14 / 23
第十四話:反撃の狼煙と帝都の檻
しおりを挟む
隠れ家の窓から差し込む朝の光が、私たちの疲労を容赦なく照らし出した。
昨夜の、死と隣り合わせの逃亡劇が、まるで遠い昔のことのようだ。
テーブルの上には、私たちが命懸けで持ち帰った、一冊の裏帳簿。
それが、この静かな朝の、唯一の戦果だった。
「……すごいな。思った以上の収穫だ」
ジュリアンは、徹夜で帳簿を読み解き、感嘆の声を漏らした。
その顔は疲労困憊だったが、瞳は、獲物を見つけた狩人のように、鋭く輝いている。
帳簿には、ギルド長グレッグが、数十年にわたり、いかにして帝国の富を吸い上げ、その大半を宰相オルダスの私腹へと流していたか、その詳細が、克明に記されていた。
「これだけの証拠があれば、ギルド長を失脚させるのは容易い。だが、ただ公表するだけでは、オルダスは、蜥蜴の尻尾切りのように、グレッグを切り捨てて終わらせるだろう」
「では、どうするのですか?」
「この情報を、外科手術のように、使う。オルダスの権力基盤に、内側から亀裂を入れるんだ」
ジュリアンの戦略は、明快だった。
彼は、腹心の部下であるエリアスを通じて、帳簿に記された情報を、匿名で、特定の人物たちに「漏洩」させるという。
最初の標的は、オルダス派の重鎮でありながら、強欲で臆病なことで知られる、辺境伯。
彼には、ギルド長が、辺境伯との共同事業の利益を、掠め取っていた証拠だけを送る。
次の標的は、帝国の騎士団総長。
彼は、曲がったことを嫌う、高潔な軍人だが、オルダスの権力の前には、沈黙を守ってきた。
彼には、オルダスが、ギルドからの裏金で、正規軍とは別に、強力な私兵団を組織しているという証拠だけを送る。
それは、国家への、明確な反逆行為に他ならない。
「彼らが、すぐに、我々の味方になるわけではない。だが、疑いの種を植え付けるには、十分だ」
ジュリアンが戦略を語り、私が、膨大な帳簿の中から、それぞれの標的に最も効果的な情報を、瞬時に探し出す。
私たちは、いつしか、阿吽の呼吸で、反撃の牙を研ぎ澄ましていた。
◇
その頃、宰相オルダスの執務室は、彼の怒りによって、氷点下の空気に包まれていた。
目の前には、震えながら平伏する、ギルド長グレッグの姿。
「……それで、まんまと、帳簿を盗まれた、と。この、無能者が」
オルダスの声は、静かだったが、その静けさこそが、彼の激しい怒りを示していた。
「も、申し訳ございません!しかし、侵入者は、シルフィードの古代魔法を使う、手練れでして……!」
「言い訳は聞かん」
オルダスは、グレッグの言葉を、冷たく遮った。
「皇太子の仕業だ。奴が、あの小娘を使って、仕掛けてきた。面白い。ようやく、籠の中の鳥も、牙を剥くことを覚えたらしい」
彼は、椅子に深く座り直すと、控えていたレオンハルトに、目を向けた。
「レオンハルト殿。昨夜の働き、見事であった。だが、賊を取り逃がしたのは、痛恨の極み」
「……面目次第もございません」
レオンハルトは、唇を噛み締めた。
昨夜、屋根の上で見た、あの白銀の髪の少女の姿が、脳裏から離れない。
まさか、あれが、ティナだったとでもいうのか。
いや、そんなはずはない。
「よいか。皇太子は、盗み出した偽の証拠で、私や、善良なギルド長を、貶めようとしている。国家への、許されざる反逆行為だ」
オルダスは、レオンハルトの混乱を、巧みに、憎しみへとすり替えていく。
「奴の狙いは、姫君の力を、完全に我が物にすること。そのために、姫君の忠臣である、君が邪魔なのだ。昨夜の賊にも、君を殺せと命じていたやもしれん」
「……!」
「君に、新たな任務を与える。姫君の信頼を得て、その側に付け。そして、皇太子の次の一手を、探るのだ。姫君を、反逆者の魔の手からお救いするため、これ以外の道はない」
レオンハルトの瞳に、再び、歪んだ使命感の光が宿る。
昨夜の、一瞬の迷いは、もう、そこにはなかった。
◇
数日後、ジュリアンが放った「毒」は、即座に、そして、劇的に、効果を現し始めた。
辺境伯は、ギルド長の屋敷に怒鳴り込み、二人の長年の蜜月に、決定的な亀裂が入った。
騎士団総長は、表立った動きは見せないものの、腹心の部下に、オルダス周辺の金の流れと、兵の動きを、極秘に調査させているという。
「やりましたね、殿下」
隠れ家で、エリアスからの報告を聞き、私は、思わず声を弾ませた。
それは、私たちの、初めての、そして、あまりにも大きな勝利だった。
「ああ。第一段階は、成功だ」
ジュリアンは、満足そうに頷くと、どこからか、古びたパンと、チーズの塊を取り出した。
「ささやかだが、祝杯だ。たまには、腹ごしらえをしないと、戦はできん」
私たちは、床に座り込み、その素朴な食事を、黙々と食べた。
豪華な宮廷料理よりも、ずっと、美味しく感じた。
張り詰めていた空気が、ほんの少しだけ、和らぐ。
この、束の間の平穏が、何よりも、愛おしかった。
その、穏やかな時間を、打ち破るように、扉が、激しくノックされた。
エリアスが、血相を変えて、部屋に飛び込んでくる。
「殿下!一大事です!」
彼の息は、完全に上がっていた。
「たった今、宰相オルダスが、皇帝陛下の名の下、帝都全域に、非常警戒態勢を布告しました!昨夜の『ギルド襲撃事件』を口実に、治安維持のため、と!」
「……何だと?」
ジュリアンの顔色が変わる。
「帝都の、すべての城門は、宰相の私兵団によって封鎖されました。許可なく、蟻一匹、通しません。そして、都の中の巡回兵も、これまでの三倍に増強されています!」
勝利の余韻は、一瞬で、吹き飛んだ。
私たちは、反撃の狼煙を上げた。
だが、その結果、敵は、より強固な、檻を、私たちの周りに作り上げたのだ。
ジュリアンと私は、顔を見合わせる。
帝都は、今や、巨大な牢獄と化した。
そして、私たちは、その中に閉じ込められた、獲物。
オルダスの、反撃が、今、始まろうとしていた。
昨夜の、死と隣り合わせの逃亡劇が、まるで遠い昔のことのようだ。
テーブルの上には、私たちが命懸けで持ち帰った、一冊の裏帳簿。
それが、この静かな朝の、唯一の戦果だった。
「……すごいな。思った以上の収穫だ」
ジュリアンは、徹夜で帳簿を読み解き、感嘆の声を漏らした。
その顔は疲労困憊だったが、瞳は、獲物を見つけた狩人のように、鋭く輝いている。
帳簿には、ギルド長グレッグが、数十年にわたり、いかにして帝国の富を吸い上げ、その大半を宰相オルダスの私腹へと流していたか、その詳細が、克明に記されていた。
「これだけの証拠があれば、ギルド長を失脚させるのは容易い。だが、ただ公表するだけでは、オルダスは、蜥蜴の尻尾切りのように、グレッグを切り捨てて終わらせるだろう」
「では、どうするのですか?」
「この情報を、外科手術のように、使う。オルダスの権力基盤に、内側から亀裂を入れるんだ」
ジュリアンの戦略は、明快だった。
彼は、腹心の部下であるエリアスを通じて、帳簿に記された情報を、匿名で、特定の人物たちに「漏洩」させるという。
最初の標的は、オルダス派の重鎮でありながら、強欲で臆病なことで知られる、辺境伯。
彼には、ギルド長が、辺境伯との共同事業の利益を、掠め取っていた証拠だけを送る。
次の標的は、帝国の騎士団総長。
彼は、曲がったことを嫌う、高潔な軍人だが、オルダスの権力の前には、沈黙を守ってきた。
彼には、オルダスが、ギルドからの裏金で、正規軍とは別に、強力な私兵団を組織しているという証拠だけを送る。
それは、国家への、明確な反逆行為に他ならない。
「彼らが、すぐに、我々の味方になるわけではない。だが、疑いの種を植え付けるには、十分だ」
ジュリアンが戦略を語り、私が、膨大な帳簿の中から、それぞれの標的に最も効果的な情報を、瞬時に探し出す。
私たちは、いつしか、阿吽の呼吸で、反撃の牙を研ぎ澄ましていた。
◇
その頃、宰相オルダスの執務室は、彼の怒りによって、氷点下の空気に包まれていた。
目の前には、震えながら平伏する、ギルド長グレッグの姿。
「……それで、まんまと、帳簿を盗まれた、と。この、無能者が」
オルダスの声は、静かだったが、その静けさこそが、彼の激しい怒りを示していた。
「も、申し訳ございません!しかし、侵入者は、シルフィードの古代魔法を使う、手練れでして……!」
「言い訳は聞かん」
オルダスは、グレッグの言葉を、冷たく遮った。
「皇太子の仕業だ。奴が、あの小娘を使って、仕掛けてきた。面白い。ようやく、籠の中の鳥も、牙を剥くことを覚えたらしい」
彼は、椅子に深く座り直すと、控えていたレオンハルトに、目を向けた。
「レオンハルト殿。昨夜の働き、見事であった。だが、賊を取り逃がしたのは、痛恨の極み」
「……面目次第もございません」
レオンハルトは、唇を噛み締めた。
昨夜、屋根の上で見た、あの白銀の髪の少女の姿が、脳裏から離れない。
まさか、あれが、ティナだったとでもいうのか。
いや、そんなはずはない。
「よいか。皇太子は、盗み出した偽の証拠で、私や、善良なギルド長を、貶めようとしている。国家への、許されざる反逆行為だ」
オルダスは、レオンハルトの混乱を、巧みに、憎しみへとすり替えていく。
「奴の狙いは、姫君の力を、完全に我が物にすること。そのために、姫君の忠臣である、君が邪魔なのだ。昨夜の賊にも、君を殺せと命じていたやもしれん」
「……!」
「君に、新たな任務を与える。姫君の信頼を得て、その側に付け。そして、皇太子の次の一手を、探るのだ。姫君を、反逆者の魔の手からお救いするため、これ以外の道はない」
レオンハルトの瞳に、再び、歪んだ使命感の光が宿る。
昨夜の、一瞬の迷いは、もう、そこにはなかった。
◇
数日後、ジュリアンが放った「毒」は、即座に、そして、劇的に、効果を現し始めた。
辺境伯は、ギルド長の屋敷に怒鳴り込み、二人の長年の蜜月に、決定的な亀裂が入った。
騎士団総長は、表立った動きは見せないものの、腹心の部下に、オルダス周辺の金の流れと、兵の動きを、極秘に調査させているという。
「やりましたね、殿下」
隠れ家で、エリアスからの報告を聞き、私は、思わず声を弾ませた。
それは、私たちの、初めての、そして、あまりにも大きな勝利だった。
「ああ。第一段階は、成功だ」
ジュリアンは、満足そうに頷くと、どこからか、古びたパンと、チーズの塊を取り出した。
「ささやかだが、祝杯だ。たまには、腹ごしらえをしないと、戦はできん」
私たちは、床に座り込み、その素朴な食事を、黙々と食べた。
豪華な宮廷料理よりも、ずっと、美味しく感じた。
張り詰めていた空気が、ほんの少しだけ、和らぐ。
この、束の間の平穏が、何よりも、愛おしかった。
その、穏やかな時間を、打ち破るように、扉が、激しくノックされた。
エリアスが、血相を変えて、部屋に飛び込んでくる。
「殿下!一大事です!」
彼の息は、完全に上がっていた。
「たった今、宰相オルダスが、皇帝陛下の名の下、帝都全域に、非常警戒態勢を布告しました!昨夜の『ギルド襲撃事件』を口実に、治安維持のため、と!」
「……何だと?」
ジュリアンの顔色が変わる。
「帝都の、すべての城門は、宰相の私兵団によって封鎖されました。許可なく、蟻一匹、通しません。そして、都の中の巡回兵も、これまでの三倍に増強されています!」
勝利の余韻は、一瞬で、吹き飛んだ。
私たちは、反撃の狼煙を上げた。
だが、その結果、敵は、より強固な、檻を、私たちの周りに作り上げたのだ。
ジュリアンと私は、顔を見合わせる。
帝都は、今や、巨大な牢獄と化した。
そして、私たちは、その中に閉じ込められた、獲物。
オルダスの、反撃が、今、始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
追放された養女令嬢は、聖騎士団長の腕の中で真実の愛を知る。~元婚約者が自滅する横で、私は最高に幸せになります~
有賀冬馬
恋愛
「お前のような無能な女、私の格が下がるのだよ」
最愛の婚約者だったはずの王子に罵られ、雨の夜に放り出されたエルナ。
すべてを失った彼女が救われたのは、国の英雄である聖騎士団長・レオナードの手によってだった。
虚飾の社交界では見えなかった、本当の価値。
泥にまみれて子供たちを笑顔にするエルナの姿に、レオナードは心を奪われていく。
「君の隣に、私以外の居場所は作らせない」
そんな二人の裏側で、エルナを捨てた王子は破滅へのカウントダウンを始めていた。
さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~
有賀冬馬
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」
婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。
けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。
セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。
「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。
――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる