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二人の進展
25.※
夜に殿下が訪ねてくる日が五日ほど続くと、少し早い時間に来て、殿下の部屋に連れて行かれた。王宮なんて僕が入っていいの? 何も言わずに手を引かれて連れて行かれた。もしかして殿下はこうして度々お気に入りを部屋に連れ込んでいるのかもしれない。
とうとう今日、僕は……。
殿下の部屋は大きかった。これが王子様の部屋なんだと感心してしまうくらい、置かれている小物一つとっても繊細で一流の職人が作り上げた一流の品に見えた。ベッドも大きい。でも僕があげたウサギさんが枕元にいて、嬉しくて胸が温かくなった。
ウサギさんが欲しいって言ったから、可愛いものが好きなのかと思ったけど、他には可愛いものは置かれていなかった。
「脱がせていいか?」
「はい」
途端に緊張が走る。ガチガチに緊張した僕を見て、殿下はクスクス笑っていた。そんなに笑わないでよ。僕は殿下が普段相手にしてる娼館の人みたいに慣れてるわけじゃないんだ。
拡張の器具は痛くなかったけど、初めて殿下としようとした時はすごく痛かったから怖い。
でもまた殿下を失望させるのはもっと怖い。せっかく何日も付き合ってくれたのに、また上手くできなかったら……。
何としてでも我慢しよう。痛くても裂けても、僕には治癒魔法があるからきっと大丈夫だ。
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら深呼吸を繰り返していた。
「リアン、可愛いけど、緊張しすぎだ」
「ごめんなさい」
殿下にはバレていた。
そして殿下は急に僕の脇やお腹を擽ったんだ。
「あはははっ、やだ、やめてー、あははっ、ひーもうだめー」
「はははっ、緊張解れたか?」
「うん」
擽られて笑いすぎて息切れするとか、僕どんだけ肺活量ないんだろう。でも緊張は解れた。
ゆっくり唇が重なって、大丈夫だって言ってるみたいに手を恋人繋ぎに握ってくれた。
そんなところ触っても殿下は楽しくないと思うのに、僕の薄い胸をやわやわと揉んで、先端を指で弾いた。
「あっ……」
「リアン、本当に可愛い」
声が出ちゃうのが恥ずかしくて、繋がれてない方の手の甲を噛んだ。
気持ちよくてビクビク震えてしまうのは、どうやっても止められそうにないから許してほしい。
「んんっ……」
「指、挿れるぞ」
「はい」
オイルを塗った殿下の指が、ゆっくり僕の中に入ってきて、ゆっくり解してくれた。抜き差しを繰り返しながらグネグネと動いて、だんだん広げる動きに変わっていく。
相変わらず変な感じで、痛くはないけど気持ちいいって感覚もない。
「っ!!」
油断していた僕は、突然訪れた鋭い快感にびっくりして声も出なかった。何したの?
ただ膝を抱えて寝転がっているだけだった僕が反応を示したからか、殿下は執拗にそこを攻めてきた。
「あっ……だめ、そこ、だめぇ……」
「気持ちいいか?」
「やっ……んんっ……」
こんな感覚は初めてだ。全身がガクガクと震えて自分の体じゃないみたいだった。こんな感覚知らない。無理だよ……。涙が溢れると、やっと殿下はやめてくれて、僕が乱れた息を整えている間に準備を整えていた。
後ろに硬いものを当てられると、緊張で力が入る。ゆっくりと押し込むように入ってきて、前に比べたら痛くなかった。
全く痛くないわけじゃないけど、我慢できるくらいの痛みというか苦しさだ。
「んっ……」
「もう入りましたか?」
「いや、まだだ」
もう全部入ったのかと思った。そしたらさっきの鋭い快感のところがゴリッと擦られて、その刺激が強すぎて僕は「ああ!」と叫びながら達してしまった。
内腿がガクガク震えて、何が起きたのか分からなかった。
何これ、痛いより違う意味で怖いよ。
「リアン、本当に可愛すぎる」
まだ終わってないんだよね? 殿下はゆっくりとまだ奥まで進んでくる。どこまで来るのかと不安になって、繋いだ手をギュッと握った。
「大丈夫だ。ゆっくりするから」
「はい」
気を遣わせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいだ。早く慣れるから、大丈夫だから、今日は途中でやめてほしくないと思った。
「リアン、奥まで入ったぞ」
「よかった……」
これから抜き差しされたらどうなるか分からないけど、とりあえず無事受け入れることができたことはよかった。それなのに殿下は全然動かない。
何か意図があるのかもしれないけど、僕にはそれが何なのか分からなかった。
しばらく経って思った。もしかしてここは僕が動くべきなの? それは困った、どうやって動いたらいいのか分からない。
「殿下すみません。動き方が分かりません」
「俺が動くからリアンは寝たままでいい」
「はい」
ゆっくりと動き出して、内臓がかき混ぜられているような感覚に陥る。だけどその中に確かに快感が含まれていた。
痛みは治癒魔法を何度かかけるとなくなった。だけど苦しいのは消えない。
「リアン、痛いか?」
急に殿下は動きを止めて、僕の頬を撫でた。いつの間にか涙が溢れていたようだ。
「痛くないから、続けてください」
この涙は痛いからじゃない。苦しいからじゃない。他の人のところに行ってほしくなくて、僕だけを見てほしいって、叶わない想いを抱いてしまったからだ。
叶うわけないのに、そんなことを思った自分がバカみたいで泣けてきただけだ。
僕は全然上手くできなかったと思う。
殿下は何度も可愛いって言ってくれた。
でも、好きだとか愛してるとは言われなかった。分かってたけど、抱いている時だけでも夢を見させてほしかった。
そんなの贅沢だよね。体だけでも求めてもらえることに感謝しなきゃ。
僕はいつの間にか眠っていた。ふと目が覚めると、殿下の部屋で殿下に抱きしめられていた。
「どうした? 眠れないか?」
「遅くまでお邪魔してすみません。寮に戻ります」
「朝までここにいろ」
「はい」
いいんだ……。そんなに長く一緒にいてくれるんだ。僕は殿下の胸筋の谷間に埋もれて眠った。
朝目が覚めると目の前に殿下の顔があって目が合った。起きてたのなら起こしてくれてもよかったのに。
初めて会った日を思い出す。魔力切れで殿下の腕の中で眠ったあの日から、僕は殿下のことが好きだったのかもしれない。
「朝から元気だな」
「え?」
何のことかと思ったら、朝勃ちしている僕の中心が、そっと撫でられた。
「抜いてやろうか?」
「い、いえ、ただの生理現象なのでお構いなく」
恥ずかしかった。誰かと一緒の布団で寝るなんて、龍男の子どもの頃くらいしか経験がない。
早く寮に戻ろうと、ベッドから出ようとしたら腕を掴んで引き戻された。温かくて大きな手で優しく扱かれると、すぐに達してしまった。
「すみません」
僕はすぐに清浄魔法をかけた。
「清浄魔法か、リアンは器用だな」
「いえ」
「もう少しここにいろ」
「はい」
結局僕は、昼近くまで殿下の腕の中で過ごした。これで最後だから優しくしてくれたわけじゃないよね?
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