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バリスタ、転生する
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まいったな。オーナーがおかしくなったらしい。
というか、俺がおかしくなったのか?
幻聴が聞こえたり、シマエナガ擬きをオーナーだと認識したり。
あれ? なんか言ってるそばから俺がおかしくね。
「《はいはい、無駄な足掻きはおよしなさい。
僕、鳥。キミ、貴族の子供。良かったね、前世と同じ人間だよ》」
ダメだ、しっかりしろ俺。
今は胃のダメージによる、せん妄状態なんだ。
鳥は喋らない、鳥は喋らない、鳥は喋らない。
………いや、喋るな。飼い主の口癖を暴露するオウムやらインコがいるわ。
オーナーは人間、オーナーは人間、オーナーは人間。
「《残念。僕、鳥。なんなら精霊》」
嘘だ。俺の脳が異常事態になっている。
もう誰か見舞いに来て、俺を叩き起こしてくれ!
「《うんうん。慧君のことは、泉君が看取ったらしいよ。ほら、キミ家族いないじゃん》」
チーフゥッ! アンタは、やっぱり漢だ!
「《そろそろ真面目に話聞こうか。こんな安いコントしてる場合じゃないんだよ。子爵家の人たちが騒ぎ出してるから》」
急に大人感出すのやめてくれません?
いつも茶目っけたっぷりなオーナーが怒る時、マジで恐いんだよな。
「《いいから聞く》」
はい。
「《まあ、キミの危篤を知って病院に向かう途中で死んだわけだけど》」
はい、すみません。
「《三途の川渡るのかと思ったら、神様が出てきてね》」
ん?
「《“貴方を転生させてあげます。希望はありますか”
なんて、聞かれたの。あの世の土産に思い出をくれるのかと。僕は感動したよ。で、前日のTVで特集組まれてた北海道の野鳥可愛かったなーとか。慧君は一命を取り留めたかな。だったら、慧君が淹れたコーヒー飲みたいな、とか考えてたら》」
おい、まさか────
「《僕と一緒に慧君も転生しちゃったみたい。
この世界ね、すごいんだよ。魔法も存在するし、精霊とか獣人だっているんだ。ファンタジーってファンタジーじゃなかったんだね》」
オーナーのせいじゃねーかっ、コンチクショー!!!
「《悪かったと思ってる、ごめんて。
だけど、死ぬ運命は変わらなかったわけだし良くない?
むしろ第2の人生スタートだよ。ワクワクするじゃないかっ》」
神様。何故、こんな男の願いを聞き入れたのですか。
俺は、静かに眠らせて欲しかったです。
「《僕等が転生してから3年ちょっと経つかな。
キミは、肉体と魂の結びつきが悪くて、目覚めるのに時間がかかってしまった。
だからリハビリ頑張ろうね》」
はい、そうですか。なんて、言うわけないです。
もっかい三途の川渡ってください。
「《そんな寂しいこと言わないでよ~。
それに子爵夫妻がキミのためにどれだけ犠牲を払ったか。
早く元気になって親孝行したまえ》」
この頭がおかしくなったとしか思えない状況は、全部オーナーのせいなのか。
しかも、考えなしの思いつきで。
せめて巻き添えくうなら、相応の理由が欲しかった。
でも俺が倒れなかったら、オーナーも事故に遭わなかった可能性が高い。
認めたくなないが、俺のせいでもあるかもしれない。
鳥は…………ないよね。
いや、うん。ちょっとないわ。
「《僕だってなりたくてなったわけじゃないからね。
TV思い出しただけだから!》」
オーナーが不運と言うべきか、神様がせっかちと言うべきか。
さて、これからどうしよう。
転生したなんて信じられない。
しばらくしたら、全部夢でしたってオチの方があり得る。
とりあえず、今はこの時間を楽しむとしよう。
ちょうど疲れてたし。
オーナーが言う、親孝行ってのも悪くない。
親は5歳の時に事故死してるから、したことないんだよなー。
やっぱり、喜ばれるものなんだろうか。
褒めてもらえたり。
「《ぐすっ。そうだよ慧君! キミは、これから家族の愛に包まれて生きていくんだ。良かったねぇっ。実にめでたい!》」
別に、朧気ですけど、良い思い出たくさんありますから!
父母揃って親バカタイプだったんで!
「《まったく、もう~強がっちゃって》」
うるさいですよっ。
だいたい、いつまで頭の中を覗く気ですか。
プライバシーの侵害です。
「《僕だって3年ぶりの会話なんだからさぁ。邪険にしないでよ。僕、オーナーだよ?》」
鳥っすよね。もう、雇い主じゃないですよね。
「《ハッ! そうだった。
え~っ、どうしよう。僕、ちびっ子慧君とピクニック行ったり、絵本読み聞かせたり……色々想像してたのに!》」
帰れ。
店長、チーフ、スタッフのみんな
オーナーとこっちの世界で頑張るので、あとお願いします。トラウマとか残させちゃったら、申し訳ありません。
2号店、応援してます。白川より……新しい名前、なんて呼ばれてたっけ。ああ、そうそう
─────白川改め、エドアルドより。
というか、俺がおかしくなったのか?
幻聴が聞こえたり、シマエナガ擬きをオーナーだと認識したり。
あれ? なんか言ってるそばから俺がおかしくね。
「《はいはい、無駄な足掻きはおよしなさい。
僕、鳥。キミ、貴族の子供。良かったね、前世と同じ人間だよ》」
ダメだ、しっかりしろ俺。
今は胃のダメージによる、せん妄状態なんだ。
鳥は喋らない、鳥は喋らない、鳥は喋らない。
………いや、喋るな。飼い主の口癖を暴露するオウムやらインコがいるわ。
オーナーは人間、オーナーは人間、オーナーは人間。
「《残念。僕、鳥。なんなら精霊》」
嘘だ。俺の脳が異常事態になっている。
もう誰か見舞いに来て、俺を叩き起こしてくれ!
「《うんうん。慧君のことは、泉君が看取ったらしいよ。ほら、キミ家族いないじゃん》」
チーフゥッ! アンタは、やっぱり漢だ!
「《そろそろ真面目に話聞こうか。こんな安いコントしてる場合じゃないんだよ。子爵家の人たちが騒ぎ出してるから》」
急に大人感出すのやめてくれません?
いつも茶目っけたっぷりなオーナーが怒る時、マジで恐いんだよな。
「《いいから聞く》」
はい。
「《まあ、キミの危篤を知って病院に向かう途中で死んだわけだけど》」
はい、すみません。
「《三途の川渡るのかと思ったら、神様が出てきてね》」
ん?
「《“貴方を転生させてあげます。希望はありますか”
なんて、聞かれたの。あの世の土産に思い出をくれるのかと。僕は感動したよ。で、前日のTVで特集組まれてた北海道の野鳥可愛かったなーとか。慧君は一命を取り留めたかな。だったら、慧君が淹れたコーヒー飲みたいな、とか考えてたら》」
おい、まさか────
「《僕と一緒に慧君も転生しちゃったみたい。
この世界ね、すごいんだよ。魔法も存在するし、精霊とか獣人だっているんだ。ファンタジーってファンタジーじゃなかったんだね》」
オーナーのせいじゃねーかっ、コンチクショー!!!
「《悪かったと思ってる、ごめんて。
だけど、死ぬ運命は変わらなかったわけだし良くない?
むしろ第2の人生スタートだよ。ワクワクするじゃないかっ》」
神様。何故、こんな男の願いを聞き入れたのですか。
俺は、静かに眠らせて欲しかったです。
「《僕等が転生してから3年ちょっと経つかな。
キミは、肉体と魂の結びつきが悪くて、目覚めるのに時間がかかってしまった。
だからリハビリ頑張ろうね》」
はい、そうですか。なんて、言うわけないです。
もっかい三途の川渡ってください。
「《そんな寂しいこと言わないでよ~。
それに子爵夫妻がキミのためにどれだけ犠牲を払ったか。
早く元気になって親孝行したまえ》」
この頭がおかしくなったとしか思えない状況は、全部オーナーのせいなのか。
しかも、考えなしの思いつきで。
せめて巻き添えくうなら、相応の理由が欲しかった。
でも俺が倒れなかったら、オーナーも事故に遭わなかった可能性が高い。
認めたくなないが、俺のせいでもあるかもしれない。
鳥は…………ないよね。
いや、うん。ちょっとないわ。
「《僕だってなりたくてなったわけじゃないからね。
TV思い出しただけだから!》」
オーナーが不運と言うべきか、神様がせっかちと言うべきか。
さて、これからどうしよう。
転生したなんて信じられない。
しばらくしたら、全部夢でしたってオチの方があり得る。
とりあえず、今はこの時間を楽しむとしよう。
ちょうど疲れてたし。
オーナーが言う、親孝行ってのも悪くない。
親は5歳の時に事故死してるから、したことないんだよなー。
やっぱり、喜ばれるものなんだろうか。
褒めてもらえたり。
「《ぐすっ。そうだよ慧君! キミは、これから家族の愛に包まれて生きていくんだ。良かったねぇっ。実にめでたい!》」
別に、朧気ですけど、良い思い出たくさんありますから!
父母揃って親バカタイプだったんで!
「《まったく、もう~強がっちゃって》」
うるさいですよっ。
だいたい、いつまで頭の中を覗く気ですか。
プライバシーの侵害です。
「《僕だって3年ぶりの会話なんだからさぁ。邪険にしないでよ。僕、オーナーだよ?》」
鳥っすよね。もう、雇い主じゃないですよね。
「《ハッ! そうだった。
え~っ、どうしよう。僕、ちびっ子慧君とピクニック行ったり、絵本読み聞かせたり……色々想像してたのに!》」
帰れ。
店長、チーフ、スタッフのみんな
オーナーとこっちの世界で頑張るので、あとお願いします。トラウマとか残させちゃったら、申し訳ありません。
2号店、応援してます。白川より……新しい名前、なんて呼ばれてたっけ。ああ、そうそう
─────白川改め、エドアルドより。
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