【完結】破壊神のお婿さんはイケメンらしい

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三章:純真 アダム視点

27.眉毛のじいさんが気になる

 

 朝目が覚めると、腰が軋むように痛かった。お尻も違和感がある。ロディに心配をかけたくないから、腰は治癒をかけた。

 ロディはまだ寝ている。睫毛が長くて、少し口が開いて、寝ていると実年齢より幼く見える。右の襟足の毛が寝癖でクルンと丸まっているのが可愛い。

 とうとうロディに抱かれてしまった。
 昨夜のことを思い出すと、恥ずかしくて顔に熱が集まる。でも、すごく幸せだった。
 あぁ、どうしよう。今までの人生の中で一番幸せかもしれない。

 ロディの寝顔を眺めていると長い睫毛がピクピク震えて、ゆっくり開いた澄んだ青色の瞳と目が合った。

「アダム、おはよう。顔が赤いが熱が出たか? やはり無理させたか?」
「ち、違う。その、思い出して恥ずかしくなっただけだ」
「恥ずかしいことなんかない。アダムはいつでも可愛くて綺麗だ。気持ちいいと泣くアダムが可愛すぎた」
 は? 気持ちいいと泣く? 自覚はない。覚えてない。そんなことになっていたなんて、ますます恥ずかしい。

「今日はアダムはゆっくり休んでいいからな。はじめて受け入れた日は身体が辛いらしい」
「あ、うん」
 腰のことか? さっき治癒をかけたし、怠さはあるものの動けないほどではない。
 でも今日はロディに優しくしてもらおう。

 ふふっと優しく笑うロディにギュッと抱きしめられた。服の上から抱きしめられるのも心地いいと思っていたけど、素肌が触れ合うのは格別に気持ちいい。今日もやっぱり寝起きのロディは蜂蜜を垂れ流すように甘い。

 ロディは本当に全部してくれた。
 抱き上げて風呂に連れていかれて、指の一本一本まで優しく全部洗ってくれた。髪も綺麗に洗ってくれて、オイルも塗ってくれて、身体もオイルを塗って全身を揉みほぐしてくれた。誰かにこんなことをしてもらうのはいつぶりだろう。あの事件の前、学園に入る前だから、もう随分昔のことだな。

「ロディ、そんなのどこで覚えたの?」
「眉毛のおじいちゃん先生が、アフターケアは大事だと、相手を労わることを色々教えてくれた」
 眉毛のじいさんがますます気になる。閨も、なんていうか、凄かったし。何者だ?

 ロディが磨き上げてくれたから、とても肌が艶々だ。
 しかし僕は気づいてしまった。自分には思った以上に体力が無いことを。こうしてロディがどこに行くにも抱えて移動してくれるし、自分で移動する時にはほとんど飛んでいたからな。
 そりゃあ体力なんてつくわけない。戦いも移動も魔術でなんとかなってしまったから今まで気付かなかった。

「アダム、身体が辛いのか?」
「辛くないよ。僕はこれからはロディに抱えられて移動するのは止めようと思うんだ」
 そう言ったら、僕に服を着せてくれていたロディの手が止まり、絶望といった感じの顔で固まってしまった。
 ロディに抱えられているのが嫌なわけじゃない。恥ずかしいが、嫌だとは思ってない。ただ、この先ロディとベッドで格闘することを考えると体力が必要だと思った。うん、まさに格闘。それも眉毛のじいさんの教えなのか?

 ロディは絶対に手加減している。僕のことを気遣って、それはそれは丁寧に包み込むようにしたんだと思う。僕がもっと体力をつけないと、ロディはずっと我慢し続けなければならない。だから僕は決めたんだ。人生で初めて、強靭な肉体の必要性を感じた。

「違うからな。ロディのこと嫌いになったからじゃない。むしろ、その、す、好きだから。ちゃんと体力を付けたいんだ。だからこれからは手を繋いで歩く」
「分かった」
 明らかにホッとしたな。そして、「ちょっとだけ」と言って僕のことを抱きしめた。
「ちょっとじゃなくていいよ。いっぱい抱きしめて」
 僕は甘いロディに触発されて、そんな言葉を吐いていた。でも恥ずかしいからロディの胸に隠れた。
「アダム、好きだ。ずっと、ずっと、一緒にいよう」

 僕はロディと手を繋いで歩くようになった。ロディは隣を歩いている時にも、ずっと僕のことを見つめてくる。
 だから余計僕はロディの方を向けない。それどころか、ロディの指を見るだけで、この指が僕の体に触れていたのだと思うと、恥ずかしくて顔を見れなくなった。

 ロディの生活は相変わらずだ。あの翌日はずっと片時も離れず一緒にいてくれたが、その次の日からはいつもの生活に戻った。早朝に訓練をして、朝食の時には僕を迎えにくる。そして午前中は文字やマナーやなんかの勉強をして、午後に兵たちと訓練を少しすると、僕の部屋に来る。

 今日も隣から視線を感じる。
 あの一度だけで、最近夜は普通に寝ている。普通と言っていいのか分からないが、手を繋いで寝るようになった。
 朝になると手は離れているんだが、たまにロディの腕の中で目覚めることもある。これはまだ全然慣れない。


 
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