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ジョルの記憶
しおりを挟む「ディオ、こんなことしたのは俺が悪いけど、ディオも悪いんだぞ。」
「え?」
「俺が我慢してんのに一昨日、夜中に抜け出して何してたんだ?」
「あ、えっと・・・ジョル寝てたんじゃないの?」
「夜中に起きたらディオがいないから探しに行ったんだ。」
嘘・・・まさかバレてるなんて思わなかった。
「そ、そう・・・。」
「戻ってきたと思ったら体熱いし。」
「だって、他の誰も抱きたくないし抱かれたくないし、同室だから部屋ではできないし、でも禁欲無理だったんだから仕方ないじゃん。」
「ふーん。そんなに性欲強いなら毎日抱いてやるよ。」
「え?いいの?」
「・・・そうきたか。もういい。もう可愛いから許す。あんな声聞かされたから我慢できなくなったんだ。しかも森で俺が襲いかかったのに拒否しねぇし。」
「拒否なんてしないよ。好きだから。」
「ディオには敵わないな。」
それからジョルは宣言通り毎日私を抱いた。
それでもなかなか記憶は戻らないみたいだ。
強い刺激が必要なのか、それとも小さいパーツを繋ぎ合わせるように時間をかけた方がいいのか、どちらがいいのかは分からない。
ジョルは私のことを好きだし、別にこのままでいいとも思ったけど、それは私はよくても記憶を封じられた17歳までのジョルが可哀想だ。
やはり記憶を取り戻してやりたい。
手をつないで森を進む。
もう何も我慢しなくていい。
森の中でも当たり前にキスするし、会うことを禁止されているわけでもないから、隠れて外ですることはない。ちゃんと宿のベッドで抱いてくれる。
「ジョル、媚薬の香を炊いたか?」
「バレたか。」
「お前も吸ったんじゃないのか?」
「吸った。この前のディオが可愛すぎたからもう一度見たくて。なんかあの時、記憶が蘇りそうだったんだよな。」
「それで私に相談もなく勝手に炊いたのか?」
「あー、それはごめん。」
「あ、あ、すごいの、、ジョル、すき、もっときて、、もっとして、、ジョル、ジョル、、あ、あ、あ、、ぁぁああ、、」
「ディオ、可愛い。好きだよ・・・。」
「あ、あ、ジョル、愛してる、、すき、すき、、あ、あ、、あ、ぁああ、、」
「ディオ、俺も、あ、あいし、、、、くぅっ、、う、、、なんだ?」
「どうした?ジョル!」
ジョルの様子がおかしい。
ジョルが動きを止め、フラリと体を揺らした次の瞬間、青い顔でカタカタと震え、それが止むとジョルの目が見開かれた。
そして私を見つめて大粒の涙がポロポロと零れ落ちた。
「ディオ!ディオ!ディオ!!愛している。
記憶を失くしたディオにそんなことを言っても戸惑うだろうが、俺は今、全てを思い出した。
ディオ、お前は俺の最愛だ。嫌だと言っても離れてやるわけにはいかない。
ディオ!ずっと何が足りなかったのか分かった。ディオだ!!」
「ジョル、私も愛してる。大好き。今も昔も、私が愛するのはジョルだけ。やっと記憶の封印が解けたんだな。」
「は?ディオはもう解けていたのか?なんで早く言わない?」
「無理に思い出そうとすればジョルの体にどんな影響があるか分からなかったし、言ったところでジョルは思い出せないことで苦しむでしょ?それが分かっていたから言えなかった。」
「そうか。辛い思いをさせたな。」
「そんなことない。ジョルは私をずっと側に置いてくれたから、それだけで幸せだった。」
「ディオ、ディオをもっと愛したい。」
「うん。いいよ。ジョルが媚薬なんか使うから、まだ体が疼いてる。責任とってよね。」
「ごめんディオ。ちゃんと責任は取る。」
「ジョル、、きて、たくさん愛して、、」
「ディオ、愛してる。もう離さない。ずっと一緒だ。」
その日ジョルジーノとクラウディオは、何度も何度も体を重ね、再び巡り会えた喜びを分かち合った。
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