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六章:開放 アダム視点
46.消えたお婿さん
街の守りは問題ない。今回はロディがいるからいつもより多めに屋敷には兵を残しているし、戦闘狂の帝国の奴らの気が済むまで戦ってやればいいだけだ。
面倒だが、人を殺して武勇を立てようとするような国でないだけマシか。
彼らは戦いが好きなだけだ。帝国国内でも各地で闘技大会などが頻繁に行われているのだとか。
男女問わず強い奴が人気で、戦いが趣味みたいなものらしい。
ただ、注意しなければならないのが、たまに他国から流れてくる傭兵たちや、戦争に乗じて悪さをしようとする奴らだ。
それは帝国側だけではない。
ロイターの兵たちや、ロイターの領民ならそんな心配はないが、戦争に参加して稼いでいる傭兵には注意が必要だ。
戦いを目的としている傭兵ばかりとは限らない。参加するだけで日当が出るということで日銭を求めて来る者や、手薄になった街で狼藉を働く者、敵味方関係なく戦いを挑む者もいる。
街は安全とはいえ、そんな奴らもやってくるため、戦争の間は屋敷に街の人たちが集まる。
街全体を守ることをは難しいが、屋敷の敷地の中くらいなら、残った兵で守ることができる。
ロディが参加しないと言ったのはちょっと意外だったが、僕は少しホッとした。
危険には晒したくない。いくら防御結界が付与されたペンダントを渡していても、不安はあるんだ。
参加するというなら、護衛で囲んでちょっと参加してすぐに撤退してもらうつもりだった。
敵兵が国境付近に陣を張ったのを確認したため、ロディや街の人たちに見送られて進軍を開始した。子どもの頃は僕も父親を見送っていた。
いつか自分も参加するだろうと思っていたが、まさかいきなり大将として参加するとは思っていなかった。
僕にはみんなが近寄りたがらないから、混戦になった時に地上にいると邪魔になる。それに気づいてからは、飛びながら上から魔術で攻撃をするようになった。
初めて戦争に参加した頃は、加減が分からずとても苦労したものだ。軍団長のアンガスが殺しを目的とした戦争ではないと報告書をあげてくれたときにはホッとした。魔術で距離が離れていても、人を殺すのは怖い。
僕はちゃんと結界を張っているから、矢が飛んできても、魔術が飛んできても、かすり傷だって受けたことはない。
ある程度の日数戦うと、帝国のみんなは満足して帰っていく。もしくはかなり被害が多くなると帰る。
僕が大将をするようになってから、領地を切り取られたり、街まで進行を進められたりしたことはない。早々に押し返したことはあるが。
今回もいつもと同じように一日目の戦いが終わった。街まで帰るには遠いから、国境近くに作った砦まで戻る。
砦があるから、ちゃんとした食事が出せるし、快適とまではいかないがしっかりと雨風凌げる場所で寝ることができる。
初日から飛ばすことはしないから、まだ魔力にはかなり余裕がある。
「なんだ? 街から緊急の魔術が打ち上ってるぞ」
兵の一人が気づいて、その後、周りの者もなんだなんだと窓に寄っていった。
街からの緊急を知らせる魔術はかなりの数が打ち上げられ、大変なことが起きているのだと理解した。街にはロディがいる。
焦った僕はすぐに飛翔魔術で飛んで街まで戻った。
「何があった?」
「ローデリック様がどこにもいません!」
「お部屋にも、敷地内もみんなで探し回りましたがいません。冒険者ギルドにもいませんでした」
「は? まさか帝国がロディを攫ったのか?」
索敵を広げ、街を探ってみる。ロディは魔力が少ないからなかなかそれらしき人物を探すのは難しい。
しばらく探ってみたが、ロディらしき人物はいない。こんな時に森に行くわけがない。戦地に戻りながら索敵を広げたが、ロディは見つけられなかった。
帝国め、卑怯な手を使いやがって!
僕が脅威だからといって、僕の弱点でも調べ上げて、僕を戦闘不能にするつもりだな?
迷いはなかった。
敵陣の真ん中に下り立ち、堂々と敵大将を探す。
いたいた。初日を終えてさっそく酒盛りをしているようだ。
焚き火を囲んで歌いながら踊って、まるで祭りのような騒がしさだ。
「おい! 僕のロディを返せ!」
僕は雷を当てて大将の動きを封じると、魔力でできたロープで大将をぐるぐるに巻いて、敵陣の中を引き摺りながらロディを探した。
「僕の夫を攫った奴はどこだ!」
「ロディを返せ!」
足場の悪い場所を引き摺り歩いたせいで、大将は殴ってもいないのにボコボコの顔になっていた。
「た、頼む、俺は知らねぇ、助けてくれ……」
「いいからロディを返せ!」
敵陣を引き摺り回しながら、雷の魔術の応用で鉄を上空に集めていった。剣や槍だけでなく、鉄でできた防具や盾も一緒に引っ張り上げた。
「頼む! もうやめてくれ、撤退するから」「その剣だけは……」「お願いだやめてくれ!」
顔を引き攣らせながら、周りからもそんな声が聞こえてくる。
僕は上空でまとめ上げた奴らの武器を高温でぐにゃぐにゃにして丸めて鉄の塊にすると、陣の中央にドカーンと落とした。
これだけしてもロディを出さないということは、ここに犯人はいないのか?
攫ってどこかへ連れ去ったということか?
敵大将を投げ捨て、僕はまた飛翔魔術で飛びながら索敵を広げて探し始めた。
そう遠くまでは行っていないはずと考え、敵陣近くから探していく。
そこで引っかかったのは、ロディの少ない魔力ではなく、僕がロディにあげた防御結界のペンダントの魔力だ。急いでその場所へ向かう。
待ってろロディ、すぐに助ける!
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校正・文体の調整に生成AIを利用しています。