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39 ークロワッサンー
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紅葉した木々の葉が散り始め、晩秋。
早朝は、霜が降りて雪景色とはまた違うけぶるような白の世界、水溜りにもぱりぱりと薄い氷が張るようになってきた。
吐く息も真っ白になるような日が増えてきた。
依子は、今朝は早朝散歩をしている。
ジョギングするつもりで出てきたが、路面が凍って滑る所があったので、諦めて長距離散歩に変えた。
ジョギングの際はすぐ暑くなるので、かなり軽装でキャップを被ってきたが、早足なので身体はポカポカしていても、冷たい空気に晒されている耳がツーンと痛くなるくらいだ。
ここしばらくは体調は安定している。
秋口の寒くなり始めた頃は、冷えが災いして気分も鬱々としがちだったが、最近はやっと身体が慣れてきた。
これから冬に入って、ジョギングもしにくくなるので、今のうちにできるだけ体を作っておきたい。
相変わらず、制作とバイトの淡々とした毎日だ。
たまに染色講座などを挟みつつ。
もう少し本業の方での収入を増やしたいところだが、いまいちうまくいかないものだ。精神的に上向いているタイミングで営業もかけてはいるのだが、単発で終わってしまうので、継続した収入がほしい。
ただ、目的を利益を得ることに特化した制作をしすぎると、作品がダメになってくるし、モチベーションも下がって効率が悪くなるので、匙加減が難しいところ。
ヘタな作品を作るくらいなら、全然関係ないバイトを増やした方がまだマシだ。
日々の収入を得るための作戦と、次の作品の計画を交互に頭の中でぐるぐると考えていたら、気づけば鎖橋まできてしまった。
依子の住む9区からは5キロ弱くらいだ。
ジョギングで一気に走るにはキツい距離だが、歩いてみればそれほどでもない。歩きだと、普段はすぐ通り過ぎるたくさんの店や、オフィスビル、住宅のファサードなども楽しめていいな、と思った。
今通り過ぎたベーカリーは、早朝からそこそこに賑わっていて、街の住民や、通勤客と思しき人々の出入りも頻繁だ。
香ばしいパンのにおいが漂ってくる。
おいしそう。
ウインドウから見えたあのパリパリクロワッサン、田中さん喜ぶんじゃないかな。ふと、譲治の顔が思い浮かんだ。
あまり考えず、LINEしてみる。
「おはようございます。起きてますか。」
起きてないかもね、と返事はあまり期待せず文章を打つ。
これから王宮の丘にのぼって帰ってくる時に買っていけばちょうどいいか。
「今、朝散歩中なんですが、美味しそうなパン屋さんを見つけました。
自分用に買って行こうと思うんですが、ついでに差し入れしましょうか?」
そして、王宮の丘へ歩き出す。
意外にもすぐに返事が来た。
「おはようございます。僕も今から合流していいですか。」
依子はクスッと1人笑った。前もこんなことあったな。
「のんびり王宮の丘に向かって歩いてます。
どうぞ無理なさらず、ごゆっくり。」
依子は速歩をやめ、ぷらぷらと歩き始めた。
鎖橋の上でしばらく止まって、ドナウの川面を眺める。
秋冬らしいアイスブルーの色味になってきた。
空は明るいが、まだ朝靄が晴れておらず、街は薄く不思議な明るさである。
丘の上まで来るとやはりまだ霧の中。
街も靄に包まれているが、東の方からの日差しで靄は吹き払われ、クリアになり始めている。
幻想的な光景だ。
背後の霧の中から気配がした。
「依子さん」
予想外に近い位置から声を掛けられてびっくりした。
「わっ、びっくり。見えなかった。おはようございます。」
依子はうれしくなった。
譲治は、ゼエゼエ言いながら膝に手をついて喘いでいる。
「えっ、めちゃくちゃ早くないですか?20分くらいしか経ってないですよ?」
大丈夫?と譲治の背中をさすった。
譲治は体を起こすと、持っていたペットボトルの水をごくごく飲んで、ハアハア言いながら声を出した。
「連絡もらってから、1分でウェア着て全力疾走してきました。」
そんな、慌てんでも、と依子は笑いながら言った。
「久しぶりにいい運動になりました。」
そう言って、テラスの石造りの手すりに腕をついて眺めを見る。
2人は並んで何も言わずしばらく景色を眺める。
朝日が雲間から光線のように街に差し込むと、みるみる残りの靄も晴れていった。
朝日で溶けた霜が水滴になって、ブダペストの街はキラキラと照り輝いている。
今日はいい秋晴れになりそうだ。
「きれいですね。」
譲治が言う。
「ほんとにきれい。今日は晴れそうですね。」
依子も心から同意した。
譲治が派手にくしゃみをした。
はい、ティッシュ、と言って依子はポケットから出したティッシュを渡した。
「汗で冷えちゃうから動きましょ。」
依子はそう言って、冷えないように王宮の丘を早足で下りる。
「田中さんはなんか運動部にでも入ってました?」
「一応、中高は陸上部でしたね。中距離やってました。」
へえ、なるほど。それで脚も達者なんだ、依子が感心している。
「依子さんは?」
譲治が聞く。
「私はずっと美術部。
後になって考えるともっといろんなことやっとけばよかったな、て思います。」
てくてくとどんどん歩いて丘を下りた。
鎖橋を渡って街へ戻る。
「ジョギング始めたのも最近なの。
加齢であまりに体調が悪いし、食べられない割に体重は増えるしで、生まれて初めて継続的な運動というものをやっとります。」
依子がおどけて言う。
「お金をかけない自重筋トレとか、ジョギングとか最高よね。」
「あ、ここ!さっき見つけたパン屋さん。あんまり美味しそうだったから。」
そう言った依子と、2人でパン屋に入り、クロワッサンとカフェオレをそれぞれ買う。
焼きたてだから、と言って齧りながら歩く。
「歳とるって切ないわよね。あ、でも田中さんはまだそんなんじゃないか。」
依子はなんだかちょっとアンニュイだ。
「なんかありましたか?」
譲治は心配になった。
「いえ、別に。元気よ。ウォーキングできてるくらいだから。
寒くなってくるとね、ちょっと鬱状態になるのよ。
離婚した後に一回適応障害やっちゃってるからね。
治るっていうより、お腹弱いのと同じで、体質と思って付き合うしかないんだな。」
うっすら微笑みながら依子は言った。
「落ち込んだら呼んでください。LINEでもいいし。」
譲治は思わず言う。
「ご親切にありがとうございます。うんでも大丈夫よ。
自分でなんとかするしかないんだわ。この生活を選んだのは私だから。」
「私、幼稚園くらいの頃から思ってたのよ。なんか自分が嫌いでね。
生きるのってツラいなあって。
でも、自ら放り投げるほどの勇気もないから、与えられた時間を努力して精いっぱい過ごすしかないんだわ。」
依子は表情の消えた顔で前を向いて独り言のように呟く。
「もし、誰かにあげられるなら、もっと生きたいって言ってる人に、私の寿命をそっくりあげるのに。」
「僕も、生きることってつらい、って思いますよ。
でも、誰かと一緒なら人生も捨てたもんじゃないんじゃないかな。」
どっかに行ってしまいそうな依子の顔を見て、譲治は引き止めようと言葉を絞り出す。
我に帰ったような顔で、にっこりすると依子は言う。
「そうね、田中さんはこれから男盛りなんだから!大丈夫よ!」
そして思い出したように、パリパリっと音をさせてクロワッサンをかじった。
居住区の9区エリアに入って、それじゃまた、と2人は別れた。
譲治は依子の表情の抜けたような顔が気になった。
どこかに行ってしまうんじゃないか。
僕の知らない所へ、僕を置いて。
いや、どこへ行こうと彼女の勝手だ。
でも、自分はそれに耐えられるのか?
譲治はそろそろ気づいていた。
依子なしの日々の生活がとても想像できないほど、彼女の存在が大きくなっていることに。
早朝は、霜が降りて雪景色とはまた違うけぶるような白の世界、水溜りにもぱりぱりと薄い氷が張るようになってきた。
吐く息も真っ白になるような日が増えてきた。
依子は、今朝は早朝散歩をしている。
ジョギングするつもりで出てきたが、路面が凍って滑る所があったので、諦めて長距離散歩に変えた。
ジョギングの際はすぐ暑くなるので、かなり軽装でキャップを被ってきたが、早足なので身体はポカポカしていても、冷たい空気に晒されている耳がツーンと痛くなるくらいだ。
ここしばらくは体調は安定している。
秋口の寒くなり始めた頃は、冷えが災いして気分も鬱々としがちだったが、最近はやっと身体が慣れてきた。
これから冬に入って、ジョギングもしにくくなるので、今のうちにできるだけ体を作っておきたい。
相変わらず、制作とバイトの淡々とした毎日だ。
たまに染色講座などを挟みつつ。
もう少し本業の方での収入を増やしたいところだが、いまいちうまくいかないものだ。精神的に上向いているタイミングで営業もかけてはいるのだが、単発で終わってしまうので、継続した収入がほしい。
ただ、目的を利益を得ることに特化した制作をしすぎると、作品がダメになってくるし、モチベーションも下がって効率が悪くなるので、匙加減が難しいところ。
ヘタな作品を作るくらいなら、全然関係ないバイトを増やした方がまだマシだ。
日々の収入を得るための作戦と、次の作品の計画を交互に頭の中でぐるぐると考えていたら、気づけば鎖橋まできてしまった。
依子の住む9区からは5キロ弱くらいだ。
ジョギングで一気に走るにはキツい距離だが、歩いてみればそれほどでもない。歩きだと、普段はすぐ通り過ぎるたくさんの店や、オフィスビル、住宅のファサードなども楽しめていいな、と思った。
今通り過ぎたベーカリーは、早朝からそこそこに賑わっていて、街の住民や、通勤客と思しき人々の出入りも頻繁だ。
香ばしいパンのにおいが漂ってくる。
おいしそう。
ウインドウから見えたあのパリパリクロワッサン、田中さん喜ぶんじゃないかな。ふと、譲治の顔が思い浮かんだ。
あまり考えず、LINEしてみる。
「おはようございます。起きてますか。」
起きてないかもね、と返事はあまり期待せず文章を打つ。
これから王宮の丘にのぼって帰ってくる時に買っていけばちょうどいいか。
「今、朝散歩中なんですが、美味しそうなパン屋さんを見つけました。
自分用に買って行こうと思うんですが、ついでに差し入れしましょうか?」
そして、王宮の丘へ歩き出す。
意外にもすぐに返事が来た。
「おはようございます。僕も今から合流していいですか。」
依子はクスッと1人笑った。前もこんなことあったな。
「のんびり王宮の丘に向かって歩いてます。
どうぞ無理なさらず、ごゆっくり。」
依子は速歩をやめ、ぷらぷらと歩き始めた。
鎖橋の上でしばらく止まって、ドナウの川面を眺める。
秋冬らしいアイスブルーの色味になってきた。
空は明るいが、まだ朝靄が晴れておらず、街は薄く不思議な明るさである。
丘の上まで来るとやはりまだ霧の中。
街も靄に包まれているが、東の方からの日差しで靄は吹き払われ、クリアになり始めている。
幻想的な光景だ。
背後の霧の中から気配がした。
「依子さん」
予想外に近い位置から声を掛けられてびっくりした。
「わっ、びっくり。見えなかった。おはようございます。」
依子はうれしくなった。
譲治は、ゼエゼエ言いながら膝に手をついて喘いでいる。
「えっ、めちゃくちゃ早くないですか?20分くらいしか経ってないですよ?」
大丈夫?と譲治の背中をさすった。
譲治は体を起こすと、持っていたペットボトルの水をごくごく飲んで、ハアハア言いながら声を出した。
「連絡もらってから、1分でウェア着て全力疾走してきました。」
そんな、慌てんでも、と依子は笑いながら言った。
「久しぶりにいい運動になりました。」
そう言って、テラスの石造りの手すりに腕をついて眺めを見る。
2人は並んで何も言わずしばらく景色を眺める。
朝日が雲間から光線のように街に差し込むと、みるみる残りの靄も晴れていった。
朝日で溶けた霜が水滴になって、ブダペストの街はキラキラと照り輝いている。
今日はいい秋晴れになりそうだ。
「きれいですね。」
譲治が言う。
「ほんとにきれい。今日は晴れそうですね。」
依子も心から同意した。
譲治が派手にくしゃみをした。
はい、ティッシュ、と言って依子はポケットから出したティッシュを渡した。
「汗で冷えちゃうから動きましょ。」
依子はそう言って、冷えないように王宮の丘を早足で下りる。
「田中さんはなんか運動部にでも入ってました?」
「一応、中高は陸上部でしたね。中距離やってました。」
へえ、なるほど。それで脚も達者なんだ、依子が感心している。
「依子さんは?」
譲治が聞く。
「私はずっと美術部。
後になって考えるともっといろんなことやっとけばよかったな、て思います。」
てくてくとどんどん歩いて丘を下りた。
鎖橋を渡って街へ戻る。
「ジョギング始めたのも最近なの。
加齢であまりに体調が悪いし、食べられない割に体重は増えるしで、生まれて初めて継続的な運動というものをやっとります。」
依子がおどけて言う。
「お金をかけない自重筋トレとか、ジョギングとか最高よね。」
「あ、ここ!さっき見つけたパン屋さん。あんまり美味しそうだったから。」
そう言った依子と、2人でパン屋に入り、クロワッサンとカフェオレをそれぞれ買う。
焼きたてだから、と言って齧りながら歩く。
「歳とるって切ないわよね。あ、でも田中さんはまだそんなんじゃないか。」
依子はなんだかちょっとアンニュイだ。
「なんかありましたか?」
譲治は心配になった。
「いえ、別に。元気よ。ウォーキングできてるくらいだから。
寒くなってくるとね、ちょっと鬱状態になるのよ。
離婚した後に一回適応障害やっちゃってるからね。
治るっていうより、お腹弱いのと同じで、体質と思って付き合うしかないんだな。」
うっすら微笑みながら依子は言った。
「落ち込んだら呼んでください。LINEでもいいし。」
譲治は思わず言う。
「ご親切にありがとうございます。うんでも大丈夫よ。
自分でなんとかするしかないんだわ。この生活を選んだのは私だから。」
「私、幼稚園くらいの頃から思ってたのよ。なんか自分が嫌いでね。
生きるのってツラいなあって。
でも、自ら放り投げるほどの勇気もないから、与えられた時間を努力して精いっぱい過ごすしかないんだわ。」
依子は表情の消えた顔で前を向いて独り言のように呟く。
「もし、誰かにあげられるなら、もっと生きたいって言ってる人に、私の寿命をそっくりあげるのに。」
「僕も、生きることってつらい、って思いますよ。
でも、誰かと一緒なら人生も捨てたもんじゃないんじゃないかな。」
どっかに行ってしまいそうな依子の顔を見て、譲治は引き止めようと言葉を絞り出す。
我に帰ったような顔で、にっこりすると依子は言う。
「そうね、田中さんはこれから男盛りなんだから!大丈夫よ!」
そして思い出したように、パリパリっと音をさせてクロワッサンをかじった。
居住区の9区エリアに入って、それじゃまた、と2人は別れた。
譲治は依子の表情の抜けたような顔が気になった。
どこかに行ってしまうんじゃないか。
僕の知らない所へ、僕を置いて。
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