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長編版
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ペンの走る音。背中を覆う温もり。
見上げた先にあるお顔は思案するように、ペンを持つ手がその口元へと運ばれ、またテーブルの上の書類へと戻る。
頭をもたせかければ、その体がびくりと震えて、緩む口元を誤魔化すように眉が寄った。
「……リシュフィ。その……あまりじろじろと見るな。気が散る」
「いやです。殿下のお顔を眺めるのは、とても楽しいのですもの。殿下はわたくしがお側にいては、お嫌ですか?」
わずかに赤らむ目が、無言で逸らされる。
お分かりいただけたようで、なにより。
「か、顔を見るだけならば、そこのソファからでもよくはないか」
「なんとまぁ、往生際の悪い……ここが特等席ですのに」
わざと後ろにゆっくりと倒れてみると、すぐさま片手で胸元へと抱き寄せられる。
その動きに満足して、温かな胸に頬擦りする。
「殿下のお膝の上は、わたくしの特等席ですわ」
殿下は諦めたように、ペンを手放した。
迷惑そうな顔をするくせに、大きな両手は私を落とさないようにか、しっかりと私の体を抱きかかえている。
「あの頃のように太ったままなら、ここにはいられませんわ。痩せたご褒美です。堪能させてくださいませ」
「別にデ……や、痩せていなくとも、いくらでも乗せてやる……」
デブでもと言いかけたな? わずかに焦る殿下に、じっとりと瞳を合わせる。
「…………今のは誘導尋問だぞ! お前、まさかまだ婚約破棄を狙っているのではなかろうな!?」
「いいえ、まさか。そのような企みなどありませんとも」
「くそっ……早く式を挙げなければ……」
お口の悪さは相変わらずだ。
あの卒業パーティーが終わったあと、殿下が取り押さえた男の部屋から私の私物がいくつも見つかったらしい。つまるところあの男は私のストーカーだったのだ。
見つかった私物は殿下がさっさと処分してしまった。お気に入りのものもあったけど、あの時の怒りの炎を背負った殿下に、異を唱えるだけの勇気は私にはなかった。
アンリエッタ嬢のその後は、男爵家を除籍されたということしか教えていただけなかった。一時は同じく殿下に仕えると思っていた少女だ。その後が気にならないわけではないが……彼女も私とはもう関わり合いになりたくないだろうし、私も殿下と彼女を会わせたくはない。どこかで元気にやっていてくれたらいいなと思うだけに留めておこうと思う。
そして私達は無事に卒業し、殿下は陛下へ、すぐにでも式を挙げたいと申し上げられた。
だが、私達はまだ婚約者のままである。
「式は一年も先だとっ!? これ以上待てん……っどうして俺は王太子なのだ……!?」
「無茶苦茶なことを仰って。王太子殿下のご婚姻のお披露目ですのよ。時間がかかるのは分かっていたことでしょうに」
息子可愛い陛下にも一年が最短だと言われたらしい殿下は、事あるごとに私を呼び出されるようになった。
今日のこれは、その抗議でもあるが……逆効果かな?
「そこまで仰るなら、学生の時分に準備を進めておけば、よろしかったのではありませんか?」
会える楽しみはあれど、屋敷からの移動が少々面倒にもなってきている。
同じ王宮に住めば、毎日会えるのに。
「それはお前が! ……い、いやなんでもない」
「わたくしが?」
「なんでもない」
殿下はごまかすように再びペンを取り、書類に向かうが……ペンが進んでいない。
「わたくしがなんです?」
「だから、なんでもないと……ほ、ほら、今日は美味しいカタラーナを用意したぞ。食べてきなさい」
「殿下」
いい加減学んでほしい。私は甘いもので釣れないぞ。
「わたくしが、なんですの?」
一言一言に力を込めて、満点の笑顔を贈る。
数秒ののち、唸りつつも観念したらしい殿下が「お前が……」と口を開いた。
「お前が、破棄しろ破棄しろと言うから、だな……」
風が通り抜けたようだった。
私が婚約を嫌がるから……。
もしも殿下がお披露目を強行してしまえば、式の準備が進む中で婚約を無かったことにするなど私には、いえ、誰にもできることじゃない。
他国からも多くの賓客が招待されるのだ。どれだけ嫌な婚約でも受け入れるしかなくなってしまう。
「わたくしが……逃げられなくなるから、ですわね」
「……逃すつもりなどなかったからな。お前の心が決まるまで、待つくらいのことは、する」
殿下はまるで叱られた仔犬のように耳を垂らしているようだが、これは言いたくなかったことを私に知られてしまったから、しょんぼりとなさっているのだ。
なんという、優しい人。
それなのに私は……。
「殿下……一つ謝罪を、聞いていただけますか」
「……もう、婚約の解消には手遅れだぞ」
私も同じだ。この人の心を、深く傷つけてしまった。
精神年齢が大人の私がデブ呼ばわりされるよりも、まだ幼い殿下が婚約者から破棄を迫られることのほうが、どれだけ辛い思いをさせてしまうか。少し考えれば分かることだったのに。
「申し訳ございませんでした。殿下のお気持ちも考えず、何度も破棄をお願い申し上げて……傷つかれたことも、何度もあったでしょう」
叱られた仔犬はペンを手放し、静かに私を抱き寄せた。
「そんなことはない。俺が、お前を傷つけたのだ。嫌われても仕方ない」
「……夫婦になりますのに、嘘をお言いになるの?」
そっと見上げて言えば、苦笑が返ってきた。
頭を胸に寄せられて、お顔が見えなくなる。
「………………婚約者など名ばかり、と言われた時は……さすがに少し堪えた」
たまらず顔を見たくなって、私を抱く腕から逃れようとするも、強く引き止められた。
諦めて抱きしめる力を強める。
「本当に、申し訳ございませんでした。殿下」
「もう済んだことだ。今、お前はここにいてくれるのだから、俺は幸せ者だ」
優しい言葉をかけられたところで、私のしたことが消えるわけではない。きっと殿下も私に対して同じお気持ちなのだろう。
どうしても落ち込んでしまう。
「……では、お前も俺に償いをくれないか」
落ち込む私を見かねたのか、殿下はそう言って私の体を離した。
やっと見ることのできた殿下のお顔は、とても優しい笑顔を浮かべていて──。
「笑顔を。お前が俺の隣で笑っていてくれることが、俺にはなによりも幸せなことだ」
「……そのようなことで、よろしいの……?」
「ああ。それこそ、俺の特等席だ。お前の笑顔を一番よく見られるここが、俺だけの特等席だろう」
そう言って殿下は私の頰を優しく撫でる。
私は本当に幸せになれるのだと、教えてくれる笑顔と共に。
償いを浮かべて、口を開いた。
「わたくしも、殿下の傷を償います。一生涯かけて」
頰を撫でる手がそっと後頭部へと動き、抱き寄せられる。
殿下のお顔が近づいてきて、その行動の意味を悟り、うるさい心臓を抑えて目を閉じる。しかし唇には何も触れず、息だけがかかった。
「……初めては、きちんと優しくしてやりたかった」
唇から落ちた呟きに、首を傾げた。
「初めてとは、なんです?」
「……強引に奪うものではなかったな、とな。少し、後悔している」
強引、に……?
「……っ」
意味に思い当たって、頬にじわじわと熱が上がった。
確かに、初めてのそれはとても強引で訳が分からなくて、胸が締め付けられるほど苦しいものだった。
けど、それでも殿下はやはり殿下だ。あの日の殿下は、まさに壊れ物に触れるという言葉がぴったりなほど──。
「……とても、優しくしていただきました、と……思いますけれど……」
言葉に出すのは恥ずかしすぎて、ついたどたどしい言葉になってしまった。
それでも、殿下は納得がいかないらしい。しょんぼりとして、まだ仔犬に戻ってしまった。
仕方ないなぁ、もう。
「フェルナンド様。もしよければ、本日の午後のお時間をわたくしにいただけませんか」
「午後か? 構わんよ。のんびりと庭園の散歩にでも行くか?」
「お散歩も良いですけれど……」
殿下の膝を降りて、腰に手を当てて胸を張った。
「町に出ませんか? お忍びデートですわ。先日連れて行っていただいた大通りにある公園で遅いお昼を食べましょう。わたくしが腕によりをかけてお弁当をご用意いたしますわ!」
この間四人で町に出かけたときに、車の窓から見えた公園ではたくさんの家族連れやカップル達が屋台で買った食べ物やお弁当を広げてピクニックをしていた。暖かな公園で楽しく美味しいご飯を食べたら、殿下も元気になるでしょう。
しかし殿下はまるで雷に打たれたかのように目を零れそうなほど見開いて、固まってしまった。「お前が……弁当……?」とのうわ言付きで。
「なんです。わたくしのお弁当に何かご不満でも?」
じろりと睨みつければ殿下は何やら覚悟を決めたように拳を握りしめた。
「大丈夫だ。俺は愛するお前の作ったものなら消し炭でもなんでもすべて一人で平らげるぞ!!」
「…………止めても、良いのですよ」
お忍びデートとやらに未練のあるらしい殿下は取り繕うように弁当を楽しみにしていると連呼し続けて私を城の厨房に放り込み、さっさとお出かけの算段をつけてしまった。……今、ポケットに胃薬を入れなかったか?
……見てなさいよ。
見上げた先にあるお顔は思案するように、ペンを持つ手がその口元へと運ばれ、またテーブルの上の書類へと戻る。
頭をもたせかければ、その体がびくりと震えて、緩む口元を誤魔化すように眉が寄った。
「……リシュフィ。その……あまりじろじろと見るな。気が散る」
「いやです。殿下のお顔を眺めるのは、とても楽しいのですもの。殿下はわたくしがお側にいては、お嫌ですか?」
わずかに赤らむ目が、無言で逸らされる。
お分かりいただけたようで、なにより。
「か、顔を見るだけならば、そこのソファからでもよくはないか」
「なんとまぁ、往生際の悪い……ここが特等席ですのに」
わざと後ろにゆっくりと倒れてみると、すぐさま片手で胸元へと抱き寄せられる。
その動きに満足して、温かな胸に頬擦りする。
「殿下のお膝の上は、わたくしの特等席ですわ」
殿下は諦めたように、ペンを手放した。
迷惑そうな顔をするくせに、大きな両手は私を落とさないようにか、しっかりと私の体を抱きかかえている。
「あの頃のように太ったままなら、ここにはいられませんわ。痩せたご褒美です。堪能させてくださいませ」
「別にデ……や、痩せていなくとも、いくらでも乗せてやる……」
デブでもと言いかけたな? わずかに焦る殿下に、じっとりと瞳を合わせる。
「…………今のは誘導尋問だぞ! お前、まさかまだ婚約破棄を狙っているのではなかろうな!?」
「いいえ、まさか。そのような企みなどありませんとも」
「くそっ……早く式を挙げなければ……」
お口の悪さは相変わらずだ。
あの卒業パーティーが終わったあと、殿下が取り押さえた男の部屋から私の私物がいくつも見つかったらしい。つまるところあの男は私のストーカーだったのだ。
見つかった私物は殿下がさっさと処分してしまった。お気に入りのものもあったけど、あの時の怒りの炎を背負った殿下に、異を唱えるだけの勇気は私にはなかった。
アンリエッタ嬢のその後は、男爵家を除籍されたということしか教えていただけなかった。一時は同じく殿下に仕えると思っていた少女だ。その後が気にならないわけではないが……彼女も私とはもう関わり合いになりたくないだろうし、私も殿下と彼女を会わせたくはない。どこかで元気にやっていてくれたらいいなと思うだけに留めておこうと思う。
そして私達は無事に卒業し、殿下は陛下へ、すぐにでも式を挙げたいと申し上げられた。
だが、私達はまだ婚約者のままである。
「式は一年も先だとっ!? これ以上待てん……っどうして俺は王太子なのだ……!?」
「無茶苦茶なことを仰って。王太子殿下のご婚姻のお披露目ですのよ。時間がかかるのは分かっていたことでしょうに」
息子可愛い陛下にも一年が最短だと言われたらしい殿下は、事あるごとに私を呼び出されるようになった。
今日のこれは、その抗議でもあるが……逆効果かな?
「そこまで仰るなら、学生の時分に準備を進めておけば、よろしかったのではありませんか?」
会える楽しみはあれど、屋敷からの移動が少々面倒にもなってきている。
同じ王宮に住めば、毎日会えるのに。
「それはお前が! ……い、いやなんでもない」
「わたくしが?」
「なんでもない」
殿下はごまかすように再びペンを取り、書類に向かうが……ペンが進んでいない。
「わたくしがなんです?」
「だから、なんでもないと……ほ、ほら、今日は美味しいカタラーナを用意したぞ。食べてきなさい」
「殿下」
いい加減学んでほしい。私は甘いもので釣れないぞ。
「わたくしが、なんですの?」
一言一言に力を込めて、満点の笑顔を贈る。
数秒ののち、唸りつつも観念したらしい殿下が「お前が……」と口を開いた。
「お前が、破棄しろ破棄しろと言うから、だな……」
風が通り抜けたようだった。
私が婚約を嫌がるから……。
もしも殿下がお披露目を強行してしまえば、式の準備が進む中で婚約を無かったことにするなど私には、いえ、誰にもできることじゃない。
他国からも多くの賓客が招待されるのだ。どれだけ嫌な婚約でも受け入れるしかなくなってしまう。
「わたくしが……逃げられなくなるから、ですわね」
「……逃すつもりなどなかったからな。お前の心が決まるまで、待つくらいのことは、する」
殿下はまるで叱られた仔犬のように耳を垂らしているようだが、これは言いたくなかったことを私に知られてしまったから、しょんぼりとなさっているのだ。
なんという、優しい人。
それなのに私は……。
「殿下……一つ謝罪を、聞いていただけますか」
「……もう、婚約の解消には手遅れだぞ」
私も同じだ。この人の心を、深く傷つけてしまった。
精神年齢が大人の私がデブ呼ばわりされるよりも、まだ幼い殿下が婚約者から破棄を迫られることのほうが、どれだけ辛い思いをさせてしまうか。少し考えれば分かることだったのに。
「申し訳ございませんでした。殿下のお気持ちも考えず、何度も破棄をお願い申し上げて……傷つかれたことも、何度もあったでしょう」
叱られた仔犬はペンを手放し、静かに私を抱き寄せた。
「そんなことはない。俺が、お前を傷つけたのだ。嫌われても仕方ない」
「……夫婦になりますのに、嘘をお言いになるの?」
そっと見上げて言えば、苦笑が返ってきた。
頭を胸に寄せられて、お顔が見えなくなる。
「………………婚約者など名ばかり、と言われた時は……さすがに少し堪えた」
たまらず顔を見たくなって、私を抱く腕から逃れようとするも、強く引き止められた。
諦めて抱きしめる力を強める。
「本当に、申し訳ございませんでした。殿下」
「もう済んだことだ。今、お前はここにいてくれるのだから、俺は幸せ者だ」
優しい言葉をかけられたところで、私のしたことが消えるわけではない。きっと殿下も私に対して同じお気持ちなのだろう。
どうしても落ち込んでしまう。
「……では、お前も俺に償いをくれないか」
落ち込む私を見かねたのか、殿下はそう言って私の体を離した。
やっと見ることのできた殿下のお顔は、とても優しい笑顔を浮かべていて──。
「笑顔を。お前が俺の隣で笑っていてくれることが、俺にはなによりも幸せなことだ」
「……そのようなことで、よろしいの……?」
「ああ。それこそ、俺の特等席だ。お前の笑顔を一番よく見られるここが、俺だけの特等席だろう」
そう言って殿下は私の頰を優しく撫でる。
私は本当に幸せになれるのだと、教えてくれる笑顔と共に。
償いを浮かべて、口を開いた。
「わたくしも、殿下の傷を償います。一生涯かけて」
頰を撫でる手がそっと後頭部へと動き、抱き寄せられる。
殿下のお顔が近づいてきて、その行動の意味を悟り、うるさい心臓を抑えて目を閉じる。しかし唇には何も触れず、息だけがかかった。
「……初めては、きちんと優しくしてやりたかった」
唇から落ちた呟きに、首を傾げた。
「初めてとは、なんです?」
「……強引に奪うものではなかったな、とな。少し、後悔している」
強引、に……?
「……っ」
意味に思い当たって、頬にじわじわと熱が上がった。
確かに、初めてのそれはとても強引で訳が分からなくて、胸が締め付けられるほど苦しいものだった。
けど、それでも殿下はやはり殿下だ。あの日の殿下は、まさに壊れ物に触れるという言葉がぴったりなほど──。
「……とても、優しくしていただきました、と……思いますけれど……」
言葉に出すのは恥ずかしすぎて、ついたどたどしい言葉になってしまった。
それでも、殿下は納得がいかないらしい。しょんぼりとして、まだ仔犬に戻ってしまった。
仕方ないなぁ、もう。
「フェルナンド様。もしよければ、本日の午後のお時間をわたくしにいただけませんか」
「午後か? 構わんよ。のんびりと庭園の散歩にでも行くか?」
「お散歩も良いですけれど……」
殿下の膝を降りて、腰に手を当てて胸を張った。
「町に出ませんか? お忍びデートですわ。先日連れて行っていただいた大通りにある公園で遅いお昼を食べましょう。わたくしが腕によりをかけてお弁当をご用意いたしますわ!」
この間四人で町に出かけたときに、車の窓から見えた公園ではたくさんの家族連れやカップル達が屋台で買った食べ物やお弁当を広げてピクニックをしていた。暖かな公園で楽しく美味しいご飯を食べたら、殿下も元気になるでしょう。
しかし殿下はまるで雷に打たれたかのように目を零れそうなほど見開いて、固まってしまった。「お前が……弁当……?」とのうわ言付きで。
「なんです。わたくしのお弁当に何かご不満でも?」
じろりと睨みつければ殿下は何やら覚悟を決めたように拳を握りしめた。
「大丈夫だ。俺は愛するお前の作ったものなら消し炭でもなんでもすべて一人で平らげるぞ!!」
「…………止めても、良いのですよ」
お忍びデートとやらに未練のあるらしい殿下は取り繕うように弁当を楽しみにしていると連呼し続けて私を城の厨房に放り込み、さっさとお出かけの算段をつけてしまった。……今、ポケットに胃薬を入れなかったか?
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