転生スキル【ぬいぐるみテイム】でふかふかもふもふエルフの森スローライフ!~双子幼女エルフと動くふかふかぬいぐるみとのんびり暮らす~

メルメア

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第12話 調査とクマゴローの背中と洞窟

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「このところ、モンスターの出没が増えておる」

 俺が異世界に来て、1週間くらいがすぎた頃。
 村の広場にて、話し合いの場が設けられた。
 エルフの中でも、特にハンターたちが集められている。
 この村の猛者たちが、この場所に一堂に会しているわけだ。
 みんなたくましい体つきで、どちらかといえば瘦せ型の俺が余計ひょろがりに見えてしまう。
 落ち着いた静かな雰囲気のシェグさんも、実はめっちゃくちゃムキムキなんだよな。
 眼鏡をかけていることもあって、知的に見えるけどごりごりの武闘派らしい。
 もちろん、頭が弱いってわけじゃないけど。

「みんなが安心して暮らすため、この事象の原因を調査し、モンスターを駆除せねばならん。力を貸してれるな?」
「「「「はい!」」」」

 屈強な男たちが、力強く返事する。
 頼もしいったらありゃしない。

「まずは調査じゃ。森を見回って、何か不審なことがあれば報告してほしい」

 この調査には、俺も協力することになっている。
 俺自身は戦闘能力が高いわけじゃないが、パートナーにクマゴローがいる。
 モンスターを一撃で吹っ飛ばすぬいぐるみが隣にいるなら、安心して調査ができるってもんだ。

「行くか」
「がお~」

 四つん這いのクマゴローと一緒に、森の中の割り当てられた場所へと歩き出す。
 さすがにリルもミルも、この調査には連れてこられない。
 でもリルからは、何かの時のためにと煙幕を受け取った。

「何か生き物が出てきたり、変なものを見つけたりしたら教えてくれな」
「がお~」
「しっかしクマゴロー、相変わらずのふかふかもふもふっぷりだよな」
「がお~。がおがお~?」

 クマゴローは立ち止まると、こちらに背中を差し出してくる。
 もしかして、乗れって言ってるのか?

「乗せてくれるのか?」
「がお~」

 オッケーらしい。
 俺は慎重に、クマゴローの背中にまたがった。
 おおぅ……もふもふぅ……。
 そして、宙に浮いているかのようなふかふか、ふわふわした感覚。
 それでいて、俺の体をしっかり支えてくれている。
 何これ気持ちよすぎるだろ最高。

「がお~」

 一鳴きして、クマゴローが歩き始める。
 ふわふわした感覚はするが、崩れる気配はなく安定している。
 俺だって痩せてるとはいえ決して軽いわけじゃない。
 本当にどこからこのパワーは出てるんだろうか。

「あー、快適快適。最高だよ。ありがとな、クマゴロー」
「がお~」

 ゆっくり歩いてもらいながら、森におかしなところがないか観察する。
 たまに生き物は出てくるけど、それらはただの動物でモンスターではない。
 ちなみに人間に対して過度に攻撃的で、かつ火を噴くみたいな特別な力を使うのが、モンスターに分類されるんだそうだ。
 それ以外はただの動物ってわけだ。

「おっと。クマゴロー、ストップ」
「がお~」

 ここまでは特に異変もなく歩いていたけど、ここでクマゴローに止まってもらう。
 背中から降りると、俺は地面に落ちていたものを拾い上げた。
 骨だ。
 何かの動物の骨。
 それも自然に死んで白骨化したわけじゃなく、何かに食べられた痕跡がある。
 そして聞いたところによると、この辺りに肉食の動物は存在していない。
 ってことは、これを食べたのはおそらく……

「モンスターだな」

 昨日、俺たちが襲われた場所も、ここからそう遠くはない。
 この近くにモンスターがいる可能性は、かなり高そうだ。

「がおっ」

 不意に、クマゴローが小さな声で鳴いた。
 その視線の先を追ってみると……いた。モンスターだ。
 昨日、俺らを襲ったのと同じようなオオカミの姿をしたやつ。
 まだこちらには気付いていないようで、村とは逆の方向へとゆっくり歩いている。

「クマゴロー、後を追うよ」
「がお~」

 こそこそ会話して、俺は再びクマゴローの背中にまたがった。
 何せこの乗り物、全くもって物音がしない。
 ふわっふわっという感じで、足音すらしないのだ。
 尾行にはもってこいといえる。

 モンスターが止まれば、こちらも止まる。
 向こうが歩き始めれば、こちらも追って歩き出す。
 そんな感じで、一定の距離を保ちながら20分ほど移動を続けた。
 そしてモンスターは、ぽっかり口を開けた暗い洞窟の中へと入っていく。
 俺たちも入口までは近づき、そぉっと様子をうかがった。

「うーん、真っ暗だな」
「がお~」
「中に入って調べてみたい気もするんだけど……」

 ここからだと、洞窟の中の様子が分からない。
 中はどんな構造なのか、モンスターは他にもいるのか、どうしてここに入っていったのか。
 いろいろ調べたいことはあるけど、ひとりで突き進むのは危険だな。
 いくらクマゴローがいるとは言っても、洞窟の中と入口とで挟み撃ちなんてことになったら大変だし。
 それに今は初期の調査段階。
 まずはちょっとした異変を見つけて、報告するというステージだ。
 モンスターの巣なのかアジトなのか分からないけど、ここの洞窟に出入りしていると分かっただけで収穫としていいだろう。

「よし、クマゴロー。今日は一旦ここで戻ろう。それで村長に報告だ」
「がお~」
「お前のおかげだよ。ありがとう」
「がおがお~」

 褒められたクマゴローは、嬉しそうに体を揺らす。
 ふかふかの乗り物に揺られて、俺はまったり村へと帰るのだった。
 まあ、モンスターの出没とかいうそんなまったりしてられない状況ではあるんだけど。
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