悪魔になったらするべきこと?

ファウスト

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新学期

校外学習!クラスメイトを迎えに行こう。

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Fクラスの一同をやる気にできてアダムはホッと一息ついた。しかし本番はこれからである。

「国境で足止めって何があったんでしょうね?」
「さてな、あそこらへんは魔力草や鉱石やらで資源は多い」

そうなるとどうなる?とアダムは問いかける。

「観光名所になります!」
「馬鹿者、あんなとこおいそれと観光できるか」
「ハイキングコースに・・・」
「登山はハイキングとは言わん」

国境線代わりに国を跨ぐ山間部である。そんなところにおいそれと行けるか?と言われてティナはがっかりである。

「資源というとお金になるんでしょうか?」
「そうだな、魔力草は医薬品になるし鉱石は魔法道具のエネルギー源になるからな」
「となると取り合いに?」
「可能性はあるな、国境紛争の種になっとるのかもしれん」

古今東西資源のある土地は取り合いになる。医薬品やエネルギー資源のある場所が国境線に近いとそれこそややこしい話だ。そんなところに若い生徒を連れていかねばならないのだからアダムも頭が痛い。

「そうなると現地の事とか調べる必要があるのかな・・・」
「そうだな、ユピトール。地理やその土地の文化を知ることは研究や調査をする上で大事なことだぞ」
「わかりましたー!じゃあ調べてみます!」
「うむ、その意気だぞ」

ティナがいつになくやる気なのでアダムはちょっと嬉しい。ルナとマリー、クロエもそれに便乗してあれこれと調べるつもりのようだ。旧館に泊まり込むメンバーはその日に向けて荷物の準備を、実家組は情報を仕入れることに。






「それでは出発するぞ、全員揃ってるか?」

時間は流れて全員で国境へ向かう日。乗合馬車の乗り場に集合したのだが・・・。

「クロエちゃん居なくない?」
「というより私達しかいないね」

その場にはルナとマリー、ティナしいない。さっそく半数が遅刻である。

「なにをやっとるんだ・・・」
「先生は昨日は寮に居なかったんですか?」
「馬車の手配やらで忙しくて泊まれなかった。寮の戸締りは用務員の先生に頼んでいたが・・・」

アダムが頭を掻いているとテイロスとクロエがやってきた。

「ひぃ、ひぃ・・・」
「クロエちゃん、大丈夫?」
「・・・テイロス君歩幅でかすぎる・・・」

テイロスは小走りと言った程度だが身長が違い過ぎるせいかクロエはほぼほぼ走っていた。

「二人とも遅いぞ・・・それよりアッテンボローはどうした?」

アダムは遅刻の説教をしようとしていたが人数が足りないことに気が付いて寮組の二人に尋ねる。
それに対してクロエは呆れたような顔でテイロスの背負っているデカい鞄を指さした。

「・・・ここです」

アダムは不思議そうな顔をしながらクロエの指さす方向を見る。

「・・・?そういえばなんでそんなデカい鞄を・・・」

馬車を乗り継いでいくとはいえそこまで大仰な旅支度をしてくる必要があるか・・・?と言いかけてアダムは噴き出した。

「こ、この馬鹿は・・・!」
「どうやっても起きなくて・・・」

鞄のてっぺんからダズの頭が飛び出していた。あまりにも起きないのであきらめてテイロスが背負ってきたらしい。
小柄なノームだからこそできる荒業である。

「ぐぬぬ・・・まあいい、こんどこそ揃ったな?」

では出発するぞ!とヤケクソ気味に叫んだアダムに連れられてFクラスの一行は馬車へ向かう。

「わ、すごい!二頭立てですね」
「校長のコネを使ったからな、学校持ちだ」

乗り場には大きな馬が二頭立ての大きな馬車が停まっている。テイロスが乗っても大丈夫そうだ。
アダムに押し込まれるように全員が乗り込むと御者が馬に鞭を入れた。

「さて、お前たち。今回の校外学習の目的は何か覚えているか?」
「はい!はい!はい!はい!」
「はいは一回でいいぞ、ユピトール」

アダムはティナが前回現地を調べてみると息巻いていたのを知っているのでちょっと期待していたが・・・

「山間部のふもとに美味しいお店があるって聞きました!」
「馬鹿者!観光に行くんじゃないんだぞ!」

さっそく拳骨が落ちた。

「ひぃーん!」
「現地のこと調べてみるって言ってたけど・・・そういうこと・・・?」
「だってだって!クラスメイトと合流したら行きたいじゃん!」
「気持ちはわかるけどね・・・」

口をへの字に曲げて怒っているアダムを他所にティナはルナとマリーに慰められている。

「・・・鉱石を調べる機会があれば自分としては助かります」
「うむ、それは魔力草の生態にも関わる事だから時間を取るつもりだ。ところでアッテンボローはまだ起きないのか・・・?」
「積む時にどっかにぶつけたような気がするんだけど全く起きないよ、先生」

テイロスが背負ってきたリュックの一部と化しているダズだが馬車が動き始めても全く微動だにしない。
乗車時に人数確認をした御者が不思議そうな顔をしていたのも無理はないことだろう。
まさか客が一人鞄の中にいるとは思うまい。
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