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77 ー夜の散歩ー
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帰りの夜道をのんびり歩きながらポツポツと話す。
「婚姻届は大使館に出せばいいみたいだけど、どっちにしろ依子さんのご両親の了解を得ないとだし、無事お許しを得たら、証人欄に書いてもらって、うちの両親の分も書いてもらって持ち帰りましょう。」
「そうね。わかった。」
「多分、来週休みとれると思います。
でも依子さんのお仕事の方は?大丈夫ですか?」
「ごめんね。お休みさせちゃって。私は大丈夫よ。
来月になるとイベントが近くなってくるから、帰国するなら早い方がいいわ。」
「一刻も早く、ってのは僕の希望だし、僕は大丈夫ですよ。
今まで全然休みとってなかったし。」
譲治は依子の腰を抱いて言った。
「ありがとう、譲治くん。」
依子は譲治の目を見て、優しい笑顔で言った。
譲治は立ち止まると、依子の首筋に顔を埋めるように、その耳へと囁く。
「依子さん、今日のあなたはすごく色っぽくて、僕はもう限界なんですが。
早くあなたを食べたい。」
依子は耳に譲治の吐息を感じて、瞬間ぞくっとする。
「譲治くんもすごく素敵だよ。
いつもの普段着を見慣れてるから、そうやってネクタイ締めてスーツ着てると、どきどきする。」
依子は譲治の胸を優しく撫でながら、譲治の目を覗いてそっと囁いた。
真っ直ぐにじっと見つめられて、譲治はどくん、と心臓が踊る。
最初に会った時から、いつも自分の目を真っ直ぐに見て話す依子の、その眼差しに譲治は囚われてきたのだ。
「...早く帰りましょう。」
譲治はそう言って、家路を急いだ。
ーーー
2人の大事な「家」。
アパートの表玄関を開けて、急いで2階の部屋へ駆け上がる。
譲治は部屋の鍵を開けて、その鍵を玄関脇の所定の受け皿へ投げ入れると、すぐ後について入ってきた依子の腕を引っ張って、そばの壁に押し付ける。
間髪入れずに、深く口付けた。
依子も待っていたかのように、譲治の忙しない口付けに応える。
コツリと譲治の眼鏡が当たった。
譲治がむしり取るように急いで外して、鍵を入れていた皿に一緒に投げ入れた。
何度も離しては角度を変えて、お互いの口の中を探り、舌を絡ませる。
あまりに夢中になって、じきに息が切れてくる。
譲治が依子の唇だけでなく、顔中に、そして耳から首筋にキスを降らせるので、依子も同じように唇が届く範囲の限り、譲治の頬や顎、喉仏に口付ける。
ふと息継ぎをする時に見ると、譲治の顔にもワイシャツの襟にも依子の真っ赤な口紅がついてしまっている。
「やだ! 口紅がこんなについちゃって...」
依子は慌ててなんとかしようと周囲を見回して拭けるものを探す。
そんな依子の顔に譲治は優しく手をあてて自分の方を向かせる。
「気にしないでいい。僕、むしろ興奮する。
もっと僕を汚して。依子さんの色に染められたい。」
そう言って、自分の首元のネクタイを緩めて、シャツのボタンを外した。
「...譲治くん...」
依子は譲治のちょっとアブノーマル味を増した色気にあてられて言葉も出ず、ただ言いなりになる。
譲治は依子の体に沿わせながら両手を下ろしていき、その場に跪く。
そして依子のワンピースのスリットから手を差し入れ、足を撫で回しながら、スカートをたくしあげていった。
依子のショーツが見えるほどの位置までスカートを捲り上げたところで、譲治が声を出す。
「うわ...」
そして、手で口元を押さえている。
「なんですかこれ。エロすぎでしょ...心臓止まるかと思った。」
「えっ? なんで? ニーハイストッキングのこと?
私、お腹締め付けられると、具合悪くなっちゃうから、だいたい腿丈なのよ? 特に他意はなく...」
最高です、と言いながら譲治は、黒いストッキングのレースに縁取られた腿丈の際に口付ける。
「現実にこんな色っぽい人が僕のものだなんて夢みたいだ...」
そう呟きながら、依子の太腿を撫で回し、さらにスカートを捲って、ショーツも顕にする。
依子は下着も全て黒に統一していたようで、ペチコートもショーツもレースが使われた繊細な作りだった。
ショーツも腰紐の部分がごく細く生地部分が少ない。
それを見て譲治はさらに脈が速くなる。
もう我慢できず、肌が見えている場所全てに口付けを落とす。
唇で甘噛みしては、舐め摩る。
「ん...ねえ、譲治くん...お風呂入ってないから...ねえっ...」
譲治は唇での愛撫を止めずに言う。
「どんな時の依子さんも僕は好きです。
いつだって押し倒したいのを我慢してるんだから。
逆に聞きますけど、僕がお風呂入ってないからって依子さんだったらここでやめる?」
「...ううん。やめない。むしろそのままがいい。興奮するもの。」
依子は素直に答えてしまう。
「でしょ? 僕だってそうです。 そのままのあなたが欲しい。」
そう言うと譲治は立ち上がって、依子の目を見ながらショーツの隙間から手を入れて、指で依子の襞を探る。
「あっ、んん...」
依子は身を捩って悶える。
「ああ、依子さん...もうこんなに...あなたが溢れてる...」
譲治は、依子の耳に熱いため息と共にそう呟く。
譲治は左手で依子の片足を持ち上げて、右手で器用に自分のズボンの前をくつろげて、既に限界まで昂っている自らを引っ張り出した。
依子のショーツを片側に寄せながら、先走りを流している自分を、紅く熟れた襞に擦り付ける。
依子の襞は既に蜜液でぐしょぐしょに濡れ、熱く膨らんでいた。
譲治は昂りを擦り付け、腰を動かしながらゆっくり、依子の襞を愛撫する。
そのまま、また依子に深く口付けする。
舌を絡ませながら延々と。
そのうち依子が我慢できなくなってくる。
自分の指を噛んで声を殺している。
そして喉元へ手を滑らせる。
依子の白い肌にワイン色のネイルが艶めかしく映える。
依子の爪は、仕事のためにいつだって短く切り揃えられている。
今まで色がついたのを見たこともなかった。
だが今夜は、その爪がワイン色に染められ、幾分筋張った依子の手に、妙に強烈な色気を添えていた。
その手が、苦しいように自分の喉元を押さえている。
譲治はそれを見て、自分も喉元が締め付けられるような、ひどく切なく苦しい気分になってきた。
「ね...ねえ...譲治くん...もう...
私...欲しい。 お願い...」
依子は目に涙を浮かべながら譲治を求める。
「せっかくのドレス汚しちゃう...」
譲治は少し躊躇する。
「譲治くんだって、僕を汚して、ってさっき言ったわ。」
そして依子は譲治の首に腕を回して、譲治の唇に自分の唇を擦らせながら言う。
「お願い。私を汚して...
私をめちゃくちゃにして...全部、あなたのものにして...」
それを聞いて、譲治の理性は吹っ飛ぶ。
性急に依子の蜜壺の中に、自らを捩じ込んだ。
「ああああっっ!!」
譲治が激しく挿入すると、それだけで依子は絶頂してしまった。
譲治の首にしがみつきながら、叫ぶ。
依子の内壁が強烈に譲治を締め上げる。
譲治は歯を食いしばりながら、依子を壁に押し付けて、上の方へ深く深く突き上げる。依子の自重で、いきなり最奥へと突き刺さる。何度も何度も。
激しい快感に依子は叫び続けている。
譲治は自らの昂りの先端に、依子の最奥を感じると、我慢していた分、いよいよ限界だった。
いつもより下がってきているような子宮口のしこりを、ピンポイントで責め立てる。
「ああっ...ああっ、依子さん...もうダメだ。 出すよ...? いいね?」
「あんっ...あんっ...うん...おねがい...おねがい、ぜんぶ、ちょうだい...」
「ふっ...ぐ...」
譲治はうめき声をあげて、我慢していた白い衝動を解き放った。
はあ、はあっ...と息を荒げながらも、絶対に離れるまいと、さらに深く、脱力した依子に沈みこむ。
まだ呼吸が荒いながらも、ゆるゆると腰を動かしながら、譲治は器用に依子の背中のジッパーを下げて、ワンピースの上半身を脱がせにかかる。
首のボタンを外して、デコルテを顕にし、肩を剥き出し、袖を抜いていく。
繊細な生地でできたワンピースは腰の辺りにしゅわしゅわとかたまる。
下に着ていたのは、やはり黒のキャミソールとレース使いのいつもより生地が少ないブラジャーだった。
その光景にまたもや譲治は昂ってくる。
急いでブラの肩紐を外して、カップを下にずりさげる。
胸をむき出しにして、吸い付いた。
「ああっ...あん...あんっ!」
ぐったりしていた依子がまた身悶えし始める。
浅く譲治が突いていた依子の蜜壺はまた新たな潤みが溢れ、ぎゅるぎゅると不規則に動き始めた。
譲治は、依子のお尻を両手で抱え持って、足を腰に巻き付けさせた。
「ベッドに行くよ。掴まってて。」
そう言って、そのまま寝室へ依子を運ぶ。
譲治が歩く振動が、そのまま依子の内壁と最奥に伝わり、深い快感が依子を貫く。
どさり、とベッドへ依子を下ろしながら、譲治は抜けてしまわないように、自らも体を重ねる。 依子の体を二つ折りにして、真上から激しく突き込んだ。
「はあっ...はあっ、依子さん...依子さん、どうしてそんなに色っぽいの。
僕はおかしくなりそうだ...」
譲治は腰を忙しなく動かしながらも、未だ黒いストッキングに包まれた依子の足を撫で回し、唇を這わせ、レースに縁取られた太腿を撫で摩る。
「ああっ、あっ、あっ! んんっ...譲治くんがそうさせるのよ...」
喘ぎながらやっと依子は答える。
譲治は腰を激しく動かしながら、依子の頭を胸に抱え込み両腕で閉じ込める。
依子はまだ服を着たままの譲治に取り縋り、そのベストをぎゅっと掴む。
緩めて肌が見えている喉元に唇を押し付けた。
依子は、口付けた譲治の喉元に舌を這わして舐め、齧り付いた。
喉元にちり、と濡れた刺激を感じて譲治は堪らず、ラストスパートの重い突きを繰り出す。
「ああ...依子さん...ダメだ!...」
譲治の昂りが、依子の最奥の行き止まりにぎゅうと押し付けられ、膨張する。
依子は声にならない押し殺した叫びをあげながら、譲治の肌にさらに歯を食い込ませた。
その痛みに譲治は爆発した。
ーーー
重なり合ったまま、しばらく経ってようやく、息が落ちつく。
譲治は出したものがこれ以上依子のワンピースを汚さないよう、そっと抜いてベッドサイドのタオルを取ってあてた。
最近はいつも、畳んだタオルを入れた籠をベッドサイドテーブルの下に、常備してある。
毎度毎度譲治が尋常じゃない量を依子に出してしまうから。
「依子さん、ごめん。ワンピースぐちゃぐちゃに...」
「私だって、譲治くんのシャツに口紅...ベストもしわくちゃにしちゃったし、ズボンも...」
「まあ、しれっとクリーニングに出せばいいでしょ。」
譲治は飄々と言う。
「...恥ずかしい...後で軽くタオルでたたいとくわ。」
依子は顔を赤くして言う。
「とりあえずお風呂入りましょうか」
そう言って譲治は、依子の手を取って起こし、お風呂場へと運んだのだった。
ーーー
2人は乱れた服を脱いで、温かなシャワーの下に入る。
お互いに洗い合ってその感触に酔う。
「ごめんね。口紅...」
依子は石鹸で、紅く染まった譲治の肌を擦る。
「さっき鏡でちらっと見たけど、自分の肌につきまくったあなたの口紅の跡が、めちゃくちゃいやらしくて、最高だった。」
そして自分の胸を洗っていた依子の手をとり、石鹸を落としてその指を口に咥えて吸う。
「このマニキュアも。すごくいい。さっきの黒い下着も。
もっといやらしい下着でもいいよ。」
依子の指を舐め回しながら言う。
「えっと...喜んでもらえたのかな? それならうれしい。
でもたまにするから刺激的でいいんじゃないの?」
依子は指で譲治の口内の感触にムズムズとした快感を得ながら、笑って言った。
「そっか。じゃ、たまにでいいんで、また着てみて。
あっ、もっといやらしい下着買ってあげます。」
譲治が真面目に言う。
もう、と依子は笑った。
そうして2人はお風呂を出ると、また念入りにお互いの体を探索し貪って、何度も絶頂を極め、明け方やっと気を失うように眠りについたのだった。
「婚姻届は大使館に出せばいいみたいだけど、どっちにしろ依子さんのご両親の了解を得ないとだし、無事お許しを得たら、証人欄に書いてもらって、うちの両親の分も書いてもらって持ち帰りましょう。」
「そうね。わかった。」
「多分、来週休みとれると思います。
でも依子さんのお仕事の方は?大丈夫ですか?」
「ごめんね。お休みさせちゃって。私は大丈夫よ。
来月になるとイベントが近くなってくるから、帰国するなら早い方がいいわ。」
「一刻も早く、ってのは僕の希望だし、僕は大丈夫ですよ。
今まで全然休みとってなかったし。」
譲治は依子の腰を抱いて言った。
「ありがとう、譲治くん。」
依子は譲治の目を見て、優しい笑顔で言った。
譲治は立ち止まると、依子の首筋に顔を埋めるように、その耳へと囁く。
「依子さん、今日のあなたはすごく色っぽくて、僕はもう限界なんですが。
早くあなたを食べたい。」
依子は耳に譲治の吐息を感じて、瞬間ぞくっとする。
「譲治くんもすごく素敵だよ。
いつもの普段着を見慣れてるから、そうやってネクタイ締めてスーツ着てると、どきどきする。」
依子は譲治の胸を優しく撫でながら、譲治の目を覗いてそっと囁いた。
真っ直ぐにじっと見つめられて、譲治はどくん、と心臓が踊る。
最初に会った時から、いつも自分の目を真っ直ぐに見て話す依子の、その眼差しに譲治は囚われてきたのだ。
「...早く帰りましょう。」
譲治はそう言って、家路を急いだ。
ーーー
2人の大事な「家」。
アパートの表玄関を開けて、急いで2階の部屋へ駆け上がる。
譲治は部屋の鍵を開けて、その鍵を玄関脇の所定の受け皿へ投げ入れると、すぐ後について入ってきた依子の腕を引っ張って、そばの壁に押し付ける。
間髪入れずに、深く口付けた。
依子も待っていたかのように、譲治の忙しない口付けに応える。
コツリと譲治の眼鏡が当たった。
譲治がむしり取るように急いで外して、鍵を入れていた皿に一緒に投げ入れた。
何度も離しては角度を変えて、お互いの口の中を探り、舌を絡ませる。
あまりに夢中になって、じきに息が切れてくる。
譲治が依子の唇だけでなく、顔中に、そして耳から首筋にキスを降らせるので、依子も同じように唇が届く範囲の限り、譲治の頬や顎、喉仏に口付ける。
ふと息継ぎをする時に見ると、譲治の顔にもワイシャツの襟にも依子の真っ赤な口紅がついてしまっている。
「やだ! 口紅がこんなについちゃって...」
依子は慌ててなんとかしようと周囲を見回して拭けるものを探す。
そんな依子の顔に譲治は優しく手をあてて自分の方を向かせる。
「気にしないでいい。僕、むしろ興奮する。
もっと僕を汚して。依子さんの色に染められたい。」
そう言って、自分の首元のネクタイを緩めて、シャツのボタンを外した。
「...譲治くん...」
依子は譲治のちょっとアブノーマル味を増した色気にあてられて言葉も出ず、ただ言いなりになる。
譲治は依子の体に沿わせながら両手を下ろしていき、その場に跪く。
そして依子のワンピースのスリットから手を差し入れ、足を撫で回しながら、スカートをたくしあげていった。
依子のショーツが見えるほどの位置までスカートを捲り上げたところで、譲治が声を出す。
「うわ...」
そして、手で口元を押さえている。
「なんですかこれ。エロすぎでしょ...心臓止まるかと思った。」
「えっ? なんで? ニーハイストッキングのこと?
私、お腹締め付けられると、具合悪くなっちゃうから、だいたい腿丈なのよ? 特に他意はなく...」
最高です、と言いながら譲治は、黒いストッキングのレースに縁取られた腿丈の際に口付ける。
「現実にこんな色っぽい人が僕のものだなんて夢みたいだ...」
そう呟きながら、依子の太腿を撫で回し、さらにスカートを捲って、ショーツも顕にする。
依子は下着も全て黒に統一していたようで、ペチコートもショーツもレースが使われた繊細な作りだった。
ショーツも腰紐の部分がごく細く生地部分が少ない。
それを見て譲治はさらに脈が速くなる。
もう我慢できず、肌が見えている場所全てに口付けを落とす。
唇で甘噛みしては、舐め摩る。
「ん...ねえ、譲治くん...お風呂入ってないから...ねえっ...」
譲治は唇での愛撫を止めずに言う。
「どんな時の依子さんも僕は好きです。
いつだって押し倒したいのを我慢してるんだから。
逆に聞きますけど、僕がお風呂入ってないからって依子さんだったらここでやめる?」
「...ううん。やめない。むしろそのままがいい。興奮するもの。」
依子は素直に答えてしまう。
「でしょ? 僕だってそうです。 そのままのあなたが欲しい。」
そう言うと譲治は立ち上がって、依子の目を見ながらショーツの隙間から手を入れて、指で依子の襞を探る。
「あっ、んん...」
依子は身を捩って悶える。
「ああ、依子さん...もうこんなに...あなたが溢れてる...」
譲治は、依子の耳に熱いため息と共にそう呟く。
譲治は左手で依子の片足を持ち上げて、右手で器用に自分のズボンの前をくつろげて、既に限界まで昂っている自らを引っ張り出した。
依子のショーツを片側に寄せながら、先走りを流している自分を、紅く熟れた襞に擦り付ける。
依子の襞は既に蜜液でぐしょぐしょに濡れ、熱く膨らんでいた。
譲治は昂りを擦り付け、腰を動かしながらゆっくり、依子の襞を愛撫する。
そのまま、また依子に深く口付けする。
舌を絡ませながら延々と。
そのうち依子が我慢できなくなってくる。
自分の指を噛んで声を殺している。
そして喉元へ手を滑らせる。
依子の白い肌にワイン色のネイルが艶めかしく映える。
依子の爪は、仕事のためにいつだって短く切り揃えられている。
今まで色がついたのを見たこともなかった。
だが今夜は、その爪がワイン色に染められ、幾分筋張った依子の手に、妙に強烈な色気を添えていた。
その手が、苦しいように自分の喉元を押さえている。
譲治はそれを見て、自分も喉元が締め付けられるような、ひどく切なく苦しい気分になってきた。
「ね...ねえ...譲治くん...もう...
私...欲しい。 お願い...」
依子は目に涙を浮かべながら譲治を求める。
「せっかくのドレス汚しちゃう...」
譲治は少し躊躇する。
「譲治くんだって、僕を汚して、ってさっき言ったわ。」
そして依子は譲治の首に腕を回して、譲治の唇に自分の唇を擦らせながら言う。
「お願い。私を汚して...
私をめちゃくちゃにして...全部、あなたのものにして...」
それを聞いて、譲治の理性は吹っ飛ぶ。
性急に依子の蜜壺の中に、自らを捩じ込んだ。
「ああああっっ!!」
譲治が激しく挿入すると、それだけで依子は絶頂してしまった。
譲治の首にしがみつきながら、叫ぶ。
依子の内壁が強烈に譲治を締め上げる。
譲治は歯を食いしばりながら、依子を壁に押し付けて、上の方へ深く深く突き上げる。依子の自重で、いきなり最奥へと突き刺さる。何度も何度も。
激しい快感に依子は叫び続けている。
譲治は自らの昂りの先端に、依子の最奥を感じると、我慢していた分、いよいよ限界だった。
いつもより下がってきているような子宮口のしこりを、ピンポイントで責め立てる。
「ああっ...ああっ、依子さん...もうダメだ。 出すよ...? いいね?」
「あんっ...あんっ...うん...おねがい...おねがい、ぜんぶ、ちょうだい...」
「ふっ...ぐ...」
譲治はうめき声をあげて、我慢していた白い衝動を解き放った。
はあ、はあっ...と息を荒げながらも、絶対に離れるまいと、さらに深く、脱力した依子に沈みこむ。
まだ呼吸が荒いながらも、ゆるゆると腰を動かしながら、譲治は器用に依子の背中のジッパーを下げて、ワンピースの上半身を脱がせにかかる。
首のボタンを外して、デコルテを顕にし、肩を剥き出し、袖を抜いていく。
繊細な生地でできたワンピースは腰の辺りにしゅわしゅわとかたまる。
下に着ていたのは、やはり黒のキャミソールとレース使いのいつもより生地が少ないブラジャーだった。
その光景にまたもや譲治は昂ってくる。
急いでブラの肩紐を外して、カップを下にずりさげる。
胸をむき出しにして、吸い付いた。
「ああっ...あん...あんっ!」
ぐったりしていた依子がまた身悶えし始める。
浅く譲治が突いていた依子の蜜壺はまた新たな潤みが溢れ、ぎゅるぎゅると不規則に動き始めた。
譲治は、依子のお尻を両手で抱え持って、足を腰に巻き付けさせた。
「ベッドに行くよ。掴まってて。」
そう言って、そのまま寝室へ依子を運ぶ。
譲治が歩く振動が、そのまま依子の内壁と最奥に伝わり、深い快感が依子を貫く。
どさり、とベッドへ依子を下ろしながら、譲治は抜けてしまわないように、自らも体を重ねる。 依子の体を二つ折りにして、真上から激しく突き込んだ。
「はあっ...はあっ、依子さん...依子さん、どうしてそんなに色っぽいの。
僕はおかしくなりそうだ...」
譲治は腰を忙しなく動かしながらも、未だ黒いストッキングに包まれた依子の足を撫で回し、唇を這わせ、レースに縁取られた太腿を撫で摩る。
「ああっ、あっ、あっ! んんっ...譲治くんがそうさせるのよ...」
喘ぎながらやっと依子は答える。
譲治は腰を激しく動かしながら、依子の頭を胸に抱え込み両腕で閉じ込める。
依子はまだ服を着たままの譲治に取り縋り、そのベストをぎゅっと掴む。
緩めて肌が見えている喉元に唇を押し付けた。
依子は、口付けた譲治の喉元に舌を這わして舐め、齧り付いた。
喉元にちり、と濡れた刺激を感じて譲治は堪らず、ラストスパートの重い突きを繰り出す。
「ああ...依子さん...ダメだ!...」
譲治の昂りが、依子の最奥の行き止まりにぎゅうと押し付けられ、膨張する。
依子は声にならない押し殺した叫びをあげながら、譲治の肌にさらに歯を食い込ませた。
その痛みに譲治は爆発した。
ーーー
重なり合ったまま、しばらく経ってようやく、息が落ちつく。
譲治は出したものがこれ以上依子のワンピースを汚さないよう、そっと抜いてベッドサイドのタオルを取ってあてた。
最近はいつも、畳んだタオルを入れた籠をベッドサイドテーブルの下に、常備してある。
毎度毎度譲治が尋常じゃない量を依子に出してしまうから。
「依子さん、ごめん。ワンピースぐちゃぐちゃに...」
「私だって、譲治くんのシャツに口紅...ベストもしわくちゃにしちゃったし、ズボンも...」
「まあ、しれっとクリーニングに出せばいいでしょ。」
譲治は飄々と言う。
「...恥ずかしい...後で軽くタオルでたたいとくわ。」
依子は顔を赤くして言う。
「とりあえずお風呂入りましょうか」
そう言って譲治は、依子の手を取って起こし、お風呂場へと運んだのだった。
ーーー
2人は乱れた服を脱いで、温かなシャワーの下に入る。
お互いに洗い合ってその感触に酔う。
「ごめんね。口紅...」
依子は石鹸で、紅く染まった譲治の肌を擦る。
「さっき鏡でちらっと見たけど、自分の肌につきまくったあなたの口紅の跡が、めちゃくちゃいやらしくて、最高だった。」
そして自分の胸を洗っていた依子の手をとり、石鹸を落としてその指を口に咥えて吸う。
「このマニキュアも。すごくいい。さっきの黒い下着も。
もっといやらしい下着でもいいよ。」
依子の指を舐め回しながら言う。
「えっと...喜んでもらえたのかな? それならうれしい。
でもたまにするから刺激的でいいんじゃないの?」
依子は指で譲治の口内の感触にムズムズとした快感を得ながら、笑って言った。
「そっか。じゃ、たまにでいいんで、また着てみて。
あっ、もっといやらしい下着買ってあげます。」
譲治が真面目に言う。
もう、と依子は笑った。
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私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
おじさんは予防線にはなりません
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
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「俺はただの……ただのおじさんだ」
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4月から私が派遣された職場はとてもキラキラしたところだったけれど。
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「おじさんでよかったら、いつでも相談に乗るから」
そう声をかけてくれたおじさんは唯一、頼れそうでした。
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表紙
巴世里様
Twitter@parsley0129
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