55 / 172
新学期
校外学習!クラスメイトを迎えに行こう。
しおりを挟む
Fクラスの一同をやる気にできてアダムはホッと一息ついた。しかし本番はこれからである。
「国境で足止めって何があったんでしょうね?」
「さてな、あそこらへんは魔力草や鉱石やらで資源は多い」
そうなるとどうなる?とアダムは問いかける。
「観光名所になります!」
「馬鹿者、あんなとこおいそれと観光できるか」
「ハイキングコースに・・・」
「登山はハイキングとは言わん」
国境線代わりに国を跨ぐ山間部である。そんなところにおいそれと行けるか?と言われてティナはがっかりである。
「資源というとお金になるんでしょうか?」
「そうだな、魔力草は医薬品になるし鉱石は魔法道具のエネルギー源になるからな」
「となると取り合いに?」
「可能性はあるな、国境紛争の種になっとるのかもしれん」
古今東西資源のある土地は取り合いになる。医薬品やエネルギー資源のある場所が国境線に近いとそれこそややこしい話だ。そんなところに若い生徒を連れていかねばならないのだからアダムも頭が痛い。
「そうなると現地の事とか調べる必要があるのかな・・・」
「そうだな、ユピトール。地理やその土地の文化を知ることは研究や調査をする上で大事なことだぞ」
「わかりましたー!じゃあ調べてみます!」
「うむ、その意気だぞ」
ティナがいつになくやる気なのでアダムはちょっと嬉しい。ルナとマリー、クロエもそれに便乗してあれこれと調べるつもりのようだ。旧館に泊まり込むメンバーはその日に向けて荷物の準備を、実家組は情報を仕入れることに。
「それでは出発するぞ、全員揃ってるか?」
時間は流れて全員で国境へ向かう日。乗合馬車の乗り場に集合したのだが・・・。
「クロエちゃん居なくない?」
「というより私達しかいないね」
その場にはルナとマリー、ティナしいない。さっそく半数が遅刻である。
「なにをやっとるんだ・・・」
「先生は昨日は寮に居なかったんですか?」
「馬車の手配やらで忙しくて泊まれなかった。寮の戸締りは用務員の先生に頼んでいたが・・・」
アダムが頭を掻いているとテイロスとクロエがやってきた。
「ひぃ、ひぃ・・・」
「クロエちゃん、大丈夫?」
「・・・テイロス君歩幅でかすぎる・・・」
テイロスは小走りと言った程度だが身長が違い過ぎるせいかクロエはほぼほぼ走っていた。
「二人とも遅いぞ・・・それよりアッテンボローはどうした?」
アダムは遅刻の説教をしようとしていたが人数が足りないことに気が付いて寮組の二人に尋ねる。
それに対してクロエは呆れたような顔でテイロスの背負っているデカい鞄を指さした。
「・・・ここです」
アダムは不思議そうな顔をしながらクロエの指さす方向を見る。
「・・・?そういえばなんでそんなデカい鞄を・・・」
馬車を乗り継いでいくとはいえそこまで大仰な旅支度をしてくる必要があるか・・・?と言いかけてアダムは噴き出した。
「こ、この馬鹿は・・・!」
「どうやっても起きなくて・・・」
鞄のてっぺんからダズの頭が飛び出していた。あまりにも起きないのであきらめてテイロスが背負ってきたらしい。
小柄なノームだからこそできる荒業である。
「ぐぬぬ・・・まあいい、こんどこそ揃ったな?」
では出発するぞ!とヤケクソ気味に叫んだアダムに連れられてFクラスの一行は馬車へ向かう。
「わ、すごい!二頭立てですね」
「校長のコネを使ったからな、学校持ちだ」
乗り場には大きな馬が二頭立ての大きな馬車が停まっている。テイロスが乗っても大丈夫そうだ。
アダムに押し込まれるように全員が乗り込むと御者が馬に鞭を入れた。
「さて、お前たち。今回の校外学習の目的は何か覚えているか?」
「はい!はい!はい!はい!」
「はいは一回でいいぞ、ユピトール」
アダムはティナが前回現地を調べてみると息巻いていたのを知っているのでちょっと期待していたが・・・
「山間部のふもとに美味しいお店があるって聞きました!」
「馬鹿者!観光に行くんじゃないんだぞ!」
さっそく拳骨が落ちた。
「ひぃーん!」
「現地のこと調べてみるって言ってたけど・・・そういうこと・・・?」
「だってだって!クラスメイトと合流したら行きたいじゃん!」
「気持ちはわかるけどね・・・」
口をへの字に曲げて怒っているアダムを他所にティナはルナとマリーに慰められている。
「・・・鉱石を調べる機会があれば自分としては助かります」
「うむ、それは魔力草の生態にも関わる事だから時間を取るつもりだ。ところでアッテンボローはまだ起きないのか・・・?」
「積む時にどっかにぶつけたような気がするんだけど全く起きないよ、先生」
テイロスが背負ってきたリュックの一部と化しているダズだが馬車が動き始めても全く微動だにしない。
乗車時に人数確認をした御者が不思議そうな顔をしていたのも無理はないことだろう。
まさか客が一人鞄の中にいるとは思うまい。
「国境で足止めって何があったんでしょうね?」
「さてな、あそこらへんは魔力草や鉱石やらで資源は多い」
そうなるとどうなる?とアダムは問いかける。
「観光名所になります!」
「馬鹿者、あんなとこおいそれと観光できるか」
「ハイキングコースに・・・」
「登山はハイキングとは言わん」
国境線代わりに国を跨ぐ山間部である。そんなところにおいそれと行けるか?と言われてティナはがっかりである。
「資源というとお金になるんでしょうか?」
「そうだな、魔力草は医薬品になるし鉱石は魔法道具のエネルギー源になるからな」
「となると取り合いに?」
「可能性はあるな、国境紛争の種になっとるのかもしれん」
古今東西資源のある土地は取り合いになる。医薬品やエネルギー資源のある場所が国境線に近いとそれこそややこしい話だ。そんなところに若い生徒を連れていかねばならないのだからアダムも頭が痛い。
「そうなると現地の事とか調べる必要があるのかな・・・」
「そうだな、ユピトール。地理やその土地の文化を知ることは研究や調査をする上で大事なことだぞ」
「わかりましたー!じゃあ調べてみます!」
「うむ、その意気だぞ」
ティナがいつになくやる気なのでアダムはちょっと嬉しい。ルナとマリー、クロエもそれに便乗してあれこれと調べるつもりのようだ。旧館に泊まり込むメンバーはその日に向けて荷物の準備を、実家組は情報を仕入れることに。
「それでは出発するぞ、全員揃ってるか?」
時間は流れて全員で国境へ向かう日。乗合馬車の乗り場に集合したのだが・・・。
「クロエちゃん居なくない?」
「というより私達しかいないね」
その場にはルナとマリー、ティナしいない。さっそく半数が遅刻である。
「なにをやっとるんだ・・・」
「先生は昨日は寮に居なかったんですか?」
「馬車の手配やらで忙しくて泊まれなかった。寮の戸締りは用務員の先生に頼んでいたが・・・」
アダムが頭を掻いているとテイロスとクロエがやってきた。
「ひぃ、ひぃ・・・」
「クロエちゃん、大丈夫?」
「・・・テイロス君歩幅でかすぎる・・・」
テイロスは小走りと言った程度だが身長が違い過ぎるせいかクロエはほぼほぼ走っていた。
「二人とも遅いぞ・・・それよりアッテンボローはどうした?」
アダムは遅刻の説教をしようとしていたが人数が足りないことに気が付いて寮組の二人に尋ねる。
それに対してクロエは呆れたような顔でテイロスの背負っているデカい鞄を指さした。
「・・・ここです」
アダムは不思議そうな顔をしながらクロエの指さす方向を見る。
「・・・?そういえばなんでそんなデカい鞄を・・・」
馬車を乗り継いでいくとはいえそこまで大仰な旅支度をしてくる必要があるか・・・?と言いかけてアダムは噴き出した。
「こ、この馬鹿は・・・!」
「どうやっても起きなくて・・・」
鞄のてっぺんからダズの頭が飛び出していた。あまりにも起きないのであきらめてテイロスが背負ってきたらしい。
小柄なノームだからこそできる荒業である。
「ぐぬぬ・・・まあいい、こんどこそ揃ったな?」
では出発するぞ!とヤケクソ気味に叫んだアダムに連れられてFクラスの一行は馬車へ向かう。
「わ、すごい!二頭立てですね」
「校長のコネを使ったからな、学校持ちだ」
乗り場には大きな馬が二頭立ての大きな馬車が停まっている。テイロスが乗っても大丈夫そうだ。
アダムに押し込まれるように全員が乗り込むと御者が馬に鞭を入れた。
「さて、お前たち。今回の校外学習の目的は何か覚えているか?」
「はい!はい!はい!はい!」
「はいは一回でいいぞ、ユピトール」
アダムはティナが前回現地を調べてみると息巻いていたのを知っているのでちょっと期待していたが・・・
「山間部のふもとに美味しいお店があるって聞きました!」
「馬鹿者!観光に行くんじゃないんだぞ!」
さっそく拳骨が落ちた。
「ひぃーん!」
「現地のこと調べてみるって言ってたけど・・・そういうこと・・・?」
「だってだって!クラスメイトと合流したら行きたいじゃん!」
「気持ちはわかるけどね・・・」
口をへの字に曲げて怒っているアダムを他所にティナはルナとマリーに慰められている。
「・・・鉱石を調べる機会があれば自分としては助かります」
「うむ、それは魔力草の生態にも関わる事だから時間を取るつもりだ。ところでアッテンボローはまだ起きないのか・・・?」
「積む時にどっかにぶつけたような気がするんだけど全く起きないよ、先生」
テイロスが背負ってきたリュックの一部と化しているダズだが馬車が動き始めても全く微動だにしない。
乗車時に人数確認をした御者が不思議そうな顔をしていたのも無理はないことだろう。
まさか客が一人鞄の中にいるとは思うまい。
0
あなたにおすすめの小説
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる