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七章:帝都 ロディ視点
51.帝国へ向けて出発
アダムと一緒に国外へ行くことになった。俺は一度だけ帝国に行ったことがあるが、その時は手を縛られて鎖に繋がれていた。
アダムが助けに来てくれてアダムに抱えられて帰ったんだが、媚薬という毒を飲まされていたせいで、とても景色を楽しむ余裕はなかった。
景色を楽しむ余裕があったとしても、あれは夜だったから何も見えなかったんだろう。
空を飛んで帰ったことも国外に出たことも、いい思い出ではないから、それがとても残念だと思っていたんだ。
あの赤い髪の男たちに会うのは怖い。鎖に繋がれたり、毒を飲まされることはないとしても、やっぱり少し怖い。彼らは変態なんだ。
でもアダムが行くのなら俺は行かなければならない。そばにいたいし、アダムの心は俺が守ると決めている。
俺とアダムが空を飛んでいって、カミーユとフライツが馬で地上を走っていくことになった。
馬に乗るというのもいつか挑戦してみたい。
誰かが馬以外の動物に乗っているのは見たことがないが、鳥に乗ったら飛べるのではないかと思う。俺を乗せてくれるような大きな鳥がいるかどうかは分からないが、見つけたら鳥にお願いしてみよう。
部屋の窓辺によく来る黄色い鳥はとても俺が乗れるような大きさじゃない。俺の掌に乗るくらい小さいから俺が乗ることはできない。
「ロディ、そろそろ出発するぞ」
「今いく」
アダムの声が聞こえて、俺は玄関へ走った。胸ポケットには今朝摘んだ『モジャ』を入れているし、ソードベルトも着けて、愛用の片手剣を差した。アダムとお揃いの短剣は肩からかけた鞄に入れてある。
アダムがくれた御守りのペンダントを二つ首からかけて、アダムとお揃いの指輪もした。アダムとお揃いのものがたくさんで嬉しい。
屋敷の門のところには馬に乗ったカミーユとフライツがいて、アストロとセドリックと『軍団長』とメイド数人が見送りに来ていた。
アストロは夫の見送りだ。そういえば二人はいつから結婚しているのか聞くのを忘れていた。俺とアダムより先に結婚していたんだろうか? 今度聞いてみよう。
少し待っているとアダムが出てきて、俺の手を取った。少し冷たくて、でも小さくて柔らかい可愛い手だ。
「じゃあ行ってくる。後のことは頼んだ。早ければニ日後、遅くても五日程度で帰る」
見送りの者たちに向かって言うと、アダムは俺を連れて空に浮かんだ。
ふわっと浮く感じはなんとも不思議な感覚だ。足でも腕でも踏ん張れないがバランスが崩れることもない。風を感じるが、そよ風のような感じで心地いい。
ふわふわしたところに寝そべっているみたいだ。
「ロディ、怖くないか?」
「風が気持ちいい。不思議な感じだ。ワクワクしている」
俺に向けて微笑んでくれるアダムは今日も可愛い。人前ではダメだと言われるからできないが、今すぐキスしたい。
「少し街を見てから帝国に向かうか」
アダムはそう言うとロイターの街に向かった。
上から見下ろすと街はこんな風になっているのか。道を馬車が走っていて、串焼きを買った屋台という小さい店は、綺麗に列をなして並んでいる。家もバラバラに建っているところもあるんだが、真ん中に近いところは綺麗に道に沿って並んでいる。
アダムの部屋のベランダから見る街の景色も綺麗だが、それとはまた違って綺麗だと思った。
「アダム、綺麗な街だな」
「そう言ってもらえると嬉しい。僕たちが治める街だ」
「俺も早くアダムの仕事を手伝えるように頑張る」
「ありがとう」
アダムの綺麗な水色の髪が風に靡いて、日の光を反射して輝いて見えた。すごく綺麗だ。
「アダム、大好きだ。髪が光り輝いてすごく綺麗。俺はドキドキしている」
「さ、さあ、もうそろそろ帝国に向かおう。カミーユたちはもう向かっている」
「分かった」
もう少し街もアダムのことも見ていたかったが、帝国に向かうという目的があるんだから、こんなところで遊んでいるわけにはいかない。アダムと繋いだ手を引き寄せてギュッと抱きしめてから、進路を帝国に向けた。
「ロディ、抱きしめるのは地上でしてほしい、です」
「分かった。アダムが魔術に集中している時に邪魔をしてごめん」
途中、地上に降りて国境という門を抜けた。それからまた飛び立って、しばらくすると飛び立った時は晴れていたのに分厚い雲が出てきた。
曇りの空を飛ぶ
「ロディ、雲の上まで行ってみるか?」
「雲の上? 行けるのか?」
アダムはどんどん上昇して、辺りが真っ白になった。少し肌が濡れる感じがある。
「アダム、真っ白だが大丈夫か?」
「もうすぐ抜けるよ」
抜ける? 白い空間を抜けるんだろうか?
少し待つと、白い空間の上に出て下に雲が広がっていた。
「雲の上どう?」
「すごい。ふわふわした雲が下にある。雪が降り積もった地面みたいだな」
そこには真っ白でふわふわな雲と、眩しいほどの太陽の光と青い空があった。
「雲の上は晴れているんだな」
「そうだね。このまま少し飛んで、また雲の下に下りるよ。雲の上にいたらカミーユとフライツが僕たちを見失うから」
「分かった。アダムはやっぱりすごいな!」
眼下には雲が広がっていて、二人の姿は見えない。こんな景色を見られるなんて、俺は幸せだ。
飛んでいる時は抱きしめてはいけないけど、この景色を見せてくれたアダムのことを抱きしめたくてたまらない。我慢は辛い。
また真っ白な空間を抜けて雲の下まで行くと、森の中で一度休憩をした。
アダムは馬たちに何か魔術をかけている。怪我でもしたんだろうか?
「ロディ、回復魔術を見るのは初めてっすか?」
「回復魔術?」
不思議に思っているとカミーユが教えてくれた。疲れた馬の体力を回復して、速く走れるように魔術をかけたのだとか。『キラキラした石がついた服を着た男』が速く走るのに魔術を使っていた。それを馬にかけるらしい。だから飛んでいるアダムにそれほど遅れることなくついてこられるんだ。
魔術とはそんなこともできるのか。やっぱりアダムはすごい。
途中の街に寄って、冒険者ギルドで地図を見た。アダムも帝都には行ったことがなくて場所が分からないらしい。カミーユとフライツも地図で道を確認していた。
「このスピードなら明るいうちに帝都に着ける。そのまま城に突撃してさっさと用事を済まそう」
アダムは楽しそうにそう言った。俺も賛成だ。やらなければならないことを先に終わらせたら、あとは楽しいことが待っている。
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校正・文体の調整に生成AIを利用しています。