失ったなら、取り戻すまで

もるもる

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2話 side.R

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「ノノ!
 大丈夫か?倒れたって聞いたけど。」

「もう、大げさだなぁ。大丈夫だよレイ。心配しないで。
 ちょっと、今日の検診が大変だっただけだから。」

「……そっか。それで、何か思い出せたか?」

「あはは、今日もダメだった。」

「そう、か。そういやさ、こないだ来たあの子、声が戻ったんだって。」

「そうなんだ。じゃあ、ここを出ていくんだね。嬉しいことだけど、ちょっと寂しいね。」

「だな。にしても、俺らはいつになるかな。」

「……、どうだろうね。」

「…、なあ、俺が検診から戻ったら散歩しに行こうぜ。」

「はは、レイはほんとに俺に乗って飛ぶの好きだよね。
 いいよ、待ってる。」

「うるせぇ。んじゃまあ、行ってくるわ。」

「うん、行ってらっしゃい。」

「……なあ、ノノ。」

「どうしたの?遅れるよ。」

「…早く思い出せるといいな。」

「そうだね。レイも早く見えるようになるといいね。」

「だな。なあ、ノノ。」

「まだあるの?ほんとに遅れちゃうよ。」

「約束忘れんなよ。」

「当たり前。早くなくしたものを取り戻して、2人でここを出よう。
 レイもちゃんと、約束守ってね。」









「…………約束、忘れないっていったじゃん。ノノ。」
 頬に伝うなにかと、初めて目に映る天井は見て見ぬふりして、今日もノノを探しに行こう。
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