朝焼けは雨

怜悧(サトシ)

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※第47話→sideR

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今日のハルカは、昨日より一層自虐的でなんだか壊れちまいそうな儚さに、俺は胸を突かれた。
俺よりも1回りは大きな体と、痩せてはしまっているがまだ残っているきっちりとついた筋肉。

儚いなんて言葉なんか、似合わないのに。

「……ライッ…………はあッ……あ、あ…………も、と、おく、ンン」

ハルカは脚を開いてディルドーを動かす俺を見上げて、求めるかのように腰をゆるゆると動かす。
俺はハルカの唇を吸いあげて、舌先を吸い込む。
ひどくして欲しいと言っていたのは、トリセツに書いてあったとおりならば、調教の結果なのだろう。

きっと、すぐには普通の生活を送れないと店長は言っていた。
優しくすることだけが1番いいわけじゃない。
それは分かっている。
ハルカのために、どうしていいのかわからない。
体だけでも、俺のものにしてしまおうと思ってたのに、なんでいま、真壁のことはもう思ってないとか言うんだろう。

じゃあ、俺のモノになってくれんのかよ。
ディルドーで奥を貫きながら、俺は自分のペニスを取り出してハルカの唇に押し当てる。
「しゃぶって、ハルカ」
頭をなでながら、腰を押し付けると、ハルカは口を開いて俺のを頬張り頭を動かして唇のスロートで刺激する。
鼻から漏れる息が熱く腰にあたり、俺はディルドーと一緒に乾いた指を隙間に挿し込む。
指がこすれる痛みにぶるりと震え眉がキュッと寄せられる。

「穴かなり広がるんだな。ハルカ、上と下におちんこくわえて嬉しいか?」
答えのようにペニスに舌を絡められて、俺は心地よさに身震いをする。
ノートによると、調教は全部は終わってなかったようだ。
完全な屈服までの過程の途中だったらしい。
ズルッとペニスを引き抜いて、唇へと熱くなった熱を吐き出す。
抱けば、ハルカを助けられるのか。
抱いたらこのまま、ハルカを助けることになるのか。
俺にはわからなくなっている。
ハルカの中から、ディルドーをズルズルと引き抜いて、指を増やして押し込見直す。

「ッあ、ハッ…………ッ、らい、らい…………っも、お、いれて……ッ」
切羽詰った表情でねだるのに、じりじりと劣情が滾ってくる。
きっと、ハルカは俺じゃなくてもいいんだろう。

それは、分かってる。

分かって、それでもいいと腹くくったはずなのに。
俺は指を引き抜いて、ハルカの腰を抱き寄せグイッとペニスで貫く。

ゆっくりと腰を回して快感を与えながら、俺はハルカの首に指を巻き付けた。

「好きすぎて…………たまんねえよ」

力を込める度に、ハルカは目を見開き脚をバタつかせる。
きゅうきゅうと締まるアナルが俺を縛る。
苦しそうな顔に俺は唇を這わせる。

全部、俺のものに、したい。よ。

ハルカ。

好きだ。

俺は必死になって、強くハルカの首を締め上げた。



何度も身体を打ち付けて欲を吐き出し、ハッとして我にかえるとハルカはぐったりとしていて、呼吸は止まっているのに気が付き手を首から離す。

首には昨日の比じゃない鬱血のあとがあり、必死にもがいたようにハルカの掴んだシーツは破れている。

俺が、絞め殺したのか。

俺は慌てて体を離してペニスを引き抜き、焦って耳を胸に押し当てると、心臓はまだかすかに動いている。

ドッドッドッと俺の心臓が激しく脈打ち、冷や汗が額からダラダラと垂れ落ちる。
ハルカの鼻をつまんで肺を叩くように押し込みながら、人口呼吸を繰り返す。

こ、ころしちまった…………。

悪夢のような光景に、心臓が凍りつく。
焦るこころに、汗が全身からだらだらと溢れでる。

どうしたら、いい。

必死で胸を激しく押して息を吹き込むと、ハルカはしばらくしてカッハッとつばを吐き出して、ぜーぜーと苦しげな呼吸を繰り返しはじめた。

…………ま、間に合った。

俺は放心状態で、ハルカの体を抱きしめる。
ホッとして涙がドバドバ溢れてとまんねえ。
「ご、ごめん…………ハルカッ…………ッ」
ハルカの顔を直視できない。
絞め殺すなんて、ありえない。
全身が恐怖に震えてとまらない。

「バッ……か、らい…………。てめえ…………ばかぢからだし……すぎ、……てか、泣くな…………ウゼェな」

俺の頭の上に力はないが、ハルカのでかい掌が置かれる。
俺の手形が、クッキリ首筋に残っている。

「…………ッ…………ひどくしてほしかったし、きにするな…………。まあ、ライになら、ころされても、文句ねえ…………」

ハルカの掠れた声には、俺を責める気持ちはなく、本心が見つからず、俺はハルカの顔を凝視する。

何を言われてるのか、わから、ない。

「やべえな。…………首絞められながら、俺、潮吹いちゃったぜ。びしょびしょ、ちゃんと見てたか?」
いったい、なんのことを言われてるのかわからない。

「わりィ…………なんか夢中で…………途中から記憶が…………ねえ」
ハルカは布団を気にしながら、俺の体を抱きこむ。
「次は力かげんしてくれよな。そしたら首を締めてもいいからさ。…………気持ちよかったし」
何も頭に入ってこない。

ざわつくのはこころなのか、なんなのかわからない。

「こわい…………ハルカころし…………た」

身体の震えは止まらない。張り裂けそうなのは心臓だ。
黒い恐怖がこころを占める。

俺の様子に爪をガジガジ噛みながら、ハルカは眉を寄せて軽く頬をピシャリとたたいた。

「ライ、落ち着け。俺ァ、いきてる」

「ハルカ、ハルカ、ハルカ」

俺はわんわんと、恐怖から逃れるようにハルカの胸の中で泣き続けた。
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