異世界でドラゴニュートになってのんびり異世界満喫する!

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ガルデンヘイム王国王都で

騎獣!そしてパレードへ

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「名前か・・・」

名前を決める。そういわれてまず彼の姿を再度確認する。鎧を纏った姿はさながら戦車のようでオジさん曰く悪路をものともしない頑強な足腰で馬ほど速くないが長い距離を歩くと言う。
そしてデカイ音や痛みに強く、温和ながら主人想いで戦場では頑健な体を用いて敵陣を駆け抜けることが可能である。それ故に鎧龍と呼ばれる彼らは主人に代わって首級を挙げることもあり、その際に名を主人か、もしくは国王から直々に賜る者もいるとかなんとか。

「あんまり可愛い名前は・・・」

向かないだろうなぁ。彼らは普段は大人しいが戦闘に秀でた種だ、特に私が見せてもらっている彼はかなりランクの高い鎧龍のようだし。深緑の甲殻は落ち着いた雰囲気とともに重厚さを持っている。触れてみたが下手な鉄よりも硬いのではなかろうか。まさしく鋼鉄の巨獣。そんな時・・・ふと私の頭に祖父の話が蘇る。

『おじいちゃんこの写真ってなに?』
『これか、これはなぁワシの兄ちゃんが中国から贈ってくれた写真じゃ』

古ぼけた・・・でもそれでいてちゃんと保存されていたであろう写真は若かりし祖父の兄を凛々しく映し出していた。そんな兄の乗っていたのが帝国陸軍が誇る戦車、兄は戦車の隊長さんだったとか。乗っていた戦車は奇しくも彼と同じ深緑色、それに鐙や座席の増設用の留め具の金属がついた金色と地肌の茶色がグラデーションとなって図鑑に載っていた迷彩と同じ柄に見える。
そんな戦車の名は・・・。

「チハ・・・」
「今、なんと?」
「あ、いや、私のご先祖様が戦いに使った鋼鉄の巨獣・・・その名がチハだったんだよね」
「鋼鉄の巨獣!そんな物がスカサハ様の世界にはあったのですか?」
「うん、ご先祖様のお話だと戦場の花形だったんだよね」

実際どれくらいチハが強かったのかは私には解らない、けど祖父の兄がそれを駆って戦場を駆け抜けた、私が誇るにはその事実で十分だ。

「なので君の名前はチハだ、鋼鉄の巨獣らしく私をよく守っておくれ」
『クルル・・・グオッ!』

名前を呼びながら私が触れると彼の体が俄かに淡く光り出した。その後、彼の体を包む鎧は一層の硬さを増し、体内から感じる魔力の増大を感じる。

「これは・・・?」
「名付けにこのような効果があるとは知りませんでしたな」
「ご主人様が故です、人間が行ってもこのような効果は得られませんよ?」

確かに私の体から魔力がチハに流れ込んだのを感じたがこれはどうやら私の体質が由来しているようだ。ルーンちゃんが知っているのは師匠たちと交流が出来ているからかもしれない。

「とりあえず私の騎獣はチハで決まりだね、で?チハに乗って私はどうしたらいいの?」

私が背中に跳び乗るとチハはふんす!と鼻息を荒くする。このまま敵陣に突っ込めと言われても彼は喜んで従うだろう。しかしパレードの予行演習しかまだ無いのだ。

「とりあえず行軍できるように練習することですな」
「行軍ね」

先ほどと違い、たった一つ名前をつけただけで彼は驚くほど従順に、そして思うがままに操れる。
私が進んで欲しいと思えば進み、止まれと思えば止まってくれる。

「お見事なものですな」
「チハが賢いからねん」

こうして私の騎獣が決まり、ほかのお馬さんと違って訓練も殆どいらない素敵な様子だったのでパレードの日程は殆どほかの騎士の騎獣に私とチハを慣らす事に費やすことになった。
お馬さん達を訓練する為に音や金属に慣らせるらしいが、そんなレベルに何故か私がいるんだよね。

「どうどう!怯えるんじゃない!」
「ぐっ!どうして彼女に怯えるんだ!」

棒立ちで遠い目をする私を他所に私を囲むように整列した騎士さん達が自分の愛馬を叱咤し、どうにか落ち着かせようとしている。パレード用の大人しいお馬さんだから勘弁してあげてほしいけど私が居る以上避けては通れないんだよね・・・御免ね。
そんなこんなで騎士さん達には要らぬ苦労をかけたがオジさんの愛馬は老馬ながら賢く、私には怯えなかったし、お坊ちゃんの乗る馬車には軍馬を使うとの事で私を心配する必要はないので一安心。

「はぁ・・・やっぱり私が出ないほうがいいんじゃないかなぁ」
「ですがそれではパレードの最中殿下が無防備になりますぞ」
「まあ、約束しちゃったしね」

悪戦苦闘する騎士さん達を眺めながら修練場でボーっとしていると今度は見たことのない格好の騎士さん達がやって来た。あれは誰だろう?赤を基調とする近衛騎士達と違い青を基調とした制服と剣を携えている。ただちょっとばかり嫌そうな顔をしているね。

「あの人達は?」
「クロンスタット騎士団ですな、実力で取り立てられる我等近衛騎士団と違い彼らが重視するのは血筋や地位といったもので我らとは水と油です」
「なるほど、まあ仕方ないよね」

たたき上げのオジさん達と違い彼らは権威主義のようだ。世襲でありながら王様が勲功を上げて
初めて継承権を認められると言う厳しい条件の元に選ばれる。そんな王様や正統な王族とも合わないはずだが貴族というのは得てしてそういうものなのだろうか。
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