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クラウディオ視点2/2

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乗合馬車というものに乗って進んで国境を目指した。
貴族の生まれであるから、乗合馬車など初めて乗ったが、乗り心地は悪かった。
これなら金を貯めて馬を買って馬で移動した方がいいのかもしれない。
定住しないのであれば馬の世話が大変か。


そして私を悩ませたのは、『昔の愛嬌のあるクラウディオ』だけでなく、なぜか夜になると心が寂しくなり、人肌を求めたくなることだ。たまにどうしようもなく体が疼くこともある。
私の体が何かを求めているのか、それとも年齢によるものなのか、誰にも相談できないまま、ひたすら我慢していた。
国内にいるうちは家族に迷惑をかけるかもしれないし、夜遊びなどはしない方がいいと思った。


10日も馬車で移動すると国境に差し掛かり、身分証としてギルドカードを提示した。
これはいいな。誰も私が侯爵家の4男であることを知らない。ただの冒険者のクラウディオだと思っている。
やっとおかしな呪縛から解き放たれて、少し息がし易くなった気がした。




それから私は色々な街を点々とした。
やがてC、Bとランクは上がり、パーティーの誘いも何度か受けたが、いずれも断った。誰かの隣に立つことに何とも言えない違和感があり、こいつらの隣は私の場所ではないと思った。
パーティーの誘いは断ったが、人肌が恋しい時には夜の誘いには何度も乗った。


「クラウディオさん、今夜お暇なら私の相手してくださらない?」
「別にいいですよ。」
「嬉しいわ。」

誰を抱いても虚しい。どんなに美しい女でも、屈強な体格のいい男でも、それは変わらなかった。


「クラウディオ、お前は男も相手できると聞いたが、俺ともできるか?」
「えぇ、できますよ。その代わり私はタチですよ?」
「あぁ、それでいい。」

一度相手すると女も男も、どれも違うと感じて同じ者を二度抱くことはなかった。


そして、人肌恋しいと思っているのに、誰を抱いても満たされなかった。
この肌感は違う、この温度は違う、この香りは違う、何かが違うと感じて、とにかく激しく攻めるような抱き方をした。

私は何に飢えているのか。
分からないな。戦っていれば少しは気が紛れるから、もしかしたら私はバトルジャンキーなのかもしれないとも思い始めていた。
 
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