14 / 22
第十四話:故国の影、そして迫りくる新たな試練
しおりを挟む
グリューンフェルス城での日々は、フィリアにとって、まるで嵐の後の凪のように穏やかで、満ち足りたものだった。
レオンハルト辺境伯の揺るぎない庇護のもと、彼女は少しずつ過去の傷を癒し、心からの笑顔を取り戻しつつあった。
城の広大な図書室で知識を深め、手入れの行き届いた薬草園で新たな薬草の研究に没頭し、そして何よりも、レオンハルトと過ごす穏やかな時間が、彼女の心を温かく満たしていた。
都の市場で見つけた珍しい薬草の知識が、偶然にも領民の子供の病を癒すきっかけとなったり、レオンハルトが政務で頭を悩ませている際に、彼女の何気ない一言が問題解決の糸口となったりと、フィリアは知らず知らずのうちに、このグリューネヴァルト辺境伯領でも、自分の知識と能力を活かせる場所を見つけ始めていた。
レオンハルトもまた、フィリアの聡明さと優しさ、そして時折見せる活発な一面に、ますます強く惹かれていた。
彼女の過去については、依然として謎に包まれたままだったが、彼はそれを詮索することなく、ただ彼女が心を開いてくれる日を辛抱強く待ち続けていた。
二人の間には、言葉にしなくても互いを理解し合えるような、深く穏やかな愛情が育まれつつあった。
しかし、そんな平穏な日々は、ある日突然、不穏な報せによって破られることになる。
その日、騎士団長のゲルハルトが、血相を変えてレオンハルトの執務室へと駆け込んできた。
その手には、ミモザ村を襲った魔物の大量発生に関する、最新の調査報告書が握られている。
「辺境伯様!緊急のご報告がございます!例の魔物襲撃事件の件ですが……驚くべき事実が判明いたしました!」
ゲルハルトの切羽詰まった声に、レオンハルトの表情が険しくなる。
フィリアもまた、偶然その場に居合わせ、胸騒ぎを覚えながらその報告に耳を傾けた。
「森の奥で見つかった祭壇から採取された魔力の残滓、及びそこで使用されていたと思われる呪具の破片を、王都アカデミーの魔術師に依頼して詳細に分析させた結果……その術式が、エルドラード王国の一部の過激な魔術師集団が秘匿しているとされる、極めて危険な禁術の一つと酷似していることが判明いたしました!」
エルドラード王国。
その名を聞いた瞬間、フィリアの背筋を冷たいものが走り、血の気が引いていくのを感じた。
ゲルハルトは続けた。
「さらに、祭壇の周辺で発見された特殊な黒曜石の欠片……これは、エルドラード王国内の、それも王家が管理する特定の鉱山でしか産出されない極めて希少な鉱石であることも確認が取れました。これらの証拠は……今回の魔物襲撃が、エルドラード王国の何者かによって、意図的に引き起こされた可能性が極めて高いことを示しております!」
「なんだと……!?エルドラード王国が、我が領に牙を剥いたというのか……!?」
レオンハルトは、激しい怒りと驚愕に目を見開いた。
フィリアは、その場で立ち尽くし、言葉を失っていた。
自分の故国が……そんな恐ろしいことを……?
信じられない、信じたくない。
しかし、ゲルハルトが提示する証拠は、あまりにも具体的で、否定のしようがなかった。
さらに、追い打ちをかけるように、グリューネヴァルト辺境伯領に潜入させていた密偵からもたらされた、エルドラード王国の現状に関する衝撃的な情報が、レオンハルトに伝えられた。
「エルドラード王国では、ここ数ヶ月、原因不明の魔物の異常発生が国内各地で頻発している模様です。特に国境付近の防衛線は次々と突破され、多くの村や町が魔物の蹂躙に遭い、国土は荒廃。民衆は恐怖に陥り、王都では食料の配給も滞り始め、王国の統治機能は麻痺しつつある、と……。」
その報告は、フィリアにとって、まさに青天の霹靂だった。
自分の故国が、今まさに滅亡の危機に瀕している。
そして、その原因の一端が、自国の誰かの愚かな行いによって、この隣国にまで災厄をもたらしたかもしれない。
(そんな……馬鹿な……!父上も、母上も、そしてアルフレッドやセレスティアも……一体、何を……!?)
怒り、悲しみ、混乱、そして故国の民への言いようのない罪悪感。
様々な感情が、フィリアの胸の中で激しく渦巻いた。
彼女にとってエルドラード王国は、愛憎半ばする存在だった。
理不尽な追放を受け、全てを奪われた憎しみ。
しかし、そこで生まれ育ち、民の幸せを願っていた王女としての誇りと愛情もまた、まだ彼女の心の奥底には残っていたのだ。
レオンハルトは、フィリアの蒼白な顔色と、その瞳に浮かぶ深い苦悩の色を、痛ましい思いで見つめていた。
彼は、フィリアがエルドラード王国の出身であること、そしておそらくは極めて高貴な身分であったことを、ほぼ確信していた。
そして、今回の事件と、彼女の追放には、何か深い繋がりがあるのではないかと。
「……フィリア。大丈夫か。」
レオンハルトは、フィリアの肩にそっと手を置き、できる限り優しい声で語りかけた。
その声には、彼女の心の痛みを分かち合おうとする、深い思いやりが込められていた。
「レオンハルト様……私は……私の故郷が……」
フィリアの声は、震えていた。
レオンハルトは、そんな彼女を力づけるように、しっかりと抱き寄せた。
「今は何も考えなくていい。君は、何も悪くないのだから。だが、この事態は放置できん。エルドラード王国との国境警備を最大限に強化すると共に、今回の事件の黒幕の正体と、その真の目的を、必ず突き止めねばならん。」
レオンハルトは、領主としての厳しい表情に戻り、ゲルハルトに矢継ぎ早に指示を飛ばした。
フィリアは、レオンハルトの温かい腕の中で、激しく揺れ動く自分の心を、必死に抑えようとしていた。
故国の危機。
そして、その原因に関わっているかもしれない、かつて自分を裏切った者たち。
自分は、どうすべきなのか。
ただ嘆き、悲しんでいるだけで良いのだろうか。
いや、違う。
ミモザ村での経験が、彼女に教えてくれたはずだ。
絶望的な状況でも、決して諦めず、自分にできることを見つけ、行動することの重要性を。
フィリアの青い瞳に、徐々にではあるが、新たな決意の光が灯り始めていた。
それは、ただ自分の幸せを求めるだけでなく、この未曾有の危機に対し、エルドラード王国の元王女として、そして一人の人間として、真正面から向き合おうとする、強い意志の光だった。
グリューネヴァルトの都に吹く風は、いつの間にか冷たさを増し、大きな嵐の訪れを予感させていた。
レオンハルト辺境伯の揺るぎない庇護のもと、彼女は少しずつ過去の傷を癒し、心からの笑顔を取り戻しつつあった。
城の広大な図書室で知識を深め、手入れの行き届いた薬草園で新たな薬草の研究に没頭し、そして何よりも、レオンハルトと過ごす穏やかな時間が、彼女の心を温かく満たしていた。
都の市場で見つけた珍しい薬草の知識が、偶然にも領民の子供の病を癒すきっかけとなったり、レオンハルトが政務で頭を悩ませている際に、彼女の何気ない一言が問題解決の糸口となったりと、フィリアは知らず知らずのうちに、このグリューネヴァルト辺境伯領でも、自分の知識と能力を活かせる場所を見つけ始めていた。
レオンハルトもまた、フィリアの聡明さと優しさ、そして時折見せる活発な一面に、ますます強く惹かれていた。
彼女の過去については、依然として謎に包まれたままだったが、彼はそれを詮索することなく、ただ彼女が心を開いてくれる日を辛抱強く待ち続けていた。
二人の間には、言葉にしなくても互いを理解し合えるような、深く穏やかな愛情が育まれつつあった。
しかし、そんな平穏な日々は、ある日突然、不穏な報せによって破られることになる。
その日、騎士団長のゲルハルトが、血相を変えてレオンハルトの執務室へと駆け込んできた。
その手には、ミモザ村を襲った魔物の大量発生に関する、最新の調査報告書が握られている。
「辺境伯様!緊急のご報告がございます!例の魔物襲撃事件の件ですが……驚くべき事実が判明いたしました!」
ゲルハルトの切羽詰まった声に、レオンハルトの表情が険しくなる。
フィリアもまた、偶然その場に居合わせ、胸騒ぎを覚えながらその報告に耳を傾けた。
「森の奥で見つかった祭壇から採取された魔力の残滓、及びそこで使用されていたと思われる呪具の破片を、王都アカデミーの魔術師に依頼して詳細に分析させた結果……その術式が、エルドラード王国の一部の過激な魔術師集団が秘匿しているとされる、極めて危険な禁術の一つと酷似していることが判明いたしました!」
エルドラード王国。
その名を聞いた瞬間、フィリアの背筋を冷たいものが走り、血の気が引いていくのを感じた。
ゲルハルトは続けた。
「さらに、祭壇の周辺で発見された特殊な黒曜石の欠片……これは、エルドラード王国内の、それも王家が管理する特定の鉱山でしか産出されない極めて希少な鉱石であることも確認が取れました。これらの証拠は……今回の魔物襲撃が、エルドラード王国の何者かによって、意図的に引き起こされた可能性が極めて高いことを示しております!」
「なんだと……!?エルドラード王国が、我が領に牙を剥いたというのか……!?」
レオンハルトは、激しい怒りと驚愕に目を見開いた。
フィリアは、その場で立ち尽くし、言葉を失っていた。
自分の故国が……そんな恐ろしいことを……?
信じられない、信じたくない。
しかし、ゲルハルトが提示する証拠は、あまりにも具体的で、否定のしようがなかった。
さらに、追い打ちをかけるように、グリューネヴァルト辺境伯領に潜入させていた密偵からもたらされた、エルドラード王国の現状に関する衝撃的な情報が、レオンハルトに伝えられた。
「エルドラード王国では、ここ数ヶ月、原因不明の魔物の異常発生が国内各地で頻発している模様です。特に国境付近の防衛線は次々と突破され、多くの村や町が魔物の蹂躙に遭い、国土は荒廃。民衆は恐怖に陥り、王都では食料の配給も滞り始め、王国の統治機能は麻痺しつつある、と……。」
その報告は、フィリアにとって、まさに青天の霹靂だった。
自分の故国が、今まさに滅亡の危機に瀕している。
そして、その原因の一端が、自国の誰かの愚かな行いによって、この隣国にまで災厄をもたらしたかもしれない。
(そんな……馬鹿な……!父上も、母上も、そしてアルフレッドやセレスティアも……一体、何を……!?)
怒り、悲しみ、混乱、そして故国の民への言いようのない罪悪感。
様々な感情が、フィリアの胸の中で激しく渦巻いた。
彼女にとってエルドラード王国は、愛憎半ばする存在だった。
理不尽な追放を受け、全てを奪われた憎しみ。
しかし、そこで生まれ育ち、民の幸せを願っていた王女としての誇りと愛情もまた、まだ彼女の心の奥底には残っていたのだ。
レオンハルトは、フィリアの蒼白な顔色と、その瞳に浮かぶ深い苦悩の色を、痛ましい思いで見つめていた。
彼は、フィリアがエルドラード王国の出身であること、そしておそらくは極めて高貴な身分であったことを、ほぼ確信していた。
そして、今回の事件と、彼女の追放には、何か深い繋がりがあるのではないかと。
「……フィリア。大丈夫か。」
レオンハルトは、フィリアの肩にそっと手を置き、できる限り優しい声で語りかけた。
その声には、彼女の心の痛みを分かち合おうとする、深い思いやりが込められていた。
「レオンハルト様……私は……私の故郷が……」
フィリアの声は、震えていた。
レオンハルトは、そんな彼女を力づけるように、しっかりと抱き寄せた。
「今は何も考えなくていい。君は、何も悪くないのだから。だが、この事態は放置できん。エルドラード王国との国境警備を最大限に強化すると共に、今回の事件の黒幕の正体と、その真の目的を、必ず突き止めねばならん。」
レオンハルトは、領主としての厳しい表情に戻り、ゲルハルトに矢継ぎ早に指示を飛ばした。
フィリアは、レオンハルトの温かい腕の中で、激しく揺れ動く自分の心を、必死に抑えようとしていた。
故国の危機。
そして、その原因に関わっているかもしれない、かつて自分を裏切った者たち。
自分は、どうすべきなのか。
ただ嘆き、悲しんでいるだけで良いのだろうか。
いや、違う。
ミモザ村での経験が、彼女に教えてくれたはずだ。
絶望的な状況でも、決して諦めず、自分にできることを見つけ、行動することの重要性を。
フィリアの青い瞳に、徐々にではあるが、新たな決意の光が灯り始めていた。
それは、ただ自分の幸せを求めるだけでなく、この未曾有の危機に対し、エルドラード王国の元王女として、そして一人の人間として、真正面から向き合おうとする、強い意志の光だった。
グリューネヴァルトの都に吹く風は、いつの間にか冷たさを増し、大きな嵐の訪れを予感させていた。
201
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
チート持ちの貧乏令嬢、不幸の先に待っていたのはモフモフな幸せでした。 元婚約者家族が迫ってきますがお呼びではありません!【完結】
迷い人
恋愛
毒親の元に生まれたクリスティア・シルヴァンは、名ばかりの没落侯爵令嬢。 本来誕生と共に封じられる血統魔法『夢渡り』を貧乏だからと封じて貰えなかったお陰で、8歳の割に超生意気。
不気味な子、気味悪いと親はクリスティアをイジメるが……。
流石に食事すら忘れて夫婦イチャイチャしているのだから、イジメの理由なんて言い訳に過ぎないだろう。
ある日、クリスティアの親は気づいた。
コイツ、不気味だけど、利用できる!!
親を嫌うには十分な理由だと思う。
それでも利用され続けるクリスティアには秘密があり、大人達のワガママに我慢を続ける。
そして我慢した先に出会ったのは、モフモフした化け犬?
どんな苦労もこのモフモフと出会うためだったなら……感謝出来るかもしれない……そう思った矢先に、すり寄って来る元婚約者達だった。
『選ばれなかった令嬢は、世界の外で静かに微笑む』
ふわふわ
恋愛
婚約者エステランス・ショウシユウに一方的な婚約破棄を告げられ、
偽ヒロイン・エア・ソフィアの引き立て役として切り捨てられた令嬢
シャウ・エッセン。
「君はもう必要ない」
そう言われた瞬間、彼女は絶望しなかった。
――なぜなら、その言葉は“自由”の始まりだったから。
王宮の表舞台から退き、誰にも選ばれない立場を自ら選んだシャウ。
だが皮肉なことに、彼女が去った後の世界は、少しずつ歪みを正し始める。
奇跡に頼らず、誰かを神格化せず、
一人に負担を押し付けない仕組みへ――
それは、彼女がかつて静かに築き、手放した「考え方」そのものだった。
元婚約者はようやく理解し、
偽ヒロインは役割を降り、
世界は「彼女がいなくても回る場所」へと変わっていく。
復讐も断罪もない。
あるのは、物語の中心から降りるという、最も静かな“ざまぁ”。
これは、
選ばれなかった令嬢が、
誰の期待にも縛られず、
名もなき日々を生きることを選ぶ物語。
「地味な眼鏡女」と婚約破棄されましたが、この国は私の技術で保たれていたようです
水上
恋愛
【全11話完結】
「君は地味で華がない」と婚約破棄されたリル。
国を追放されるが、実は王国は全て彼女の技術で保たれていた!
「俺の世界を鮮やかにしてくれたのは君だ」
目つき最悪と恐れられた辺境伯(実はド近眼)に特製眼鏡を作ったら、隠れた美貌と過保護な愛が炸裂し始めて!?
そして、王都では灯台は消え、食料は腐り、王太子が不眠症で発狂する中、リルは北の辺境で次々と革命を起こしていた。
「君はカビ臭い」と婚約破棄されましたが、辺境伯様いわく、私の知識が辺境を救うのだそうです
水上
恋愛
【全11話完結】
「カビ臭い女だ」と婚約破棄されたレティシア。
だが王都は知らなかった。
彼女こそが国の産業を裏で支える重要人物だったことを!
そして、追放先の地で待っていたのは、周囲から恐れられる強面の辺境伯。
しかし彼は、レティシアの知識を称え、美味しい料理と共に不器用に溺愛してくれて……?
ペニシリンから絶品ワインまで。
菌の力で辺境を大改革!
一方、レティシアがいなくなったことで、王都では様々な問題が起き始め……。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
婚約破棄されて去ったら、私がいなくても世界は回り始めました
鷹 綾
恋愛
「君との婚約は破棄する。聖女フロンこそが、真に王国を導く存在だ」
王太子アントナン・ドームにそう告げられ、
公爵令嬢エミー・マイセンは、王都を去った。
彼女が担ってきたのは、判断、調整、責任――
国が回るために必要なすべて。
だが、それは「有能」ではなく、「依存」だった。
隣国へ渡ったエミーは、
一人で背負わない仕組みを選び、
名前が残らない判断の在り方を築いていく。
一方、彼女を失った王都は混乱し、
やがて気づく――
必要だったのは彼女ではなく、
彼女が手放そうとしていた“仕組み”だったのだと。
偽聖女フロンの化けの皮が剥がれ、
王太子アントナンは、
「決めた後に立ち続ける重さ」と向き合い始める。
だが、もうエミーは戻らない。
これは、
捨てられた令嬢が復讐する物語ではない。
溺愛で救われる物語でもない。
「いなくても回る世界」を完成させた女性と、
彼女を必要としなくなった国の、
静かで誇り高い別れの物語。
英雄が消えても、世界は続いていく――
アルファポリス女子読者向け
〈静かな婚約破棄ざまぁ〉×〈大人の再生譚〉。
婚約破棄された令嬢は“図書館勤務”を満喫中
かしおり
恋愛
「君は退屈だ」と婚約を破棄された令嬢クラリス。社交界にも、実家にも居場所を失った彼女がたどり着いたのは、静かな田舎町アシュベリーの図書館でした。
本の声が聞こえるような不思議な感覚と、真面目で控えめな彼女の魅力は、少しずつ周囲の人々の心を癒していきます。
そんな中、図書館に通う謎めいた青年・リュカとの出会いが、クラリスの世界を大きく変えていく――
身分も立場も異なるふたりの静かで知的な恋は、やがて王都をも巻き込む運命へ。
癒しと知性が紡ぐ、身分差ロマンス。図書館の窓辺から始まる、幸せな未来の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる