異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

ファウスト

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ガルデンヘイム王国王都で

王都での初日はこうして終了 side ガルデンヘイム家 その2

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倅が怒るやらあきれるやらといった珍しい姿を拝みつつもワシはようやく部屋から抜け出した。

「ふぃぃぃ・・・肝が冷えたわ」

あれほど飲んだ酒の酔いもたらふく食べた夕食の満腹感も消えうせてしまった。おそらくあの窮地を凌ぐ為に使い切ってしまったのだろう。
あれほどの膨大な魔力、王城が丸ごと包まれているかのような感覚に戦慄すら感じている。
おそらく感覚に優れた者は気付いているかもしれない。そう思っていると我が王宮に常駐する宮廷魔道師が顔見せた。どうやら一番に異変を感じ取ったようだ。

「陛下、火急の用件が・・・!」

完全武装の宮廷魔道師を手で制しつつワシは簡潔に原因を述べた。

「なんと・・・それほどのものが城内に?!」

いかがしましょうか、と蒼白の表情で言う宮廷魔道師にワシはただ首を横に振るしかなかった。

「わからん」
「えっ?!」
「あれはそんなレベルのものではない。巨大な発動寸前の魔法のような・・・巨大なドラゴンのようなものだ」

自分で言いながらその言葉に驚くほど納得した。そうだ、アレは人というよりドラゴンのようなものだ。彼らは口から火を吹いたり、翼から風を起こしたりするが決まった魔法を持たない。
なぜなら彼らは自身が常にバランスの取れた属性の魔力を持っており、我々人間のように一つや二つしか使えないなどといった欠陥を抱えていないからだ。属性を司る五龍も司る属性に特化した魔法や魔力を持っているが彼らは決して自分が司る属性以外を使えないワケではない。
最近の調査で特定の属性を使うドラゴンらしきものが報告されているがそれは所謂『下等』の類に過ぎないのだ。その差は非常に大きい。

「刺激するな、幸い倅が彼女と良好な関係を結びつつある。穏便に済むなら良し、荒くなるなら国が滅びる前にお帰り願うのみよ」

その言葉に宮廷魔道師はごくりと唾を飲んだ。比喩のつもりではあったが下手をすると出来てしまうかも知れない。なにせ召喚魔法の媒体に使うだけで五龍の一体を召喚することが適うかもしれないほどの魔力量だ。五龍の内の一体でも召喚され様ものなら国など容易く滅びる。

更ける夜の帳の中、ワシは何とか宮廷魔道師を宥めて休息を取らせる事に成功した。
しかしかくゆうワシも些か疲れた。早く休むことにしたい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日、ワシは普段どおり目が覚めた。
すこぶる快調で昨日の事などまるで意に介していなかったかのような自分の体の図太さに苦笑してしまったが原因はそれではなかった。言うまでも無い。原因はおそらく彼女だ。
膨大な魔力の渦がかすかに風の魔法を帯びている。治癒魔法を伴った魔力が王宮を包んでいる。
それを後押しするかのような地属性の魔法が溢れている事に床に触れた瞬間に解った。おそらく風の魔法が壁や床に遮断されないようにしているのかもしれない。理論としては可能だがそれが如何に困難かはあえて今触れないでおく。

「もしかするとアレは五龍の化身か?」

着替えをささっと済ませると頭に浮かんだ事を構わず呟いた。治癒魔法とて発動にやたらと魔力を食うし、精霊とコンタクトを取る必要がある。風と地の精霊をこんなパワースポットかと疑うほどの精霊の数を集めるなど規格外以外の何者でもない。緊張や飲酒による疲れや日々の激務をこなす自分の体をまるで数日休養を取ったかのような状態まで回復させる風魔法の精度も尋常な事ではないのもある。おそらく倅か自分か、どちらかに使った魔法の余波が此処まで来ているのだろう。異常だ、それしか言葉が浮かばない。どちらも専門家が陣を組んで補助を受けて低い精度で真似できるかといったレベルの魔法だからだ。

「今回の最大の戦果は彼女かもしれんぞ・・・倅よ」

執務室で腕を組みながらおそらく彼女を前に瞳を輝かせているであろう息子にワシは人知れず呟くしかなかった。空はそんな事などお構いなしに晴天であり、鳥達がさえずっていた。
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