異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

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ガルデンヘイム王国王都で

王宮でまったり・・・できないのかな?

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ルーンちゃんの事件から早くも三日経った。ピリピリしていた王宮も徐々に普段の生活に戻っていき、遅れを取り戻すようにイベントに向けて準備が始まった。
私としてはイベントで盛り上がり、美味しいものが食べられれば良かったのだが・・・。

「なんで私が騎乗訓練なんぞをしなきゃいけないの?」
「それはもちろん殿下の護衛を務めるとおっしゃられたからですな」

目の前にはお馬さんが・・・たしかにちょっと乗った事はあったけど・・・。

「何この子、ビビリすぎじゃない?」

目の前のお馬さんたちは私の顔を見て今にも逃げ出そうとしている。お馬さんは生来臆病な生き物とは思ってたけどこれは・・・?

「ガルデンヘイムで一般に騎乗されている種のカウルホースは魔力に敏感ですからね」
「やっぱり私のせいかぁ・・・」
「困りましたなぁ・・・徒歩で歩くというのは流石に・・・」

カウルホースというのがガルデンヘイムで主に飼育されている馬なのだそうだ。なんでも毛並みが美しく、温和で乗りやすいということから貴人の旅のお供や儀典用に乗り回すのにもってこいなのだとか。その代わりに強い魔力に敏感である一定の魔力を持つ人間・・・っていうか本来は魔物レベルの魔力を感じるとおびえてしまうのだという。ちなみに人形態のルーンちゃんはギリギリセーフだった、それでもちょっと厳しいっぽい。

「じゃあ私は何に乗るの?」
「軍馬か・・・それでもダメなら騎乗用に飼育された魔物を使うしかありませんな」

そう言うと今度は騎士さん達が所有する軍馬から何頭かが引っ張られてきたが私を前にするとやはり皆おびえて動かなくなってしまった。

「それではやはり魔物を・・・」

オジさんが呆れた様子で言う。規格外も此処までくるとどうしたものか・・・。ホッとした様子で畜舎に戻っていくお馬さんたちを眺めながらちょっと泣きたくなる。
ルーンちゃんに慰められながらしばらく修練場で待っていると今度はなにやら頑丈そうな鎧姿の四足の蜥蜴さんが歩いてきた。

「パレードにしては物々しくない?」
「ですが貴女に怯えないものとなりますとね」

魔物とウマではそもそもが違うのか蜥蜴さんは私を見つけると引き連れてきた騎士さんを振り切って私のところにやって来た。

「確かに・・・そうかもね」
『クルル・・・』

思ったよりも可愛らしい声に笑みがこぼれる。まるで戦車のように強靭な体格と鎧姿にも関わらず温和な性格のようだ。

「アーマーリザードの中でも特に頑健な鎧龍と呼ばれる種類です。剣はもちろん御者の能力次第で魔法にも良く耐えます、大きな音や痛みにも驚かないので軍用の騎獣としてはとてもいいでしょう」
「確かに頑丈そうだね、それに賢そう」

褒めてあげると言葉がわかるのか彼は嬉しそうに喉を鳴らして私に擦り寄ってくる。

「この鎧は彼の体の一部なの?」
「そうです、個体によってデザインが異なるのでそれによって値が変わることもありますが・・・こやつも含めて軍用なのでとにかく頑丈さを主眼に置いて育成しております」
「装飾だけならいくらでもできるものね、軍用と言えばどの国でもエリートだから・・・君もエリートと言うわけだ、凄いじゃん」
『クルゥ!』

鼻先を撫でて褒めて上げると自慢げに首を持ち上げ、足を踏み鳴らして鳴き声を上げる。
結構な重量があるのか足もとがぐらつく位の強さだ。

「それで、どうやって乗るの?」
「首の付け根にに鐙をつけて跨ぐか、背面に座席をつけて座るといったやり方もあります」
「背面に座席かぁ・・・それがいいかもね」

大きな体、全長だけなら変身したルーンちゃんに匹敵するのではという大きさの彼は首の太さも太く、私が跨ぐのはちょっと辛そう。背中はそれに比べて広く、鎧の上であるため人が数人乗っても大丈夫なくらいの大きさだから乗りやすい。試しに飛び上がって背中の上に立ってみると足場のようになっている所があって存外のりやすい。

「これなら席がなくてもいいかもね、彼が私の指示に従ってくれるならだけど」
『クルル!』
「お、いいの?」

言葉はわからないが師匠の教え・・・というより龍人としての種族としての性質なのだろうか、彼の言葉がなんとなく解る。彼は私の言うことを聞いてくれると言っているようだ。

「解るのですか?」
「なんとなくね、ところで彼の名前は?」
「主もまだ無く、軍功を上げておりませんので名前はありません。ですが今回の事を考えればスカサハ様がお付けになってもよろしいのでは?」
『クルル!グオッ!』

是非!と言わんばかりに声をあげ、擦り寄ってくる。かわいい。
なので私は彼の名前を考えることにする。
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