【完結】破壊神のお婿さんはイケメンらしい

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八章:決着 アダム視点

65.おかえりロディ(※)

  

「アダム、もう一回言って」
「何をだ?」
「愛してるって言ってくれて嬉しかった」
 あの時は必死だったんだ、ロディを失うかと思って。今思えばあんなに大勢人がいる前で愛を告白するなんて恥ずかしすぎる。

「あ、あ……また今度な」
 言おうと思ったけど、やっぱり言えなかった。綺麗な青い目で見つめられると言えなくなる。ロディは自分のことをイケメンだと認識してない。


「ロディ、実家で何してたんだ?」
 言えないことで変な空気になりたくなくて、咄嗟に話題を変えた。

「兄に会った。俺と同じ母親から生まれた男だが、俺より先に生まれた人だ。二人いた」
「虐められなかったか? 嫌なこと言われなかったか?」
「みんなキラキラした石がついた服を着ていた」
 なんだその感想は。『石男』以外の家族に会うのは初めてだったんだろうか?

「虐められていないということでいいんだよな?」
「兄はパンを投げて悪かったと謝ってくれた。お気に入りのメイドが俺のことを褒めたのが気に入らなかったのだと説明されたんだ」
 磨かれる前からロディのイケメンは隠しきれていなかったんだろう。メイドの何人かがロディに惚れてもおかしくない。そんな逆恨みでパンを投げられたなんて……
 その兄の行動はロディが心配していた血筋の影響なんだろうか? まさかね。

 謝ったということは仲良くしてくれたということなんだよな?
「でも、やっぱりアダムに会いたかった」
「うん。僕も会いたかった。ロディ、キスして」
「キスだけでいいの?」
 ちょっと意地悪なロディが出てきた。僕はそんなロディも大好きなんだ。恥ずかしいけど伝えたい。

「格闘、したい。ロディに触れてほしい」
「いいよ。俺も大好きなアダムに触れたいと思ってた」
 早くロディと一つになりたくて、ロディの首に巻きついて引き寄せる。
 僕も放さないよう必死だけど、ロディも僕を抱きしめる腕に力を込めた。

 ロディが覆い被さるように僕の唇を奪って、待てないって言ってるみたいにすぐに温かい舌が押し入ってきた。
 必死にロディの舌を追いかけるけど、きっと僕の技術は拙い。兵たちに教えてもらったけど、ロディの舌に翻弄されて上手くできなかった。

 すると急に唇は離れた。
「アダム、浮気した?」
「え? そんなことするわけない」
「いつものアダムと違う。そんな舌の動き、誰に教えてもらったの?」
 誰……誰だっけ。兵だということは分かるが、あの場にいた者の名前はランスしか分からない。ランスが紹介してくれると言ったジェムとモークもどの人物なのか分からなかった。

「ねえ、言えないの?」
「違っ」
 言えないわけじゃないけど、知らないんだ。あの中の誰がどの発言をしたのかもよく覚えていない。僕はあの時、羞恥に身悶えていて、いっぱいいっぱいだったんだ。

「貴族の当主はたくさんの妻を迎える人もいるって聞いた。だからアダムが他の男か女を迎えるって言っても、俺は反対できない。だけど、わがまま言いたい。
 アダム、俺だけのアダムでいて……」

 ロディがわがまま言うなんて初めてだ。もっとわがまま言っていいのに。そのわがままは僕の心をギュンって攫っていった。大好きだ。ロディだけが大好きだ。

「ロディ、僕はロディだけのものだ。浮気なんてしてない。その、ロディにいつも任せてるから、兵に聞きに行ったんだ、格闘のテクとか、だから……話を聞いただけで、誰とも何もしてない。僕はロディ以外いらない」
 ロディが泣きそうな顔をするから、僕は白状することになった。でもいいんだ、ロディにそんな顔してほしくない。いつも眩しくて直視できないくらいの輝く笑顔を僕に向けてほしい。

「本当? ネーベル様に誓える?」
「え? ネーベルって陛下の側近みたいな人? なんでその人に誓うの?」
 僕は混乱した。あの人に誓うってどういうこと?

「ネーベル様はやっぱり神様だと思うんだ」
「へ?」
「だから神様に誓えるかなって。アダム、どうなの?」
「うん。誓えるよ」
 ロディの中であの中性的な人は神様認定されたらしい。
 誰が神様でもいいよ。神様でも人でも、誰にでも誓える。僕はロディだけ愛してる。

「ねえ、そんなことより続き……」
「アダム、疑ってごめんね。大好きなんだ」
「うん。僕も大好き」

 ロディの手が上衣のボタンを一つづつ外していく。その待ってる時間さえもどかしい。
 魔術でこんな複雑な衣装、一瞬で燃やしてやろうかと思うくらい僕は待てなくなっていた。
 ロディを求めて全身が疼いて、モゾモゾと体が勝手に動いてしまう。僕はこんなに淫らだったっけ?

 キスを繰り返しながらロディの手が僕の胸をやわやわと揉んでいる。筋肉も贅肉もない薄い胸なのに、ロディはそんなところを触って楽しいんだろうか?

「んっ……」
 甘くて蕩けそうなキスを繰り返しながら、ロディが僕の乳首を指で弾いたりするから、僕の口の端からくぐもった声が出てしまった。与えられた快楽に逆らえない。もっともっとと主張するように僕の胸は反っていた。
 首や鎖骨にもキスを繰り返しながらロディの唇が下りていく。

「んぁ……」
 乳首をチュウッと吸われると思わず声が漏れる。
「アダム、気持ちいい? 汗かいたのかな? ちょっとしょっぱい」
 ロディの言葉に急に現実に戻って、風呂にも入っていなければ浄化すらかけていないことに気付いた。

「やだっ」
 恥ずかしくてロディを押し退けて、体を丸めると急いで全身に浄化をかけた。ロディにはかけない。イケメンの匂いに酔いたいからだ。変態じゃなくて愛してるだけだ。

「やめとく?」
「あ、違う。浄化かけたから、続き、お願いします」
「うん。気にしなくていいのに。アダムの汗も愛しい」
 それはやめてほしい。恥ずかしいからそんなの愛さなくていいよ。

 久しぶりにロディに愛されたのが嬉しすぎたからなのか、何も考えられないくらい気持ちよかった。たぶんしばらく脳が砂糖で満たされて溶けてた。
 わけが分からなくなって、必死にロディに掴まって甘い蜜に絡められていたんだ。

「ロディ、愛してる」
「うん。言ってくれてありがとう。俺もアダムのこと愛してるよ」
 やっと言えた。ちゃんと言えた。そう思ったら、色んなことがあって疲れていたのか、ロディが戻ってきてくれてホッとしたのか、スッと意識が薄れていった。


  
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