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「声だけ聞いて姿は想像するしかなかったが、こんなに無垢で可愛らしいとは思わなかった。
この離宮に送られてよかった。しばらくは寝たふりでもして、カリオと2人きりの時間を過ごしたいな。
その間に準備を進めるか。妖精たちよ、手伝ってくれるか?」
<ねえ、それってカリオのためになること?>
「勿論だよ」
<それならいいよ~>
<何する? 何する? この国滅ぼす?>
「それはカリオが悲しむから止めてくれないか? この国の悪い奴を排除して、カリオが暮らしやすい国にするんだ。どう?」
<カリオが喜ぶならやる~>
<ジルも幸せになる?>
「私はカリオが幸せなら幸せだよ」
<よく分かんない。でもカリオが喜ぶことはジルも喜ぶってことだよね?>
「そうだよ」
どうやらジルベルトはこの屋敷に住む妖精たちと会話ができるらしい。そして思った以上にカリオが妖精に好かれていることは嬉しい誤算だった。
「ジルベルト様、チーズの入ったパン粥を作りました。一緒に食べましょう」
「カリオありがとう。私はカリオが作った料理が好きだよ。味を感じさせてくれるようになってから、食事をするのが楽しみだった」
「そうですか。よかった」
「カリオ、着替えさせてくれるか?」
「あ、はい。あれ? もうジルベルト様は起きているのですから自分で着替えられるのでは?」
「王族は1人で着替えなどしないんだ」
「そうなんですね。知りませんでした」
「ふふふ、カリオ、そんなに簡単に騙されてはダメだよ。私は心配だ」
ジルベルトの発言を、何の疑いもなく信じてしまうカリオの手を取り引き寄せて抱きしめると、カリオの髪を撫でた。
カリオはまだこのジルベルトの距離感に慣れないようで、少し頬を染めてドキドキしてしまう。
今までずっと何年もお世話をしてきたのに、眠っているジルベルトに触れるのと、起きているジルベルトに触れられるのは勝手が違うようだ。
「カリオ、そろそろ王都へ向かおうか」
「あ、はい。でもどうやって? 次に執事のおじいちゃんが来た時に、一緒に馬車に乗せてもらいますか? 荷馬車ですが」
「その必要はないよ。ちゃんと迎えが来るから」
「迎え?」
「カリオは何も心配しなくていい。さあ、今日も愛し合おう」
「はい」
ジルベルトはカリオを自分の上に乗せて、カリオが好きなように動いている姿を下から眺めている。拙い動きでも、ちゃんと自分の気持ちいい場所に当てながら頑張って動いている様子に、ジルベルトは満足げな表情を浮かべた。
そんな健気なカリオを乱したいと、その腰を掴むと、下からの突き上げを開始する。
「あっ、あっ、いやっ、そんな……ジル、ベルト、さま……あっ、あっ、あっ……」
「ん? 気持ちいいか? カリオが乱れている姿は本当に可愛いな。ここも好きか?」
ジルベルトは片手でカリオの腰を掴んで突き上げながら、手を伸ばしカリオの胸の控えめな突起をキュッと摘んだ。
「やあ……あっ、あっ……はげし……だめ……そんなにしたら、ぼく、こわれちゃう……あっ、あっ、はうっ、あああああ……」
ジルベルトはカリオの前も優しく掴んで扱いてやると、ジルベルトの腹に向かってカリオの白濁した液がピュルッと飛んだ。
カリオはもう上体を起こしていることもできず、ジルベルトの胸に倒れこみ、それをジルベルトは優しく抱きしめる。
「ん? また気絶させてしまったか。可愛いな。意識が浮上するまではゆっくり動いてやるからな」
ジルベルトはカリオを抱きしめたまま、ゆるゆると動き始める。
「……う……ん……ん……あ……」
カリオは意識がない状態でも快感を拾っているようで、切ない吐息が漏れると、ジルベルトは可愛い可愛いと言ってカリオを抱きしめてその髪を撫で続けた。
「カリオ、起きたかい?」
「あ、ジルベルト様……あう……あっ、あっ、あっ……まだ僕、起きたとこ……ああぁ……」
結局ジルベルトはまたカリオのことを気絶させてしまうのだが、そのカリオに向ける優しい眼差しからは、確かにカリオのことを大切にしていることが伺える。
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