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第18話 猛獣たちと名付けと出陣
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「強い動物……強い動物……強い動物……」
俺は村の外れで、どんなぬいぐるみをテイムしようか思案する。
クマがすでにいて、あと陸上の強い動物といえば……
やっぱり、ライオンとかトラだよな。
それからゾウ、サイ、カバ、ゴリラなんかも強い。
さらにクマはクマでも、ホッキョクグマがいる。
あとはバイソンなんて凶暴なウシもいたな。
ヘビなんかも侮れない。
アナコンダとか、締め付けられたが最後、ほぼ逃げられないし。
「よし、決まったな」
クマゴローに加えて、これらの猛獣たちをテイムする。
名前だけでがぜん勝てる気がしてくるような、そうそうたるメンバーだ。
言ってみれば、地球の陸上最強生物オールスターズだな。
「【ぬいぐるみテイム】!」
俺は次々に、テイムすると決めた動物を呼びだしていく。
クマゴローを加えて、猛獣が10体勢ぞろいした。
もしこれがリアルの動物だったら、逃げようにも足が動かないレベルの恐怖だろう。
かわいいぬいぐるみだから、ややほんわかした雰囲気にはなっているけど、それでもこれだけ数がそろえば迫力はすごい。
「みんな、聞いてくれ。これから行く場所に、どうしても倒さなきゃいけない敵がいるんだ。手伝ってくれる?」
「がお~」
「ウホッ!」
「ガウッ!」
ぬいぐるみたちは、相次いでやってやろうじゃんという鳴き声を上げる。
心強いったらありゃしない。
こいつらにも名前を付けた方が、親近感が湧くし連携も取りやすいよな。
指示する時に「クマ!」って呼ぶのと、「クマゴロー!」って呼ぶのじゃ気分が違う。
俺だって「人間!」って言われるより、「ケント!」って言われた方が嬉しいし。
でもあんまり複雑なのをつけると、むしろ混乱の原因になる。
多少の分かりやすさもまた、大事な要素のひとつだ。
ライオンのレオ。
トラのティガー。
ゾウのエレファンに、サイのサイドン。
カバのヒポポと、ゴリラのコング。
ホッキョクグマはシロ。
バイソンはヤギュで、アナコンダはスネクだ。
「うん、これでいいな」
ちょっとばかり強引なところはあるけど、それぞれの名前を定める。
ちゃんとした名で呼んであげると、みんな嬉しそうに反応した。
うん、チームワークもバッチリ。
「よし、出発しよう」
猛獣たち、ぬいぐるみ軍団を引き連れて、俺は森の中を進んで行く。
そして洞窟の入口が見えるところまで来て、一旦停止した。
やることは2つ。
モンスターを倒しきることと、あの“エルフ殺し”を消滅させることだ。
「作戦を伝えるぞ」
俺は心強い仲間たちの方を向いて、指示を与えた。
まず洞窟の入口から広い空間までは、当然ながら前と同じように狭い道が続く。
先頭は案内も兼ねて俺が進み、最後尾には一度ここへ入ったことのあるクマゴロー。
間に他のぬいぐるみたちが並ぶ形だ。
広い空間に到着したら、まずは岩陰に隠れて様子をうかがう。
状況を見ながら、俺が合図を出したタイミングで一斉攻撃。
モンスターたちとの戦闘はぬいぐるみたちに任せ、俺は真ん中にあるはずのフィエンデルカンミラを目指して突っ走る。
もし村長の予想が正しければ、あの花を燃やした時点で勝敗は決するはずだ。
「クマゴロー、レオ、ティガー、エレファン、サイドン、ヒポポ、コング、シロ、ヤギュ、スネク」
俺はそれぞれの顔を見て、その名前を呼ぶ。
そして拳を握り締めて言った。
「ほとんどとはまだ出会って数時間も経ってないけど、俺はみんなのこと信じてるからな。上手くいったら、美味いもん食わしてもらえる……はず! 頑張るぞ!」
「がお~!」
軍団に気合が入った。
圧倒的な心強さ。
クマゴロー1体で、十二分に強いのだ。
それなのにこれだけのメンツが集まったのだから、もはやどれほどの破壊力なのか楽しみですらある。
「行くぞ」
俺は灯りの松明に火をつけると、先陣を切って洞窟の中へ踏み出すのだった。
俺は村の外れで、どんなぬいぐるみをテイムしようか思案する。
クマがすでにいて、あと陸上の強い動物といえば……
やっぱり、ライオンとかトラだよな。
それからゾウ、サイ、カバ、ゴリラなんかも強い。
さらにクマはクマでも、ホッキョクグマがいる。
あとはバイソンなんて凶暴なウシもいたな。
ヘビなんかも侮れない。
アナコンダとか、締め付けられたが最後、ほぼ逃げられないし。
「よし、決まったな」
クマゴローに加えて、これらの猛獣たちをテイムする。
名前だけでがぜん勝てる気がしてくるような、そうそうたるメンバーだ。
言ってみれば、地球の陸上最強生物オールスターズだな。
「【ぬいぐるみテイム】!」
俺は次々に、テイムすると決めた動物を呼びだしていく。
クマゴローを加えて、猛獣が10体勢ぞろいした。
もしこれがリアルの動物だったら、逃げようにも足が動かないレベルの恐怖だろう。
かわいいぬいぐるみだから、ややほんわかした雰囲気にはなっているけど、それでもこれだけ数がそろえば迫力はすごい。
「みんな、聞いてくれ。これから行く場所に、どうしても倒さなきゃいけない敵がいるんだ。手伝ってくれる?」
「がお~」
「ウホッ!」
「ガウッ!」
ぬいぐるみたちは、相次いでやってやろうじゃんという鳴き声を上げる。
心強いったらありゃしない。
こいつらにも名前を付けた方が、親近感が湧くし連携も取りやすいよな。
指示する時に「クマ!」って呼ぶのと、「クマゴロー!」って呼ぶのじゃ気分が違う。
俺だって「人間!」って言われるより、「ケント!」って言われた方が嬉しいし。
でもあんまり複雑なのをつけると、むしろ混乱の原因になる。
多少の分かりやすさもまた、大事な要素のひとつだ。
ライオンのレオ。
トラのティガー。
ゾウのエレファンに、サイのサイドン。
カバのヒポポと、ゴリラのコング。
ホッキョクグマはシロ。
バイソンはヤギュで、アナコンダはスネクだ。
「うん、これでいいな」
ちょっとばかり強引なところはあるけど、それぞれの名前を定める。
ちゃんとした名で呼んであげると、みんな嬉しそうに反応した。
うん、チームワークもバッチリ。
「よし、出発しよう」
猛獣たち、ぬいぐるみ軍団を引き連れて、俺は森の中を進んで行く。
そして洞窟の入口が見えるところまで来て、一旦停止した。
やることは2つ。
モンスターを倒しきることと、あの“エルフ殺し”を消滅させることだ。
「作戦を伝えるぞ」
俺は心強い仲間たちの方を向いて、指示を与えた。
まず洞窟の入口から広い空間までは、当然ながら前と同じように狭い道が続く。
先頭は案内も兼ねて俺が進み、最後尾には一度ここへ入ったことのあるクマゴロー。
間に他のぬいぐるみたちが並ぶ形だ。
広い空間に到着したら、まずは岩陰に隠れて様子をうかがう。
状況を見ながら、俺が合図を出したタイミングで一斉攻撃。
モンスターたちとの戦闘はぬいぐるみたちに任せ、俺は真ん中にあるはずのフィエンデルカンミラを目指して突っ走る。
もし村長の予想が正しければ、あの花を燃やした時点で勝敗は決するはずだ。
「クマゴロー、レオ、ティガー、エレファン、サイドン、ヒポポ、コング、シロ、ヤギュ、スネク」
俺はそれぞれの顔を見て、その名前を呼ぶ。
そして拳を握り締めて言った。
「ほとんどとはまだ出会って数時間も経ってないけど、俺はみんなのこと信じてるからな。上手くいったら、美味いもん食わしてもらえる……はず! 頑張るぞ!」
「がお~!」
軍団に気合が入った。
圧倒的な心強さ。
クマゴロー1体で、十二分に強いのだ。
それなのにこれだけのメンツが集まったのだから、もはやどれほどの破壊力なのか楽しみですらある。
「行くぞ」
俺は灯りの松明に火をつけると、先陣を切って洞窟の中へ踏み出すのだった。
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