転生スキル【ぬいぐるみテイム】でふかふかもふもふエルフの森スローライフ!~双子幼女エルフと動くふかふかぬいぐるみとのんびり暮らす~

メルメア

文字の大きさ
19 / 35

第19話 行軍と戦闘開始とわりい

しおりを挟む
 洞窟の中の様子は、ハンターたちと来た時と何ら変わらない。
 きっと彼らは、もうこの辺りでうすうす匂いの異変に気付いていたんだろうけど、今日も今日とて俺は何も感じない。
 鈍感が逆に役に立っている。

「ガオッ」

 俺の後ろにいたレオが、小さく鳴いて足を止めた。
 ちょうど前回も、これくらいのところでシェグさんが足を止めた記憶がある。
 ということは……

「鳴き声が聞こえるのか?」
「ガオッ」

 他のみんなも、しっかり声を聞きとっているようだ。
 モンスターはちゃんとこの奥にいる。
 問題は、シェグさんの言っていた20~30体のモンスターが全てこの奥にいてくれるかどうかだな。
 空間の広さを考えれば、20~30体は入らない数じゃない。
 理想としては、ここで一網打尽にしてしまいたいところだ。

 しばらく行軍して、俺たちは洞窟の最奥部へと到着した。
 計画通り、そそくさと岩陰に隠れて様子をうかがう。
 気になる様子はといえば……

「ラッキー」

 そう呟いて、俺はガッツポーズした。
 前回は数体だったけど、今回はざっと数えて30体弱のモンスターがいる。
 これは一気に片をつけられそうだ。

 しかし幸運と思って喜んだのも束の間、俺はある異変に気付く。
 俺が処理する予定になっている“エルフ殺し”ことフィエンデルカンミラ。
 前回はど真ん中に1輪咲き誇っていたのが、3輪に増えている。
 それを囲んで輪を描くように寝そべるモンスターたち。
 もしかしたら、ここにモンスターたちが全員集合しているのは偶然じゃないのかもしれない。
 モンスターを呼び寄せている可能性があるこの花が、1輪から3輪に増えたことで、効果が強まってより多くここに集まったんじゃないだろうか。
 でもこのことは、エルダ村長の仮説が正しいことを裏付ける証拠になる。

 それにしても、ここにもしここにシェグさんはじめエルフのみんなが来ていたらどうなってしまってるんだろう。
 単純な計算ではあるけど、花が3倍だから効果も3倍。
 あの3倍の苦しみようなんて、想像するだけでもぞっとする。

「みんな、準備はいいか?」

 俺がひそひそ囁くと、それぞれがいつでも行けるという反応を返してくれた。
 モンスターたちは今、みんなして寝そべってグータラしている。
 まるでリルみたいだ。
 完全に油断しきっている今が、勝負を仕掛けるには最高のタイミング。

「それっ!」
「がお~!」
「ガオッ!」
「ウホッ!」
「ぱお~ん!」
「シャー!」

 俺が掛け声と共にモンスターたちの方を指差すと、猛獣たちが一目散に飛び出して行く。
 本来だったらドタドタとすさまじい音がするんだろうけど、ぬいぐるみゆえにわずかに地面と布のこすれる音がするだけ。
 それでも迫力は十分だ。

「「「「「ガウウウウ!」」」」」

 モンスターたちも襲撃に気付き、一斉に迎撃の態勢に入る。
 まさに全面戦争だ。
 多勢に無勢。
 数的な差は3倍近くある。
 さらにフィエンデルカンミラが3倍に増えていることで、確かにモンスターたちの凶暴性や強さが増しているように見えた。
 ぬいぐるみたちをボロボロにさせるわけにはいかない。
 俺は俺の職務を全うしないと。

「おりゃ!」

 戦禍に駆けこんでいくのは、かなり勇気が必要だった。
 そりゃそうだ。
 別に俺自身は、一ミリたりとも強くないんだもん。
 でもこのぬいぐるみ軍団がいれば、怖くない……とまでは言わないけど、頑張れる。
 きっと村では、ミルも応援してくれているはずだし。
 リルも……多分、応援してくれてるよな。
 寝てるかもしれんけど。

「はあああ!」

 気迫を声に出しながら、目指すは一直線に中央の花。
 凛と咲くあの3輪の悪魔の花を消し去れば、この勝負はもらったも同然だ……!

「えいやっ!」

 何とか戦いの中をすり抜けて、中央にたどり着く。
 俺は3輪のフィエンデルカンミラをまとめて掴むと、思いっきり引っこ抜いた。
 意外とすんなり、根が残ることもなく花は抜ける。
 あとはこれを燃やせば……

「「「「ガウウウウ!!!!」」」」
「え……?」

 前から、後ろから。
 右から、左から。

 一斉に飛び掛かってきたのは、しめて4体の凶暴化したモンスター。
 対して俺に、応戦する能力も防御する手立てもなし。
 そういえば、どっかの国民的麦わら主人公が物語だいぶ序盤の方で言ってたな。

「わりい おれ死んだ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ
ファンタジー
可愛いもふもふ達とアリナは異世界でスローライフをします。 異世界召喚された安莉奈は幼女の姿になっていた。神様に与えられた能力を使い眷属聖獣猫モフにゃーや魔獣のライオン魔獣鳥に魔獣の日焼けとお料理を創造します! 熊元安莉奈(くまもとありな)は黄色のバスに乗せられ異世界召喚された。 そして、なぜだか幼女の姿になっていた。しかも、日本の地球人だったことを忘れていたのだ。 優しいモリーナ夫妻に養子として引き取れた安莉奈はアリナになった。 モリーナ夫妻はカフェ食堂を経営していたが繁盛しておらず貧乏だった。料理が出来ないアリナはお皿洗いなどのお手伝いを小さな体ながらしていたのだけど。 神様から日本料理を創造する力が与えられていた! その力を使うと。 地球では辛い生活を送っていた安莉奈が異世界ではアリナとしてお父さんに激愛され幸せに生きている。 エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...