな。それともなんだ?僕と同じような力が欲しくなったか?」
「いや、なんとも思ってないならいい。」
落雷はそのままパンチを打ち込んでいく。そんな態度に百道は少し苛立ち落雷に対して一割の力で拳を振る。落雷は拳を受けて体が少し浮きながら後方へと飛ぶ。会場中、審判すらも心配する中、落雷は持ちこたえて再度ステップを踏みながら距離を詰めて必死に自分のできる攻撃を仕掛ける。
「君は必至だな。なんで勝てない相手に対してここまで挑んでくるんだい?」
「勝て……ない?」
落雷はステップを止めて百道へ殺気の篭もった視線を向ける。百道はその視線に一瞬ひるみながら半歩わかるか分からないかくらいの後ずさりをしてラウンド終了のゴングが鳴り今に至る。
「勝てない……か。」
落雷は自分の拳を見つめながら抑え込んでいる言葉を飲み込んで百道を見つめる。百道と目が合うとラウンド2のゴングが鳴った。
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魔族は歯ぎしりをして長考をする。そして、何か閃いたように口角が上がってステップを踏み始める。優吾はそのステップに既視感があり首をかしげる。魔族は優吾がまばたきしたであろう瞬間にまたもや一歩で距離を詰めて優吾へ拳を繰り出した。優吾はガードして魔族の様子を見る。魔族も自分と同じようにボクシングのステップを踏んでいるのを見る。そして、優吾はそのステップを思い出して、また来た拳をガードする。
「お前、その足さばき……百道選手のステップだろ…なんで……」
「ギギッ。ギ!」
何やら嗤いながら魔族はそのまま優吾へ拳を連続で叩き込む。それに圧倒されながらも優吾はカウンターを当てて応戦する。しかし、優吾はだんだんと押されてしまい、やがて防御もままならない状態になる。
─────────────
百道と落雷のラウンド2百道が動いた。軽くステップを踏みながら落雷へジャブをする。落雷はいつもよりも足を踏ん張って耐える。百道の拳を受けつつカウンターをするが、しかし、その肉体には全く拳が効いていない様子だ。
「ほら、無駄だろ?君は、僕に勝てない。」
「違うな、それは俺でもお前でもない運命が決めることだ。」
落雷は冷静にパンチを繰り出していく。百道はそんな落雷へ苛立ちを覚えて三割の力を出して拳を当てる。落雷はその拳を受けてまた宙に体が浮くが全体重をかけて踏ん張る。
「……運命が勝者を決めるって言ったな……あれは一旦取り消そう……何せ、あれはお前の言葉だからな。俺は違う、勝利は俺自身が俺の手で掴む。」
「光…!」
百道は再度ステップを踏みながら距離を詰めていった。
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