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六章:開放 アダム視点
50.会話の整理と帝国
僕はロディが部屋を出ていくと、記憶の整理をすることにした。
まずは関わった人物を洗い出してみる。
・エアガイツ公爵
こいつがきっとこの件を主導したんだろう。いや、計画を立てた本人とは限らない。最悪事件が明るみになっても自分のところには辿り着けないよう、手を出さず傍観していた可能性もある。
・シュリンゲ子爵
クルートの実家だが、事件後はここに薬物を運んだと言っていた。
・モーベリア男爵
シュリンゲに送る前はモーベリアに薬物を送っていたようだ。
・フェイル・クライバー
こいつはクライバー子爵の次男だが帝国を動かしたようなことを言っていた。単独でやったのかは分からない。
・マクベリス・ビュットナー
ビュットナー伯爵の次男、いや今は代替わりして当主の弟か。魔術研究所の副所長だ。確かあの事件の後に副所長になった。昇進を餌に使われたか、事件への貢献によりエアガイツが副所長に推したのかもしれない。
・ソフィー・エリスレーベン
王立学園魔術研究科の助手エリス先生、この女は偽の魔導書を僕に用意し、魔術実験室の結界を故意に解除していた。こいつはもうシュトラール王国にはいないんだろう。
・その他、魔術師
誰かは分からないが、僕の記憶を封じる魔術を使った魔術師もいる。マクベリスの部下か関係者の可能性が高い。
今のところ分かっているのはこれだけだ。五年も経っている、証拠など今更出てくるものなんだろうか?
「アダム、俺は魔力が少ないんだが、アダムの両親に怒られないだろうか? 許してもらえるだろうか?」
ロディが夕食の時に不安そうに聞いてきた。
「そんな心配は要らない。僕とロディの結婚は王命だし、僕はロイター辺境伯家当主だ。今は両親より僕の方が偉いから大丈夫だ。文句など言わせない」
正直五年も会っていないから両親が何を考えているのか僕には分からない。事件のことを調べているらしいことは陛下から聞いたけど実際はどうなのか分からない。自ら調べているのか、王か誰かに依頼されて調べているのか、何が目的なのかも分からない。
僕の汚名を晴らすために動いてくれたのなら嬉しいけど、僕が一番辛かった時にいなかったんだから違う気がする。
「ロディ、僕の両親に会うのは手紙の返事が来てからだ。先に帝国に例の奴らの顛末を聞きに行く。それと五年前の夏の戦争のこともついでに聞きに行く」
「例の奴らってのは誰のことだ?」
「ロディを攫った奴らだ。ロディは嫌な思いをしたんだから行かなくてもいい」
「アダムが行くなら一緒に行きたい」
あいつらがロディに何をしようとしたのか説明した時、かなりショックを受けていたから行かないと言うと思った。何があっても僕が守るから心配要らないが、大丈夫なんだろうか?
「俺は何もできないかもしれないけど、アダムのそばいたい」
「ロディ……うん、一緒に行こう」
何もできないなんてことはない。ロディはいつも僕のことを救ってくれる。剣や魔術で攻撃から守るだけが全てじゃない。
「アダム、飛んでいく?」
ロディは目を輝かせて聞いてきた。何度かロディと空を飛んだが、ゆっくり飛行したことはない。直近ではロディは媚薬で正気を失っていたし、夜だったから景色を楽しむことはできなかった。
「ロディは飛んで行きたいのか?」
「アダムが大変ならやめておく。俺は飛べないし、アダムに負担をかけたくはない」
そんなこと気にしなくていいのに。
僕はこの前、魔力検査機関で魔力がまた増えていることを確認した。2000という数値に達していたんだ。確実に国内トップの魔力量だ。魔力を分けられたらいいんだけど。そうしたらロディもコンプレックスから解放されるのに。
ということで魔力量は問題ないし帝国の帝都に向かうくらいどうってことはない。ロディのリクエストに応えて二人で飛んで向かうことにした。護衛はいないがペンダントも指輪もあるし大丈夫だろう。
ロディには事件のことで思い出した内容はまだ伝えていない。ロディが勝手に動くなんてことはないと思うが、知ってしまうことでロディに危険が及ぶことが怖い。
せっかくだからロディとラディウス帝国の帝都で美味しいものを食べたり、観光なんかもしてみたい。僕も帝都は行ったことがないけど、きっとシュトラールの王都みたいに栄えているんだろう。楽しみだな。
すぐに準備を整え、手紙の到着よりは後になるよう、五日後に旅立つことにした。
「アダムヘルム様、護衛を連れて行かなくて本当によろしいのですか?」
セドリックが心配そうに訪ねてきたが、空を飛んでいくんだから道中で襲われることもないし、ロディには魔術と物理の結界を施したペンダントもある。お互いに離れたら位置情報も確認できるから、心配は不要だと伝えた。
それでも心配なようで、騎士団の中でも足が速く身軽なカミーユとフライツが地上を馬で追ってくることになった。
途中休憩の時に、僕が馬に体力回復や身体強化をかけることになると思うと少し面倒だ。
心配してくれるんだからありがたいと思うことにしよう。それに、万が一僕が戦闘不能になった時には、二人がいればロディを連れて逃げてくれるだろう。
「ロディ、話し合いはそれほど時間がかからないと思う。帝都に行ったら美味しいものを食べて街を観光しよう」
「それは楽しみだ」
ロディは嬉しそうに微笑んだ。今日も不意打ちのイケメンスマイルに、ドキドキしてしまった。
ロディは狩りも好きだが、街を見て歩くのも好きだ。こうしてロディが喜ぶことを計画するのも楽しい。
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校正・文体の調整に生成AIを利用しています。