転生スキル【ぬいぐるみテイム】でふかふかもふもふエルフの森スローライフ!~双子幼女エルフと動くふかふかぬいぐるみとのんびり暮らす~

メルメア

文字の大きさ
24 / 35

第24話 疾走と“こわくない”とエリサの技術

しおりを挟む
「オクリギャップ! そこをみぎだよ!」
「ひひ~ん!」

 ミルの案内で、オクリギャップは森の中を疾走していく。
 振り落とされてはいけないので、プヨタローとコジローとグレイはお留守番。
 そして俺からすれば意外だったのだが、ミルの方がこのスピード感を楽しんでいるようだ。
 きっとジェットコースターとかも喜んで乗るタイプだろう。
 それに対してリルはといえば、ぎゅっと目をつむり、オクリギャップの背中に必死にしがみついている。
 半ば無理矢理に乗せてしまったけど、ちょっとかわいそうだったかな。

「大丈夫か?」
「だ、だいじょうぶだし!」

 何でちょっとツンデレヒロインっぽくなってるんだよ。
 明らかに大丈夫ではなさそうなんだけど。

「本当に無理になったら、すぐに言ってくれよ」

 そう声を掛けて、俺は俺でこのアトラクションを楽しむ。
 何を隠そう、俺もジェットコースターとかが好きな類なのだ。
 前にウマのぬいぐるみに乗ったのは、モンスターから逃げるためだった。
 当然のことながら、乗馬を楽しむ余裕なんて微塵もありはしない。
 でも今回は、次々に行き過ぎていく森の風景を眺めながら、気分良く爽快な風を受けている。

「ちなみにその秘密基地ってとこまでは、あとどれくらいなんだ?」
「もうすこしです! オクリギャップがはやいから、あっというまについちゃいます! あ、オクリギャップ、ここをひだりね」
「ひひ~ん」
「こわくないこわくないこわくないこわくないこわくないこわくない……」

 リルも強がるなぁ。
 彼女らしいといえばらしいけど。
 何でもめんどくさそーに気怠そーにしてる割りに、変なところで強情さを発揮する。
 楽しくて仕方がない様子の妹と、限界寸前の姉。
 そんな2人と俺を乗せて、オクリギャップは森の中を走る走る。
 そして5分が経った頃、ミルが声を掛けてジェットコースターは終了を迎えた。

「こわくないこわくないこわくないこわくないこわくないこわくない……」
「ああ、もう怖くないぞ。何せ止まってるからな」

 完全に腰が抜けてしまったリルを抱えて降りると、そこは洞穴の入口だった。
 どうしてもモンスターたちのアジトがフラッシュバックして、あんまり良い気分ではないんだよなぁ。

「ここが秘密基地なのか?」
「そうです!」
「こわくないこわくないこわくないこわくないこわくないこわくない……」
「おーい、いい加減に目を覚ませ~」

 確かに子供の秘密基地にはもってこいの場所だ。
 幼い冒険心がくすぐられるようなスポットであることは、まず間違いない。

「ここは……」

 ようやく無限“こわくない”ループから抜け出したリルが、青い顔で洞穴の入口を指差す。

「ここは、エリサがつれてきてくれたばしょ。わたしたち、ここで、エリサとあそんだ」
「エリサとの思い出の場所なんだな。でも、その頃のリルとミルからしたら、この場所はちょっと遠くないか?」

 ここに来るまで、オクリギャップの脚でそれなりの時間走った。
 そしてエリサが村にいたのは、双子が3歳の時まで。
 今もそうだが、その当時の2人の体力からしたらここまで来るだけで大冒険なはずだ。

「エリサさんは、“そらとぶのりもの”をつくったんです! すごいんですよ! オクリギャップにまけないくらい、はやくとぶんです!」
「そのうえ、エリサのうんてん、すごくあらい……。わたし、いつもよってた……」
「えー、たのしかったじゃん」
「ミルはおかしい」

 なるほど。
 本当にちっちゃい頃から、速い乗り物に対する2人の耐性は変わらないらしい。
 というより、エリサによってリルは速い乗り物がトラウマになったという可能性もあるけど。
 それにしても“空飛ぶ乗り物”か。
 魔法の絨毯とか、キントウンとかそんな感じかな。
 ハイエルフなだけあって、エリサの技術は本当にすごいみたいだ。
 うーん、ますます会ってみたくなってきたな。

「さあ、いきましょう!」
「なかには、エリサがのこしたものがいくつかある」

 元気いっぱいのミルと、まだ少しグロッキーなリルに手を引かれ、俺は洞穴の中へと足を踏み入れるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ
ファンタジー
可愛いもふもふ達とアリナは異世界でスローライフをします。 異世界召喚された安莉奈は幼女の姿になっていた。神様に与えられた能力を使い眷属聖獣猫モフにゃーや魔獣のライオン魔獣鳥に魔獣の日焼けとお料理を創造します! 熊元安莉奈(くまもとありな)は黄色のバスに乗せられ異世界召喚された。 そして、なぜだか幼女の姿になっていた。しかも、日本の地球人だったことを忘れていたのだ。 優しいモリーナ夫妻に養子として引き取れた安莉奈はアリナになった。 モリーナ夫妻はカフェ食堂を経営していたが繁盛しておらず貧乏だった。料理が出来ないアリナはお皿洗いなどのお手伝いを小さな体ながらしていたのだけど。 神様から日本料理を創造する力が与えられていた! その力を使うと。 地球では辛い生活を送っていた安莉奈が異世界ではアリナとしてお父さんに激愛され幸せに生きている。 エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

小さな小さな花うさぎさん達に誘われて、異世界で今度こそ楽しく生きます!もふもふも来た!

ひより のどか
ファンタジー
気がついたら何かに追いかけられていた。必死に逃げる私を助けてくれたのは、お花?違う⋯小さな小さなうさぎさんたち? 突然森の中に放り出された女の子が、かわいいうさぎさん達や、妖精さんたちに助けられて成長していくお話。どんな出会いが待っているのか⋯? ☆。.:*・゜☆。.:*・゜ 『転生初日に妖精さんと双子のドラゴンと家族になりました。もふもふとも家族になります!』の、のどかです。初めて全く違うお話を書いてみることにしました。もう一作、『転生初日に~』の、おばあちゃんこと、凛さん(人間バージョン)を主役にしたお話『転生したおばあちゃん。同じ世界にいる孫のため、若返って冒険者になります!』も始めました。 よろしければ、そちらもよろしくお願いいたします。 *8/11より、なろう様、カクヨム様、ノベルアップ、ツギクルさんでも投稿始めました。アルファポリスさんが先行です。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

処理中です...