異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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ガルデンヘイム王国王都で

お仕置き!

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「辛かったね、でも大丈夫。もうそんな事しなくていいからね」
「お姉ちゃん・・・」

私は涙ぐむリッキーの頭を撫でてできるだけ優しく声を掛けてあげる。うんうん、なんか棘が消えて可愛らしくなったじゃないの。子供は素直が一番だよ。

「アイテム袋を取り返してそいつ等やっつけるからちゃんと孤児院に帰って大人しくしてなよ?」
「うん、わかった」
「わかったー!」

二人に言うと揃って元気な返事を返してくれる。よしよし、後は己の信ずる正義を遂行するのみである。

「気配はそう遠くへ行っちゃいない・・・追いかければ近所にあるかな」

そう呟くと私は再び迅雷閃を発動して屋根の上へと移動し、気配を追ってアイテム袋を追いかける。するとスラム街と一般の街を区切るようにできた大通りを挟んで大きめの建物が。この世界には珍しく三階建てだ。

「ここに私の・・・っていうか師匠のアイテム袋があるのか」

看板を調べると『高利貸し』的な事が書いてある。なるほど、孤児院みたいなところにお金を貸してくれるのはこんな怪しいところくらいのものだろうか。金貸しと言うのは大抵イメージでしかないがあくどいイメージは拭えない。が、それでも真っ当な金貸しも居るだろう・・・しかしながら此処の金貸しは潔いくらいイメージ通りの金貸しだ。

「とりあえず簡単に調べてから黒なら黒として潰すか」

別に正義を気取るわけじゃないけど実害が出てる以上見過ごすのもなんだか嫌だし。師匠から貰ったものをどこの誰とも知らない奴らに利用されるのも嫌だ。

「とりあえず・・・お邪魔しマース」

正面から堂々とドアを開けて店内へ。すると・・・。まさかと思ったけど・・・。

「いらっしゃいませー」

ゴツイお兄さん達が此方を見る。これ金貸しって言うより893の事務所じゃないのかな。
しかもあのガラスケースみたいなのの中身って私のアイテム袋じゃないのさ。更に極めつけに値札がついてるよ・・・。『万能収納魔法つき皮袋』と題された私の持ち物はお値段なんと五百万イーエン。約四十一年分の炊き出しと孤児院の維持費が賄える計算になる。法外なんてもんじゃない、っていうか盗品だよそれ!

「あの魔法道具・・・ですか、あれは何処で手に入れられたのですか?」
「はい、部下が借金のカタに手に入れたもので」

私の応対をしてくれる店長らしき男に尋ねるとそう言う。嘘つけ、子供から巻き上げてたろ。コイツ・・・あ、あそこに実行犯が。隠す気あるのか?

「五百万の値段がつく品物でとなると高額な借金だったんですね」
「そうなりますかね」
「持ち主が現れたら困りませんか?」
「何故です?」
「言わないと解りませんか」

とりあえず此処は後で白黒ピエロに告げ口しておいてやろう。今はあのアイテム袋を取り返すのが先決だね。

「持ち主を前にして借金のカタとか嘘つかないで欲しいって事ですよぅ」

立ち上がるとゴツイ兄さん達が一斉に立ち上がる。不機嫌オーラを駄々漏れにしてるからって対応がちょっと過敏すぎないかな?お客さんが逃げちゃうよ?

「言いがかりは良くありませんよ?」
「そもそもアレの持ち主は私だから言いがかりも何も無いんだよね。あれは決まった人にしか使えないんだから妙な事すると天罰が下るよ?」
「話にならんな・・・お客様がお帰りだ!」

じりじりと近寄ってくるお兄さん達を前に私はため息をつくと右手を天に翳す。

「天罰が下る、もう止められないけどなにか言い訳を考えておいてね」
「なにを―――」
「招来『雷槌』」

その日、記録的な落雷がその店を直撃した。直撃した箇所に綺麗な穴が開き、私を囲むように地面が消失した。

「天罰覿面!盗品は返してもらうよ・・・って聞いてないか」

『雷槌』は文字通り師匠の力を借りて発動する雷を操る力の一端で建物だけを吹き飛ばす事は造作も無い。本気を出せば幾らでも威力は上げられるがそれをすると余波で王都が廃墟になるので我慢する。ま、余波で感電してる人が何人かいるけど殆ど地面に逃がしたから建物が崩れるかもだけどこの魔法で誰も死んでないはず。

「さて、師匠からもらった大切な品は誰にもあげないもんね」

売りに出してるとは思わなかったけどこれでいいかな。と思った矢先に金属製の箱が落ちてきた。
三階の高さから落ちてきたそれは地面に当たると耐え切れずに口を開いた。中身は色々な金額が書かれた羊皮紙・・・つまるところ借用書かその契約書のようだ。

「ついでに天罰!ふーっ!」

箱の中身に火を吐いて契約書を灰にすると私はアイテム袋を腰に結んでそそくさと店を後にすることにした。
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