41 / 64
第41話→sideR
しおりを挟む
五十嵐さんの店に、今回世話になったヤツらを集めてお礼をかねた食事会をすると言ったら、絶対に嫌がると思っていたハルカは意外にもすぐに行くといった。
礼とかするのはかなり苦手だと思っていたのだが、そこは、やはり命もかかっていたこともあるだろう。
まあ、排泄とかのこともあるし置いていかれるのも嫌なんだろうな。
俺の持っている中でも少しサイズの大きい服を渡して着替えさせたが、やはり窮屈そうだ。
明日は日曜だし服とか買いに行って用意しよう。
なんだかんだ、支払いも思ってたより少なかったのもある。長谷川弟が若頭にタダにしようよとゴネてくれたのだが、それも禍根を残しそうだったので断ったのもある。
もっとかかると思ってたから、少しは余裕がある。
「ライ?…………なんだよ?」
じっと見つめすぎたのか、眉を寄せてハルカはギリッと睨んでくる。
「いや、やっぱ服が窮屈そうだな。明日は、一緒に服を買いにいこうな」
「まあ、オマエのだし、サイズちげえし仕方がねーよ。カレシャツってやつだ」
それは、ちょい使い方が間違いだ。ブカブカしたやつで可愛いってイメージの言葉じゃないか。
でも、そういう言葉にすごく嬉しくなる。多分ハルカも意図的に言ってるんだろう。
きゅうきゅうパンパンのカレシャツか。
まあ、ハルカだし可愛いんだけどな。俺には。
「聞いたけど五十嵐さんの店は、ハルカは行ったことあるんだろ?」
「松川さんに連れてってもらった」
ぼそりと呟き、少し眉を寄せてギュッと拳を握りしめる。
あ、聞いちゃダメだったよな。
裏切られた挙句、松川さんは殺されたんだよな。
「悪ぃ」
「いや、あの人は最初から俺をシッポに使う気だった人だ。あの仕事が終わったらこっちから手を切るつもりだったし。…………別になんにも思ってねーよ」
嫌なキモチなのは確かだろうが、ハルカはそれ以上何も言わなかった。
車から降りると、ハルカは落ち着かなそうにあたりを見回す。
実際今回助けてもらったヤツらは、ついこないだまで抗争していたいわば敵なのだ。
そりゃ、色々気まずいのは確かだし、浜田に報告した時もそっちに相談かけんじゃねーとも怒鳴られたが、就職きっちりしてる奴らにヤクザに乗り込む話は持ちかけたくなかった。
俺は、ハルカの肩をとんと叩いて、アメリカ風の店の扉をあける。
「こんばんわ」
「おー、峰。小倉の奪還成功、ホントに良かったな!」
五十嵐さんは、カウンターから顔を出していかつい顔で満面の笑みを浮かべる。
「お陰様で、ホントに世話になりました」
「ありがとうございます」
背後からハルカが頭をさげて、礼を言う。
あんなにも頭を下げるのが嫌だったハルカが、礼を言うとか、人間やろうと思えばできるんだな。
「いや、まあ、元はコーキが仕出かしたことだしなァ。小倉が巻き込まれちまったのは、ホントに災難だしよ。ホントに良かったわ」
卒業しちまっても、自分のとこにいた人のことをこんなふうに言えるのは、やはり五十嵐さんのカリスマ性は凄いなと思う。
こんな風に、自分の下についていたヤツらのことを、多分ハルカは考えないだろう。
「将兵は、もうついて個室で食ってる。士龍達は、予備校が終わったら一緒にくるってさ」
個室を指さすと、五十嵐さんは先に食ってなと声をかけた。
礼とかするのはかなり苦手だと思っていたのだが、そこは、やはり命もかかっていたこともあるだろう。
まあ、排泄とかのこともあるし置いていかれるのも嫌なんだろうな。
俺の持っている中でも少しサイズの大きい服を渡して着替えさせたが、やはり窮屈そうだ。
明日は日曜だし服とか買いに行って用意しよう。
なんだかんだ、支払いも思ってたより少なかったのもある。長谷川弟が若頭にタダにしようよとゴネてくれたのだが、それも禍根を残しそうだったので断ったのもある。
もっとかかると思ってたから、少しは余裕がある。
「ライ?…………なんだよ?」
じっと見つめすぎたのか、眉を寄せてハルカはギリッと睨んでくる。
「いや、やっぱ服が窮屈そうだな。明日は、一緒に服を買いにいこうな」
「まあ、オマエのだし、サイズちげえし仕方がねーよ。カレシャツってやつだ」
それは、ちょい使い方が間違いだ。ブカブカしたやつで可愛いってイメージの言葉じゃないか。
でも、そういう言葉にすごく嬉しくなる。多分ハルカも意図的に言ってるんだろう。
きゅうきゅうパンパンのカレシャツか。
まあ、ハルカだし可愛いんだけどな。俺には。
「聞いたけど五十嵐さんの店は、ハルカは行ったことあるんだろ?」
「松川さんに連れてってもらった」
ぼそりと呟き、少し眉を寄せてギュッと拳を握りしめる。
あ、聞いちゃダメだったよな。
裏切られた挙句、松川さんは殺されたんだよな。
「悪ぃ」
「いや、あの人は最初から俺をシッポに使う気だった人だ。あの仕事が終わったらこっちから手を切るつもりだったし。…………別になんにも思ってねーよ」
嫌なキモチなのは確かだろうが、ハルカはそれ以上何も言わなかった。
車から降りると、ハルカは落ち着かなそうにあたりを見回す。
実際今回助けてもらったヤツらは、ついこないだまで抗争していたいわば敵なのだ。
そりゃ、色々気まずいのは確かだし、浜田に報告した時もそっちに相談かけんじゃねーとも怒鳴られたが、就職きっちりしてる奴らにヤクザに乗り込む話は持ちかけたくなかった。
俺は、ハルカの肩をとんと叩いて、アメリカ風の店の扉をあける。
「こんばんわ」
「おー、峰。小倉の奪還成功、ホントに良かったな!」
五十嵐さんは、カウンターから顔を出していかつい顔で満面の笑みを浮かべる。
「お陰様で、ホントに世話になりました」
「ありがとうございます」
背後からハルカが頭をさげて、礼を言う。
あんなにも頭を下げるのが嫌だったハルカが、礼を言うとか、人間やろうと思えばできるんだな。
「いや、まあ、元はコーキが仕出かしたことだしなァ。小倉が巻き込まれちまったのは、ホントに災難だしよ。ホントに良かったわ」
卒業しちまっても、自分のとこにいた人のことをこんなふうに言えるのは、やはり五十嵐さんのカリスマ性は凄いなと思う。
こんな風に、自分の下についていたヤツらのことを、多分ハルカは考えないだろう。
「将兵は、もうついて個室で食ってる。士龍達は、予備校が終わったら一緒にくるってさ」
個室を指さすと、五十嵐さんは先に食ってなと声をかけた。
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
Bランク冒険者の転落
しそみょうが
BL
幼馴染の才能に嫉妬したBランク冒険者の主人公が、出奔した先で騙されて名有りモブ冒険者に隷属させられて性的に可哀想な日々を過ごしていたところに、激重友情で探しに来た粘着幼馴染がモブ✕主人公のあれこれを見て脳が破壊されてメリバ風になるお話です。
◯前半は名有りモブ✕主人公で後半は幼馴染✕主人公
◯お下品ワードがちょいちょい出てきて主人公はずっと性的に可哀想な感じです(・_・;)
◯今のところほとんどのページにちょっとずつ性描写があります
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
路地裏の王子様と秘密のカフェ ―10年ぶりに再会した親友はトップアイドルでした―
たら昆布
BL
大学生の千秋がバイト帰りの路地裏で助けたのは、今をときめくアイドル『GALAXY』のセンター、レオだった。
以来、レオは変装して千秋の働くカフェへ毎日通い詰めるようになる。
「千秋に会うと疲れなんて全部消えちゃうんだ」
トップアイドルとは思えないほど素直に懐いてくるレオに、千秋は戸惑いながらも多忙な彼を支えたいと願うようになる。
しかし、千秋はまだ知らない。
レオが10年前に「また絶対会おう」と約束して別れた泣き虫な親友の玲央本人だということに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる