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ジョルジーノ視点1/2
しおりを挟む学園卒業間近の頃から俺はおかしい。
何がおかしいのかは分からないが、全てに腹が立って、全てが敵に見えた。
そして、過去の記憶が曖昧な部分が多いのが気持ち悪くて仕方ない。
学園を卒業すると実家に帰った。
剣の腕を認められて騎士になるかと打診されたが、国なんかに仕えたくないとなぜか思って、騎士の推薦は蹴った。
とにかく何もかもが気に入らず、街を歩いてはゴロツキや冒険者やなんかに絡んで喧嘩をする毎日を過ごした。
自分でも自分がおかしいと思ったが、破壊衝動が止められなかった。
そして、学園から国に戻った時に国王へ報告に行ったのだが、にこやかに微笑む国王が酷く歪んで下衆野郎に見えて吐き気がして倒れそうになった。
自分の部屋にあったものは、全て他人のものに思えたし、そんなものは全て破壊してしまいたくなって、机や家具は全て壊し、貴族の服も破り捨てた。
ベッドに敷かれた布団に至っては、他人が使った布団に思えて気持ち悪くて使えず、毛足の長い絨毯が敷かれた床に転がって寝た。
街で知り合いに会うたびに、兄弟や親、執事やメイドに会うたびに、どうしてしまったのかと心配された。
皆が俺を見ていなかった。
皆の記憶の中の俺を見ており、『朗らかで頼もしいジョルジーノ』という人物と俺は比べられ続けた。
俺の中にそのような朗らかで頼もしい俺の記憶などない。
それなのに周りは、俺の知らないその『ジョルジーノ』という人物を知っているようだった。
ーーージョルジーノ、お前は何者だ?ーーー
破壊衝動と、周りの目に耐えられなかった。
何が気に入らないと言われても分からない。強いて言うなら、今の俺を見ていない全員が気に食わなかった。
俺が俺でいることで、家庭内の空気がピリピリとしていることは知っていたが、俺にはどうしようもなかった。その俺の知らないジョルジーノという人物になどなれるはずもなく、俺は家を出ることにした。
もう、こんなところにいられない。苛々もあったが、苦しさに耐えられなくなった。
あの陛下を見た時の気持ち悪さから、この国にいること自体が俺には害に思えたため、すぐに国を出ることにした。
その時に持ち出したのは、ずっと使っていたであろう手に馴染んだ剣と金だけだった。
この剣は不思議と触れていると落ち着いた。
いつから持っているのか、どこで手に入れたのかも記憶にはなかったが、ただこの剣が大切なものだということだけは分かった。
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