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四章:進展 アダム視点
40.さよなら王都
僕たちは、たまに冒険者ギルドへ行った。王都の街中を歩くより、外に出た方が安全だからだ。
『毛玉』以外にも、魔物も何度か狩って、ロディは楽しそうにしている。
王都は雪がチラつくことはあっても、ロータス領のように積ったりはしない。真冬でも森に入れるのは少し羨ましい。雪は降らないが、底冷えする寒さはあるから快適というほどではない。
今日も僕はモコモコに着込んでロディと出かける。
ロディは鍛えているからか、体温が高く温かい。寝る時に抱きしめられるとすぐに眠ってしまうくらい温かい。
「アダムは体が冷たい。足先や手も冷たい。心配だ」
そんなことを言って密着してくるから、ドキドキしてしまう。
「『モコ神』とロディが来たぞー!」
僕の二つ名? は『モコ丸』から『モコ神』へ進化した。
僕が扱う魔術が、冒険者たちにとっては神の領域に見えるのだとか。
今日の護衛はアストロとフライツだ。この二人はたまに怪しい。僕はもしやと疑っている。
そしていつでもロディは人気者だ。
「ロディ、今日はどこ行くんだ? 依頼を受けるのか?」
「ロディの片手剣は使い勝手が良さそうだな。どこかの業物なのか? 見た目はシンプルだが貴族が使う剣だから高いんだろうな」
「これは領地の鍛冶屋でアダムに買ってもらったんだ」
「旦那からのプレゼントか」
ロディの剣は安物だ。ここにいる冒険者たちの剣の方が高いと思う。しかしロディはあの剣を気に入って使っている。
「金額で選ばず、手に馴染んで使い勝手がいいものを選ぶのが一番いいと思う。ロディの剣はここにいるみんなの剣より安い。素材も鉄だ」
「飾りは重くなるだけだし、俺は手入れしやすくて軽いものが好きだからこれにしたんだ」
そう堂々と言い切るところが格好いいな。僕のお婿さんは格好いい。
その日はツノウサギを何羽か狩った。
僕が小さい火の魔術を森に複数放って、索敵も使ってツノウサギを追い立ててきて、それをロディと冒険者たちで狩ったんだ。
昔は護衛はついていたが一人で狩り、というか魔術の練習をしていたから、みんなで狩りをするのは楽しいということを知った。
ロディのおかげだ。
街もロディと歩いてみたんだが、護衛を連れているから「貴族だ」という目では見られたが、ロディをうっとりと見つめる男女もいたが、『破壊神』と陰口を叩かれることはなかった。
道が割れたり、怯えられたりということもなかった。五年も経てばそんなものか。
「『破壊神』って知ってるか?」
あまりにも反応が無いから、店主に聞いたこともあったが、「そんな神様は知らん」と言われた。
貴族の間では有名だが、平民にはあまり知られていないのか?
それなのにロータスの領地では『破壊神』という呼び名が広く知られているのが不思議だと思った。
情報操作か?
そのことからも、あの事件に裏があるというのも間違いではないのだと理解した。
雪解けの季節になると、みんなともお別れだ。
クルート以降は屋敷を訪れる者もおらず、夜会や茶会にも招待されることなく、平和に過ごして春を迎えた。
「『モコ神』、ロディ、また会おうぜ!」
「ロータスは遠いがいつか行ってみる!」
「またな!」
「次会う時には俺も結婚していたい!」
「俺も!」
なんか願望も含まれていたが、冒険者のみんなに見送られて王都を後にした。
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