俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

拭えない不安 →sideT

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目を覚ますと、康史は横で起きていて、なんだか思い悩むようなずっと俺を見ていたようだ。
久しぶりっていうのもあるが、おあずけを食らっていたせいで、かなり乱れちまった気もする。

記憶をなくした康史にとって初めてのセックスだったんだから、ひくことはないだろうけど、きっとビックリしちまっただろうな。

あの日……理性すら飛ばしてしまった俺を、康史は抱いたみたいだったが、記憶がほとんどなくて、ちゃんと抱かれた充足感は、正月以来だったかもしれない。

それに、俺はなんとなく康史の記憶がないまま、セックスするっていうのも、なんか難しそうな気もしてて、どっかで諦めちまってたからかもしれない。

「悪ィ、ぶっとんだ…………」

大体、最近ぶっとんでばかりでホントに快感に弱くなってきている。
「気持ちよくて?」
じいっと顔を覗き込む康史は、どことなく不安そうな感じである。
なんだか、どっかでなにかを気にやんでいる感じがするのだが、俺にはまったく読み取れない。
なんだか心もとない感じで、どこか確認したいようなそんな口調である。

「まあな……、オマエに抱かれるといつも大体こんなんだよ、俺ァ」
思い返すと恥ずかしすぎるのだが、キモチがいいのは本当にとめようがない。
声もホテルだと思うと抑えがきかなくなる。

「……エロすぎ……、でもさー、そのちんこのピアスはやりすぎじゃない?」
くすくす笑いながら示唆されるが、それは俺がつけたわけではない。
「婚約記念だって、オマエがつけたんだよ。エンゲージチンピー」
「婚約……」

はとが豆鉄砲くらった顔をして、俺の顔をまじまじと見返す。
「だからよ、オマエが俺のオヤジに、息子さんをくださいって言ってくれた」
「えええええええ、あのオヤジさんに」
康史は一瞬目を瞠って驚きを隠せないらしく、うわうわーと声に出して驚いている。
「そう。すげえ感動したぜ。だから、俺は、オマエが就職したらオマエに嫁入りするからよ」
「嫁入り……」
なんとなく声が半信半疑なので、ちょっと俺も唇を尖らせる。覚えていないのはわかっているのだが、もう少し喜んでほしいものだ。

「イヤか?」

「……オレはトールをずっと好きだったんだから、イヤじゃねえって………」

「そっか、じゃあヨカッタ」

聞きたい答えを貰って満足した俺は、裸の体を康史の方に転がしてぐっと抱き寄せる。
「じゃ、帰るか」
「からだ、大丈夫なの?」
気遣うような康史の言葉に俺は康史の頭を撫でて立ち上がる。

「こんくらいなら、ヤクザの10人くらいは倒せる」

「そんなもん、倒すな。バカ」

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