転生スキル【ぬいぐるみテイム】でふかふかもふもふエルフの森スローライフ!~双子幼女エルフと動くふかふかぬいぐるみとのんびり暮らす~

メルメア

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第11話 星空と星座とぬいぐるみの●●問題

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 あらかた俺の話を聞き終えて、リルは満足げに頷き言った。

「うんうん、やっぱりにんげんのアイデア、おもしろい」
「面白いよな。あいにく、俺は作り方なんてわからないけど」
「だいじょーぶ。ちしきがふえるだけで、すてきなこと」
「何かに活かせそうか?」
「まだ、わからない。でも、アイデアはいくつかできた。これから、じっけん」
「そうかそうか」

 何だかリルなら、俺の話を応用してすごいものを作りそうな気がする。
 ただそのままパクるんじゃなくて、彼女自身にもとからあった知識も合わせながら、新しいものを生み出せそうだ。
 きっとその時には、俺は助手としてこき使われるんだろうけど。

「んっ、そろそろ、よるごはんのじかん」
「おっ、もうそんな時間か。話してたらあっという間だったな」

 窓の外はすっかり暗くなっている。
 あっという間に、異世界2日目の夜が来た。

「うちにかえろう」
「そうだな。あーでもその前に、ぬいぐるみたちにもご飯をあげないと」
「おもしろいはなしのおれいに、てつだってあげる」
「珍し」

 研究所の外に出ると、夜空いっぱいに星が輝いていた。
 絶対に日本の街中では見られない、満天の星空。
 ずっと見ていられる美しい景色だ。

「きれいな星空だなぁ」
「うん。このほしぞら、わたしもすき」
「おっ、あの星の並びはオリオン座に似てるな」
「おりおんざ?」
「オリオン座。人間が考えた星座ってやつだよ。星と星を繋いで、何かに見える形を作るんだ」
「にんげん、やっぱりおもしろい。オリオンざはどれ?」
「ほら、ちょうどあの赤っぽい光の強い星があるだろ? あそこの右下の星から……」

 俺は夜空を見上げ、次々に星を指差す。
 異世界なだけあって、星空も元の世界とはまるで違う。
 あくまでも、オリオン座っぽく見えるってだけだ。

「オリオンって、どういう意味?」
「確か人の名前だったかな。オリオンさん」
「どうしてあれが、ひとなの?」
「さあな。昔の人に聞いてくれ」
「へんなの」

 まあ、どうみても人の形には見えないわな。
 でも星座なんて、だいたいそんなもんだ。
 どこがやねんってのが大半。

「わたしだったら、あのあおいほし。それとから、あれとあれとあれとあれと……」
「何座だ?」
「プヨタローざ」
「まあ、オリオン座よりはそれっぽいな」
「ケントもなにかつくって」
「そうだな……」

 これだけ星があると、もうどうにでも出来そうな気がする。
 言ったもん勝ちみたいな。

「じゃあ、あそこからこう繋いで……」
「うんうん」
「ぎょうざ」
「……ちょっと、いみわかんない」

 ジトっとした目で、リルがこちらを見てくる。
 これはリルが餃子を知らないことによるジト目であり、断じてガキかよコイツつまんなという目ではない……と、信じたい。
 いや実際、死ぬほどつまらないんだけども。

「そういう人間界のお決まりがあるんだよ」
「やっぱり、へんなの」
「でも餃子は美味しいんだぞ」
「食べ物なの?」
「ああ、機会があったら作ってやるよ」
「にんげんのたべもの! ホットケーキもおいしかった」
「そりゃ良かった」

 話しながら歩いていると、コケ子とモー子のところについた。
 あらかじめ用意しておいたエサを、それぞれの前に置いてやる。
 例によって、1羽と1頭はエサをガン見して摂取し始めた。

「おもしろい」
「な。面白いよな、この食べ方」
「そうじゃない」
「え?」

 リルは食事中のコケ子とモー子に近づくと、じろじろ観察を始めた。
 特に背後から、重点的に何か調べているようだ。
 そんなことは意に介さず、ぬいぐるみたちは食事を続ける。

「何が気になったんだ?」
「こんなにたべてるのに、はいせつぶつがない」
「ああ……確かにそうだわ」

 固体にしろ液体にしろ、ぬいぐるみたちが排泄しているのを見たことがない。
 みんなそれなりに食べているから、出ていたっておかしくはないんだけど。

「そもそも、からだにはいせつするばしょがない」
「そりゃまあ、普通のぬいぐるみにそんなもの必要ないからな」

 正直、排泄器官があるぬいぐるみとか買いたくない。
 リルは先ほど、それを確認していたみたいだ。

「ふしぎ」
「んー、こうは考えられないか? ぬいぐるみたちは、食事を全て完璧にエネルギーに変換してる。だから無駄なものが出ない」
「すじはとおってる。でも、だとしたらすごいこと」
「まあな。エネルギー効率100%なんて夢みたいな話だ」
「わたしのそうちも、エネルギーがかだい。これはけんきゅうしたい」
「でも、まさか解体して研究なんてできないしな」
「ぬぬぅ……」

 天才幼女エルフさん、悩みが尽きない。
 でもそれだけ、興味関心も尽きないってことだ。

「がお~」

 リルが再び食事中のぬいぐるみを観察していると、あの気の抜けた鳴き声が聞こえてきた。
 クマゴローだ。
 のっそのそと、夜の闇の向こうからやってくる。

「よっ。腹、減ったか?」
「がお~」
「うおっ! なんかふえてる」
「いやいや、さっきもいたぞ」

 村長の家から引っ張り出された時、クマゴローは俺の横にいた。
 まさかこいつ、見えてなかったのかよ。

「こいつが、俺とミルをモンスターから救ってくれたんだ」
「ぬ!? おそわれたの!?」
「あ、ああ。そういえば、話してなかったよな」

 すっかりこいつのペースに巻き込まれて、そういえば話すのを忘れていた。
 俺はジュースの実を飲んだ辺りから、今日あったことをリルに伝えていく。

「……ってな感じだ。クマゴローもだけど、リルの煙幕にも救われたぞ」
「ふふふー。やくにたった」
「ああ。おかげで、時間の猶予が作れた。そうそう、クマゴローにもエサをやらないとな」
「なにたべるの? にく?」
「いや、雑食だから何でも食べると思うぞ」

 試しに、野菜を目の前に置いてみる。
 するとクマゴローは、ひゅん食いして美味しそうに鳴いた。

「そしたら、またあとでな」
「コケー」
「もぉ~」
「がお~」

 食事中のぬいぐるみたちに別れを告げ、俺たちはリルの家へと歩き出す。
 人間も食事を取らないとな。
 って、人間は俺だけか。

「プヨタローもごはん。おみず」
「ああ、きれいな水をたくさん飲ませてやれ」

 グレイもご飯……ってあれ、グレイがいない。
 さっきまでは一緒にいたんだけどな。
 本当に自由勝手気ままなやつだ。
 隣の幼女エルフもなかなかだけど。
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